
こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。

中学で勉強する英文法を総復習するのに、いい教材は何かないの?
そのようにお悩みのかたも多いのではないでしょうか?
市販の教材の中で、中学英文法の復習・予習・学び直しにぴったりなのが、『英文法パターンドリル』です。
私が担当する中学生・高校生の指導でも、使っています↓
今回の記事では…
- 『英文法パターンドリル』の特徴
- どんな人におすすめか
- 『英文法パターンドリル』の効率的な使い方
- 勉強するときの注意点
がわかります。
英語は「積み上げ型」の教科なので、1つの単元・学年でつまずいてしまうと、次の単元・学年に影響してしまいます…
しっかりと英文法の土台を作って、英語力を高めていきましょう!

元塾講師・現プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
『英文法パターンドリル』の特徴は?
まず、どんな市販教材なのか紹介しておきますね。
『英文法パターンドリル』最大の特徴は…
Q1選択問題→Q2並びかえ問題→Q3英作文問題
というパターン問題で、各単元を学習できることです。
英文法を細かく分けて、スモールステップで学べるように作られています。
ですので、各単元(セクション)が見開き2ページで収まっています。
その単元をコンパクトにまとめた解説で全体像をつかめます。
その後、「Q1選択問題→Q2並びかえ問題→Q3英作文問題」の順に、手を動かしながら、理解を深めていくことができます↓

著者は、東進ハイスクール・東進衛星予備校の杉山一志先生です。
この『パターンドリル』はいくつかシリーズで売られています。
- 『中1英文法パターンドリル』
- 『中2英文法パターンドリル』
- 『中3英文法パターンドリル』
- 『中学英文法パターンドリル中学全範囲』
- 『高校基礎英文法パターンドリル』
など、中学の学年別や高校バーションもリリースされています。
この記事では、『中学英文法パターンドリル中学全範囲』を中心に紹介しています。
他のシリーズでも「Q1選択問題→Q2並びかえ問題→Q3英作文問題」というコンセプトは一貫しています。
ドリルで「わかる」から「できる」へ
説明を聞いたり読んだりして「わかる」ことは大切です。
ただ、説明を聞いただけで、自分で「できる」保証はどこにもありません。
実際に自分で問題を解いてみることによって、知識を使いこなせるようになりますね。

スポーツでも音楽でも実際に体を動かさな、身につかへんもんな
『英文法パターンドリル』は、「Q1選択問題→Q2並びかえ問題→Q3英作文問題」というステップを踏みながら、知識が使えるようにトレーニングできます。
また、Q1やQ2で使われた単語や表現を、Q3英作文で使えるように作られています。
ですので、「英作文はちょっとハードルが高い」という人も、まずはQ1・Q2の単語を使ってライティングに取り組めます。
『英文法パターンドリル』はどんな人に向いている?
『英文法パターンドリル』がどんな人におすすめなのかというと…
- 文法を総復習したい中3受験生
- 中学英文法を学び直したい高校生・社会人
- 文法をざっくり予習したい小・中学生
です。
掘り下げて見ておきましょう。
文法を総復習したい中3受験生
まず、高校受験をひかえた中学3年生の英文法の復習として使えます。
英語が苦手な中学生の多くは、中3に原因があるのではなく、中1でつまずいています…
英語は「積み上げ型」の教科ですから、中1で文法の基礎ができていないと、中2・3がよくわからないまま進んでしまいますね。
ただ、中学校の配布される副教材が、文法の総復習に向いていない場合があります。

配布されても、「書き込み式」で繰り返し使えない中学校も多いですね
そういう場合には『英文法パターンドリル』で、単元ごとに復習できます。
頭の中にも「目次」を作るように、文法事項を整理するといいでしょう。
中学英文法を学び直したい高校生・社会人
中学英文法を復習したい高校生にも『英文法パターンドリル』はおすすめです。
高校の英文法は、中学の英文法に「肉付け」する形で学んでいきます。
ですので、高校の英文法をしっかりと身につけるのは、まずは中学の英文法を使えるようにしておかなければなりません。

中1の動詞の使い分けまでさかのぼって復習しなければならない高校生も担当します
また、社会に出てから英文法を復習しないといけないかたもいらっしゃるでしょう。
「昇進にTOEICで600点以上必要になった…」なんてこともありますよね。
ただ、中学の英単語や英文法があやふやなまま、TOEIC公式問題集などを解いても伸び悩むことになります…
また、英会話を学ぶ場合にも、中学の英文法は役に立ちます。

文法を知らなくても、通じるんちゃう?
というか文法を学んでも、みんな話されへんやん
と、文法否定派のかたもいるかもしれません。
ただ、文法を知っている人と知っていない人とでは、どちらの方が成長が速いかといえば、文法を知っている人ですよね。
知っている文法がしっかりと使えるように稼働し始めたら、成長しやすいでしょう。

逆に、中・高の授業では、知っている文法を、英会話で使いこなす練習が欠けているわけですね
特別に難しい英文法を、英会話で使うわけではありません。
まずは中学の英文法を使いこなせるだけで、ずいぶんと表現の幅は広がるでしょう。
『英文法パターンドリル』で文法を整理して学んだあと、森沢洋介先生の『瞬間英作文』などで、文法を反射的に口に出すトレーニングに移ると効果的です↓
文法をざっくり予習したい小・中学生
近年、大学受験・高校受験・中学受験で、英検を活用する学校が増えてきています。
英検の合格級やスコアによって、加点や得点の読み替えをしてくれるなど、優遇されるんですね。
中学受験での英検優遇については、こちらの記事をどうぞ↓
高校受験での英検優遇については、こちらの記事です↓
ですので、英語を先取り学習して、英検合格を目指す、子どもたちが増えてきています。
英検の各級のレベル感はこんな感じ↓
5級 | 中1相当 |
4級 | 中2相当 |
3級 | 中3相当 |
準2級 | 高校中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準1級 | 大学中級程度 |
1級 | 大学上級程度 |
小学生が英検合格を目指す場合、中学の文法内容を先取りする必要が出てきます。
中学生も、自分の学年以上の英検級を目指すなら、英文法の先取りが必要となります。
もちろんリスニングの力や英単語、テクニックで乗り切る子もいます。
でも、級が上がってくると、文法の知識がなければ、文章の読解(リーディング)や英作文(ライティング)で苦戦するようになります。

2024年度からライティングの問題が増えました
文法の予習のときに、『英文法パターンドリル』を使うことができます。
その場合、受験級に合わせた学年のドリルを使うのがおすすめです。
英検5級は、中学1年生の内容なのでこちら↓
英検4級は、中学2年生の内容なので、対策するならこちら↓
英検3級は、中学3年生の内容に相当するので、さきほどから紹介している「中学全範囲」バージョンも使えます。
中学3年生の文法内容にしぼって学習したい場合にはこちら↓
英検準2級以上は、高校の文法内容が出題されるので、高校バージョンが使えます↓
どうせ英検に受検するのなら、余裕を持って合格したいですね。
予習も兼ねて「骨太」な文法力をつけるなら、ドリルでトレーニングを積んでおくといいでしょう。
『英文法パターンドリル』の効率的な使い方
次に、効果的な使い方を見ておきましょう。
『英文法パターンドリル』の効率的な使い方は…
- スタンダードに解き進める
- 解説を読まずに解いて弱点をあぶり出す
- 「確認テスト」で知識を使い分ける
- 「耳」でも文法を学ぶ
の4つです。
自分の目的に合わせて、使い分けたり、組み合わせるといいですね。
1つ1つ見ていきましょう。
スタンダードに解き進める
まず、テキストの流れに沿って各単元を学んでいく、スタンダードな方法です。
その単元を初めて学ぶ場合や、苦手意識が強い人におすすめです。
各単元が見開き2ページで収まっていて、
- 文法の解説
- Q1選択問題
- Q2並びかえ問題
- Q3英作文問題
の順に並んでいるので、そのステップでトレーニングしていきます。
Q1選択問題→Q2並びかえ問題→Q3英作文問題の順にレベルが上がっていくので、じょじょに理解を深めていけます。
解き終わったら、解答集で丸つけをします。
まちがった問題は、なぜまちがったのかを理解してから、次の単元に進みます。
また、まちがった問題はチェックをつけておき、2巡・3巡して自力で解けるようにしましょう。

まちがった問題を放っておいたら、後でえらいことになるで…
解説を読まずに解いて弱点をあぶり出す
もうすでに文法を学んでいる場合には、各単元の解説を読まずに、問題だけを解いていくのもありですね。
解説の部分を隠して、問題を解くことで、自分がその単元を理解しているのか理解していないのかがわかります。
すらすら疑問なく解けて正解できたのなら、その単元はOK!
もし、解けなかったり、正解できたけれども「なんとなく」だった場合には、解説をしっかりと読んで理解しましょう。

いわゆる「まちがい直し」で、まちがった問題を自力で解けるようにするのは大切ですね
「確認テスト」で知識を使い分ける
『英文法パターンドリル』では、各単元をある程度学び終わったら「確認テスト」というページがあります。
例えば、『中学全範囲』バージョンなら、5つの「確認テスト」が入っています。
この「確認テスト」で、これまで学んできた知識がきちんと使えるのかを確かめる必要があります。
というのも、「1つ1つの単元はわかったが、総合問題では解けない」ってことが起こるからですね。
英語が苦手になってしまう中学生・高校生も、この「知識の使い分け」でつまずいている子は多いんです。

三単現はわかったけど、be動詞とふつうの一般動詞を混ぜられたら混乱するわ…
「わかる」と「できる」は別だとよく言われます。
実際に知識を使えるようにするには、使い分けのトレーニングをしなければなりません。
さきほどの例なら、be動詞と一般動詞を習い終わったら、2つの使い分けをする。
三単現を学んだら、それまで学んだbe動詞・一般動詞と使い分ける練習をしましょう。

実はこの「単元と単元のスキマ」が超大切!
「確認テスト」だけでは、やや物足りないですが、学んだ知識を使い分けられるようにすることを心がけるといいですね。
「耳」でも文法を学ぶ
最新版の『英文法パターンドリル』には、QRコードが各ページについています。
スマホを読み取って、各ページに出てくる英文の音声データを再生することができます。
せっかく英語を学ぶのですから、正しい発音で学んだ方がいいですよね。

昔担当した中学生が、famousを「ファモウス」で覚えて、リスニングテストで困っていました…
また、五感をフルに使った方が、理解が深まって忘れにくくなります。
問題を解くだけでは、目で見て、手を動かすだけです(それももちろん大切)。
でも、耳で聞いて、音読して口に出すことで、感覚をフル稼働することができます。
最近の教材は音声データを再生できるものが多いので、ぜひ活用しましょう。

便利な時代になったな…
『英文法パターンドリル』で勉強するときの注意点
どんな教材も万能ではありません。
『英文法パターンドリル』を使うときの注意点も見ておきましょう。
- 解答集に解説がない
- 苦手意識が強いと独学が難しい
- 先に暗記した方が楽な単元もある
の3点です。
掘り下げて見ておきましょう。
解答集に解説がない
『英文法パターンドリル』の解答集は、答えが書かれているだけで解説はありません。
各単元が細かく分けてくれているので、解説がなくて特に困りません。
ただ、総合問題である「確認テスト」くらいには、ちょっとした解説や、どの単元・どのページの文法事項なのかをつけてもらえると、助かる人も多いでしょう。

文英堂さん!
次に改訂されるときにはぜひ!
苦手意識が強いと独学が難しい
どの教科、どの問題集でも同じですが、苦手意識が強いと独学が難しいものです。
『英文法パターンドリル』は細かく単元を分けてくれて、スモールステップになっています。
それでも、「自分で導入の説明を読んで理解するのは難しい…」と感じる人は多いでしょう。
その場合には、英語に精通した人に教えてもらった方が効率的です。
個別指導や家庭教師なら、自分の理解度に合わせて学習することができます。

私も『英文法パターンドリル』を使って、指導することがあります。
先に暗記した方が楽な単元もある
『英文法パターンドリル』は問題集なので、「問題を解く」ために作られています。
ただ、問題を解く前にやっておいた方が楽なことがあります。
それは…
暗記
です。
たとえば、三単現ならsのつけ方を先に覚えてしまいます。
<原形> | <過去形> |
play | plays(sをつける) |
watch | watches(sh,ch,s,o,xで終わる語はesをつける) |
study | studies(子音字+yで終わる語は、yをiに変えてes) |
have | has(不規則) |
先に覚えておくことで、ドリルでは文法の使い方に集中してトレーニングできます。
もし、覚えるべきものを先に覚えていないと、覚える作業と考える作業の2つを同時にしなければなりません。

ええっと、Kenは何人称やろ…
三人称単数やからwatchは…sをつけるんじゃなかったっけ?
暗記とトレーニングは分けておいたほうが、勉強がはかどります。
もし先に暗記すべきものをインプットしておけば…

ええっと、Kenは何人称やろ…
三人称単数やからwatchはwatchesやな
というように、スムーズに文法を使いこなせるようになります。
英語に限らず、複数のことを同時に進める「マルチタスク」は、脳に負担がかかります。
脳を鍛えるためには、マルチタスクは必要かもしれませんが、英文法を身につけるには絶対に「シングルタスク」がおすすめです。
各単元で覚えるべきことは、先に覚えて演習するようにしましょう!

私が指導するときには、先に暗記テストをしてから、文法を使いこなすトレーニングに移ります
何を覚えたらいいのかわからない場合には、やっぱり英語に詳しい人に「覚えるべきものリスト」を作ってもらったり、暗記テストをしてもらった方がいいですね。

まとめ:『英文法パターンドリル』をプロ講師がレビュー
今回の記事では、『英文法パターンドリル』をプロの目線で分析・レビューしました。
参考書を読んで理解しただけでは、なかなか文法を使いこなせるようにはなりません。
ドリル形式で問題を解いて、「わかる」状態から「できる・解ける・使える」状態に仕上げていきましょう!
みなさんの英語学習がはかどることを応援しています。