こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、答えを丸写ししてる…
どうやって止めたらいいの?
宿題や過去問演習で答えを写してしまうお子様に、悩んでいるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 答えを写す5つのデメリット
- 子どもたちが答えを写す6つの理由
- 答えを写すのをやめさせる8つの方法
がわかります。
「答えを写す」という行為は、けっこう深刻で根深いですよね…
まだ成熟していない小学生だからこそ、おとながサポートしてあげる必要があります。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
答えを写す5つのデメリット
まず、塾の宿題や過去問の演習のときに、答えを写してしまうデメリットから見ていきましょう。
答えを写してしまうデメリットは…
- 実力がアップするわけではない
- 時間のムダ
- 過去問で答えを写すと演習の意味がなくなる
- 親子の関係が悪くなる
- 答えを写すクセがついてしまう
の5つです。
1つずつ見ていきましょう。
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
実力がアップするわけではない
まず、答えを写したところで、成績がアップするわけではありません。
今、その問題から逃げることができても、いずれ向き合わなければならない時期が来てしまいます。
答えを写すことは、問題を先送りするだけで、何の解決にもなりませんよね…
ツケが回ると、後が大変です…
時間のムダ
実力がアップしないのに、答えを写すという作業は時間のムダです。
中には、丸写しだと親や講師にバレてしまうので、あえてまちがった答えを書く「まちがったフリ」をする子もいます。
そんな小細工に時間をかけるのは、本当に時間のムダですよね…
答えを写している時間に、1問でも2問でも真剣に問題に向き合った方が力は付きます。
過去問で答えを写すと演習の意味がなくなる
また、受験が近づいてきて、過去問の演習をするときに答えを写してしまう子がいます。
過去問演習で答えを写してしまうと、やる意味がなくなってしまいます。
過去問の演習する目的は…
- 出題傾向を知って対策を立てる
- 時間配分などの戦略を練る
- 自分の弱点をあぶりだして克服する
- その年度の受験生と勝負する
という主に4つです。
過去問をとくことで、己を知り、敵(受験校)を知ることができます。
また、過去の合格最低点や平均点と比べて、合格の可能性をチェックすることも大切ですよね。
でも、答えを写して点数をごまかしてしまうことで、どの目的も果たせなくなってしまいます。
過去問トレーニングの方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
親子の関係が悪くなる
答えを写し始めると、お母様・お父様は疑心暗鬼になってしまいます。
この子、また答えを写してるんじゃないの?
本人がいくら「答えを写していない!」と言っても、信じられなくなってしまいます。
「オオカミが来たぞー!」という羊飼いの少年と同じように、ウソをついてしまうと、本当のことを言っても信じてもらえないものです…
その結果、水掛け論になってしまい、親子の関係がギクシャクしてしまうというご家庭は多いものです。
答えを写すクセがついてしまう
私が1番心配しているのは、「答えを写すクセがついてしまう」ということです。
中学受験はゴールではなく、通過点です。
勉強は中学・高校、そして、そのあとの人生でずっと続きます。
その通過点である中学受験で、勉強に対する変なクセをつけてしまうのはもったいないですよね…
せっかく中学受験するねんから、良い習慣を身につけさせたいやん
※中高一貫校のメリットとデメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
子どもたちが答えを写す6つ理由
では、答えを写すことにメリットなんてないのに、子どもたちはなぜ答えを写してしまうのでしょうか?
子どもたちが塾の宿題や過去問演習で答えを写してしまうのは…
- 宿題が多すぎるから
- わからない問題が多すぎるから
- 点数が取れない自分を認めたくない
- 褒められたいor怒られたくない
- 答えを写してもバレなかった経験がある
- 小学生が自分を律するのは難しい
という6つの理由・心理があると、私は思っています。
掘り下げて見ていきましょう。
宿題が多すぎるから
まず、中学受験塾に通い始めると、宿題の多さに驚きますよね…
塾としては、優秀な生徒を囲い込むためにも、宿題を増やして手厚いアピールをしたいんです。
「大食い客を満足させるために、客全員に大盛を提供しているようなもの」と、有名な先生がおっしゃっていました。
教科間でのバランスは考慮していないのも、宿題が多い理由の1つです
宿題が多すぎると、子どもはどうしても勉強がイヤになってしまいます。
その結果、「答えを写せば宿題を早く終わらせられる」という結論に至ってしまいます。
※関西圏の中学受験塾を比較した記事はこちらです↓
わからない問題が多すぎるから
塾の宿題は多すぎるだけでなく、レベルが高いですよね。
塾は最難関校の合格実績を確保したいので、テキストやテストをハイレベルな水準で作っています。
宿題もどうしても難しくなってしまいがちです。
中堅レベルの子どもたちにとっては、質・量ともにオーバーワークということも多いものです。
その結果、「わからない問題が多すぎるから、答えを写すのも仕方がない」と自分の中で納得してしまう子もいます。
友だちが答えを写してるから自分も…
という子もいるしな
点数が取れない自分を認めたくない
まちがってしまうことを、プライドが許さない子もいます。
塾の宿題よりも、受験校の過去問を解いているときに、「プライド」が邪魔をしてしまいます。
ふと魔が差してしまって…
このままじゃ合格最低点を上回れない…
1問くらいバレないかな…
と、答えを写してしまう子がいるものです。
また、答えを写すつもりではなく、正解しているかどうかを、演習中にこっそり確かめてしまう子もいます。
褒められたいor怒られたくない
合格点を上回ったね!
すごい!
お母様・お父様に、そう褒めてもらいたくて、答えを写してしまう子もいます。
1番頼りにしているお母様・お父様に褒められることは、やっぱりモチベーションになります。
それが答えを写すにきっかけになってしまうのはつらいですが…
逆に、点数が悪くて、お母様・お父様に怒られた(叱られた)経験がある子は、怒られるのを回避するために答えを写してしまいます。
答えを写してもバレなかった経験がある
塾の宿題で答えを写しているのに、講師が検印だけして見過ごすことがあります。
すると…
あ、答えを写してもバレないんだ。
何も言われないのか。
というように、まちがった成功体験を植え付けてしまいます。
答えを写しても、バレなかった(何も言われなかった)ので、答えを写すクセがついてしまいます。
小学生が自分を律するのは難しい
小学生が答えを写してしまう理由・心理を、ここまで5つ紹介してきました。
その5つに共通するのは、結局のところ「小学生はまだ自律できない」ということです。
この場合の「自律」とは、「自分を律する」ということですね。
答えを見てはいけないのは、子どもたちもわかっています。
答えを写しても、自分の成績が上がるわけではないことは、小学生も理解してはいます。
でも、小学生は自分自身をコントロールできるほど、成熟してはいないんですよね…
まあ、おとなでも自分に厳しくできへんやん
答えを写すのを防ぐ8つの方法
では、子どもたちが答えを写してしまうのを、どうすれば防ぐことができるのでしょうか?
塾の宿題や過去問演習で答えを写してしまうのを防止するには…
- 答えを写してもバレることを自覚させる
- 答えを写すデメリットを伝えておく
- 点数が悪くても叱らない
- 解答集は親が管理する
- 宿題の量やレベルを調整する
- 【過去問】抜き打ちで演習する
- 【過去問】大人の目の前で解かせる
- 【過去問】大人がすぐに丸つけする
という8つの方法があります。
クセになってしまうと、いろんな方法を使って、答えを写してしまう子もいます。
できるだけ早めに手を打って、答えを写さない「クセ」をつけるようにしたいですよね…
1つずつ解説していきましょう。
答えを写してもバレることを自覚させる
さきほどお伝えした通り、小学生は自分に厳しくできるほど成熟してはいません。
おとながある程度はサポートしてあげる必要があります。
ですので、答えを写してもバレるんだということを、わかってもらわなければなりません。
実際、算数の宿題で途中式を飛ばして、答えしか書いていないのに、塾の講師に花丸してもらっている子がいました。
プロ講師なら、答えを写しているのかわかります
大勢の生徒を担当しているので、きちんとノートをチェックしていない講師もいるのかもしれません。
あるいは、気づいていながら、注意するのが面倒だったのかもしれません。
いずれにしても、塾の講師がきちんと対応してくれないと困りますよね…
答えを写しているかどうか、お母様・お父様では見抜きにくい場合には、塾講師やプロ家庭教師に見極めてもらうといいでしょう。
家庭教師の使い方ガイドはこちらの記事をご覧ください↓
特に、過去問演習に取り組むときには、注意が必要です。
さきほどお伝えしたとおり、過去問トレーニングで答えを写すと、やる意味がなくなってしまいます。
プロの目から見たら、答えを写しているのはバレバレなのだと、本人に気づかせる必要がありますね。
答えを写すデメリットを伝えておく
子どもたちに、答えを写すことはメリットがないことを伝えておいてもいいでしょう。
悪気なくというか、魔が差して、答えを写してしまう子はけっこう多いものです。
事前にくぎを刺しておくのは、効果的です。
ただし、自分で律することができる成熟した子に、「答えを写してはダメ」と伝えるのが逆効果になることがあります。
なぜなら…
私は、そんなことしない!
ママは私のこと信用できないの!?
と、自尊心を傷つけてしまうことがあるからです。
ただ、そのような成熟した子でも、ふとした瞬間に答えを写してしまう場合があるので、判断は非常に難しいです…
点数が悪くても叱らない
ぜひ、テストなどの点数が悪くても、怒らないであげてください。
点数が悪いことで叱られると、叱られるのを避けるために、答えを写すようになってしまいます。
私は子どもたちを叱るのは「ルールを守らなかったとき」と決めています。
たとえば…
- 時間があるのに宿題をしなかった
- 答えをうつして宿題をしたフリをした
- ウソをついた
などですね。
結果ではなく、過程や方法、態度に対して、厳しく接するようにするといいですね。
とはいえ、点数が悪かったら怒りたくなるけどな…
解答集は親が管理する
小学生は自分で丸つけをしたり、まちがい直しができるほど成熟してはいません。
ですので、解答集を小学生に持たせるのは、本来まちがっていると私は考えています。
ただ、「次回の授業までにまちがい直しを済ませて復習テストで得点を取りましょう」という中学受験塾のスタイルでは、どうしても解答集を配らざるを得ません。
というより、解答集を配らないと、お母様・お父様からクレームが来ます
ですので、解答集はお母様・お父様が管理するのが現実的です。
また、丸つけも本人に任せるのではなく、お母様・お父様が丸つけをするのがおすすめです。
もちろん自制心が強いお子さんの場合には信頼して、自分で丸つけさせてもいいでしょう。
宿題の量やレベルを調整する
さきほど、答えを写してしまう原因として、塾の宿題が多すぎるor難しすぎることを挙げました。
特に6年生になると、日曜日の志望校別特訓などの特別講座の宿題も増え、手が回らないことが増えてきます。
その場合には、適度に宿題を「間引く」のも1つの方法です。
テキストや宿題の量・レベルがあまりにもお子様に合っていない場合には、塾の先生に相談して、本当にやるべき問題・ページを指示してもらってもいいでしょう。
塾としては、どの家庭も満足できる「公倍数的」な宿題を出しがちです
また、お母様・お父様では判断がつかない場合には、プロ家庭教師などにやるべき宿題や取るべき講座を選別してもらってもいいでしょう。
プロ講師に勉強を教えてもらうだけでなく、塾や学校などの情報をうまく聞き出すといいでしょう。
つまり、コンサルタントとしても活用するといいですね。
家庭教師の上手な使い方・もったいない使い方について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
【過去問】抜き打ちで演習する
受験校の過去問を解くときに、答えを写してしまうと、まったく意味がなくなってしまいます。
あ、この子、答え写してるかも…
と、あやしく感じた場合の対処法を3つお伝えします。
まずは、「抜き打ち」で過去問を解かせる方法です。
年度や教科を予告してしまうと、先回りして答えを調べる子がいます。
それを避けるためにも、予告なしで演習をさせると本当の実力がわかります。
【過去問】大人の目の前で解かせる
2つ目は、おとなの目の前で過去問を解かせる方法です。
子ども一人で過去問を解かせると、ついつい魔が差して答えを見てしまったり、答えを調べてしまったり、時間を守らなかったりしてしまいます。
「塾の自習室で過去問を解くなら大丈夫だろう」と思っても、塾の本棚の過去問でこっそり答えを調べてしまう子もいますよ。
本屋さんの過去問集で答えを覚えようとした子も…
【過去問】大人がすぐに丸つけする
3つ目は、過去問を解き終わったら、おとなが丸つけをするようにします。
また、時間をおかずに「すぐに」です。
時間をあけてしまうと、どうしても模範解答をチェックして、答えを書き換えてしまう子もいます。
- 抜き打ちで演習する
- おとなの前で解かせる
- おとながすぐに丸つけをする
この3つの方法で、過去問演習で答えを写すのは防げます。
まとめ:【中学受験】宿題や過去問の答えを丸写しにする心理や防止方法
小学生は、自分をコントロールできるほど成熟してはいません。
答え合わせはおとながサポートしたり、解答集は親が管理したりする必要があるでしょう。
この記事をお読みになって…
え…
親がそこまでしないといけないの?
と思われたお母様・お父様もいらっしゃるかもしれません。
もちろん答えを写さない素直で、自制心が強い小学生もたくさんいます。
でも、「うちの子は大丈夫」と思っていても、魔が差して答えを写してしまう子はけっこう多いものです。
そういう場合には、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。