こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
6年生の2学期になると、いよいよ受験校をしぼりこんでいきます。
そんなときに…
中学校のレベルがわからない…
受験の日程が複雑すぎて把握できない…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
大手塾なら自前で、偏差値表や日程表を作ってくれています。
一方、中小規模の塾では、偏差値表や入試スケジュール表を作らない場合もあります。
そんなときに活躍するのが、
日能研R4
です!
今回の記事では…
- 日能研の偏差値一覧R4とは?
- R4を参考にするメリット
- R4を参考にした受験スケジュールの立て方
がわかります。
どの学校をどの日程で受験するのかも、重要な戦略です。
R4も活用して、お子様に合わせた受験スケジュールを立ててくださいね。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
日能研の偏差値一覧R4とは?
私が受験スケジュールをたてるときに、参考にさせてもらっているのが、大手進学塾「日能研」が公開している「R4」という偏差値一覧です。
R4とは、日能研のホームページによると…
合格可能性を示す数値で、偏差値による合格率の各段階(RANGE=レンジ)を示し、『R4=80%、R3=50%、R2=20%』を意味します。
日能研ホームページより引用
つまり、80%の高確率で合格できる偏差値を、日能研が設定してくれているのがR4ということです。
日能研の偏差値一覧R4を参考にするメリット
では、R4を参考にするメリットは何でしょうか?
日能研の偏差値一覧R4を参考にするメリットは…
- 【縦軸=偏差値】コースごとの偏差値が網羅されている
- 【横軸=日程】スケジュールをたてやすい
だと私は考えています。
もう少しくわしく見ていきましょう。
【縦軸=偏差値】コースごとの偏差値が網羅されている
中学校によっては、いくつかのコースを設定しており、コースによって偏差値が異なります。
例えば、大阪府の男子校のトップ校・大阪星光学院中学校は、日程もコースも1つしかありませんので、非常にシンプルです。
「2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)」では、偏差値が63に設定されています。
一方、同じく大阪府の男子校・清風中学校は、理Ⅲ・理Ⅱ・理Ⅰという3つのコースを入試統一日初日に募集しています。
「2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)」によると…
2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)
- 理Ⅲ 偏差値50
- 理Ⅱ 偏差値42
- 理Ⅰ 偏差値36
というように、コースによって偏差値が違ってきます。
このようにコースが複数あり、コースによって偏差値が異なる中学校を受験する際には、コース別の偏差値がはっきりとわかったほうが便利です。
ただ、注意しておかなければならないことがあります。
塾によって、設定している偏差値が違ってきます。
この学校の偏差値が、塾では50と言われたのですが、ネットでは58と書かれていました。どうしてこんなに差があるんですか?
お母様・お父様が、よく疑問に思われるポイントです。
答えは、「どのような子どもたちを母集団にして計算しているのかが違うから」です。
ですので、別の塾の偏差値表を参考にする場合には、塾による偏差値設定の差に注意しなければなりません。
また、余談ですが、たくさんの学校、たくさんのコースが1枚の紙面にぎっしり一覧になっています。
文字が小さいので、大きな紙に印刷しなければ、見えないので注意しましょう(笑)
【横軸=日程】スケジュールをたてやすい
R4では、単に偏差値を一覧にしているだけでなく、カレンダーの役割も兼ねています。
例えば、2024年度入試であれば、統一入試日は2023年1月13日(土)でした。
R4の最上段を見ると、「~1月14日」という、いわゆる「前受け」が可能な関西圏以外の中学校の一覧にはじまり…
1月13日午前
1月13日午後
1月14日午前
1月14日午後
1月15日午前
1月15日午後
と、横軸に日程が書かれた、カレンダーになっていますね。
ですので、R4を使えば、受験スケジュールをたてやすくなります。
例えば…
1月13日(土)午前 大阪星光学院中学校
1月13日(土)午後 清風中学校 前期プレミアム理Ⅲ
1月14日(日)午前 清風南海中学校A日程
1月14日(日)午後 温存
というように、R4をカレンダー代わりにして、受験スケジュールをたてられます。
また、同じ学校でも、受験日程によって、偏差値がかわってきます。
受験日程による偏差値の変化も、R4を見れば、確認しておくことができます。
例えば、大阪府北部の進学校・高槻中学校は…
1月13日(土)午前 A日程入試 偏差値58
2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)
1月14日(日)午後 B日程入試 偏差値64
というように、受験日程によって、目標偏差値が大きく違ってきます。
これは、1日目に高槻中学校よりも偏差値が高い中学校を受験した生徒たちが、2日目のB日程入試に、併願いわゆる「すべり止め」として受験しにくるからです。
つまり、どの学校も、日程によって受験しにくる受験者の層が異なるというわけです。
日能研の偏差値一覧R4を参考にした受験スケジュールの立て方
次に、R4を参考にした受験スケジュールの立て方を考えていきましょう。
ポイントは…
- 第1志望を軸にする
- 併願校(すべり止め)を受けるか
- 後の日程になるほど偏差値は高くなる
- 体力と精神力を考慮する
の4点だと私は考えています。
1つずつ見ていきましょう。
第1志望を軸にする
受験スケジュールを立てる上で、やはり最優先事項になるのが「第1志望」です。
中学校の受験日程にもよりますが、基本的には統一入試日(初日)の午前が、最も合格しやすいです。
ですので、第1志望の中学校には、初日の午前に受験しにいくようにしましょう。
例えば、さきほど例に挙げた高槻中学校を第1志望とする場合であれば…
1月13日(土)午前 高槻中学校 A日程
1月13日(土)午後 明星中学校 午後
1月14日(日)午前 明星中学校 後期
1月14日(日)午後 高槻中学校 B日程
というように、まずは初日午前を高槻中学校A日程で確定させます。
どうしても高槻中学校に行きたい場合には、2日目午後のB日程も受けたいですよね。
そして、その第1志望の高槻中学校のスケジュールに合わせる形で、第2志望の明星中学校の日程を入れ込むという感覚です。
また、初日午前に第1志望をぶつけるのが不安な場合には、関西圏以外の中学校を「前受け」することも可能です。
例えば、岡山県の岡山中学校は、12月にも受験日を設定しています。
つまり、2025年度入試なら、2024年度中に受験できるということです。
(最新の情報は、岡山中学校ホームページをご確認ください)
本番に弱かったり、緊張しやすかったりするお子様も多いでしょう。
その場合には、岡山中学校のような「前受け」が可能な中学校で、場慣れすることが可能です。
前受け受験について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
併願校(すべり止め)を受けるか
ほとんどの受験生が、第1志望の学校だけでなく、併願校を受験するでしょう。
その併願校の決め方として、いわゆる「すべり止め」を受けるか、というのがポイントになります。
もし…
志望している中学校に合格できなければ、地元の公立中学校に進学してもいい
と考えているならば、「攻めの受験」だけでいいでしょう。
本命の第1志望校だけを受験するか、気になる学校が複数ある場合のは、複数校をチャレンジ受験することになります。
一方…
「地元の公立中学校には、絶対に進学したくない!」と決めている場合には、安全な「守りの受験」をする必要があります。
さきほど、高槻中学校を第1志望とするパターンを例に挙げました。
その場合にも、「攻めの受験」をするか「守りの受験」をするかで、受け方が変わってきます。
1月13日(土)午前 高槻中学校 A日程
1月13日(土)午後 明星中学校 午後
1月14日(日)午前 明星中学校 後期
1月14日(日)午後 高槻中学校 B日程
「2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)」は、明星中学校の最も下のコースの偏差値はそれぞれの日程で、50・42となっています。
もし、地元の公立中学校に行きたくない、つまり、「守りの受験」をしなければならない場合、偏差値50・42に不安があるならば、もっと合格率の高い中学校を選択しなければなりません。
もちろん受験に「絶対」はありませんから、安泰というわけではありません。
受験するならば、受験する以上は、過去問を解いて、合格の可能性を少しでも高めておく必要はあります。
このように、「攻めの受験」をするのか「守りの受験」をするのかは、ご家族で方向性を決めておかなければなりません。
後の日程になるほど偏差値は高くなる
さきほど述べた通り、受験日程によって、目標偏差値が大きく違ってきます。
もっとはっきり言うと、後の日程になるほど、偏差値が高くなることが一般的です。
高槻中学校で例に挙げた通り、「2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)」では…
1月13日(土)午前 A日程入試 偏差値58
2024年度入試予想R4(2023年11月15日版)
1月14日(日)午後 B日程入試 偏差値64
と、日程が後になればなるほど、偏差値が切りあがっていきます。
これは、1月13日(土)に高槻中学校よりも偏差値の高い学校を受験した受験生たちが、14日(日)には高槻中学校を受験しに来るからです。
そのメンバーにとっては、高槻中学校はいわゆる「すべり止め」ということでしたね。
つまり、A日程とB日程とでは、受験する受験生の層が異なるわけです。
日程が後になればなるほど、学校のレベルは「右肩上がり」。
言い換えると、受験する学校のレベルは「右肩下がり」に受験しなければ、安全に合格しにくくなるということです。
例えば、偏差値63と設定されている大阪星光学院中学校の併願校として、A日程の偏差値57の高槻中学校なら、すべり止めの併願にできそうな気がします。
しかし、大阪星光学院中学校と高槻中学校のA日程は、同じ1月13日(土)の午前の入試です。
同時に受験することはできません。
では、1月14日(日)の高槻中学校のB日程は、大阪星光学院中学校のすべり止めになり得るでしょうか?
よほど余裕を持って2校を受験するのでなければ、答えはNOです。
なぜなら、高槻中学校B日程入試の目標偏差値は63で、大阪星光学院中学校と変わらないからです。
このように、日程が遅くなればなるほど、基本的にはレベルを下げなければ、安全に合格できないことを念頭に置いておかなければなりません。
体力と精神力を考慮する
中学受験は、短期決戦の超過密スケジュールです。
2024年ならば、1月13日(土)に入試が解禁となり、午前・午後、そして、連日入試が行われます。
受験したその翌日には、合格発表が行われる場合がほとんどです。
- 朝早くから試験会場に向かい、緊張する中、午前の試験を受ける…
- 昼ご飯を食べながら、午後の試験会場へ移動し、午後入試…
- 翌日には、また朝早くから、試験を受け、また、午後入試…
- その間に、初日の入試の合格発表が行われ、不合格だった場合には…
というように、子どもたちにとっては、かなり過酷なスケジュールです。
大人が資格試験を受験する場合にも、こんなにタイトなスケジュールを組みませんよね。
しかも、子どもたちは連日。
さらに自分の中学・高校の6年間の生活がかかった大事な試験です。
心と体にかかる普段はかなりのものでしょう。
お母様・お父様も、お子様の心身のサポートが大変だと思います…
受験機会を逃したくない気持ちもわかりますが、どこかで体力と気力を回復させ温存する時間も、きちんと確保することをオススメします。
まとめ
受験スケジュールをたてるときには、日能研の偏差値一覧R4を参考にするのがオススメ!
【縦軸=偏差値】コースごとの偏差値が網羅されている
【横軸=日程】スケジュールをたてやすい
受験スケジュールをたてるときのポイントは、次の4点!
- 第1志望を軸にする
- 「すべり止め」を受けるか
- 後の日程になるほど偏差値は高くなる
- 体力と精神力を考慮する
日能研の偏差値一覧R4を使って、悔いのない中学受験ができるよう祈っています!
※何度も書いてくどいようですが、今回参考にした数値は、2023年11月15日版のR4です。
受験スケジュールをたてる際には、日能研ホームページの最新版をご覧ください。