こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、ぜんぜん本を読まない…
どんな本を読ませたらいいかしら…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 中学生・高校生におすすめの本22冊
がわかります。
勉強もクラブ活動も大切だけど、本も読んでほしい…
たくさんの本の中から、厳選してご紹介します!
1000冊以上読んできたなかで、おすすめの本を紹介します
中学生・高校生へのおすすめ本の選定基準
中学生・高校生におすすめの本を紹介する前に、本を選んだ基準をまとめておきますね。
選定基準は…
- 私自身が読んでおすすめしたい!と感じた
- 推薦図書や書店フェアに指定されるなど評判がいい
- 実際に中学生・高校生から人気もある
という3点です。
もちろん子どもによって、好みがあるので、どの子にとっても「刺さる」とは限りません。
無理に読ませて、余計に読書が嫌いになったらアカンしな
でも、本選びの1つのきっかけにしてもらえると幸いです。
本選びのヒントも散りばめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
※小学生におすすめの本はこちら↓
中学生・高校生におすすめの本22選
それでは紹介していきます!
DEATHNOTE(大場つぐみ・小畑健)
「いきなりマンガやん!」と思われたかもしれません。
でも…
活字ばかりの本を読むのはしんどい…
という中学生・高校生はかなり多いんです。
YouTubeなどの動画の方が「楽」なんだそうです…
そんな読書に苦手意識がある中学生・高校生は、マンガから本に触れるのがいいでしょう。
名前を書かれた者は死ぬ「死のノート」。
『DEATHNOTE』はマンガの中でも、文字による情報量が多い方です。
小畑健さんの美麗なイラストにうっとりしながら、サスペンスに酔いしれましょう。
めぞん一刻(高橋留美子)
もう1つマンガを紹介しておきます。
ラブコメ漫画の金字塔、高橋留美子さんの『めぞん一刻』です。
時代は、共通テストでも大学入試センター試験でもなく、「共通1次試験」。
昭和の終わりごろに、スマホどころか携帯電話も出てきません。
時代が大きく違うのに、どっぷり「一刻館」の世界に浸れる名作です!
ラブコメと思って読んでいたら、感動のラストが待っていますよ。
君の名は。(新海誠)
特に活字への抵抗はないけれども…
「どんな本を読んでいいのかわからない…」
という場合には、アニメーションや映画関連の小説がおすすめです!
- アニメ・映画の原作小説
- アニメ・映画のノベライズ版
などですね。
結末を知ってもうてるやん
と感じるかもしれませんが、文字として読んでみると、新しい発見もあるものです。
また、小説から映画化された場合には、映画の放映時間に合わせて、結構シーンがカットされていることがあります。
映画では描かれなかった未公開シーンとして、小説を楽しめるかもしれません。
バッテリー(あさのあつこ)
小学生へのおすすめ本としても、別記事で紹介しましたが、中学生・高校生にもおすすめなのが、あさのあつこさんの『バッテリー』です。
主人公は、中学生天才ピッチャー原田巧。
巧は引っ越し先で、キャッチャーの永倉豪と出会います。
「オレ様」気質だった巧が、どう成長していくのかが、このシリーズの見どころです。
自分と同年代の主人公だからこそ、読みやすいと感じる中学生・高校生も多いでしょう。
全6巻ですので、ハマったら全巻チャレンジしてみてくださいね!
夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)
「読書=まじめ」だと思っている中学生・高校生が結構います。
そんな中学生・高校生に読んでもらいたいのが、森見登美彦さんの小説。
中でも、『夜は短し歩けよ乙女』がおすすめです。
天然の乙女に恋する「先輩」が、京都の町でストーキングする物語…
「読書=まじめ」というイメージが崩れ去りますよ(笑)
最初から最後まで、まじめにふざけてます
この本を始めて読んだ中学生・高校生も、きっと私と同じ感想を持つはず。
独特の文体「森見節」が、クセになります。
ノルウェイの森(村上春樹)
次も恋愛小説です。
村上春樹さんの『ノルウェイの森』。
中学生・高校生に、村上春樹は早いでしょ!
刺激が強すぎる…
そう感じるお母様・お父様も多いと思うので、お子様に読ませるかどうかは、もちろんご家庭で判断してくださいね。
ただ、以前指導していた中学3年生の女の子が、村上春樹さんの『1Q84』を読んでいたのには驚かされました。
その子は国語の成績が抜群によく、大阪府の公立トップ高校に進学しました…
阪急電車(有川浩)
今度はさわやかな(笑)小説を紹介します。
有川浩さんの『阪急電車』です。
その名の通り、舞台は阪急電車今津線です。
なじみのある場所や知っている場所が、作品に登場するとうれしいですよね。
私も学生時代にも阪急を使っていましたし、現在仕事でも利用しています
そう、「ご当地もの」の小説を読むのもアリです。
中学生・高校生にとって、身近なご当地本から触れてみてはいかがでしょうか?
読み終わった後に、「聖地巡礼」するのも楽しいですよね。
容疑者Xの献身(東野圭吾)
ラブストーリーとしても、ミステリーとしても切なすぎる…
東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』です。
福山雅治さん主演で映画化もされている超有名作品。
東野圭吾さんが仕掛けたトリックは、とてもロジカルでシンプル。
でも、「容疑者X」をその犯罪に突き動かしたのは、論理ではなく…
イニシエーション・ラブ(乾くるみ)
「また恋愛小説やん!」と思われたかもしれませんが、タイトルと表紙にだまされてはいけません…
また、この本の内容を検索してもいけません…
とにかくだまされたとおもって、読んでみてください。
本当にだまされますから(笑)
言葉をたくみに使って読者をミスリードする、ミステリー作品です。
いわゆる「叙述トリック」小説ですね。
中学生・高校生にも、小説だからこそできる「言葉による罠」を味わってみてもらいたい。
きっと小説の奥深さを思い知って、ミステリー沼から抜け出せなくなりますよ…
罠に気づいた瞬間、本を放り出して、叫びだしたくなります(笑)
十角館の殺人(綾辻行人)
こちらも「叙述トリック」ものです。
綾辻行人さんの「館シリーズ」第1弾、『十角館の殺人』です。
亡き建築家・中村青司が建築した建物では、奇怪な事件が起こる…
「館シリーズ」では、さまざまなタイプのトリックが仕掛けられています。
でも、そのトリックをここでは言えない…
やはり、あらすじを検索してもいけない…
そんなこと言われたら、余計に気になるやん
2024年現在、9作目の『奇面館の殺人』まで販売されてます。
どっぷり「館シリーズ」にはまれます!
殺戮にいたる病(我孫子武丸)
さらに「叙述トリック」ものを紹介します。
我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』。
これは、どうあがいてもトリックに気づけない…
必ずだまされてしまう劇薬です。
また、事件がグロテスクなので、ご家庭の判断してくださいね。
そういう意味でも劇薬です…
封印再度(森博嗣)
次に紹介するのは、森博嗣さんのミステリー「S&Mシリーズ」です。
シリーズ1作目の『すべてがFになる』が有名ですが、5作目『封印再度』を推しておきます。
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
Amazonの商品紹介より引用
密室の中には、いったい誰がいたのか?
そして、どうやって封印して密室を作ったのか?
封印再度=Who Inside?
すべてがこのタイトル凝縮されています!
マリアビートル(伊坂幸太郎)
小説って、マンガや映画に比べると、アクションに弱いと感じるかたも多いでしょう。
ただ、アクション作品が好きな中学生・高校生におすすめなのが、伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』です。
殺し屋たちが、同じ新幹線に乗り込みます。
新幹線という半密室のなかで、命がけの戦いが繰り広げられます。
小説とは思えないアクションに、手に汗握ります。
ブラッド・ピット主演で2022年映画化されました。
伊坂幸太郎さんのユーモアあふれるエンターテインメントをお楽しみください!
『マリアビートル』は、殺し屋シリーズ第2弾です(第1弾は『グラスホッパー』)。
おとな目線(親目線)で読むならば、第3弾『AX』がおすすめです。
俺たちバブル入行組(池井戸潤)
小説のタイトルはダサいですが(池井戸潤先生、ごめんなさい)、言わずと知れた『半沢直樹』原作です。
児童文学は、子どもが主人公という場合がほとんどでしょう。
でも、中学生・高校生には、おとなが主人公の小説も読んでほしいと、私は考えています。
もちろん小説はフィクションですが…
- 働くということ
- 親からの目線
など、現実世界では見えない世界を、小説で味わうことができます。
ちなみに原作の半沢直樹は、あの有名なセリフを全然言ってくれませんよ(笑)
やられたらやり返す
倍返しや!
覚悟のすすめ(金本知憲)
次に、紹介するのは「新書」です。
「新書=難しいテーマの本」と感じる中学生・高校生も多いかもしれません。
この『覚悟のすすめ』は、金本さんが阪神タイガース現役時代に書いた本です。
「覚悟」を軸に、金本さんの野球との向き合い方が伝わってきます。
野球好き、阪神好きの中学生・高校生に、おすすめです。
新書でもあっても、身近に感じられて読みやすいはずです。
好きこそものの上手なれ
です
野球だけでなく、サッカーやフィギュアスケート、将棋でももちろんOK。
お子様の興味のある分野の本、好きな有名人の自伝などから、読書をスタートするのもアリですね。
村上海賊の娘(和田竜)
次に紹介するのは、歴史モノ。
和田竜さんの『村上海賊の娘』です。
信長vs本願寺、睨み合いが続く難波海に敢然と向かう海賊王の娘。壮絶な陸海の戦いが幕を開ける。累計300万部。本屋大賞受賞の大ベストセラー。
Amazonの商品紹介より引用
時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。
こんな紹介文を読むと、「歴史モノ=小難しい」と感じてしまう中学生・高校生も多いでしょう。
おとなでも敬遠しがちやな
でも、さきほどの『マリアビートル』と同様、まさにアクション映画を見ているように、読むことができます。
歴史小説の入り口として、ぴったりの小説です。
永遠の0(百田尚樹)
パイロットとして天才だが臆病者。
そんな祖父がなぜ戦争で死ななければならなかったのか…
終戦から60年がたち、主人公の健太郎は、戦争で死んだ祖父のことを調べ始めました。
生きていた頃の祖父を知る人たちに話を聞いてまわるなかで、祖父という人間が明らかにされていきます。
私が歴史の授業をしていると、第2次世界大戦時に大陸間弾道ミサイルを打って戦っていたと思っている小学生・中学生がけっこういます。
中には、第2次世界大戦のことを知らない子もいるほど…
小説はフィクションではありますが、その時代を感じ取ることに役立ちます。
- 第2次世界大戦がどんな戦争だったのか
- 人びとがどのように犠牲になったのか
まだまだ紛争・戦争が続く現代の子どもたちにも、読んでほしい1冊です。
壬生義士伝(浅田次郎)
「死にたぐねえから人を斬るのす」
剣の腕は超一流。
一方では、金にはうるさい守銭奴。
そんな異色の新撰組隊士・吉村貫一郎の人生が、他の新撰組が教え子の口から明かされていきます。
ストーリーのシステムはさっきの『永遠の0』と同じ
読書経験が少ない中学生・高校生には、ハードルが高いでしょう。
スタミナがついたら、ぜひチャレンジしてほしい小説です。
最後には大号泣必至ですので、ハンカチ、いや、タオルを用意してお読みください。
蒼穹の昴(浅田次郎)
こちらも本気の浅田次郎さんが読める『蒼穹の昴』。
中国清朝末期が舞台。
貧しい少年・春児(チュンル)は、宦官となり、西太后に出仕します。
一方、春児の義兄である文秀(ウェンシウ)は、科挙を首席で合格し、エリートに道に進みます。
欧米列強に侵略され、滅びゆく清で2人は歩み出します。
小説ですから、もちろんフィクションですが、実在の人物も登場します。
また、清朝の成り立ち、科挙や宦官など、中国の歴史的な背景も知ることができます。
正直めっちゃ勉強になります
そして、ただただ楽しんで読み、ただただ泣いてください。
「1日30分」を続けなさい!(古市幸雄)
次に紹介するのは、小説ではなく実用書です。
古市幸雄さんの「『1日30分』を続けなさい!」です。
おとなが勉強して、ビジネスで結果を出すための勉強本ですが、中学生・高校生が読んでも得るものは大きいでしょう。
たとえば、勉強で成果を出すための方程式は…
y=a×b×x2+c
「『1日30分』を続けなさい!」(古市幸雄)より引用
です。
- yは「勉強の成果」
- aは「教材・サービスの質」
- bは「集中力」
- xは「勉強時間」
- cは「過去の勉強の蓄積」
つまり、2乗される「x(勉強時間)」で、y(成果)が決まるということです。
これまでぜんぜん勉強してなかったからムリやわ…
そんな言い訳は通用しません(笑)
「c(過去の勉強の蓄積)」は、そんなに影響ないんですから。
「学力」の経済学(中室牧子)
こちらも実用書です。
教育経済学者である中室牧子さんのが書いた『「学力」の経済学』です。
この本では、教育の効果を、経済学的な研究(統計・エビデンス)で明らかにしています。
たとえば…
高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間では、生涯で稼げるお金に、実に1億円の差があります。(中略)
『「学力」の経済学』(中室牧子)より引用
宝くじで1億円が当たることを夢見なくても、大学へ行けば生涯で稼げるお金は1億円高くなるのですよ
とのこと。
なんで勉強せなあかんの?
という子どもたちの質問には、すでに答えが出ているということです。
もちろんお金が勉強の目的ではありませんが…
目の前の勉強に取り組むのは、もちろん大切です。
でも、本を読むことで…
- なぜ勉強しなければならないのか
- どうやって勉強すると効率がいいのか
を、客観的に知っておくことは、これからの人生においても役に立つでしょう。
お母様・お父様に叱られるよりも、説得力あるかも…
ラダーシリーズ
最後に紹介するのは、英語の学習書「ラダーシリーズ」です。
「ラダーシリーズ」は、すべて英語で書かれた多読用教材です。
英語学習者のレベルに合わせて5段階に分かれています。
レベル | 使用語数 | TOEICレベル | 英検レベル |
LEVEL1 | 1000語 | 300‐400点 | 4級 |
LEVEL2 | 1300語 | 400-500点 | 3級 |
LEVEL3 | 1600語 | 500-600点 | 準2級 |
LEVEL4 | 2000語 | 600-700点 | 2級 |
LEVEL5 | 制限なし | 700点- | 準1級 |
巻末に英単語の日本語の意味が載せられています。
でも、本文の日本語訳は書かれていないので、文章の意味を理解するトレーニングになります。
リーディング力をつけるためには…
繰り返したくさん読むこと、いわゆる「多読」がもっとも効果的な学習法であると言われています。多読では「1.速く 2.訳さず英語のまま 3.なるべく辞書を使わず」に読むことが大切です。
「ラダーシリーズ」ーはじめにーより引用
学校や予備校では、分析して読む「精読」が中心です。
また、読解問題を解いて解説という授業も多いですよね。
精読で読む基本を身につけたら、次は「多読」していきましょう。
進学校では、生徒にラダーシリーズで多読させている中学校・高校もあります
まとめ:中学生・高校生おすすめ図書22選
読書のきっかけになる本として、22冊を紹介しました。
また、本を選ぶための切り口やヒントも、紹介しました。
- マンガ
- 定番の本
- 叙述トリック
- スポーツ選手の本
- ご当地もの
- ノンフィクション
- 英語学習本
- シリーズもの
もちろん好みは十人十色なので、すべての中学生・高校生に「刺さる」わけではありません。
皆さんが良い本に出会えることを祈っています!