こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、勉強ができないかも…
どうしたらいいの?
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 勉強が苦手な中学生の7つの特徴
- その7つの解決方法
がわかります。
苦もなく勉強ができている子なんて、ほとんどいませんよね。
何か1つでも、お母様・お父様の参考になれば幸いです!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
勉強が苦手な中学生の特徴は?
「勉強が苦手」「勉強ができない」と言っても、原因は1人1人違います。
また、いくつかの原因がからみあって、勉強に苦手意識を持っている場合も多いもの…
まずは、勉強が苦手な子どもたちの特徴を7つ紹介します。
勉強に困っている中学生の特徴は…
- 勉強する環境が整っていない
- 勉強の仕方がわかっていない
- なぜ勉強しなければならないのかわからない
- ボキャブラリー(語彙)が少ない
- 小学校の内容でのつまずきが多い
- 勉強以外に興味が向いている
- 発達障害がある
の7つです。
1つずつくわしく見ていきましょう.
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
勉強する環境が整っていない
まず、勉強する環境が整っていない中学生で、勉強に困っている子は多いです。
具体的には…
- クラブが忙しくて勉強する時間がない
- 勉強する時間帯を決めていない
- 勉強する部屋が暗すぎる
- 勉強する部屋が暑すぎるor寒すぎる
- イスがかたくて長時間すわっていられない
- イスと机の高さが合っていない
- スマホをすぐに触ってしまう
- 教材(テキスト・解答)がそろっていない
- 文房具がそろっていない
などです。
「それくらいのことで?」と思ってしまいがちですが、環境さえ整えば勉強がはかどる子もいます。
特に、勉強へのモチベーションは高いのに、クラブが忙しくて時間が作りにくい中学生は、時間を確保してあげるだけで成績が上がる場合もあります。
また、教材だけでなく、勉強のための空間づくりも大切です。
居心地のいい場所じゃないと、集中が続かないものです。
キャスター付きのイスで浅く腰かけて、くるくる回りながら勉強していて、イスから落ちた子もいますよ
最近では、スマホをついつい触ってしまって、勉強できない子が増えています。
twitter(X)やインスタグラムなどのSNSは常に更新されるので、中毒性が高い…
スマホの扱いにお困りのお母様・お父様は、かなり多いものです。
おとなでもついついスマホを触ってまうやんな
スマホとの付き合い方について、くわしくはこちらの記事もご覧ください↓
勉強の仕方がわかっていない
次に、勉強のやり方がわからない中学生も、勉強につまずきがちです。
「勉強しなさい!」と言われても…
どうやって勉強したらいいのかわからない
というのが、中学生の本音です。
つまり、勉強したくても、どうしていいのかわからずに踏み出せない子もいる、というわけです。
また、勉強に取り組んだとしても、効果の薄い勉強を繰り返している子も多いものです。
私は「だけ勉」と呼んでいますが…
- 教科書をただ読むだけ
- ノートに書き写すだけ
- 教科書に蛍光マーカーを引くだけ
- 答えを写すだけ
- 課題を提出するだけ
やらないよりはマシかもしれませんが、「だけ勉」は形だけの勉強です。
「だけ勉」を続けている限り、テストを自力で解いて、点数を取ることはできません。
(「だけ勉」にかわる正しい勉強方法は、あとでお伝えします)
それに、お母様・お父様が勉強の方法を教えても、中学生にもなると、反発する子も多いですよね。
なぜ勉強しなければならないのかわからない
また、「なぜ勉強しなければならないのか」がわからずに、勉強に手をつけたくない子もいます。
以前は、「勉強→有名大学へ進学→有名企業へ就職→昇進・出世」という勉強するメリットや理由が見えやすかったものです。
でも、今は年功序列も崩れ、1つの会社で定年まで勤める人も減ってきています。
それに、YouTuberとして有名になったり、インフルエンサーとして収入を得たりと、子どもたちの職業観も変わってきています。
「なりたい職業No.1」がYouTuberってのは有名な話やな
そんな中で、「勉強しなさい」と言われても、「勉強したところで将来が約束されないのに、勉強なんてしたくない」と感じる中学生が多くても不思議はないですよね…
「コストパフォーマンス」ならぬ、「タイムパフォーマンス(タイパ)」が重視される今日この頃…
ボキャブラリー(語彙)が少ない
ボキャブラリー(語彙)が少ない、つまり、知っている言葉が少ない中学生も、勉強で困りやすい傾向にあります。
というのも、教科書も問題集も「言葉」で書かれているからです。
知っている言葉が少ないと、教科書や問題集が読めない、読んでも意味が分からないということが起こってきます。
国語だけでなく、理科・社会もそう。
英語や数学でさえ、書かれていることを理解するのは「言葉」の力です。
実際、教科書を音読させてみると、漢字が読めずに読むのに精いっぱいで、理解がままならない子はけっこう多いもの
つまり、ボキャブラリー(語彙)が少ない中学生は、「勉強しなさい!」と言われても、独学ができないというのが実状です。
小学校の内容でのつまずきが多い
中学校で学ぶ内容がわからない子の中で、小学校の内容でのつまずきが影響している子はかなり多いです。
たとえば…
- 正負の数で困っていると思ったら、実は分数の通分や約分がわかっていなかった
- 方程式でつまずいていると思ったら、実は割合や速さでつまずいていた
ということはよくあります。
小学校の社会科の内容が身についている子にとっては、中学校の内容は、プラスアルファ肉付けするだけです。
でも、小学校の身についていない中学生は、日本地理や日本史も学び直さなければなりません。
ただでさえ苦手やのに、負担が倍以上になるやん
小学校で勉強に対して苦手意識を持ってしまい、その苦手意識を中学校になってからも引きずっている子もいます。
※中学生で伸びる子の特徴について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓
勉強以外に興味が向いている
勉強ができない中学生の中には、勉強以外に興味が向いていて、勉強を後回しにしてしまっている子も多いでしょう。
- ゲーム
- スマホ・SNS
- スポーツ
- 音楽・楽器
などに夢中になっている場合が多いですよね。
もちろんそれらに夢中になっていることが、悪いわけではありません。
勉強が手につかないほど、没頭してしまっていることに、お母様・お父様も頭を悩ませていますよね…
発達障害がある
勉強が苦手な中学生の中には、「発達障害」だと診断される子もいます。
発達障害とは…
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。(中略)
厚生労働省ホームページ「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」より引用
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
つまり、本来は、生まれつき脳の働きかたが違っているだけなのですが、違っているがゆえに、「生きづらさ」を感じてしまうということですね。
- じっとすわっていられない
- ぼんやりして授業を聞いていない
- 忘れ物をくりかえしてしまう
- 黒板の内容をノートに書き写せない
- 漢字がどうしても覚えられない
本人としてはわざとやっているわけではありません。
でも、周りのおとなからは、きちんと取り組んでいないと見られ、注意されてしまうことがよくあります。
実際、私が担当するご家庭でも、「発達障害」と診断されている子どもたちは増えてきています
最近は「おとなの発達障害」も注目され、広く知られるようになってきてはいます。
ただ、後でも書きますが、素人が発達障害だと、安易に決めつけてしまうのは危険です。
必ず専門家に相談するようにしましょう↓
※拙著『保護者のための「中学生の勉強法」』はこちら↓
Kindleアプリでお読みいただけます!
勉強ができるようになるための7つの解決策
ここまで勉強が苦手な中学生の特徴や原因をまとめてきました。
では、勉強ができるようになるためには、どうすればいいのでしょうか?
中学生が勉強できるようになるための解決方法は、苦手な原因の「逆」、つまり…
- 勉強する環境を整える
- 効果が出る勉強のやり方を身につける
- なぜ勉強しなければならないかを知る
- 音声や動画を使って勉強する
- 小学校の内容を学び直す
- 夢が本気の場合は応援してあげる
- 発達障害の専門家に相談する
の7つです。
いくつかの問題がからみあっている場合、1つの解決策では対応できない場合もあるでしょう。
1つでも参考になれば幸いです。
1つ1つ掘り下げて見ていきましょう!
勉強する環境を整える
勉強をする環境が整っていない場合には、まず勉強しやすい環境を整えてあげることが第一でしょう。
さきほど挙げた例なら…
- 勉強する時間を決めていない→時間割を決めてあげる
- 部屋が暗すぎる→照明を明るくする
- 寒すぎる暑すぎる→エアコンをつける
- イスと机の高さがあっていない→調節してあげる
- スマホを触ってしまう→スマホを預かっておく、目の届くところで勉強させる
- 文房具がそろっていない→そろえてあげる
などですね。
勉強する時間や場所が決まっていない場合には、まずは家庭学習の時間割を作ってみましょう。
勉強計画表の作り方について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
また、お子さまの部屋が勉強にふさわしいとは限りません。
自分の部屋だと集中できない場合には、リビングなどお母様・お父様の目が届く空間で勉強した方が、集中して勉強に取り組めることもあります。
ただ、反抗期の中学生は、お母様・お父様のアドバイスもなかなか聞かないものですよね…
「それくらいやっています!」というお母様・お父様のお叱りの声が聞こえてきそうです…
環境を整えても、勉強をしない場合には、原因は他のところにあるはずです。
効果が出る勉強のやり方を身につける
勉強のやり方がわからないことがボトルネックになっている場合には、「勉強のやり方」を勉強するといいでしょう。
さきほど効果が薄い勉強方法として「だけ勉」を紹介しました。
教科書を読むだけ、線を引くだけ、答えを写すだけ、ってやつやな
では、効果が出る勉強は、どうすればいいのでしょうか?
それは…
自力で解けるトレーニング
です。
テストは、ヒントも解説も見ずに、答えを自力で導き出さなければなりません。
ですので、勉強の段階から、答えや解説ページを見ずに、自力で解ける状態に仕上げておく必要があります。
見るだけ、写すだけ、線を引くだけの「だけ勉」は、単なる作業です。
自力で解けるようにはなりません。
具体的には…
- 単なる丸暗記にならないよう理解する
- 解答・解説を見ずに、基本用語を言える・書けるようにする
- 解答・解説を見ずに、問題集を解けるようにする
というように、ステップを踏むといいでしょう。
定期テストで高得点を取っている子たちは、点数が出る勉強方法を知っています。
また、定期テスト対策に向けての心構えから違っています。
定期テストで高得点を取っている子の勉強法や心構えについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
また、机の前にすわったときに、何の勉強に取り組むかを決めておくといいでしょう。
特に…
- どの教材を
- どのレベルまで
- どのように
がわかっていると、勉強に取り組みやすくなります。
基本問題で苦戦している子に、まだ応用問題は必要ありません。
一方、応用問題が必要な子が、基本問題ばかり解いていても力はつきません。
また、ただただ解きっぱなしにするだけでは、まちがい続けるでしょう。
ただ、勉強のプランニングは、ご家庭では難しいことも多いでしょう。
その場合には、中学校の教師や塾講師など、プロの力を借りるのがおすすめです。
自分に合った塾を見つけることが大切ですね。
集団塾・個別指導塾のそれぞれのメリット・デメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
なぜ勉強しなければならないかを知る
「なんで勉強しなければならないの?」
お子様にそんな質問されたらどう答えますか?
なかなか答えるのが難しい質問ですよね…
担当する子どもたちに、私が伝えているのは…
勉強する意味なんて、子どもにわかるわけがない
です。
子どもにとっては「ずるい!」と感じる答えかもしれません。
でも、それが事実なんですよね。
さらに「じゃあ、先生はなんで勉強せなあかんかわかったん?」と質問されたら、「うん、実は…」と勉強するメリットや価値を語るようにしています。
すでに夢があって、勉強する目的を理解している子どもなんて、ほとんどいません。
おとなになって…
勉強しておいてよかった!
勉強しておけばよかった…
そう実感することの方が多いはずです。
年功序列が崩れ、転職もあたりまえになり、YouTuberがなりたい職業No.1となる世の中で、「勉強すれば将来安泰」だという理屈が通らなくなっています。
ただ、教育をデータで読み解く教育経済学では、こんな研究結果が出ています。
教育投資への収益率は、株や債券などの金融資産への投資などと比べても高いことが、多くの研究で示されています。(中略)
「高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間では、生涯で稼げるお金に、実に1億円の差があります。
『「学力」の経済学』中室牧子(Discover)
つまり、勉強をして大学を卒業するのは、確実な投資になるのは事実なんですよね。
損得に敏感な子どもたちには、勉強をするメリットをデータを使って説明してあげるのもアリかもしれません。
音声や動画を使って勉強する
ボキャブラリー(語彙)が少ないと、文章を読んで勉強するのに不利だとさきほどお伝えしました。
教科書やテキストを読むのが難しいお子様は、音声や動画、マンガを使って勉強するのがおすすめです。
つまり、文字情報だけでなく、耳を使ったり、映像やマンガなどのビジュアルを通して学ぶと、理解しやすくなることがよくあります。
文章を黙読させると問題を解けない子が、音読させると解けるってのはよくある話
ボキャブラリー(語彙)が少ない子は、独学するのが難しいでしょう。
ですので、塾で授業を受けたり、家庭教師にサポートしてもらったりするのが一般的です。
最近では、勉強系のYouTubeなども充実してきています。
YouTubeなどの動画コンテンツも活用して勉強してもいいですね。
また、オンライン教材も、近年増えてきています。
たとえば、オンライン教材の「すらら」は、短くまとめられたアニメーションの講義を視聴できます。
文字を読みとるのが苦手な中学生には、アニメーションで学べる「すらら」はおすすめです。
小学校の内容を学び直す
小学校内容でつまずいていて、中学校の内容が積み重なっていない場合には、小学校の内容を学び直しながら先に進みましょう。
土台の部分でつまずきを解消すれば、その上が積み上げやすくなります。
ただ、つまずきが大きい場合には、独学は難しいでしょう。
「何から手を着けたらいいのかわからない」という状態になっている可能性が高いでしょう。
また、集団塾に入って空回りする子もいます。
クラス形式の集団塾は、一般的に先取り型のカリキュラムで、進度が速いのが特徴です。
もし苦手が多い状態で、集団塾に入ってしまうと、わからないことが余計に増えてしまいかねません。
中には、フォローの手厚い塾もありますが、空回りしてしまう可能性が高くなってしまいます
まずは、個別指導や家庭教師で、過去のつまずきを解消しつつ、今の内容を学ぶのがおすすめです。
個別指導や家庭教師なら、自分のペースで復習できます。
また、さきほど紹介した「すらら」というオンライン学習教材は、無学年制です。
学年を気にせずに、さかのぼって復習することができるでしょう。
それに「すらら」では、「つまずき診断機能」があるので、どこでつまずいているのかもあぶり出すことができます。
夢が本気の場合は応援してあげる
もし勉強以外に興味が向いていて、それが本気の場合には、夢を応援してあげるのも1つです。
もちろん親としては、中学生の段階で道を1つにしぼってしまうのは不安です。
また、「好き」「得意」というだけで、収入を得て生きていけるほど、世の中は甘くないと、先回りしてしまいますね
見極めは難しい場合には、どうやって夢を実現するのか、本人にプレゼンテーションさせてみてはいかがでしょうか?
もし夢が本気なら、親を納得させるだけの見通しを示せ、というわけです。
世の中って悪くない。
でも、それほど甘くもない…
もちろん中学生にプレゼンさせるのは難しいので、ある程度は親が現実的で建設的な意見を出して、サポートしてあげる必要はあるでしょう。
実際に私が担当した中学生で、お母様・お父様を説得して、中学卒業後に職人の道を進んだ子がいます
ただし、ただ勉強から逃げているだけの場合もあります。
勉強がイヤで逃げているだけの場合には、ご紹介しているような別の方法で、勉強に取り組ませた方がいいでしょう。
発達障害の専門家に相談する
さきほどもお話ししたとおり、発達障害が疑われる場合には、専門家に相談するのが1番です。
その上で、どのように勉強するかを決めましょう。
ADHDなどの発達障害をお持ちの場合には、集団塾で学ぶことが難しいかもしれません。
その場合には、発達障害に理解がある家庭教師などを利用するといいでしょう。
私が指導する場合には、寝ころんで勉強してもOKにしています。
お母様・お父様はびっくりされますが(笑)
また、パソコンやタブレットを使うのが得意な場合には、「すらら」などのオンライン教材を利用するのも1つの手です。
勉強よりも向いているものがある場合には、無理して勉強・進学の道を選ばなくてもいいかもしれません。
判断はとても難しいですが、「得意」を伸ばすのも大切です。
まとめ:【勉強が苦手な中学生の特徴は?】勉強できない7つの原因と解決方法
勉強が苦手な中学生の特徴を紹介するとともに、勉強に取り組ませる方法も紹介してきました。
おそらく勉強が苦手になってしまった原因は1つではなく、いくつかの理由がからみあっているでしょう。
一気に解決するのは難しいかもしれません。
実際に私も試行錯誤の連続です
1つ1つ試してみながら、つまずきを解消していきましょう。
お母様・お父様が抱え込みすぎずに、塾の先生、家庭教師やそのスタッフも活用してくださいね。