こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
読解力をつけるにはどうしたらいいの?
家でできることは何かないかな…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 国語に関するおすすめ書籍3選
をご紹介します。
スタンダードな読解法や、読解力を高めるために家でできることがわかります。
ぜひお子様の読解力アップに役立ててくださいね。
「国語って奥が深い」と痛感させられます…
親が読んでおきたい国語の関連書籍3選
子どもたちは学校や塾で国語の勉強をしています。
でも、国語力を高めるために、家庭でできることも知っておきたいですよね。
また、つかみどころのない「国語力」や「読解力」っていったい何なのかを、お母様・お父様が知っておくことも大切です。
プロ家庭教師である私が選んだ、お母様・お父様が読んでおきたい国語の関連書籍3冊は…
- 読むだけですっきりわかる国語読解力
- 国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法
- 灘校・伝説の国語授業 本物の思考力が身につくスローリーディング
です。
1つずつ掘り下げて紹介します!
読むだけですっきりわかる国語読解力
まず紹介するのは日本全国授業ライブ(GTP)を主宰する後藤武士さんの『読むだけですっきりわかる国語読解力』です。
「読むだけですっきりわかるシリーズ」は、他にも日本史なども出版されています。
この本は、塾の国語の授業で学ぶテクニックを、本の形でまとめてくれています。
「解き方」のテクニックとしては、主に…
- 第一章 選択問題の解き方
- 第四章 記述の基礎
- 第五章 指示語を極める
で、どのように国語の設問を解くかが説明されています。
塾の国語の授業で勉強しそうな内容やな
また、「読み方」のテクニックとしては、主に…
- 第二章 四つの対立概念を理解する
- 第三章 読解を阻むもの
で、物語文や説明文を読む方法が説明されています。
文体は「~だけどさ」とか「~じゃん」など、やわらかい口調でとても読みやすく書かれています。
お母様・お父様が家で、国語の勉強をサポートするときにも、塾で学ぶ読解のテクニックを知っておきたいですよね。
そのような読解法がひと通り網羅されています。
ちなみに手前味噌で恐縮ですが、本サイトでも国語の勉強法を解説していますので、よかったら参考にしてくださいね!
国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法
次に紹介するのは、京都でエム・アクセスという塾をされている水島醉さんの『国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法』です。
この本は、衝撃の「まえがき」でスタートします…
もともと国語力の高い子どもに長文切り抜き問題を解かせることは、それなりに効果があります。しかしそれは根本的な国語力を上げたのではなく、長文切り抜き問題という特殊な(しかし進学塾においては一般的な)国語の問題を解く技術を上げたというだけのことです。
『国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法』(水島醉/ディスカヴァー携書)
ですから、長文切り抜き問題を解かせることは、一部の子どもには効果がありますが、根本的な国語力を上げる手助けにはまったくなっていないのです。
「長文切り抜き問題」とは、長い文章から一部分だけを切り取って、作られた読解問題のこと。
つまり、塾で解かせる、いわゆる読解問題では、国語の力はつかないと断言しています。
え?
まじで?
水島さんは自動車教習所をたとえにして、塾の授業を次のように酷評しています。
自動車の運転技術の訓練の例なら、初心者に向かって何も教えないまま「さあこの車を運転してみなさい」というのと同じです。(中略)
『国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法』(水島醉/ディスカヴァー携書)
もしそんな指導が自動車教習所で行われていれば、誰もそんな教習所へは習いに行かないでしょう。ところが進学塾での国語の指導においては、そんなおかしなことが平然と行われています。
塾の国語の授業では、「演習⇒解説・答え合わせ」という流れです。
でも、文章を読めない子に、いきなり演習させて読めるわけがない、と水島さんは主張しています。
では、なぜ効果が薄い学習方法を、塾が行っているのか、その答えも本の中に書かれているので、興味のある方はご一読ください。
実際、塾に通っていても「空回り」している子が多いのは、そのためです。
私自身、国語が苦手な子を担当するときには、いっしょに音読するところから始めます。
さて、本のタイトルにもなっている、「国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法」って何なのか気になりますよね。
国語力のある子どもに育てる3つのルール
1.読書をさせる
『国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法』(水島醉/ディスカヴァー携書)
2.正しい言葉を使わせる
3.友だちと(外で)遊ばせる
「3.友だちと(外で)遊ばせる」は意外やな
また、その3つのルールを守るための具体策として、「3つの方法」が紹介されています。
国語力のある子どもに育てる3つの方法
1.子どもを読書好きにする6つの習慣
『国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法』(水島醉/ディスカヴァー携書)
2.読書感想文ではなく文章要約
3.最低身につけさせたい「漢字」と「文の構成」
それらの具体的なやり方も紹介されているので、参考になります。
一方で、「国語力を伸ばすための3つの禁止」にも触れています。
国語力を伸ばすための3つの禁止
1.テレビを見ない。テレビゲームをしない。インターネットをしない。マンガを読まない。
『国語力のある子どもに育てる3つのルールと3つの方法』(水島醉/ディスカヴァー携書)
2.長文切り抜き問題を解かせない。
3.作文、読書感想文を書かせない
え…テレビゲームはまだしも、テレビもマンガもだめなの?
驚かれるお母様・お父様も、多いですよね。
もちろん水島さんもすべてをNGにしているのではなく、うまくメディアと付き合う大切さも書いています。
今であれば、スマホやSNSの扱いのほうが、お母様・お父様としては厄介でしょうね…
水島さんは、子どもの国語力(読解力)を上げるのは、おとな、特に親の責任だと言い切っています。
保護者にとって耳の痛い話もたくさん出てきますが、非常に参考になる本です。
灘校・伝説の国語授業 本物の思考力が身につくスローリーディング
次に紹介するのは、西の名門私立「灘中学校・灘高校」で教師をされていた、「伝説の灘校国語教師」橋本武さんの本です。
保護者の皆さん、印象に残っている国語の授業ってありますか?
先生のことは覚えているけど、内容までは記憶にないかも…
おそらく学校では、教科書の内容を学んだはず…
塾では、テキストの読解問題を解いたはず…
でも、授業の内容までは、あまり覚えてないものですよね。
灘の橋本先生は、なんと…
中勘助が書いた文庫本『銀の匙』を3年間かけて読み込む
という授業をされたのです。
メディアにも取り上げられていたので、ご存知のお母様・お父様も多いのではないでしょうか。
1冊の文庫本を3年間かけて読むって、どうやるん?
『銀の匙』は明治時代の人々の暮らしをていねいに描いた小説です。
そこに出てきた言葉を、橋本先生がオリジナルプリントを作って、解説していく。
つまり、どんどん脇道にそれていく授業をしたというのです。
- 七草
- 人名になぞらえた「擬人名語」
- 十干十二支
- 節句
- 長寿の祝い
- 日本で作られた漢字(国字)
- 七福神
- いろはかるた
など、正直、おとなが読んで、勉強になります。
というより、日本古来の文化を知らないことが、恥ずかしく思えてくるほどです。
国語を指導する者として、背筋が伸びます…
橋本先生は、国語という教科について、次のように書かれています。
国語とは、あらゆる物事を学ぶときに背骨となる力です。
『灘校・伝説の国語授業 本物の思考力が身につくスローリーディング』(橋本武/宝島社)
国語という教科に限らず、何を学ぶうえでも必要になるのです。語彙を増やし、読解力を伸ばすだけでも、英語や社会はもちろん、物理や数学といった理系科目でもその理解度は大きく上がります。(中略)
暗記だけで得た知識は、試験が終わるとすべて忘れてしまいます。
しかし、興味と好奇心を持って見聞きしたことは、一生忘れることがありません。
だからこそ、子どもたちが『銀の匙』の世界に入り込めるような工夫をされたのです。
3年間をかけて1冊の文庫本を読みこむというのは、公立の学校や進学塾ではできない指導法です。
というよりも、そもそもこんな授業ができるほど、知識と教養を備えた超人的な教師はいないのが現実です。
私もこんな先生から国語を学びたかった…
そして、こんな先生になりたい
橋本先生は、2013年に101歳で亡くなりました。
「橋本武さんという人物についてもっと知りたい」というかたは、橋本先生の生い立ちや教え子たちについて書かれた、こちらの本もおすすめです↓
まとめ:親が読んでおきたい国語おすすめ書籍3選
今回の記事では、お母様・お父様が読んでおきたい国語の関連書籍3冊を紹介しました。
書いてある内容は、三者三様です。
「国語力(読解力)」をどうやってつけていくかについて、いろいろな視点が得られます。
「学校や塾に任せてられない!」
そのように考えて、ご自宅で国語の学習に取り組まれる場合には、ぜひ参考にしてくださいね。