こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
私立大学附属の中学・高校に行かせた方がいい?
デメリットもあるの?
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 私立大学附属の中学・高校に通うメリット・デメリット
がわかります。
中学受験でも高校受験でも、大学附属の系列校は人気ですよね。
私自身は国立大学附属の中・高に通っていたので、その経験も少しお話します。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
大学附属の中学・高校に通うメリット4つ
まず、大学附属の私立中学・高校に通うメリットから見ていきましょう。
私立大学の系列校に通うメリットは?
- 大学受験をしなくていい
- 内部進学のための勉強に専念できる
- 知っている仲間と大学に入学できる
- 大学受験よりも小・中・高校受験の方が入りやすい学校もある
の4つです。
1つ1つ見ていきましょう。
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
大学受験をしなくていい
まず、最大のメリットは、有名な私立大学に内部進学できることですよね。
昔から「エスカレーター式」とよく言われていますが、大学受験をせずに入学することが可能です。
中には、附属小学校から大学まで内部進学し続ける子もいます。
めっちゃええやん
特に最近は2021年度入学者から大学入試制度が変わり、まだまだ過渡期にあります。
センター試験から変わった共通テストが難しいですし、英検などの外部検定を導入するかモメたことも記憶に新しいですよね。
見通しが立たない、不透明な大学受験にチャレンジさせるよりも…
入試システムや出題傾向がわかりやすい中学受験・高校受験で大学附属校に行かせた方が安全かも
とお母様・お父様がお考えになる気持ちもよくわかります。
内部進学のための勉強に専念できる
系列大学に内部進学をするためには、内部進学のための条件をクリアしておく必要があります。
多くの大学の内部進学の条件としては…
- 出席日数
- 成績(単位・評定)
があります。
近年、英検などの外部検定を進級の条件にする附属校も増えてきています。
でも、出席日数と成績が内部進学の条件って、普通の高校の進級条件と変わらないですよね。
言い換えれば、学校内での成績をきちんと確保しておけば、特別に大学受験の勉強をしなくてもいいということです。
これまた、ええやん
「大学の系列校でのんびりと中学・高校生活を送らせてあげたい」とお考えのお母様・お父様も多いですよね。
勉強以外の活動にも、のびのびと取り組みやすいでしょう。
関西大学の系列校の特集記事はこちら↓
知っている仲間と大学に入学できる
大学に入学すると、一般的に人間関係がリセットされます。
学部やサークル・クラブで、新しい人間関係を作っていかなければなりません。
もちろん新しい交友関係ができるのはいいことですが、新しい人間関係を作るのが苦手な人もいます。
私もスーパー人見知りなので、気持ちはよくわかります
大学附属の系列校であれば、よく知っている仲間といっしょに内部進学ができます。
一般教養、学部の専門講義、体験入部やアルバイト選び…
大学に入ると、新しい環境に慣れなければなりません。
そんなときに相談できる友達が初めからいるのは心強いものです。
この記事と重複する部分もありますが、中高一貫校のメリット・デメリットについては、こちらの記事もどうぞ↓
大学受験よりも小・中・高校受験の方が入りやすい学校もある
以前、中学受験大手塾SAPIXで勉強して中学受験した子どもたちの卒業大学の中央値が、MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)に届かないということが話題になりました。
え?
中学受験でハイレベルの勉強をすれば、MARCH以上に行けるんじゃないの?
そのように感じるお母様・お父様も多いかもしれません。
ただ、中学受験したあと入学してから、子どもたちの成績って大きく変動します。
最難関中に合格しても入学してから全然勉強せずに留年するかどうかの瀬戸際にいる子もいます。
高校受験でも同様です。
どんなに難関の名門中学に入学したからといって、その後の取り組み方次第で良いほうにも悪いほうにも転ぶわけです。要するに、高校以降の進学先は『SAPIX小学部』が関与していない本人次第の部分にもかかわらず、『SAPIX出身者の卒業大学の中央値がMARCH以下』という結果だけを見て、コスパを論じることには、少し無理があるように思います
SAPIXの実態…出身者の卒業大学の中央値はMARCH以下?中学受験の塾選びの罠
「名門指導会」代表の西村則康先生も、そのようにおっしゃっています。
つまり、有名な私立国立の中学校・高校に入学したとしても、モチベーションと成績を維持して、難関大学に合格するのは、けっこう難しいというわけです。
一方、中学受験や高校受験では、大学受験ほどハードルが高くない附属校もあります。
逆に言えば、難関大学の系列校から内部進学するのは、やはり「お買い得な作戦」だと言えます。
実際、私も関西の高校生を担当しますが、関関同立に合格するのって、けっこうハードル高いです(関関同立:関西大学・関西学院大学・立命館大学・同志社大学)
受験後に成績が低迷する、いわゆる「深海魚」現象について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
大学附属の中学・高校に通うデメリット4つ
では、大学附属の私立中学・高校に通うデメリットは何なのでしょうか?
私立中学の系列校を選ぶデメリットは…
- 進級の条件が厳しい学校もある
- 希望通りの学部に入学できるとは限らない
- 系列大学以外を受験しにくい
- 高校までの人間関係を引きずるかもしれない
の4つです。
掘り下げて見ていきましょう。
進級の条件が厳しい学校もある
さきほど「エスカレーター式」という表現を使いましたが、実際には自動的に内部進学できるわけではありません。
- 出席日数
- 成績(単位・評定)
- 英検などの外部検定
といった進級と内部進学の条件を、クリアしなければなりません。
有名大学としては、ネームバリューを維持するために、大学生の学力レベルを下げるわけにはいきません。
ですので、一般的な高校よりも、英検などの外部検定を進級条件にするなどハードルを高くしている高校もあります。
楽ちんではないねんな…
また、大学附属の系列校に限ったことではありませんが、中学受験や高校受験が終わって、勉強しなくなってしまう子が一定数います。
入学してから勉強しなくなってしまうと、当然成績は下がってしまいます。
すると、「せっかく大学の附属校に合格したのに、留年するかも…」というピンチにおちいってしまうこともありえます。
ですので、附属校に入学できたからといって、大学まで安泰というわけではないということは知っておかなければなりませんね。
高校の留年についてはこちらの記事をどうぞ↓
希望通りの学部に入学できるとは限らない
大学選びは「学部・学科選び」でもあります。
中学受験や高校受験と違って、大学受験は「学びたい専門分野」を選ぶプロセスですね。
ただ、附属校に通うと、希望通りの学部に入学できるとは限りません。
え?
そうなん?
大学に内部進学するときには、いわゆる「内部推薦制度」を使って入学します。
そのときに、高校での成績順で学部を選べるようになっている附属校がほとんどです。
つまり…
- 高校で成績がよければ、自由に学部が選べる
- 高校で成績が悪ければ、希望の学部を選べない
という可能性が出てきます。
興味のない学問を、大学で学び続けるのはイヤですよね…
ですので、希望する学部に進学したい場合には、高校での成績はきちんと取っておかなければなりません。
内部進学も楽ではない!
ただ、大学附属校に通っていると、大学受験の予備校・塾には通いにくいものです。
やっぱり、大学を受験する受験生たちと、モチベーションが違います。
また、内部推薦の資格を得るために、しっかりと定期テスト対策をする方が大切です。
ですので、大学附属校に通われる場合には、個別指導や家庭教師がおすすめです。
系列大学以外を受験しにくい
附属校では、内部進学を希望する子がほとんどです。
そんな中で「絶対に他の大学を受験する!」と強い気持ちを持ち続けることは大変です。
系列大学に進学する友達に流されて「オレも内部進学でいいかな…」となりがちです。
オレ、そのタイプやわ
また、系列大学以外の他の大学を外部受験する場合、「内部推薦制度」の資格を放棄しなければならない高校もあります。
つまり、他の大学を受験するなら、内部推薦・進学はできなくなるということです。
そんな2択を迫られたら、内部推薦の資格を放棄したくはなくなりますよね…
人間、何かを得るよりも、失うことの方がイヤなものです…
中には、附属校に通っている間に、将来の夢が来ます(変わる)子もいます。
たとえば、「医学部に進みたいと思ったけれど、系列大学には医学部がなかった!」ということもありえます。
そういう場合には、せっかくの内部推薦の資格を捨てて、他の大学を受験する必要がありますね。
高校までの人間関係を引きずるかもしれない
知っている仲間と、大学生活をスタートできることはメリットでもあるのですが、デメリットにもなりえます。
もし、附属校で友達関係がうまくいっていなかった場合、その交友関係を引きずってしまいます。
大学に入学すると、いわゆる「大学デビュー」したい子もいます。
髪の毛染めて、おしゃれして、イメチェンしたいやん。
え?イメチェンは死語?
でも、知っている子がたくさんいる系列大学では、なかなか高校時代のイメージを変えることに苦労するでしょう。
もちろん大学からの新入生も多いので、高校時代の友達関係は薄れはしますね。
【体験談】国立大学の附属校の注意点
最後に私自身の体験談を書いておきますね。
私は、大阪にある国立大学の某附属中・高に通っていました。
大学の附属校ではありますが、系列の教育大学に内部進学することはできません。
内部進学できるのは高校までで、大学は自力で受験しなければなりません。
教育大学の実験校的な役割でした。
教育実習生もドバドバ来ます。
ただ、附属小から附属中、附属中から附属高には、自動的に進学できるわけでもありませんでした。
当時は、成績が下位3分の1程度の子たちは、連絡進学できないシステムになっていました。
そして、中学受験・高校受験で合格した子たちが、抜けた約3分の1の欠員を埋める形で入学します。
最近は、他の難関高校を受験して抜ける成績上位の子も多いとか…
ただ、そこで興味深いことが起こります…
中学受験をくぐり抜けて入学するので、3分の1の新メンバーは入学段階では上位に食い込みます。
でも、中1から中3まで定期テストを重ねるごとに、だんだんと成績が下がってくる子が多いんです…
で、せっかく中学受験したのに、他の高校に出ないといけない子はけっこう多かったです。
私も中学入試後は上位1割くらいでしたが、高校に内部進学したらは下から3割くらいになりました(笑)
また、高校受験で優秀なメンバーが3分の1ほど入学して、上位に食い込むのですが、同じことが起こります。
高1から高3まで定期テストを重ねるごとに、内部生と外部生の成績ってシャッフルされていきます。
高1で低迷した私も、高3では全国模試で名前が載るくらいに浮上しました。
あ、自慢や。
感じ悪いな。
おとなになると、誰にも褒めてもらえないから、自分でアピールしないとね!
褒められて伸びるタイプです
私が通っていた(ほぼ)中高一貫の大学附属校の話ですが、私立の大学附属校でも同じことが起こりえます。
中学受験や高校受験で入学してきた段階では、成績上位に食い込んでいる。
でも、時間がたつと、集団の2割はサボるという「働きアリの法則」ではありませんが、必ず成績が変動します。
結局は…
内部進学でも自分が勉強するかしないか
が、入学後の成績を左右する、そして、大学への連絡進学を左右するということです!
まとめ:私立大学の系列校に通うメリット・デメリットと内部進学の注意点
私の体験談を交えつつ、大学附属校のメリットとデメリットを紹介してきました。
「大学附属校って、入学してからもハードなのか…」と感じた方もいらっしゃれば、
「大学附属校って、やっぱりお買い得!」と感じたかたもいらっしゃることでしょう。
附属校にしろ、他の学校に通うにしろ、入学してから自分が何をするかが大切であることには変わりありませんね。
みさなんの、学校選びの参考になれば幸いです!
内部進学のための定期テスト対策には、どんどんカリキュラムを先取りする予備校よりも、個別指導や家庭教師が有効です。