こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
過去問っていつから取り組めばいいの?
解くときの注意点って何?
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 高校入試の過去問を解く目的
- 過去問はいつから解くか
- 過去問はどう解くか
- やってはいけない過去問の演習方法
がわかります。
受験生として避けては通れないのが、「入試問題の過去問」ですよね。
正しい方法で過去問を解いて、高校受験を乗り越えましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
【高校入試】過去問を解く目的4つ
受験をくぐり抜けてこられたお母様・お父様は、過去問を解く目的はよくご存じですよね。
でも、高校受験で初めて過去問に取り組む高校生の中には、過去問をなぜ解かないといけないのかを知らない子たちもいます。
過去の問題を解いても、今年は同じ問題は出ないやん。
過去問なんか解く必要ないんちゃうん?
というように感じている中学生はけっこう多いんです。
ぜひ、受験勉強では過去問を解く必要があるのかを、お子様に伝えてあげてくださいね。
過去問に取り組む目的は…
- 出題傾向を知って対策する
- 時間配分に慣れて戦略を立てる
- 弱点を知り克服する
- 先輩たちと勝負する
の4つです。
掘り下げて見ていきましょう。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
出題傾向を知って対策する
まず、入試を攻略するには「敵を知る」必要があります。
高校受験で出題される内容は、高校や自治体によって傾向が違ってきます。
ですので、自分が受験する高校や自治体の出題傾向に合わせてトレーニングをしなければなりません。
- 出題されやすい単元
- 出題されやすい形
- 制限時間
などは、きちんと知っておきたいですよね。
この私立は、近世・近代の歴史が100%出るぞ。
県立高校では、300字の作文が出るから練習しないと!
というように、傾向を知っているからこそ、対策することができます。
傾向を知ることで、入試に向けての勉強方法も変わってくるはずです。
過去問を解いて、傾向と対策を知ったうえで受験するのと、知らずにぶっつけ本番で受験するのとでは、対応力が違ってきますよね。
時間配分に慣れて戦略を立てる
また、出題される内容だけでなく、「制限時間」も重要な攻略ポイントです。
入試は、常に時間との闘いです。
時間の余裕がある入試って、そんなにないやん
過去問に取り組んでおくことで、「時間配分」という戦略をたてることができます。
時間配分とは…
- どの問題から解き始めるか
- どの問題に時間をかけるか
- どの問題に時間をかけない(捨てる)か
- 解き終わったらどの問題を見直すか
を事前に決めておくことです。
時間配分を考えずに解いてしまうと、時間切れになったり、得点できるはずの問題を落としたりしてしまうでしょう。
時間配分も高校や自治体によって異なるので、受験校に合わせて決める必要があります。
※受験校の選び方について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓
弱点を知り克服する
入試を攻略するためには、「敵を知る」と同時に、「己を知る」ことも大切です。
過去問を解いてみることによって、自分の弱点に気づけます。
自分では意識していなかった、意外な苦手単元が見つかるかもしれません。
発生と遺伝が「穴」だったかも…
あ、前置詞+動名詞を忘れてた…
というように、実戦形式だからこそ、見えてくるものもあります。
入試本番に備えて、見つかった弱点を克服しておきましょう。
弱点に気づかずに受験を迎えたら、大変なことになりますね…
先輩たちと勝負する
過去問には「先輩たちと勝負する」という隠れた目的もあります。
中学校や塾には、先輩たちの膨大な受験データがあります。
中学校であれば…
評定が平均4以上の先輩たちは〇〇高校に合格していたぞ
というように、卒業生たちの実力テストの点数や評定(通知表)などと比較して、合格可能性を教えてくれるでしょう。
高校入試の成績開示をきちんと聞き取っている塾なら…
2年前の先輩たちの合格ボーダーは、345点だったね
というように、過去の先輩たちの入試の点数と比較して、合格の可能性を見極めてくれます。
また、高校側はよく「合格最低点」も公開しています。
その年度の合格最低点を上回れるかが、過去問トレーニングの1つの目標になります。
自分が解いた過去問の点数と、実際に入試を経験した先輩たちの点数を比べることで、今の自分の立ち位置が見えてきますね。
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【高校入試】過去問はいつから解くの?
では、入試問題の過去問はいつごろから解き始めればいいのでしょうか?
入試問題の過去問を解き始めるのは…
中3の2学期の期末テスト後
が一般的です。
というのも、2学期終わり頃の中学校の懇談会で、受験校を決める場合が多いからです。
また、ある程度単元を習い終わり、定着してきた時期でもあるからです。
まだ習っていない単元や定着していない単元が多い状態では、過去問にまだまだ太刀打ちできませんよね。
中3の夏期講習あたりで全カリキュラムを終了する塾もけっこうあります。
塾で先取り学習していたり、最難関の高校を受験する場合には、2学期の早い段階から入試問題に触れておいてもいいでしょう。
前倒しのカリキュラムで、しっかりと演習期間を確保できるのが、進学塾の強みです
塾に通っていないお子様の場合、授業進度が異様に遅い中学校があるので注意が必要です。
「入試までに公民が終わらない!」という中学校はけっこうありますよ…
受験勉強のスケジュール管理については、こちらの記事をどうぞ↓
いつから過去問を解くべきか中学校・塾に相談する
いつから過去問に取り組むべきなのか、中学校や塾に相談するのも大切です。
なぜなら、中学校や塾としては、入試直前期まで解いてほしくない入試問題や年度もあるからです。
さきほどの紹介した通り…
先輩たちと勝負する
ためです。
もし事前に過去問を解いてしまっていたら、答えを覚えてしまいますよね。
塾や中学校としては、入試直前の時期に、先輩たちの得点と比較して、合格可能性を見極めたい…
でも、すでに過去問を解いてしまっていたら、合格判定に狂いが出てしまいます。
ですので、解いていい入試問題や解いてはいけない年度を、塾や中学校に確認しておくといいでしょう。
事前に解いてしまったら、正直に先生に言ってくださいね
【高校入試】過去問はどうやって解くの?
次に、過去問を解くときの取り組み方について見ていきましょう。
過去問を解くときには…
- 入試本番を想定して解く
- 厳しく丸つけ・採点する
- まちがいを次に活かす
の3つルールを守ることが大切です。
1つ1つ見ていきましょう。
入試本番を想定して解く
1つ目のルールは、「入試本番を想定して解く」ということです。
具体的には…
- 制限時間を守る
- 途中で中断せずに解く
- 答えや解説を見ずに解く
- 緊張感を持って取り組む
などです。
さきほど「過去問を解く目的」を紹介しましたが、これらのルールを守らないと、目的を果たせなくなってしまいます。
つまり…
- 時間配分がうやむや…
- 答えを見たので自分の弱点がうやむや…
- 本気の先輩たちと比べられない…
といった状態になってしまいます。
せっかく過去問を解くのに、もったいないですよね。
練習のときにできないことは、本番でできません。
逆に、本番でできないことを、練習のときにすべきではありません。
練習は試合のように。
試合は練習のように。
やな
子どもが答えを写してしまう心理や防ぐ方法はこちら↓
中学受験向けの記事ですが、書かれている内容は高校受験でも同じです。
厳しく丸つけ・採点する
2つ目のルールは「厳しく採点する」ことです。
理由は、1つ目のルールと同じで、本番を想定するためです。
入試は「みんなに点数をあげるテスト」ではありません。
入試 = 受験生の点差をつけるためのテスト
です。
みんなに点数を与えてしまったら、合格と不合格を決められません。
高校側は厳しく丸つけ、厳しく採点することで、「落とす受験生」を決めるわけです。
ですので、過去問演習の段階から、厳しく採点する必要がありますね。
ただ、国語の記述問題や英作文、数学の証明などは自分では、丸つけ・採点しづらいでしょう。
採点基準がわかりにくいですね
採点基準がわからない問題は、中学校の先生や塾講師に丸つけ・採点してもらうといいでしょう。
家庭教師を利用して、添削してもらうのも有効です。
まちがいを次に活かす
3つ目のルールは「まちがいを次に活かす」ことです。
過去問演習をしていると、どうしても一喜一憂してしまいます。
点数が取れたらうれしいけれど、点数が悪かったら落ち込みますよね…
直視するのはつらいわ…
ですので、一喜一憂するのは仕方がありません。
一喜一憂したうえで、次に進むことを心がけましょう。
今回はまちがったけれども、次に出題されたときに正解できるように仕上げることが大切です。
ただ、過去問とは、まったく同じ問題はなかなか出題されにくいでしょう。
ですので…
まちがった問題は、その周辺の知識(単元)も含めて復習する
といいでしょう。
1つ苦手が見つかったのなら、その単元で他にも苦手が潜んでいる可能性が高いです。
どうせ復習するなら、まちがった問題に関連した知識も、克服しておきましょう。
※国語の読解のまちがい直しの方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
やってはいけない過去問の演習方法
また、やってはいけない演習法も紹介しておきますね。
やってはいけないNGの勉強方法は、さきほど紹介した過去問の解き方の逆、つまり…
- 入試本番を想定せずに解く
- 甘く丸つけ採点する・ごまかす
- まちがったまま放置する
の3つです。
1つずつ見ていきましょう。
入試本番を想定せずに解く
入試本番を想定せずに解くと、過去問を解く意味がなくなってしまいます。
具体的には…
- 制限時間を勝手に延長する
- 答えや解説を見ながら解く
- 緊張感なくダラダラ解く
などです。
入試本番は、時間を勝手に延長できないですよね…
入試本番は答えや解説を見ながら、問題を解くことはできないですよね…
さきほどもお伝えした通り、本番できないことを練習でするべきでないし、練習でできないことは本番でもできません。
甘く採点する・ごまかす
中学生ですから、答えを写したり、点数をごまかしたりしても得をしないことはわかっています。
でも、「魔が差した」というか、ついつい自分に甘くなってしまうんですよね…
入試本番には、その甘さは通用しません。
間違いは間違いであり、点数をもらえることはありませんね。
さきほどお伝えした通り、入試は「落とす受験生を決めるテスト」です
ですでの、過去問トレーニングの段階から、読めない雑な字はバツにしましょう。
自分で丸つけ・採点すると、どうしても甘くなってしまう場合には、おとなが丸つけ・採点をするといいでしょう。
ただ、お母様・お父様が丸つけ・採点すると、親子ゲンカになりがちです…
だって思春期やもん
その場合には、学校の先生や塾講師に丸つけ・採点をしてもらうといいでしょう。
特に、国語の記述問題や英作文、数学の証明などは、特に丸つけ・採点しにくいです。
客観的な視点で、添削してもらうことが大切です。
まちがったまま放置する
点数が悪かったら、目をそむけたくなります…
でも…
まちがった問題 = 伸びしろ
です。
さきほどお伝えした通り、過去問トレーニングで一喜一憂するのは仕方がありません。
点数が悪かったときに、「本番じゃなくてよかった!」と思い直すといいでしょう。
ただ、まちがいを放っておくと、本番で似た問題が出たときにまちがってしまいます…
入試で1番悔しいのは…
知っている(以前解いた)問題なのに解けなかった…
復習しておけばよかった…
と思ってしまうことです。
後悔しないためにも、間違った問題は克服してから次に進みましょう。
自分で解決できない場合には、中学校や塾で質問して解決することが大切です。
受験前にはたくさん質問したいことが出てきます。
受験する高校に合わせた対策をするために、家庭教師を利用して疑問を解消するのも有効です。
まとめ:【高校入試】過去問の演習方法と活用法
過去問を制する者は、入試を制す!
過去問をやりこむことで、点数がぐっと上がる受験生もたくさんいます。
ぜひ正しい方法で過去問を解き、志望校合格をつかみ取ってくださいね!