こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
中学受験の社会にはどんな教材を選べばいいの?
おすすめの市販の教材を知りたい…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
私が担当するご家庭におすすめしているのが、メモリーチェックです↓
今回の記事では…
- メモリーチェック社会のメリット
- どんな子にメモリーチェック社会がおすすめか
- メモリーチェック社会の効率的な使い方
- メモリーチェック社会の注意点
がわかります。
社会は味方につけると、とても頼もしい教科です。
自分に合った教材、自分に合った使い方で、社会を得点源にしてくださいね!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
【日能研】社会メモリーチェックとは?
まず、メモリーチェックがどんな教材なのかを紹介しておきますね。
メモリーチェックは、中学受験塾の大手「日能研」が使っている、まとめ用の教材です。
日能研のオリジナル教材を、書店でも売ってくれています。
関西の塾って、塾オリジナルのテキストを出版してくれへんから助かるわ
基本的なテキストの構成は、左ページに「要点のまとめ」として、各単元の重要事項が主に箇条書きでまとまっています。
右ページに「ポイント・チェック問題」があり、知識をアウトプットできるように作られています。
地理・歴史・公民のすべての分野が収録されています。
日能研ではひと通り単元を勉強し終わる、6年生の中頃から使い始めるようです。
つまり、一度学んだ単元の総まとめ・総復習として使われます。
私は日能研の関係者ではありませんが、使い勝手がいいので使わせてもらっています
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
社会メモリーチェックのメリット
まず、メモリーチェックを使うメリットから見ていきましょう。
メモリーチェック社会の使いやすい特徴としては…
- 各単元が見開きでまとまっていて復習しやすい
- 各単元25問くらいの問題にしぼられている
- 文章の穴埋めをしながらアウトプットできる
- 解答が別冊で取り外せて見やすい
- 弱点診断テストで苦手をチェックできる
の5点です。
掘り下げて見ていきましょう。
※社会の勉強方法・暗記法について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓
各単元が見開きでまとまっている
メモリーチェック社会は…
- 地理分野:36単元
- 歴史分野:27単元
- 公民分野:17単元
の合計80単元に分かれています。
どの単元も見開き2ページおさまっています。
どの単元も、さきほど紹介した通り…
- 左ページ:要点のまとめ
- 右ページ:ポイント・チェック問題
という構成になっており、左ページで各単元の重要事項が確認できます。
右ページの問題では、知識がアウトプットできるかチェックできるようになっています。
塾のテキストでは、1つの単元が何ページにもまたがっていて、分厚くなったり、分冊になったりします。
でも、メモリーチェック社会は見開きでコンパクトにおさまっているので、短時間で復習しやすいです。
各単元25問くらいの問題にしぼられている
右ページには、「ポイント・チェック問題」が載っていると書きましたが、各単元25問くらいにしぼられています。
この「25問くらい」というのが、絶妙な数なんです。
社会が苦手な受験生にとっては、何十問も一問一答があるとしんどいですよね…
たくさんの用語を網羅したい気持ちはわかりますが
でも、メモリーチェック社会では、重要な問題がある程度しぼりこまれています。
ですので、まずは重要な語句を確実にインプット(アウトプット)できます。
文章の穴埋めをしながらアウトプットできる
一般的な問題集の一問一答形式の問題って…
(18)紀元前1世紀には、日本の奴の国の王は、中国から国王の印として何をもらいましたか。
(19)3世紀に中国に使いを送った邪馬台国の女王は誰ですか。
(20)(19)のことが書かれているのは、何という歴史書ですか。
という、設問1つに対して、1つ答えるタイプですよね。
もちろんこういう一般的な一問一答も悪くはありません。
ただ、一問一答の場合、問われる角度が変わると解けなくなる子がいたり、テキストに出てくる「場所」で用語を覚えてしまったりする子が多いものです。
知識はストーリー(因果関係)を理解したほうが、覚えやすく、忘れにくいものです。
メモリーチェック社会では、たとえば…
(8)中国の歴史書によると、紀元前【 タ 】世紀の日本は100あまりの国に分かれていたようです。紀元前1世紀には、日本の奴の国の王が中国に使いを送り、国王の印として【 チ 】をもらったことが記されています。3世紀には【 ツ 】の女王【 テ 】が中国に使いを送ったことが「【 ト 】」という歴史書に記されています。
メモリーチェック社会 p105
というように、文章の穴を埋める形で問題が出題されます。
文章を読みながら、キーワードを埋めていくので、ストーリー(因果関係)を理解しながら覚えやすくなります。
どういう文脈で、その用語が使われるのかを知ったうえで、覚えることが大切です。
もちろん一般的な一問一答形式の問題も、メモリーチェック社会には含まれています
解答が別冊で取り外しやすい
どんな問題集もそうですが、解答がテキストにくっついていると、めくりながら丸つけをしないといけないので不便ですよね…
メモリーチェック社会は、別冊解答になっています。
ですので、テキストやノートに横に、解答集を並べて勉強できます。
弱点診断テストで苦手をチェックできる
メモリーチェック社会には、1番初めに「弱点診断テスト」が収録されています。
- 地理:問題数108題
- 歴史:問題数81題
- 公民:問題数51題
計240問もあります。
その「弱点診断テスト」を解けば、どの単元が手薄なのかが発見しやすくなっています。
苦手な単元を優先的につぶしていきたいときには、先に「弱点診断テスト」を解くといいですね。
一方、ひと通りメモリーチェックを学習し終わってから、最終チェックとしても使えて便利です。
どんな子に社会メモリーチェックはおすすめ?
では、どんな受験生に社会のメモリーチェックはおすすめなのでしょうか?
メモリーチェック社会がぴったりなのは…
- ひと通り各単元を学び終わった受験生
- 塾のテキストを持て余している社会が苦手な子
- どんな教材を選べばいいのか困っている塾なし受験生
の3タイプです。
1つずつ見ていきましょう。
ひと通り各単元を学び終わった受験生
本家の日能研が、6年生の中頃からメモリーチェックを使っているように、ある程度各単元を学び終わってから取り組むのがスタンダードです。
塾で習っても、だんだんと忘れていってしまうものです。
忘れてしまうのは仕方がありません。
どうやって思い出し、記憶に定着させるかが大切ですね。
人間は忘れる生き物やからな
復習するときに、問題数が多いと時間がかかりすぎてしまいます。
算数・国語・理科も勉強しなければならないのに、社会だけにそんなに時間をかけていられません…
メモリーチェックであれば、各単元が見開きでコンパクトにまとまっているので、復習に最適です。
入試前の総まとめや最終チェックにも使い続けることができます。
塾のテキストを持て余している社会が苦手な子
塾の教材は、ハイレベルな入試問題にまで対応できるように、細かい知識まで網羅されています。
解説に見開き2ページ、問題は4ページにまたがったりしているテキストも多いでしょう。
社会が苦手な子にとっては、塾のテキストが重たすぎる場合があります。
情報量が多いと、やる気なくすわ…
でも、メモリーチェックであれば、各単元の重要語句がしぼりこまれています。
さきほど紹介した通り、1つの単元が見開きで解説&問題にまとまっているうえに、25問くらいに問題をしぼってくれています。
まずはこれだけ覚えよう!
という基本事項がはっきりしているので、社会が苦手な子でも取り組みやすいはずです。
社会の知識がまだ定着していない受験生にとっては、入試問題のような総合問題はまだ手がつけにくいでしょう。
メモリーチェックなら単元ごとにまとまっているので、ノンジャンルの総合問題に取り組む前の総整理に最適です。
どんな教材を選べばいいのか困っている塾なし受験生
中には、塾に通わずに自宅で中学受験の勉強をする受験生もいるでしょう。
あるいは、社会は塾では受講せずに、家で取り組むというご家庭もあるかもしれません。
その際、6年生からの総まとめの教材としては、メモリーチェックでカバーできます。
ただ、あとで注意点を紹介しますが、1冊目の社会のテキストとしてはコンパクトすぎます。
コンパクトなのも一長一短です
あくまで総復習の教材として最適なのでご注意ください。
社会メモリーチェックの効率的な使い方
では、メモリーチェックの効果的な使い方を紹介していきましょう。
メモリーチェック社会の効率的な勉強方法は…
- 「弱点診断テスト」で苦手単元をあぶりだす
- 左ページで重要語句を思い出す
- 右ページを読みながら答えを言える
- 漢字で書けるようにする
- 3巡まわす
- 必要に応じて書き込む・復習する
の6ステップです。
1つ1つ見ていきましょう。
「弱点診断テスト」で苦手単元をあぶりだす
中学受験まであまり時間がない場合には、メモリーチェックの先頭に収録されている「弱点診断テスト」で苦手単元をあぶりだすといいでしょう。
あれ…
この単元、忘れていることが多いかも…
と感じたら、そこが手薄になっていた単元かもしれません。
また、地理・歴史・公民に分かれているので、苦手意識がある分野・単元からスタートしてもいいでしょう。
一方、入試まであと1年以上時間がある場合には、「弱点診断テスト」は飛ばして、各単元から学び始めてもOKです。
「弱点診断テスト」は各単元を学び終わってからの、チェックテストとしても使えますね。
左ページで重要語句を思い出す
知識があやふやな単元は、左ページの「要点のまとめ」で重要語句を思い出しましょう。
「要点のまとめ」は主に箇条書きになっているので、どんなキーワードが出てきたのか、ざっと復習します。
ある程度覚えている単元の場合には、いきなり右ページの「ポイント・チェック問題」からスタートして、力試ししてもいいでしょう。
右ページを読みながら答えを言える
さあ、右ページの「ポイント・チェック問題」の使い方が重要です。
さきほど紹介した通り、メモリーチェックでは、文章の穴埋め形式で問題が出題されます。
ポイントは…
空欄だけでなく問題文ごと読む
ことです。
単なる一問一答ではなく、文章の形式になっているので、文脈で用語の使われ方を理解できます。
ストーリー(因果関係)で理解して覚えると、暗記しやすく、忘れにくくなります。
たとえば…
(8)中国の歴史書によると、紀元前【 タ 】世紀の日本は100あまりの国に分かれていたようです。紀元前1世紀には、日本の奴の国の王が中国に使いを送り、国王の印として【 チ 】をもらったことが記されています。3世紀には【 ツ 】の女王【 テ 】が中国に使いを送ったことが「【 ト 】」という歴史書に記されています。
メモリーチェック社会 p105
こういった問題文を、穴埋めしつつ、すらすら読めるようにしましょう。
まずは、「口で答えられる」だけでOKです。
答えがわからない問題は、すぐに別冊の解答を見て構いません。
漢字で書けるのは後回しにしてかまいません。
おそらく2~3巡もすれば、答えを見ずに、すらすら言えるように暗記できると思います。
「答えを見ずに」というところがポイント!
20分もあれば、1単元分の「ポイント・チェック問題」はすらすら言えるようになっているでしょう。
漢字で書けるようにする
漢字で書くのを後回しにするのは、「マルチタスク」を避けるためです。
「マルチタスク」というのは…
同時に複数のことを処理すること
ですが、マルチタスクは脳に負担をかけます。
つまり、用語を覚えるという作業と、漢字を書けるようにするという作業を同時にすると、負荷がかかりすぎてしまう子もいるということです。
ゴトバ上皇の漢字がわからん…
いや、そもそも答えはゴダイゴ天皇かもしれない…
ゴダイゴ天皇も漢字わからんけど…
という感じで、とても効率が悪い暗記になってしまいます。
マルチタスクとして処理するよりも…
- まず用語を覚える
- そのあと漢字で書けるようにする
という手順を踏んだ方が、社会や漢字が苦手な子にとっては、スムーズに進みます。
もちろん基本用語がある程度覚えられていたり、漢字が得意な子は、いきなり漢字を書きながら答えてもいいでしょう。
メモリーチェックには解答欄がないので、ノートに答えを書くようにしましょう。
3巡まわす
どんな問題集も「1巡しておしまい」という使い方はもったいないですよね。
せっかく1巡したのに、きっと忘れてしまうことでしょう。
なんどもその知識と出会うことで、記憶に定着しやすくなります。
何度も顔を合わせて、ママ友・パパ友になる感じやな
ですので、メモリーチェックを3巡することをおすすめしています。
メモリーチェック社会は計80単元に分かれています。
1日1単元進めていけば…
80単元 ÷ 7日/週 ≒ 11週
つまり、約2か月半でメモリーチェックを1巡することができます。
ですので、1日1単元で3巡するには…
2か月半/巡 × 3巡 = 7~8か月
かかる計算になります。
新小6になる2月から始めたら9~10月頃には3巡終わりますね。
2学期は入試問題に取り組み始める時期なので、ちょうどいいでしょう。
また、1巡目は負荷が大きいかもしれませんが、2巡目3巡目は覚えている内容が増えるので、負荷は小さくて済みます。
きっとサクサク進むでしょう。
すると、公開テストや志望校判定テストなどでも、少しずつ結果に現れてくるはずです。
点数として成果が出ると、モチベーションもアップしますね
6年生の夏休みからスタートしても、入試までに3巡可能です。
ただ、入試問題などに取り組みつつ、他の教科の勉強も佳境を迎えます。
それらと並行してメモリーチェックを進めるので、年度後半は負担が大きくなってしまうでしょう。
※関西の中学受験で社会が捨てられがちな件については、こちらの記事をご覧ください↓
必要に応じて書き込む・復習する
メモリーチェック社会の左ページ「要点のまとめ」を、自分用のまとめノートにするのがおすすめです。
わりと余白が広いので、用語の意味や関連する知識をメモしておくといいでしょう。
わからないことが出てきたときに…
メモリーチェックを見たら思い出せる!
という自分だけの参考書に仕上げておくと、入試のときの頼もしい相棒になっているはずです。
また、左ページ「要点のまとめ」に、緑の暗記マーカーで線を引き、「暗記帳」に作り替えるのもいいでしょう。
緑の暗記マーカーで線を引き、赤シート(下じき)で隠すと、左ページ「要点のまとめ」が自分オリジナルの問題集に早変わりです。
社会メモリーチェックの注意点
最後にメモリーチェック社会を使うときの注意点も紹介しておきます。
メモリーチェック社会で勉強するときの注意点は…
- 解説が箇条書きであまり詳しくはない
- 写真やイラストが多くない
- 他の問題集で演習量は必要
という3点です。
掘り下げて見ていきましょう。
解説が箇条書きであまり詳しくはない
メモリーチェック社会は各単元をコンパクトにまとめていますが、コンパクトな分、解説はやや淡泊です。
たとえば、公害を学ぶページでは…
(2)水質汚濁・・・ヘドロ、アオコ、赤潮、富栄養化
メモリーチェック社会 p78
というように箇条書きと列挙になっていて、ヘドロやアオコ、赤潮の説明はありません。
わからない言葉は、塾のメインテキストや学校の教科書で調べる必要があります。
実際には小学生自身が調べ学習をするのは大変なので、おとなが教えてあげるのが速くて現実的です。
写真やイラストが多くない
社会の教材で、写真やイラストを使うには、著作権や肖像権がからみます。
ですので、写真やイラストをたくさん使ってしまうと、教材の値段が高くなってしまいます…
また、メモリーチェックはコンパクトにまとめている教材なので、写真やイラストを載せるスペースはあまりなく、最小限にとどまっています。
でも、社会の用語を理解して覚えるには、「ビジュアル」はとても大切です。
百聞は一見に如かず。
やな
写真やイラストを見た方が、どんな地域なのか、どんな人物なのか、どんな時代なのか、イメージが湧きやすいものです。
ですので、社会の勉強をするときには、小学校の資料集や参考書を参照できるといいでしょう。
市販の中学受験の参考書としては、「自由自在」が定番で有名ですね↓
他の問題集で演習量は必要
また、メモリーチェックは1単元25問くらい載せてくれているとはいえ、入試問題はいろいろな角度から、いろいろパターンで出題されます。
ですので、他の問題集で演習量を確保したほうがいいでしょう。
メモリーチェック社会で暗記しているからこそ、さくさく解ける問題も増えているはずです。
おすすめ問題集・参考書については、こちらの記事もどうぞ↓
塾のテキストやテストで、かつては歯が立たなかった問題に再チャレンジするのもおすすめです。
メモリーチェックを3巡もすれば、かなり正答率も上がるでしょう。
まとめ:メモリーチェック社会の効率的な使い方・注意点
今回の記事では、日能研の総まとめテキスト「メモリーチェック」を特集しました。
教材選びに困っている、私が担当するご家庭には、メモリーチェックをおすすめして指導に使っています。
ぜひうまく活用して、社会を味方につけて、中学受験を有利に戦ってくださいね!