こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
ご家庭で志望校をうかがっていると…
大学附属の中学校を探しています。
大学の系列中学ではどこがおすすめですか?
と、いわゆる「大学附属」や「大学連携」している系列校に、一定の人気があります。
関西圏ならば、「関関同立」や「産近甲龍」などが有名ですね。
今回は、その中から「関西大学」の系列校である…
- 関西大学第一中学校
- 関西大学中等部
- 関西大学北陽中学校
を比較してまとめました。
大学受験では入学しにくい難関校でも、中学受験なら合格しやすい場合もあります。
根強い人気がある関大系列を、検討しているかたの参考になれば幸いです。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
関西大学系列校の立地・アクセス
まず、中学校に通うにあたって、ご自宅からのアクセス、つまり、学校の立地は大事ですよね。
3つの学校の所在地を確認してみましょう。
関西大学第一中学校
・吹田市
・阪急千里線「関大前駅」すぐ
関西大学中等部
・高槻市
・JR京都線「高槻駅」500m
阪急京都線「高槻市駅」500m
関西大学北陽中学校
・大阪市東淀川区
・阪急京都線「上新庄駅」徒歩8分
阪急千里線「下新庄駅」徒歩13分
JRおおさか東線「JR淡路駅」徒歩15分
大阪メトロ今里筋線「瑞光四丁目」徒歩20分
まず、関西大学第一中学校については、阪急千里線「関大前駅」下車すぐで便利です。
阪急千里線は淡路駅で京都線と、十三駅で宝塚線・神戸線と乗り換えられます。
また、阪急千里線は、大阪メトロ堺筋線とつながっているため、大阪市内からも通いやすいでしょう。
関西大学中等部は、JR京都線「高槻駅」と阪急京都線「高槻市駅」両方から500mほどの距離です。
JR高槻駅は新快速が止まりますし、阪急高槻市駅は特急や準急も停車するため、アクセスしやすいでしょう。
関西大学北陽中学校は、阪急線・JRおおさか東線・大阪メトロ今里筋線と、いろいろなルートで登校できます。
6年間通うねんから、通いやすさは大切やな
3校とも大阪府北部(北摂地域)のイメージが強いかもしれません。
しかし、阪急線やJR、大阪メトロなどでつながっているため、大阪府の中南部や、神戸方面・京都方面からのアクセスも可能ですね。
関西大学系列校の進学実績
関西大学系列の中学校を検討されている方は、そのまま関西大学にエスカレーター式に進学しようと考えている方が多いと思われます。
実際に、どれくらいの生徒が、関西大学に進学しているのか見てみましょう。
3校の進学実績は、次の通り…
関西大学第一中学校
卒業生 386名中
関西大学特別入試制度受験 359名(359名合格)
関西大学特別入試制度辞退 27名
関西大学進学 344名
国公立大学進学 14名
他私立大学進学 15名
その他 13名
関西大学中等部
関西大学北陽中学校
関西大学 266名
国公立大学 10名
他私立大学 合計不明
関西大学第一中学校から関西大学に進学したのは、386名中344名、つまり、約89%でした。
359名(93%)が関西大学特別入試制度を活用しています。
特別入試制度を使って、関西大学を受験生した一高生は、全員合格しています(不合格者がいた年度もあります)。
ただ、実際に関西大学に進学したのは、344名ですから、合格したけれども、関西大学に進学しなかった受験生も15名ほどいたようです。
中・高できちんと成績をとっていたら、内部進学できそうやな
関西大学中等部から関西大学に進学したのは、138名中101名、つまり、73%でした。
2年前よりも5%ほど内部進学者の割合が増えています。
関西大学北陽中学校から関西大学に進学したのは、現役生・浪人生含めて266名でした。
3校とも、大阪大学や神戸大学、大阪市立大学・大阪府立大学などの国公立大学にも、若干名進学しています。
また、関西大学には進学せず、同じ「関関同立」の同志社大学・関西学院大学・立命館大学に合格している生徒もいました。
関西大学への進学実績だけを見るならば、関西大学第一中学校が、最も関西大学に進学しやすいと言えます。
校舎も、大学キャンパスの横にありますし
関西大学第一中学校は、1913年に系列校として作られて長い歴史があります。
一方、関西大学中等部は2010年に設立、関西大学北陽中学校は2008年に関西大学と連携しました。
やはり、歴史が長い分、関西大学第一中学校が、関西大学との結びつきが強いのかもしれません。
もし関西大学ではなく、他の大学を受験しようとしているのならば、系列中学校・高校は選ばない方がいいでしょう。
ほとんどの生徒が、エスカレーター式の推薦進学を望んでいる中で、「自分は他の大学を受験するんだ!」という強い気持ちを持ち続けることは、大変なことだからです。
大学附属の中高一貫校に通うメリット・デメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
関西大学系列校の偏差値
次に、3校の偏差値を見ていきましょう。
今回は、進学塾・日能研が一般公開している「2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)」(男子)から抜粋しました。
- 関西大学第一中学校:45
- 関西大学中等部:前期44・後期56
- 関西大学北陽中学校:1次43・2次A48・2次B50
となっています。
関西大学第一中学校は、受験機会が1回しかありません。
関西大学中等部は、2回受験機会があるため、偏差値も2つ出ています。
関西大学北陽中学校は、3回受験機会あるため、偏差値が3つ出ていますね。
前期や後期、1次・2次A・2次Bといった区分が気になっているかたもいらっしゃると思いますので、次は受験日程をくわしく見ていきましょう。
※関西圏の中学受験塾を比較した記事はこちらです↓
関西大学系列校の受験スケジュール・試験教科
3校の受験スケジュールと試験教科をチェックしていきましょう。
関西大学第一中学校
<日程>
2024年1月13日(土)のみ
2教科型(算数・国語)・面接 9:00~12:50(予定)
4教科型(算数・国語・理科・社会)・面接 9:00~16:30(予定)
<合否判定>
2教科型 (算数100点+国語100点)×2=400点満点
4教科型 算数100点+国語100点+理科100点+社会100点=400点満点
→4教科型受験は、2教科型でも判定してもらえる
関西大学中等部
<日程>
前期 2024年1月13日(土)午前
後期 2024年1月15日(月)午前
<合否判定>前期・後期共通
3教科型 (算数100点+国語100点+理科100点)×4/3=400点満点
4教科型 次の①~③の最高得点を合否に採用
①算数100点+国語100点+理科100点+社会100点=400点満点
②(算数100点+国語100点+理科100点)×4/3=400点満点
③(算数100点+国語100点+社会100点)×4/3=400点満点
関西大学北陽中学校
<日程>
1次 2024年1月13日(土) 8:50~12:50
2次A 2024年1月13日(土) 17:00~19:00
2次B 2024年1月14日(日) 16:00~18:00
<合否判定>
【1次】
4教科型 算数100点+国語100点+理科50点+社会50点=300点満点
3教科型 (算数100点+国語100点+理科50点)×1.2=300点満点
2教科型 (算数100点+国語100点)×1.5=300点満点
→4教科型は、3教科型・2教科型でも判定してもらえ、3教科型は2教科型でも判定してもらえる
【2次】
算数100点+国語100点=200点満点
※1次を受験した場合、2次A・2次Bの合計点に、それぞれ10点を加点あり
募集方法に、3校の特徴が見られますね。
関西大学第一中学校は、1発勝負なので、わかりやすいですね。
また、面接試験があるのが、特徴的です。
ですので、4教科型で受験する場合には、夕方まで時間がかかってしまいます。
関西大学中等部は、算数・国語・理科だけでなく、算数・国語・社会の3教科で受験できます。
「理科よりも社会は得意」という受験生には、ぴったりかもしれません。
社会好きに朗報!
関西大学北陽中学校は、1次入試と2次入試では、合否判定の方法が異なります。
2次入試は、算数・国語の試験しかありません。
また、関西大学第一中学校と関西大学中等部は、算数・国語と同様、理科・社会も各100点です。
一方、関西大学北陽中学校は、算数・国語が100点満点であるのに対して、理科・社会は各50点です。
ですので、理科・社会があまり得意でない場合は、関大北陽なら影響が少ないかもしれません。
得意・不得意で戦略が変わってくるねんな
どうしても関西大学系列の中学校に行きたい場合には、うまくスケジュールを組めば、3校とも出願しておくことができます。
たとえば2024年度入試なら…
1月13日(土) | 関大一中(予想偏差45) |
1月14日(日) | 関大北陽2次B(予想偏差50) |
1月15日(月) | 関大中等部後期(予想偏差56) |
という受け方は可能です。
ただし、受験日程が後になればなるほど、ご覧の通り、偏差値が切りあがっていきます。
これは、上位校を受験していた受験生たちが、「併願(すべり止め)」として、レベルを抑えて受験しに来るからです。
また、受験日程が後になると、学校側も人数調整の色合いが濃くなり、募集人数自体が少なく「狭き門」になってしまいます。
特に中等部は、前期と後期で、偏差値がぜんぜんちゃうやん…
ですので、3校の中で、どうしても合格したい系列校がある場合には、最も合格しやすい初日の午前入試を受験しましょう。
日能研の偏差値一覧R4についての特集は、こちらの記事をご覧ください↓
関西大学系列校に行って何をするかが大切
有名大学の系列校に通うと、後が「楽」というイメージがあるかもしれません。
でも、結局は、入学してから、その学校で何を学ぶか&何をするかが大切なのは、他の学校に入学した場合と変わりません。
関西大学への特別入試制度はありますが、きちんと成績を残していなければ、希望通りの学部を選べないはずです。
以前、関西大学第一中学校から関西大学に進学した生徒に、「特別入試制度ってどんな感じなん?」とたずねたところ…
ガラガラポン
ブラックボックスです
と独特の表現で説明されました(笑)。
せっかく中・高・大が連携している学校に行くのならば、有意義な時間の使い方をしたいものです。
他の学生たちが高校受験・大学受験の勉強に時間を費やしている間に、比較的ゆとりを持って、学校生活を送れるはずです。
その時間を使って、将来どんな職業に就きたいのか、どんな道に進みたいのかを模索することもできます。
もちろん、部活動に思う存分打ち込むこともできますし、ジャルジャルのようにお笑いの道に進むこともできます。
(ジャルジャルは関西大学第一高校出身です)
ぜひ、大学連携のメリットを最大限に生かして、有意義な中学・高校生活を送ってくださいね。
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