こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
中学受験の勉強っていつから始めるといいの?
そろそろ入塾したほうがいいかしら…
そのようにお悩みのお母様・お父様の参考になる記事を用意しました。
今回の記事では…
- 中学受験塾に入塾するタイミング
- 入塾するまでに準備しておくといいこと
がわかります。
特に1人目のお子さんの場合には、お母様・お父様も不安ですよね。
スムーズに中学受験の準備をスタートしましょう。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
中学受験塾にいつから入塾するのがベスト?
中学受験塾に入塾するベストタイミングは…
新小学4年生
だと一般的に言われています。
中学受験塾では、新学年の授業が2月からスタートするので、「新小学4年生」というのは正確に言うと…
小学3年生の2月
ということです。
2月頃から新学年がスタートするので、「乗り遅れた!」というご家庭は毎年けっこう多いものです。
関西圏の中学入試は1月中、関東の中学入試は2月上旬がメインなので、2月に生徒が入れ替わります
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
なぜ新小学4年生で入塾するのがベストなの?
では、なぜ新小学4年生から入塾するといいのでしょうか?
それは…
- 小学校内容をはるかに超える学習が必要だから
- 前倒しカリキュラムの基礎固め時期だから
です。
もう少しくわしく見ていきましょう。
小学校内容をはるかに超える学習が必要だから
中学受験では、小学校の学習指導要領をはるかに超える学習が求められます。
例えば、小学校の算数で「速さ」を学びますよね。
速さ×時間=距離
ってやつやな
でも、中学受験では「速さ」から派生して…
- 旅人算
- 通過算
- 流水算
- 時計算
といった中学受験独特の問題が出題されます。
いわゆる「古典算」「特殊算」と呼ばれる問題です。
え?
なにそれ…
こういった問題は、小学校では扱わないので、中学受験塾で学ばなければなりません。
しかも、各教科とも学習内容はかなり多いので、早めに中学受験の勉強を始めておかなければ、小6の1・2月に間に合いません。
前倒しカリキュラムの基礎固め時期だから
さきほどご紹介した通り、中学受験の内容は、学習指導要領をはるかに逸脱しています。
ですので、中学受験塾では、入学入試にベストを尽くせるように、前倒しのカリキュラムを組んでいます。
例えば…
カリキュラム例 | 某大手塾 | 公立小学校 |
算数「分数のかけ算・わり算」 | 小5 | 小6 |
社会「歴史」 | 小5 | 小6 |
「割合」の計算や、「面積」の計算などで、「分数のかけ算・わり算」がどうしても必要になります。
小学校のカリキュラムのように、6年になるまで待っているわけにはいきません。
ですので、小5の初め頃に「分数のかけ算・わり算」をカリキュラムに組み込んでいる大手塾があります。
また、中学入試において「歴史」は、大きな割合を占めます。
やはり、小学校のように、卒業間近まで「歴史」の学習をしていられません。
ですので、塾では小5で「歴史」をスタートし、小6の早い段階で学び終わります。
塾のカリキュラムは、これまで合格した先輩たちの「足跡」でもあります。
その「足跡」をたどるのが、合格への近道ですね。
小学4年生は、その「前倒しカリキュラムの基礎固め時期」にあたります。
算数では、計算力を鍛え、古典算に触れ、図形のとらえかたを学びます。
国語では、ボキャブラリーを増やしながら、読解の基礎を学びます。
新小学4年生から中学受験の勉強を始めることで、じっくりと知識とテクニックを積み上げていくことができるでしょう。
※関西圏の中学受験塾を比較した記事はこちらです↓
中学受験の勉強は小5・小6からではもう遅いの?
では、小学5年生・6年生になってからでは、中学受験はできないのでしょうか?
先に結論を言っておくと…
小学5・6年生からでも中学受験は可能
です。
ただ、険しい道のりになるのは覚悟しておかなければなりません…
小学5年生から受験勉強をスタートする場合と、小学6年生から受験勉強をスタートする場合に分けて、見ていきましょう。
小学5年生から入塾する場合
小学5年生から中学受験塾に合流する場合、「読み・書き・計算」といった基礎学力があれば、授業についていけます。
ただ、さきほどご紹介した通り、中学受験の学習内容は小学校内容をはるかに超えるので、苦戦することは覚悟しておきましょう。
なぜなら小学4年生までに中学受験の勉強をスタートしている子どもたちが、先を走っているからです。
先にスタートしているのと、後から追いかけるのとでは、子どもの負担が違ってきます。
確かに、追いつき追い越すのはハードやな…
例えば、すでに塾に通っていたメンバーは、小4の段階で「植木算・和差算・消去算」などの古典算を学んでいます。
ですので、小5で再びそれらの古典算などを学ぶときには、小4の復習からスタートして、応用に取り組めます。
一方、小5から塾に通い始めた子たちは、「植木算・和差算・消去算」などの特殊算の基本を学びながら、応用に進まなければなりません。
また、塾の公開テストでも、小5入塾の子たちがまだ習っていない内容を、容赦なく出題してきます。
ですので、入塾したての頃は、公開テストで結果が出ない時期が続くでしょう。
生徒本人も、お母様・お父様も焦ってしまいますよね…
ガマンの時期です
ですので、塾に通いながら、家庭教師に塾のフォローを依頼するご家庭も多いんです。
小学6年生から入塾する場合
小学6年生から入塾する場合には、入塾を断られたり、個別指導部門をすすめられたりすることが多くなります。
塾としては…
6年生からでは(よほどのポテンシャルがない限り)間に合わないぞ
ということです。
さきほどご紹介した通り、中学受験の学習内容は、学習指導要領をはるかに超え、しかも、量は膨大です。
6年生の夏頃には、すべてのカリキュラムを学び終わり、2学期は実践演習が中心になります。
ですので、6年生から中学受験の勉強を始める場合には、個別指導塾や家庭教師を利用することが多くなります。
実際、私が担当するご家庭でも、家庭教師や個別指導だけで中学受験を目指す受験生はいます。
小学4年生までにどんな準備をしておけばいい?
中学受験塾に入塾するのは、新小学4年生から、つまり、3年生の2月からがオススメだとお伝えしました。
一方で、小学4年生までに、すでに「差」がついてしまっているのも事実です。
では、それまでにどんな準備をしておけば、スムーズに中学受験の勉強を始められるのでしょうか?
それは…
- 読み・書き・計算
- 勉強を楽しむこと
が大切だと、私は考えています。
1つずつ見ていきましょう。
読み・書き・計算
まず、中学受験の勉強を本格的にスタートするまでに、「読み・書き・計算」を得意にしておくことがオススメです。
漢字の「読み・書き」がおぼつかないと、文字を追うのに精いっぱいになってしまいます。
文章を理解するレベルに届きません。
また「読み・書き」は、国語だけでなく、すべての教科の土台になります。
小学校での漢字の練習、音読の練習は、低学年のうちからしっかり取り組んでおきましょう。
学校の勉強や宿題をナメてたわ…
また、「計算力」も鍛えておくべき基礎学力です。
せっかく割合の概念を理解したり、面積の公式を暗記したりしても、計算力がなければ正解できません。
式は作れているのに、計算まちがいで失点するのはもったいないですよね。
ですので、小学校での計算練習を通して「正確さ」と「スピード」は磨いておくと良いでしょう。
計算ミスが少なく、スピードが速いだけでも、大きなアドバンテージになります。
低学年までは、公文やそろばんに通って、計算の先取りをしているご家庭は、けっこう多いですよね
中学受験に向いている子・した方がいい子について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
勉強を楽しむこと
また、中学受験の勉強を本格的にスタートするまでに、「勉強=楽しい」というイメージを持っておくことは、とても大切です。
「勉強=苦痛」というマイナスイメージを持ったまま、中学受験塾に通い始めると、本当に苦痛でしかなくなってしまいます。
「勉強=楽しい」とまではいかなくても…
勉強は別にイヤじゃないな
と思っていてくれると、中学受験の勉強の楽しさも感じられるでしょう。
関西圏中学受験塾の最大手「浜学園 」の教育情報サイトでは、次のように書かれています。
低学年は算数が楽しいことが一番です。時には保護者様と計算の競争をしたり、遊び感覚も必要です。
「浜学園教育情報TIPS」より引用
また低学年のお子様はそれほど集中力が続きません。「勉強も腹八分目」を目安に、長時間の勉強をさせないようにしてください。信頼できるカリキュラムがある塾なら、予習や先取りに時間を割いたりする必要もなく、お子様の負担感も少なくなります。
基本の計算ができるようになったら、後はそうした塾にある程度任せて、ご家庭では塾の復習に注力したり親子で数字を使った遊びを楽しむのみとするのもよい選択ではないでしょうか。
つまり、楽しむことが、子どもの意欲をキープさせるということですね。
楽しいからこそ、「好奇心」も生まれて、知識も吸収しやすくなります。
また、楽しいからこそ、じっくりと考える「思考力」も育まれていくはずです。
理科で、自然現象を理解することも楽しくなるかもしれません。
社会で、各地の地理を学ぶことの、興味深く感じるでしょう。
楽しくないのに勉強せなあかんツラさは、おとながよくわかってるやんな…
もちろんある程度の基礎学力がなければ、「勉強が楽しい」とは思えないでしょう。
そういう意味でも、基礎学力を固めつつ、勉強を楽しむことが大切ですね。
まとめ:中学受験の勉強はいつから始めるのがベスト?
中学受験塾に入塾して、本格的に勉強をスタートするなら…
新小学4年生(3年生の2月)
がおすすめでした。
けっこう早いですよね…
小学5・6年生からでも中学受験は可能ですが、お子様とご家庭の負担が大きくなることは覚悟しておかなければなりません。
また、小学4年生で入塾するまでに、準備しておくべきことは…
- 読み・書き・計算
- 勉強を楽しむこと
でした。
中学受験はハードですが、子どもたちが大きく成長するのも、また事実です。
お母様・お父様の負担も大きいですが、中学受験にチャレンジされるみなさんを応援しています。
良いスタートができることを祈っています!
中学受験をしようかどうか迷っている場合には、中学受験をするメリット・デメリットについてまとめた、こちらの記事もご覧ください↓