こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
いよいよ中3の夏休みだけど、どんな勉強をしたらいいの?
家でダラダラ過ごしそうな予感…
そのように悩んでいるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 中3夏休みが「受験の天王山」と呼ばれる理由
- 中3夏休みにはどんな勉強をすべきか
- 有意義な夏休みの過ごし方
- 三日坊主になりそうになったらどうするか
がわかります。
いよいよ受験生として、夏休みを迎えます。
中学最後の夏休みを有効に使って、パワーアップしましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
中3夏休みは「高校受験の天王山」
受験生にとって、夏休みは「受験の天王山」と言われます。
「天王山」とは、勝負の分かれ目となる大切な時期のことですね。
「夏を制する者が受験を制す」なんて言う先生もいますね。
カラダを夏にシテ カゲキにさあ行こう♪
どうして受験生にとって、夏休みは大切なのでしょうか?
それは…
- 2学期以降の成績アップにつながる
- 自分に合った勉強がしやすい
- 2学期以降は差がつきにくい
という主に3つの理由があります。
1つ1つ見ておきましょう。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
2学期以降の成績アップにつながる
勉強しても、すぐに成績が上がるわけではありません。
脳科学者の池谷裕二さんは『記憶力を強くする』という本の中で、次のように書かれています。
たとえば、いま皆さんは成績が1のところにいるとします。そして、勉強の目標成績を1000に定めます。勉強してランクが上がると、成績は2になります。さらに猛勉強をして、もう一ランク上がると、成績は4になります。こうして、努力を続けていくと、成績は8、16、32、64と少しずつ累積効果を示してきます。
『記憶力を強くする』池谷裕二
しかし、こんなに努力したにもかかわらず、現在の成績はまだ64です。(中略)
しかし、さらに忍耐づよく勉強を繰りかえすことのできる人ならば、その後、成績は128、256、512と上昇していきます。じつは、ここまで努力して、ようやく勉強の効果が目に見えて確認できるようになります。
つまり、勉強の成果が点数になってあらわれるまで時間がかかるということです。
3学期の高校入試で良い点数を取りたいけれど、3学期から勉強を始めていては、当然間に合いません。
中学校では、2学期の成績までを踏まえて、受験校を考えてくれます。
だからといって、やっぱり2学期から勉強をスタートしていては、2学期中には効果が見えないかもしれません。
だからこそ、遅くとも夏休みには、本格的に受験勉強を始めておく必要がありますね。
本当は、夏休みよりも前に、本腰を入れておきたいところですが…
夏休みに学習した内容が、2学期の定期テストや実力テストで出題されるでしょう。
夏休み中には、勉強の効果は、まだなかなか実感できないことは知っておいた方がいいですね。
自分に合った勉強がしやすい
実力テストや模試、そして、高校入試で点数を取るためには、「弱点の克服」が欠かせません。
ただ、ふだん学校やクラブ、塾があると、家に帰ってきても、なかなか苦手克服のための時間までは取れないのが現実でしょう。
部活動でへとへと…
塾の宿題をするだけで時間ギリギリ…
SNSやテレビも見たいし、少しくらいはゆっくりしたい…
そんな状態で、わざわざ自分の苦手なモノに手を付けたいとは、なかなか思えないはず…
でも、夏休み中であれば、中学校はお休みです。
部活動も夏の大会が終われば、引退する子も多いでしょう。
塾の夏期講習もうまく活用すれば、自分の合った勉強をして、弱点を克服することができますね。
時間が比較的ある夏休みに、自分に合った勉強をすることが大切です。
2学期以降は差がつきにくい
また、入試に近づけば近づくほど、受験生がみんな本気になってきます。
「偏差値」という数字は、「みんなの中で自分はどの位置か」を表す相対的な数字です。
つまり、自分ががんばっても、他の受験生も同じだけがんばったら、偏差値は変わりません。
せっかく努力したのに、数字として成果が見えないと、しんどいですよね…
高校入試本番も、自分ががんばったからといって、合格できるかわからんもんな
ですので、みんなが本気を出していない時期に、早く受験勉強をスタートすれば、頭1つ抜け出る可能性が高くなります。
早くスタートした分だけ、長く、たくさん勉強できます。
そして、その分だけ、成績アップが見込めるでしょう。
この記事を読み終わったら、すぐに行動に移してくださいね!
※「社会は中3から本気出せば間に合う説」については、こちらの記事をどうぞ↓
中学3年生の夏休みはどんな勉強をする?
では、受験生として、夏休みにはどんな勉強をすればいいのでしょうか?
中学3年生が夏休みにやっておきたいのは…
- 中学1・2年生の復習
- 苦手教科・苦手単元の克服
- 基本問題を身につける
の主に3つです。
掘り下げて見ていきましょう
中学1・2年生の復習
数学や英語のように「積み上げ型」の教科は、中1・2に内容を中3でも扱います。
中3でも不定詞が出てくるときに、中2不定詞を思い出せますし、常に中1内容(三単現・過去形・進行形など)を使います。
でも、社会や理科って、中1・2で学んだ内容が放置されがちです…
1番最初に習った世界地理とか、忘れがちやん
定期テストは中3現在の内容が出題されますが、実力テストや模試はそうではありません。
実テや模試、そして、入試では、中1・2の内容がたくさん出題されますね。
忘れてしまっている中学1・2年の内容を、夏休みの間に復習しておけば、2学期以降のテストで…
あ!夏休みに復習した平安時代が、テストに出た!
ということが起きてくるでしょう。
塾では予習型の夏期講習で、全単元を終わらせるという塾も多いです。
でも、自分でやる勉強は、「復習型」でOKです。
塾の夏期講習を利用する場合には、「塾選」が便利です。
近所の塾の口コミを知れたり、資料請求もできます↓
苦手教科・苦手単元の克服
中1・2の復習をするときに、苦手な教科や単元を優先的につぶしていくといいでしょう。
まんべんなく取り組むよりも、優先順位をつけると、効率的に勉強できますね。
ただ「苦手教科ばっかりだとヤル気が出ない…」という場合には…
- 好きな教科をご褒美として後に残しておく
- 好きな教科の間に苦手教科をサンドイッチにする
というように工夫するといいでしょう。
また、苦手な教科や単元は、独学が難しいでしょう。
わからない問題は1人で悩んでいても前に進まない場合が多いので、質問できる体制を整えておくことが大切です。
- 家族(父・母・兄・姉)
- 塾の講師
など、質問できる人を見つけておくといいですね。
ただ、ご家族も忙しいですし、塾に講師も夏期講習中は1日中授業に入っていて、質問に対応できない場合も多いでしょう。
家族が教えると、ケンカになりやすいしな
ですので、わからない問題をまとめて質問するために、家庭教師や個別指導を利用するのもおすすめです。
家庭教師や個別指導なら、その子のペースや得意不得意に合わせて学習できます。
もちろん講師に任せっきりにするのではなく、「苦手克服」や「記述の添削」など、利用する目的をはっきりさせておくといいでしょう。
基本問題を身につける
苦手な教科や苦手な単元は、まず基本問題を身につけることを目標にするといいでしょう。
「基本問題を身につける」というのは…
解説・答えを見ずに自力で基本問題が解ける
状態です。
くれぐれも「だけ勉」になってしまってはいけません。
「だけ勉」というのは、私の造語で、
- 教科書を読むだけ
- マーカーを引くだけ
- ノートに書くだけ
- 答えを写すだけ
という形だけの勉強です。
もちろん単元の内容を復習するときには、これらは大切です。
でも、そこで終わってしまうと、テストのときに自力で解ける保証はどこにもありません!
必ず問題集の基本問題を解き、自力で解けることを確認しましょう。
まちがい直しもして、自力で解けるレベルまでトレーニングすることが大切です。
トレーニングの段階で自力で解けたのなら、本番でも自力で解ける可能性は高くなります。
本番は、練習のように!
練習は、本番のように!
くれぐれも「形だけ」の勉強にならないように注意しましょう。
基本問題が解けるだけで、テストでもある程度の問題が解けるようになっているものです。
また、夏休みの間に基本問題を身につけておけば、2学期以降に発展問題や応用問題に手を付けやすくなります。
もちろん得意な教科や単元については、夏休みの間に発展・応用レベルまで進めてもOKですね!
中学3年生の夏休みの過ごし方
では、どうすれば勉強に集中して過ごすことができるのでしょうか?
受験生として有意義に夏休みを過ごすためには、
時間割の通りに勉強する
ことです。
え?
夏休みやのに、時間割?
と思ったかもしれませんが、夏休みだからこそ時間割を作って、時間割の通りに勉強することが大切です。
時間割というと堅苦しいなら、「勉強計画表」や「勉強スケジュール」と考えてもいいでしょう。
時間割(勉強計画)には、習慣手帳・スケジュール帳を使うと便利です。
私は「目標達成ノートSTAR PLANNER」という手帳をよく使っています↓
日付を書き込むタイプなので、いつでも使えるので重宝しています。
また、メジャーリーガーの大谷翔平選手も実践していた、目標を「見える化」するマンダラや、習慣化して自信を高めるコツも書かれています。
挫折しにくい勉強計画表を作るときのポイントは…
- 勉強に使える時間を把握する
- 誰といつどこで勉強するか決める
- 何をどこまでどのように勉強するか決める
- いったん走り出してから計画表を作る
ということです。
まず、どれだけ勉強に時間がさけるのかをチェックしてみます。
生活時間や部活、塾の時間を除くと、自分のための勉強に使える時間は意外と少ないかもしれません。
次に、「誰と・いつ・どこで」勉強するのかを決めましょう。
それが決まっていないと、勉強がスタートできませんね。
自分の部屋やと遊んでまうわ…
塾の自習室の方が集中できるわ
そして、「何を・どこまで・どのように」勉強するのかもある程度決めておきます。
机の前に座って、「さあ、何しようかな」では、なかなかはかどらないでしょう。
「どこまで・どのように」に関しては、さきほどお伝えした通り、
- どこまで:基本問題
- どのように:自力で解けるよう問題集でトレーニング
がいいでしょう。
また、ガチガチに勉強計画表を作ってしまうと、計画倒れになる可能性が高いです…
少し勉強をスタートさせてからの方が、どれくらいのペースで勉強が進むのかイメージがつきやすいでしょう。
計画表は、勉強を進めながら、少しずつ調整していくことになります。
「勉強計画表」の作り方について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
三日坊主になりそうになったらどうする?
でも、ついつい誘惑に負けて、勉強をサボッちゃう日も出てきますよね…
いわゆる「三日坊主」になりそうになったら、どうすればいいのでしょうか?
三日坊主になりかけたら…
- だらだらする原因を書き出す
- だらだらする原因を取り除く
- 5日目は勉強する
- 環境を変える
- 強制力を働かせる
の5つを意識するといいでしょう。
1つずつ見ていきましょう。
だらだらする原因を書き出す
ずっと集中力を保っていられるわけではありません。
ついついだらだらしてしまうこともありますよね。
そんな時には、自己嫌悪におちいる前に、だらだらする原因を書き出してみましょう。
客観的に自分の気持ちを分析すると、少し冷静になるものです。
勉強に限らず、イライラしたり、不安なときにも使える方法です
また、頭の中で考えるだけでなく、書き出すことも大切です。
頭の中で考えていると、同じことをぐるぐる考え続けていることもありますよね…
書き出すことによって、より客観的に見られるので、対策が立てやすくなります。
高校受験が不安になったときの対処法について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
だらだらする原因を取り除く
だらだらする原因を書き出して、見つかったら、その原因を取り除きましょう。
意外とかんたんなことだったりもします。
<原因> | <対処法> |
小さい弟がいて家では勉強できない | 塾の自習室に行く |
机の上が汚い | リビングのテーブルで勉強する |
解答集をなくしてしまった | 学校の先生にコピーしてもらう |
スマホをいじってしまう | 部屋には持ち込まない |
眠たい | 立って勉強する |
といった感じ。
親から注意されたり、アドバイスされたりすると、反発してしまう中学生は多いものです。
ぜひ自分で解決策が導き出せるようにしてあげたいですね。
もし、ご家庭で解決しにくい場合には、外部の手を借りるようにしましょう。
- 中学校の先生
- 塾の講師
などに相談し、だらだらしない方法をいっしょに見つけましょう。
親の言うことは聞かなくても、先生の言うことなら聞ける場合もあります。
また、家庭学習の習慣をつけるという意味では、家庭教師を利用するのもいいでしょう。
値段が高いプロ家庭教師に依頼する必要はありません。
プロ家庭教師の私が言うのもなんですが…
むしろ、料金が安い大学生の講師と、勉強時間(=量)を増やした方が良い場合があります。
もちろん大学生の家庭教師を利用する場合には、講師に丸投げするような会社は避けましょう。
社員が担任やアドバイザーとなって、学習をサポートしてくれるような家庭教師センターを選ぶようにしましょう。
5日目は勉強する
「三日坊主」というのは、三日で行動をやめてしまうことを言いますよね。
4日目についつい心が折れてしまうこともあるでしょう。
人間だもの
でも、5日目に行動を起こして、復活できれば「三日坊主」ではありません。
三日坊主がもったいないのは、4日目以降ずっと勉強しなくなってしまうことです。
勉強できない日があったとしても、次の日には切り替えて、勉強を再開するようにしましょう!
勉強を習慣化する方法について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
環境を変える
さきほどからちょくちょく登場しますが、勉強する場所・環境を変えるのは有効です。
自分の部屋だと勉強に集中できない子も多いでしょう。
勉強するのは、何も自分の部屋の机だけではありません。
- リビングテーブル
- ダイニングテーブル
- 祖父母の家
- 中学校の図書室
- 図書館
- 塾の自習室
- カフェ・ファーストフード店
- 公共の施設
- 有料の自習室
など、実はいっぱいあります。
中学生なので、お金がかかる有料の施設は使いにくいかもしれません。
意外かもしれませんが、静かな場所よりも、人目があるところの方が、勉強する気になる子もいます。
「おばあちゃんの家の和室が落ち着いて勉強できる」という子もいました
場所だけでなく、時間や筆記用具などを変えるのもアリです。
自分が勉強しやすい空間を、楽しみながら、工夫しながら作ってみましょう!
強制力を働かせる
ただ、いろいろ工夫してみても、なかなか行動に移せないこともあるでしょう。
だんだんと「自分は心が弱い…」などと、自己嫌悪になって自信を失いがちです…
自分を律することは、おとなでも難しいものです。
さきほども紹介した通り、他の人の手を借りた方がうまくいくこともけっこうあります。
なぜなら「強制力」が働くからです。
強制って、イヤな響きやけどな
塾に行ったら、勉強を始められるのは、塾が「勉強する場」だという強制力が働くからです。
ですので…
- 親の前で勉強する
- 塾の夏期講習に参加する
- 塾の自習室にこもる
- 家庭教師・個別指導にペースメイクしてもらう
というように、自分以外の誰かに働きかけてもらうことで「強制力」になります。
夏休みの自分に合った勉強をする、という意味では、家庭教師や個別指導でペースメイクしてもらうのは有効です。
人の手を借りることは、恥ずかしいことではありませんね。
まとめ:中学3年生の夏休みの過ごし方と勉強法
中学3年生にとって、夏休みはとても大切な時間です。
夏休みの過ごし方で、2学期以降の勉強が大きく影響されます。
この記事に書いたことを、すべて実戦する必要はありません。
なにか1つでも使えることがあれば、みなさんの勉強に役立ててもらえたら幸いです!
みなさんが実りある夏休みを過ごせるよう応援しています。