こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。

歴史の年号ってどうやって覚えさせたらいいですか?
何かいい教材はありませんか?
お母様・お父様から、歴史の年代暗記についてご質問を受けます。
同じようにお悩みの子どもたち、お母様・お父様も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、
- なぜ歴史の年号を覚えた方が良いのか
- ゴロ合わせのメリット・デメリット
- 年代暗記のおすすめ勉強法
- 年代暗記のおすすめ教材
がわかります。
歴史の年代を覚えて、歴史を得点源にしましょう!

元塾講師・現プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
【歴史】年号を暗記した方がいい理由

まず、どうして年号を覚えておいた方がいいのか、確認しておきましょう。
歴史の年代を暗記しておいた方がいいのは、
- 時代の流れを理解しやすくなる
- 問題を解きやすくなる
という主に2つの理由があります。
※社会の勉強法については、こちらの記事もどうぞ↓
時代の流れを理解しやすくなる
歴史上のできごとが起きた年を知っていると、時代の流れをつかみやすくなります。
年を正確に覚えていなくても、ある程度把握しているだけでも、時代のイメージがつかみやすくなります。
たとえば、「13世紀(1201年~1300年)はどんな時代?」と問われたときに、ぱっと答えられるでしょうか?
ある程度の年代を覚えていれば、
- 1192年:源頼朝が征夷大将軍に任じられる
- 1221年:承久の乱が起こる
- 1232年:御成敗式目が定められる
- 1274年:文永の役(元寇)
- 1281年:弘安の役(元寇)
- 1333年:鎌倉幕府がほろぶ
という鎌倉幕府の盛衰がイメージしやすいですね。
もちろん歴史の流れを理解しているからこそ、年代を覚えやすいという一面もありますが、理解と暗記がお互いに機能しあえば心強いでしょう。
問題を解きやすくなる
年号を覚えているということは、「頭の中に年表ができている」のと同じです。
頭の中に年表ができていれば、問題も解きやすくなります。
たとえば、東大寺学園中2024年度入試で、次のような正誤問題が出題されました。
[設問資料]推古天皇十五年……大礼の小野妹子を中国に派遣し…十六年…(中略)客人の裴世清が帰路についた。(以下略)
[正誤文b]「文林郎」など中国の官職を参考にして、「裴世清」が帰国したのちに、日本でも官僚制度として冠位十二階が整えられた。
東大寺学園中2024年度入試より引用
設問の資料によると「推古天皇十五年」に小野妹子が隋に派遣されたことから、「推古天皇十五年=607年」だと判断できます。
ですので、「十六年」というのは608年と予想できますね。
一方、正誤文の冠位十二階は603年に定められています。
ということは、「裴世清が帰国したのち」ではなく、その前に冠位十二階は制定されていたので、正誤文bは誤りとわかります。

難しいやん…
冠位十二階と小野妹子派遣の年を覚えていないと、解けない問題です。
「冠位十二階が定められたのは何年ですか?」と直接年を問われる問題は少ないです。
でも、年を覚えていないと解けない・解きにくい問題が出題されます。
ゴロ合わせのメリット・デメリットは?

年号を覚えるときに、「ゴロ合わせ」を使う受験生は多いですね。
語呂合わせを使って勉強を乗り切ったという、お母様・お父様も多いのではないでしょうか。
ただ、ゴロ合わせにもメリット・デメリットがあります。
メリット・デメリットを理解した上で、ゴロ合わせを使うことが大切です。
ゴロ合わせを使うメリット
ゴロ合わせを使って暗記する最大のメリットは、もちろん
記憶に残りやすい
ということです。
できごとを上手く表現していたり、思わず笑ってしまうようなゴロだったりすると、一発で覚えられます。
- 白紙(894)に戻そう遣唐使の廃止
- いちごパンツ(1582)で本能寺
- いくさ長引く(1937)日中戦争
などは、有名ですし、絶妙なゴロですね!
歴史だけでなく、火成岩の分類(新幹線はカリアゲ)などでも、ゴロ合わせは活躍します。
印象的なゴロ合わせは、覚えやすく忘れにくいので便利ですね。
ゴロ合わせを使うデメリット
一方、ゴロ合わせを使って覚えるデメリットは何でしょうか?
年代をゴロ合わせで暗記するデメリットは、
4ケタの数字を覚えるために、もっと長いフレーズを覚えなければいけない
ということです。
さきほど例に挙げたのは、絶妙で覚えやすいゴロ合わせでした。
でも、中には覚えにくいゴロ合わせもあります…
ただでさえ暗記には「脳の容量」を使わなければなりません。
それなのに、年号という4ケタに数字を覚えるために、ゴロ合わせというもっと長いフレーズで脳の容量を使うのは、コスパが良くありません。
なので、子どもたちの中には、

暗記のためのゴロ合わせの方が覚えられへん!
という子もいます。
ですので、すべての年をゴロ合わせで丸暗記するのは、非効率だと言えるでしょう。
【歴史】年号のおすすめ勉強法

ゴロ合わせのメリットとデメリットを踏まえたうえで、どうやって歴史の年号を覚えればいいのかを考えていきましょう。
年号のおすすめ勉強法は、
- 歴史の流れを理解する
- 五感を通して慣れる
- 問題でアウトプットしながらインプットする
- ゴロ合わせを使って覚える
というステップです。
順番に見ていきましょう。
歴史の流れを理解する
さきほどお話した通り、すべての年代をゴロ合わせで丸暗記するのは効率が悪いです。
理解がともなっていない丸暗記は、覚えにくく、忘れやすい。
まずは、歴史の流れを理解することが大切です。
歴史の流れを理解するには、
- 学校・塾の授業
- 解説動画
- 教科書・本・マンガ
などが役に立ちます。
ドラマ・映画・アニメ・マンガって、けっこう話の流れを覚えているものです。
それは、ストーリーに因果関係があるからです。
「こういうできごとが起きたから、こんな結果になった」と理解できれば、覚えやすく忘れにくくなりますね。
さきほどの鎌倉時代の例なら、
後鳥羽上皇が承久の乱を起こす
↓
北条政子が御家人に結束を呼びかける
↓
乱後、幕府は六波羅探題で朝廷・西国を監視する
という流れ(因果関係)を理解していれば、後鳥羽上皇・承久の乱・北条政子・六波羅探題というキーワードを、芋づる式にインプットできます。
五感を通して慣れる
また、歴史の流れを理解するときに、「五感」を使うのもおすすめです。
五感というと、
視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚
ですね。
五感をフル稼働させると、記憶の定着しやすくなります。
教科書・テキストを読むことも大切ですが、それだけだと資格からの文字情報にばかり頼ることになってしまいます。
資料集やマンガを見ることで、その時代のイメージをビジュアルで理解することができますね。

百聞は一見に如かず!
また、解説動画・ドラマなどを見ることで、耳からも情報を得られます。
耳で勉強するのが得意な子は、音声データを何度も聞くのもいいでしょう。
触覚に関しては、単に教科書を眺めているよりも、手を動かして学習した方が覚えやすい子もいます。
次に紹介するように、実際に手を動かしながら問題を解くといいでしょう。

味覚・嗅覚は勉強で使いにくいけどな
ただ、得意な感覚は人によって違います。
その子にとって、得意な感覚を使ってあげることで、理解しやすくなります。
問題でアウトプットしながらインプットする
ストーリーは聞いたり読んだりしただけでは、忘れてしまいます。
記憶に定着するように、何度も出会う必要があります。
学んだことを忘れないようにするために、宿題などの反復練習があります。
問題を解いて、何度も出会ううちに、脳は「何度も出会うから大切なことなんだろうな」と錯覚してくれます。
つまり、問題を解いて知識をアウトプットしているうちに、知識をインプットしやすくなるということですね。
たとえば、「645年:大化の改新」なんかは、しょっちゅう出題されます。
わざわざ「むしころしの大化の改新」というようなゴロを使わなくても、覚えている子は多いです。
無理にゴロ合わせを使って暗記する前に、自然に覚えられる年に関しては、自然に身につけてしまうのが1番良いんです。
ゴロ合わせを使って覚える
自然に覚えられない年代に関しては、ゴロ合わせを使いましょう。
ただし、覚えなければならない年号はたくさんあります…
優先順位をつけて、暗記するのがベターです。
覚えるべき優先順位は、
- 時代の区切れ目になる年
- 重要なできごとが起こった年
- 難関校志望の子はその他の年も
です。
時代の区切れ目になる年
時代の流れを把握する上で、時代の区切れ目になる年は覚えておきましょう。
歴史が苦手な子は、時代の順番がぐちゃぐちゃになってしまっています…
明治時代までの時代の始まりと、覚え方についてはこんな感じで覚えましょう↓
<時代> | <年> | <覚え方・語呂合わせ> |
縄文時代 | 1万年前 | – |
弥生時代 | 紀元前3世紀ころ~紀元後3世紀ころ | 3月の月の異名は弥生です |
古墳時代 | 3世紀後半~ | ※直前の弥生時代が3世紀頃までと覚えておけばOK |
飛鳥時代 | 593年~ | 聖徳太子はコックさん |
奈良時代 | 710年~ | なんと見事な平城京 |
平安時代 | 794年~ | なくようぐいす平安京 |
鎌倉時代 | 1185年(1192年)~ | いい箱(いい国)作ろう鎌倉幕府 |
建武の新政 | 1334年~ | ひとりさみしい建武の新政 |
南北朝時代 | 1336年~ | いざ去ろう吉野へ |
室町時代 | 1338年~ | いざ都で尊氏将軍 |
戦国時代・安土桃山時代 | 1467年~ | 人よむなしい応仁の乱 |
江戸時代 | 1603年~ | 家康はヒーローさ |
明治時代 | 1868年~ | ひとつやろーや明治維新 |
時代の順番を覚えておけば、頭の中に各時代の「引出し」ができます。
各時代の人物やできごとを、その「引出し」の中に入れていくイメージで勉強しましょう。
もし、時代を覚えていなかったり、順番がぐちゃぐちゃだったりすると、人物や出来事などの用語を整理することができません。
重要なできごとが起こった年
時代の区切れ目の年を覚えたら、次に重要なできごとが起こった年を、暗記していきましょう。
「重要なできごとが起こった年」というのは、
- 法律・制度が制定された年
- 乱・戦争が起こった年
- 条約が結ばれた年
などですね。
法律・制度が制定されたときというのは、その時代の政治体制を作ったり、立て直したりする重要な年です。
大宝律令・墾田永年私財法・武家諸法度・参勤交代・廃藩置県・大日本帝国憲法など、どれも各時代を学ぶ上で不可欠なルールです。
乱・戦争が起こるときも、時代の転換点になる大切な年になることが多いです。
平治の乱・承久の乱・元寇・応仁の乱・関ヶ原の戦い・西南戦争・日清戦争・日露戦争など、時代のターニングポイントになっています。

ほんまやな
時代の順番を覚えて、時代の「引出し」を覚えているので、人物やできごとを頭の中の「引出し」に入れていきましょう。
もちろん歴史の流れ(ストーリー)を理解しながら暗記することで、効率よく覚えられますね。
くり返しになりますが、くれぐれも用語やゴロの丸暗記にならないように、ご注意ください!
難関校志望の子はその他の年も
中堅校までの場合には、この辺りの年号暗記までで対応できます。
「ペリーは来航は西暦何年に来航しましたか?」と、重要なできごとであっても、直接「年」を問われることは少ないからです。
それよりも、きちんと歴史の流れ・人物・できごとを覚えていて、アウトプットできるようにしておくことが大切です。
一問一答の問題集などを使って、しっかりとアウトプットできるように仕上げておきましょう。

問題集の基本問題で、ある程度の入試問題はカバーできます!
ただ、難関校を志望している場合には、細かい年まで覚えておいた方がいいでしょう。
さきほどの東大寺学園中の入試問題のように、年号を覚えているのが前提という問題が出題されます。
年号を覚えたうえで、
- 記号選択・正誤
- 年代の並び替え
- 記述問題
などが出題されます。
中学受験だけでなく、高校受験や大学受験も同様ですね。
難関校を志望する子は、細かい年代まで覚える暗記力や対応力を持ち合わせています。
細かい年代までインプットしておくことで、難関校の難問まで解けるようになります。
また、覚えにくい年代に関しては、自分オリジナルの語呂を作ってみるのもおすすめです。
自分で考えたゴロ合わせだからこそ、覚えやすく、忘れにくくなります。
【歴史】年代暗記のおすすめ教材

最後に年代暗記におすすめの教材をご紹介しておきます。
ただ、市販の教材に手を出す前に、手持ちの教材をしっかりとやり込むことが大切です。
- 学校の教科書・副教材
- 塾のテキスト・問題集
さきほどお伝えした通り、まずは教科書やテキストで歴史の流れを理解しましょう。
場合に応じて、動画やドラマ・マンガなども、歴史のストーリーを理解するのに役立ちます。
各出版社からマンガ版も販売されていますね。
漫画なら絵を見て、ビジュアルでその時代を理解しやすいでしょう。
「マンガなら読みやすい!」という子には、歴史マンガもおすすめです↓
また、読むだけでは、力はつきません。
問題集を解いて、知識をアウトプットできるように身につけることも大切でしたね。
学校の副教材や塾の問題集の基本問題を、すらすら答えられるように仕上げていきましょう。
※中学受験(小学生)におすすめの社会の教材については、こちらの記事をご覧ください↓
※高校受験(中学生)におすすめの社会の教材については、こちらの記事をご覧ください↓
年代のゴロ合わせについても、塾で購入している教材があるなら、まずはその教材をやり込むことをおすすめしています。
年号ゴロ合わせの教材を塾で購入していなかったり、配布されているけれどいまいちという場合には、市販の教材を使ってもいいでしょう。
中学受験(小学生)向けのものとしては『マンガとゴロで覚える!100%丸暗記 小学歴史年代』などがおすすめです↓
カラーのイラストと、5・7・5のリズムの語呂で、楽しく読めます。
また、年号や重要なできごと・人物などは、赤シートで隠して覚えられるようになっています。
ポケットサイズなので、持ち運びにも便利です。
※『マンガとゴロで覚える!100%丸暗記 小学歴史年代』のレビュー記事はこちらです↓
この『マンガとゴロで覚える!100%丸暗記』シリーズは、高校受験(中学生)向けもあります↓
中学生版なので、世界史の内容も含まれています。
表紙がそっくりなので、お間違えなく(笑)。
大学受験(高校生)向けの「日本史」バージョンもありますよ↓
まとめ:【歴史の年号暗記】年代の覚え方&教材をプロ家庭教師が紹介!
歴史の年代を覚えておくことで、理解も深まりますし、解ける問題も増えます。
ただし、ゴロ合わせや丸暗記は、非効率な場合があるので注意が必要です。
まずは、歴史の流れ(ストーリー)を理解した上で、用語を覚えるのがおすすめです。
そうすることで、覚えやすく、忘れにくくなります。
まら、問題集なども活用して、しっかりと知識をアウトプット(問題を解ける)ようにしておくことも大切です。
歴史の年代を味方につけて、社会を得意教科にしてしまいましょう!