こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、抜き出し問題が苦手かも…
そのような悩んでいるかたの参考になる記事を用意しました。
今回の記事では…
- 書き抜き問題・抜き出し問題の解き方の基本
がわかります。
抜き出し(書き抜き)問題は、どんなテストでも必ずと言ってもいいほど、出題されます。
抜き出し問題を味方につけて、得点源にしましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
「書き抜き問題・抜き出し問題」とは?
まず「書き抜き問題・抜き出し問題」とは、何なのかをまずは確認しておきましょう。
「書き抜き問題・抜き出し問題」とは…
問われた内容について、指定された字数で書き抜く・抜き出す問題
です。
例えば…
問 ――線①「冷たい人」とありますが、これと対照的な内容を表す部分を、本文中から8字で抜き出しなさい。
よく見かけるタイプの問題ですよね。
定番問題やな
「書き抜き問題・抜き出し問題」は、文章の内容が理解できているかをはかるために作られています。
日本の受験国語界で独特の進化をとげた出題形式で、いろいろなパターンが編み出されました。
「書き抜き問題・抜き出し問題」の基本の「キ」
書き抜き問題・抜き出し問題の基本、それは…
本文中の言葉をそっくりそのまま抜き出すこと
です。
漢字は漢字、ひらがなはひらがな、カタカナはカタカナのままです。
かぎかっこ(「 」)があるなら、かぎかっこもそれぞれ1字に数えなければなりません。
勝手にアレンジしてはいけません。
それくらいわかってるって
そう言いつつも、意外と抜き出しミスをするお子様は多いものです。
例えば…
- 「ベッド」を「ベット」と思い込んで書いていた…
- 読点(、)を写し忘れてしまった…
などなど…
とにかく本文中の言葉を、コピー&ペーストするだけ!
「書き抜き問題・抜き出し問題」の解き方
では、「書き抜き問題・抜き出し問題」はどのように解けばいいのでしょうか?
抜き出し問題の解法テクニックは…
- 設問で何を問われているかを読み取る
- 本文中のどこに隠れているか目星を付ける
- 文字数を数えて抜き出す
という流れです。
この1~3の手順をもう少しくわしく見ていきましょう!
設問で何を問われているかを読み取る
せっかちなお子様は「3字で抜き出しなさい」と指示されたら、すぐに3字の言葉を文章中から探そうとします。
でも、3文字の言葉なんて、文章中にたくさんありますよね。
その結果、まったく関係のない3字の言葉を抜き出してしまうということがよくあります。
心当たりあるわ…
ですので、まず設問で何を問われているかをきちんと読み取らなければなりません。
実際、こんなお子様がいらっしゃいました。
物語文の読解問題を解いているときに…
問1 登場人物たちは、「家の中」のどこにいますか。3字で抜き出しなさい。
鳥取県
「家の中」やってば…
ただ3文字の言葉に反応しちゃってるだけですよね。
さきほどの例題で考えてみましょう。
問 ――線①「冷たい人」とありますが、これと対照的な内容を表す部分を、本文中から8字で抜き出しなさい。
この場合は何が問われているでしょうか?
「これと対照的な内容を表す部分」、つまり、「冷たい人」と対照的な内容を表す表現を探せと、指示されているわけです。
「対照的な内容」とは、逆・反対の内容ですね。
「冷たい人」の逆・反対とは、どんな言葉でしょうか…
うーん…
「あたたかい人」?
「優しい人」?
「思いやりがある人」?
このように、すぐに指定された字数を本文中に探すのではなく、まずは設問から何を問われているのかを把握することが大切です。
本文中のどこに隠れているか目星を付ける
設問で何を問われているかを読み取ったら、今度は本文中から探さなければなりません。
では、どのような場所から探せばいいでしょうか?
まずは…
傍線部・空欄の近くから探す
ことが最優先です。
これ鉄則
さきほどの…
問 ――線①「冷たい人」とありますが、これと対照的な内容を表す部分を、本文中から8字で抜き出しなさい。
という問題であれば、まずは傍線部①の周辺から探すことから始めましょう。
でも、傍線部の近くに答えが隠れているとは限りません。
その場合には、どこに答えが隠れているか、目星をつける必要があります。
そうやねん
傍線部から答えが遠いと困るねん
どうやって目星を付けるかというと…
同じ話題が展開されているところ
です。
筆者は自分の主張を伝えるために、同じことを手をかえ品をかえ、繰り返します。
つまり、同じ内容が言い換えられて、離れたところに隠れている場合が多いのです。
なるほどな
もちろん傍線部から答えが近い場合には、正答率は高くなります。
一方、傍線部から答えが遠い場合には、正答率が低くなります。
ですので、傍線部の近くから答えが見つからず、時間がかかりそうなら、テストでは後回しにした方がいいでしょう。
慣れてくると、「あのあたりに書かれていそうな気がする…」と目星がつきやすくなります。
あるいは、「あのあたりに書いてあったぞ!」と、印象に残っている場合もあります。
いずれにしろ、「書き抜き問題・抜き出し問題」は、文章中のどこかに答えが隠れています。
抜き出し問題は「宝探し」と同じです
いざとなったら、「かたっぱしから探す!」という力技も役に立つ場合もありますが、時間の制限もあります。
まずは「どこに隠れているかな…」という目を養うトレーニングをしましょう。
文字数を数えて抜き出す
あとは「文字数を数えて抜き出す」だけです。
でも、この「文字数を数えて抜き出す」というのが、意外と小学生は苦手…
ずれた部分を一生懸命数えていたり…
数えまちがいしていたり…
めんどうくさがって、字数を数えない子もけっこういるわ
さきほどの例題…
問 ――線①「冷たい人」とありますが、これと対照的な内容を表す部分を、本文中から8字で抜き出しなさい。
の答えが「心のあたたかい人」だったとします。
それなのに、「あたたかい人でも」などと、本来必要な「心の」を外してしまい、不要な「でも」まで抜き出して、少しズレるのです。
では、どうすればズレずに正確に抜き出すことができるのでしょうか?
そのためには…
数え下りるのではなく「数え上がる」
のです。
どういうこと?
もうちょいくわしく教えて
もちろん!
きっとズレて数えた子は、「『冷たい』の反対は『あたたかい』だ!」と思って「あ・た・た・か・い・人・で・も」というように、「あ」から8文字数え下りたはずです。
しかし、実際には、「冷たい人」と対照的な内容を抜き出すのですから、「~人」という形の答えが理想です。
ですので、「人・い・か・た・た・あ・の・心」というように、数え上がるのがベストです。
なるほどな
心当たりあるわ…
また、数えるときには…
5字ずつ区切って印をつけておく
ことをオススメしています。
なぜなら、数えまちがい・抜き出し間違いが少なくなるからです。
えんぴつを押さえるだけだと、何文字まで数えたか忘れてしまうことがよくあります。
数え間違った場合、また1から数え直さなければなりません。
でも、5字ずつ区切っておけば、数え間違いをしにくいですし、数え直しも楽です。
5の倍数だと計算しやすいでしょ
また、丸で囲みながら、数えるお子様もいらっしゃいます。
丸で囲むと数えやすいのかもしれませんが、印刷文字が丸で隠れる場合があり、抜き出しミスにつながります。
でも、5文字ずつスラッシュ(/)で区切るだけなら、印刷文字が隠れることもありません。
抜き出し問題以前に「読み」でつまずいている場合
ここまで抜き出し・書き抜き問題の「解き方」について、お話ししてきました。
もちろんテクニックを身につけることによって、得点の底上げはできます。
ただ、お子様が文章の内容が理解できていない場合、解法テクニックだけでは、いずれ頭打ちします。
ですので、解法テクニックを身につけるとともに、やはり読解力の基本である、文章理解も並行して行っていきましょう。
もちろん小学生は常にボキャブラリー(語彙)不足で、発展途上です。
中学受験の国語の文章問題で出題される文章を、すみずみまで理解するのは、難しいでしょう。
ですので…
- ボキャブラリー(語彙)を増やす
- 知らない言葉が出てきても、文章から意味を把握する
といったトレーニングをする必要があります。
ただ、国語という教科は、どこでつまずいているのかが、周囲のおとなからは見えません。
お子様がどこまで文章の内容を理解できていて、なぜ間違ったのかがわかりにくいですよね…
ですので、国語はマンツーマン指導に向いている教科だと言えます。
私も家庭教師として、たくさんの小学生の国語を担当しています
クラス形式の塾の授業でも、講師からは生徒の「つまずきポイント」が見えにくいんです。
また、見えていたとしても、集団形式では1人1人フォローするのが難しい場合もあります。
もし塾に通っていて、国語の読み方・解き方で困っている場合には、国語に精通した家庭教師などを利用するのがおすすめです。
まとめ:書き抜き問題・抜き出し問題の攻略法1【基本編】
書き抜き問題・抜き出し問題の基本は「コピー&ペースト」!
勝手に付け加えない、勝手にけずらない、勝手にアレンジしないようにしましょう。
そして、抜き出し問題を解く手順は…
- 設問で何を問われているかを読み取る
- 本文中のどこに隠れているか目星を付ける
- 文字数を数えて抜き出す
でした。
「なんとなく字数に合う言葉を探す」というレベルを卒業して、根拠を持って、正確に抜き出せるトレーニングをしていきましょう。
ただ、国語はどの段階でつまずいているのか見えづらい教科です。
もしかしたら解く段階以前に、読む段階でつまずいていることもあります。
しかも、クラス形式の塾の授業では、講師からも「つまずきポイント」が見えにくいものです。
ですので、国語は実はマンツーマン指導に向いています。
塾に通っていて、読み方・解き方で困っている場合には、家庭教師を利用するのもアリです。