こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
中学1年生の英語って、どう勉強させたらいいの?
そのように悩んでいるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 中学1年生の英語のテーマ
- 中1生が英語に慣れるためにすべきこと3つ
- 中1英語の勉強方法・おすすめ教材
がわかります。
英語は高校受験でも大学受験でも、メイン教科になるので味方にしておきたいですね。
中学1年生で英語の土台を作り、英語を得意にしていきましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
中1英語のコンセプトは?
英語の具体的な勉強法に触れる前に、中学1年生が英語を学習するときに大切な心構えについて触れていきましょう。
英語は「積み上げ型」の教科です。
「積み上げ型」とは、中1で学んだ内容を使って、中2・中3・高校の内容が理解できる教科です。
つまり、中1の英語がしっかりできていれば、中2以降も良い流れに乗りやすくなります。
逆に、中1英語でつまずいてしまうと、中2以降の英語がわからなくなってしまいます。
中1英語がさっぱりわからないのに、中2英語は得意!ということはあり得ません
中学1年生は、英語の「基礎」を作るのに、とても重要な学年ですね。
そんな中学1年生英語のテーマは…
英語に慣れる
ことです。
小学校で英語が教科として必修になったとはいえ、中学校で本格的な学習がスタートします。
そのギャップにびっくりする1年生やお母様・お父様も多いはず。
では、どうやって英語に慣れていけばいいのでしょうか?
中学1年生は英語に慣れるには…
- 慣れるまで時間がかかることを理解しておく
- 定期テストや英検を目標に勉強する
- 耳や口も使って勉強する
の3つが大切です。
1つ1つ見ていきましょう。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
慣れるまで時間がかかることを理解しておく
言語を身につけるのは「壮大な慣れ」です。
子どもが母国語である日本語をある程度身につけるのも、時間がかかりますよね。
単語も文法も、日本語とはまったく違う言語である英語に慣れるには、やはり時間がかかってしまいます。
そのことを理解していないと…
ぜんぜん英単語のつづりが覚えられない…
英語きらい…苦手…
と、理不尽な苦手意識を感じてしまいます。
たとえば、英単語のつづり(スペル)に慣れるのは、数か月かかるでしょう。
「tionで終わる英単語は『~ション』と読みそう」と、だんだんとわかってきますよね。
もちろん正しいトレーニングは必要ですが、時間がかかることは念頭に置いておきましょう。
定期テストや英検を目標に勉強する
英語に慣れるための、ペースメーカー役になってくれるのが「テスト」です。
テストがあるからこそ、いつまでに何を学ばなければならないかがはっきりします。
また、テストによって、内容が理解できて身についているかをはかることができますね。
テスト自体は楽しくはないけどな
中学生にとって、最もペースメーカーになるのが「定期テスト」です。
きちんと範囲が決められていて、段階を踏んで英語の内容を積み上げていけます。
定期テストの英語の勉強法について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
まずは、定期テストで点数をとることを目標するのがおすすめです。
英語だけでなく、定期テストで高得点を取るための心構えや勉強法については、こちらの記事にまとめました↓
また、英検をモチベーションアップに使うご家庭も多いですね。
最近では、英検に合格していれば、高校入試や大学入試で優遇(加点や点数読み替え)してくれる学校が増えています。
リスニングが手薄な中学校に通っている場合には、英検を使ってリスニング練習するといいでしょう。
英検5級が中学1年生のレベルに対応しています。
英検5級の攻略法やおすすめ教材については、こちらの記事をどうぞ↓
耳や口も使って勉強する
「勉強」というと、
- 教科書を読む
- ノートに書く
- 問題集を解く
というイメージが強いかもしれません。
もちろん勉強方法としてはまちがっていませんが、「耳」や「口」を使うと、英語により慣れやすくなります。
母国語を身につけるときにも、子どもは「読む」「書く」よりも先に、「聞く」「話す」からスタートしますよね。
外国語なのでもちろん状況が違いますが、やはり「聞く」と「話す」を取り入れた方が、英語を身につけやすくなります。
耳と口を使った勉強に最適なのが「音読・暗唱」です。
音読・暗唱…
地味やな…
音読を侮るなかれ!
英語の熟練者は、みな音読・暗唱をしている!
「同時通訳の神様」と呼ばれる國弘正雄さんは、中学時代に、教科書を500から1000回ほど音読したと言われています。
『英語上達完全マップ』や「瞬間英作文」で有名な森沢洋介さんも、音読を軸にした「音読パッケージ」という勉強方法を提案されています。
ここから、具体的な中1英語の勉強法を紹介していきますが、どの勉強方法でも耳と口を使った「音読・暗唱」を取り入れてみましょう!
中学1年生の英語の勉強方法
それでは、中学1年生の英語の勉強法を見ていきましょう。
- 英単語
- 英文法
- 読解・リスニング
の3つに分けて、おすすめ教材とともに紹介していきますね。
英単語
語彙(ボキャブラリー)は「武器」ですね。
英単語を知らなければ、聞くことも、読むことも、話すことも、書くことも何もできません。
まずは、英単語を覚えていきましょう。
英単語を覚えるときのコツは…
- 読める
- 意味がわかる
ことを最優先にすることです。
読めないし、意味の分からない単語は覚えにくいし、忘れやすいものです。
次に、英単語を「書ける」ようにトレーニングしていきます。
ただ、さきほど紹介した通り、日本語と英語の単語はまったくの別物です。
英単語のつづりがぜんぜん覚えられない…
bikeがバイク?
スペルに慣れるまで、当分の間、苦労することは覚悟しておかなければなりません。
アルファベットと音の関係を学ぶ「フォニックス」という学習方法があります。
「フォニックス」なども活用しながら、英単語に慣れていくところから始めましょう。
フォニックスについては、たくさん書籍が出版されていますが、こちらのサイトがかわいい&わかりやすいです↓
つづり(スペル)を覚えるときに、「だけ勉」はNGです。
「だけ勉」というのは、私の造語で、
- 教科書を見るだけ
- マーカーを引くだけ
- ノートに書くだけ
- 答えを写すだけ
- 提出するだけ
といった「形だけ」の勉強です。
これらは作業なので、あまり頭を使いません。
英単語がインプットできて、アウトプットできる保証はどこにもありませんね。
テスト本番に、知識を頭から出す(アウトプットする)ためにも、練習の段階からアウトプットを意識した勉強をする必要があります。
- 英単語の読み方を隠して読める
- 英単語の意味を隠して言える
- 英単語のつづり(スペル)を隠して書ける
というトレーニングをすることが大切です。
英単語の覚え方について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
中学1年生におすすめの英単語教材
中1生におすすめの英単語の教材は、
- 中学校の教科書
- 英検5級でる順パス単シリーズ
の2つです。
中学校の教科書
「NEW CROWN」や「NEW HORIZON」といった中学校の教科書を、まずはフル活用しましょう。
教科書には身につけておきたい、英単語がちりばめられています。
しかも、会話やストーリーを通して英単語に触れられます。
あとで紹介する、教科書の音読・暗唱をしつつ、英単語を身につけるのが王道です。
英検5級でる順パス単
高校受験向けの英単語教材はたくさん売られています。
でも、中学1年生だけの英単語教材って、意外とありません。
英検5級は中学1年生のレベルに対応しているの、英検5級の教材を使ってもいいでしょう。
どうせ英検を受検する予定があるのなら、覚えておいて損はありません。
つづり(スペル)を練習するための「書き覚えノート」もリリースされています↓
英文法
次に、中学1年生の英文法の勉強法を見ていきましょう。
中学1年生の英文法のメインは「動詞の使い分け」です。
- be動詞
- 一般動詞
- 三単現
- 現在進行形
- 助動詞can
- 過去形
というように、「どの動詞のどの形を使うか」がテーマになっています。
まずは、1つ1つの文法単元を学びます。
その際、英単語の学習法のときに紹介した通り、「だけ勉」ならないように気を付けましょう。
「形だけ」の勉強にならないためにも、
- 解答・解説を隠して、自力で問題集が解ける
ようにトレーニングする必要がありますね。
くれぐれも教科書を読んでわかったつもりにならないようにしましょう。
特に、トレーニングしておいてほしいのが、複数の単元を学んだ後の「使い分け」です。
たとえば、三単現を学び終わったあとには、これまでに習ったbe動詞・一般動詞とのシャッフル問題を解けるようにしておきます。
【問】次の文を疑問文にしなさい。
(1)Kumi is your sister.
(2)Kumi plays tennis.
(3)They play tennis.
1つ1つの単元はよくわかったのに、使い分けになると間違ってしまう1年生はとても多いです。
(2)を「Is Kumi plays」とか「Do Kumi plays」にしていませんか?
正解は「Does Kumi play tennis?」です。
解説すると、子どもたちも「そうだった!知ってる!」と言います。
でも、「わかる」と「できる」は別物ですよね。
実は、この動詞の使い分けができないまま進級して、中2・中3で英語がわからなくなっている子がとても多いんです。
私が指導するときには、動詞の使い分けを徹底的にトレーニングします
中学英語の土台を作るためにも、まずは「動詞の使い分け」を意識的に身につけていきましょう。
また、1回では身につきません。
まちがった問題は、解き直しをして、自力で解けるようにトレーニングすることが大切です。
英文法の勉強法について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
中学1年生におすすめの英文法教材
中1生におすすめの英文法の教材は…
- 中学校の副教材ワーク
- 塾の問題集
- 英文法パターンドリル
の3つです。
まず、中学校で配られる副教材のワークで、文法のトレーニングができます。
塾に通っている場合には、塾の問題集を使うといいでしょう。
塾専用教材は、問題数が豊富なので、たくさんトレーニングができます。
ただ、塾の講師が解説すること前提なので、解説はやや薄めです
塾に通っていない、中学校のワークでは問題数が少ないなどの場合は、市販の問題集を使うといいでしょう。
市販の問題集の中で、おすすめなのは『英文法パターンドリル』です。
「英文法パターンドリル」は、単元ごとに、
- Q1:選択問題
- Q2:並べかえ問題
- Q3:英作文問題
という順番で、少しずつレベルを上げてトレーニングできます。
ステップを踏んで、たくさん練習できるので。「骨太」な文法力をつけるのにぴったりです。
もちろん1回解いて終わりではなく、まちがった問題は解き直しをしましょう。
自力で解けるようになったら、テストでも解ける問題が増えているはずです。
読解・リスニング
中学1年生の間に、「読解」のためだけのトレーニングをする必要はありません。
定期テストや模試で出題される文章も、「長文」と呼べるほど長くありません。
それよりも、英単語と英文法をきちんと理解して、英語に慣れることが重要です。
リスニングについては、中1の頃から聞くトレーニングをしておきたいですね。
ただ…
リスニングって、どうやって練習すればいいの?
ひたすら聞き流す?
というように、リスニングの練習方法がいまいちわからない人も多いでしょう。
もちろんたくさん聞くことは大切ですが、意味のわからない英文を聞き流しても、リスニングできるようにはなりません。
では、どうするのがいいかと言うと、
音源を聞いて音読&暗唱
です。
文の構造や単語の意味を理解できている文を、耳で聞き、自分の口から出します。
さきほど紹介した通り、英語のプロたちはみんな、「音読」という道を通っています。
音読をすることで、英語という言語を、脳(体)になじませて反射神経を鍛えていきます。
小学生の頃、日本語になじむために、国語の音読の宿題が出ていましたよね。
小学生の頃、親のサインをマネて、国語の音読の宿題をやったフリをしていた私が言うのもなんですが…
「音源を聞いて」というところも、重要なポイントです。
音源なしでただの音読をしてしまうと、やはり読み方が我流になって、おかしな発音を覚えてしまいます。
まずは音源の発音をマネて、自分でも発音してみましょう。
自分が発音できる音は、聞き取りやすくなります。
中学1年生におすすめのリスニング教材
では、どんな英文を音読すればいいのかというと…
- 中1の教科書
- 英検5級の過去問の音源・スクリプト
です。
「勉強=問題集」をイメージする方も多いかもしれませんが、教科書を侮るなかれ!
さきほどお伝えした通り、教科書には、その学年で身につけてほしい英単語や英文法がちりばめられています。
では、どれくらい英文を音読すればいいのかというと、英語教室を主宰されている森沢洋介さんは…
100回
と書かれています。
やめさせてもらうわ。
もう、ええわ。
と思われたかもしれませんが、ただ単に音読するだけだと単調で飽きますよね…
リピーティングやシャドウイングをおり混ぜると、単調さを軽減できます。
リピーティングは、音源をキリのいいところで一時停止し、聞こえた英文をリピートする(繰り返す)という方法です。
シャドウイングは、放送される英文に少し遅れながら、音読するというトレーニングです。
英語のプロも行う、けっこうハードな練習です
森沢先生は、普通の音読とリピーティング・シャドウイングを組み合わせた「音読パッケージ」という方法を実践されています。
「英語上達完全マップ」森沢洋介
- テキストを見ながらのリピーティング5回
- 音読15回
- テキストを見ないリピーティング5回
- シャドーイング5回
という30回の音読トレーニング1セッションとします。
それを100回前後まで続けます。
100回も音読すれば、中学1年生の短い文章なら暗唱(暗記)できてしまうでしょう。
その文に含まれている英文法・英単語が、体(脳)になじんでいるはずです。
「音読パッケージ」という音読方法については、森沢先生の『英語上達完全マップ』をご覧ください↓
また、英検5級が中学1年生の内容・レベルに対応しています。
ですので、英検5級の音源を使って、さきほどの「音読パッケージ」ができます。
過去問集には、放送内容を書き起こしたスクリプトが載っています。
また、アプリをインストールすれば、スマホで音源を聞くことができます。
そのスクリプトを確認しながら、音読トレーニングをするといいでしょう。
中学生のリスニングの方法やおすすめ教材について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
まとめ:中学1年生の勉強法まとめ
中学1年生では、英語に慣れることを最優先しましょう。
慣れるためには、目で見るだけでなく、耳で聞き、声に出してみましょう。
言語を身につけるのは、「壮大な慣れ」です。
時間がかかるのは仕方がないと、割り切っておきましょう。
中1でしっかりと英語の基礎を作って、英語を得意科目にしてくださいね!