こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
私自身が中学受験する頃にも、中学受験をテーマにしたテレビドラマが放送されていました。
もう25年近くも前でしょうか…
元SMAP・中居正広さんが塾講師役で主演していた『勝利の女神』というドラマです。
もはや内容はよく覚えていませんが、主題歌がウルフルズの『バンザイ ~好きでよかった~』だったはずです。
懐かしく感じる、お母様・お父様もいらっしゃるのではないでしょうか?
あの頃は、自分が小学生ということもあり、生徒の目線でドラマを見ていたと思います。
しかし、今は元塾講師の目線で、最新の中学受験ドラマを見ています。
そう…
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』です!
ただ、第3話は、元塾講師としての目線を忘れて、子どもの親という視点で見入ってしまいました…
そんな感動の『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』第3話の感想や見どころをあれこれご紹介します!
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』講師陣の主なキャスト
ここで講師陣の主なキャストを、おさらいしておきましょう。
<黒木蔵人(柳楽優弥)>
大手中学受験塾ルトワックから、中堅塾・桜花ゼミナール吉祥寺校の校長としてやってきたスーパー塾講師。
なぜルトワックから桜花ゼミナールに移ったのかは、第3話の段階ではまだ謎のまま…
「塾講師は教育者ではなくサービス業」だと言い切る冷徹なキャラクターですが、第3話ではその「裏の顔」が明かされました。
「全員を志望校に合格させる」と保護者と生徒たちに約束しましたが、どのような結末を迎えるのでしょうか?
<佐倉麻衣(井上真央)>
桜花ゼミナールに転職してきた、元中学校教師。
新人の塾講師なのに、受験学年のRクラス(最下位クラス)の担任に、黒木から命じられます。
黒木の指示を守らず、勝手な行動することがしばしばありますが、そのたびに黒木が問題解決の糸口をつかむというパターンが続いています。
<白柳徳道(岸部一徳)>
何をたくらんでいるのかよくわからない、桜花ゼミナールの社長。
黒木がルトワックを辞めて、桜花ゼミナールに移ってきたことにも、白柳社長が関わっているようです。
「例のお金、振り込んでおきましたよ」(第2話)って、怪し過ぎます…
そして、第3話では、白柳社長の新たな事実も明かされました。
<橘勇作(池田鉄洋)>
桜花ゼミナール吉祥寺校の最上位Ωクラスの担任。
講師たちの憩いの場「井の頭ボウル」では、ボーリングの腕を披露してくれていました。
小さい子どもがおり、第3話では、難関校の合格実績に応じて支払われる「成功報酬=ボーナス」を気にしていました。
お金には困っていない保護者に対して、「特待生制度」を持ちかけるといった少しズレたところがあるようです。
<桂歌子(滝内公美)>
桜花ゼミナール吉祥寺校の中堅Aクラスの担任。
「井の頭ボウル」では、佐倉麻衣の黒木に対するグチを聞いてあげています。
2020年度末のNHKドラマ『岸部露伴は動かない』第3話に出演されていましたね。
「はちにんこ(こんにちは)」と逆さ言葉を話す女の子の母親役でした。
<灰谷純(加藤シゲアキ)>
NEWSの加藤シゲアキが演じるのは、大手進学塾ルトワックの人気エリート講師。
ルトワックを捨てて、桜花ゼミナールに移った黒木に対して、ひたすらストーキングを続けています。
大手進学塾の人気講師は、そんなにヒマではないはず
ところで、黒木・灰谷・白柳の、カラーグラデーションは物語に関係あるのでしょうか?
他にも講師は多数出てきますが、このあたりがメイン講師陣のようです。
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』第3話 あらすじ
桜花ゼミナール吉祥寺校の最上位クラスΩのエース、前田花恋(田中絆菜)が大手進学塾ルトワックに入っていくのを目撃されます。
優秀な生徒の「転塾」の噂に、講師たちはうろたえます。
しかし、桜花ゼミナール吉祥寺校の校長・黒木蔵人(柳楽優弥)は、「放っておきましょう」、「何もしなくて結構です」と冷めた反応。
前田花恋は、今よりもさらに高みを目指してルトワックの体験授業を受けたものの、そのレベルの高さに翻弄され、他の生徒や講師に軽んじられて、自尊心が傷つけられてします。
夜遅くまでテキストに向かい、また、いらだちから自分を傷つけてしまうことも…
そこでようやく黒木蔵人が動き出します。
落ち込む前田花恋に対し、「花恋は女王になれるところでしか輝けない。花恋は女王様だ」と伝えます。
その夜、ルトワックで疲弊する花恋に対し、母親・前田麗子(高岡早紀)が涙を流して、心配する気持ちを娘に伝えようとします。
母の涙を見た花恋も、また涙。
「なんでママが泣くの? 私、ママを泣かせるようなことした?」
母親にどれだけ心配をかけていたのかを思い知ったのです。
泣いてまうやろ!
スーパー塾講師・黒木の言葉で、花恋は「1番元気に泳げる池」がルトワックではなく、桜花ゼミナールなのだと気づき、桜花に戻ってきたのでした。
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』第3話 見どころ
次に、感動の第3話の見どころをご紹介します!
「合格実績って延べ人数だし。一人でたくさん合格した子の受かった学校名全部書いちゃってんだから」
Ωクラスの前田花恋が、さらっと言っていましたが、塾業界では、延べ人数の合格実績の広告は当たり前のようになっています。
関西圏の最難関校・灘中学校の合格実績を見てみても、各塾・個別指導・家庭教師の全合格者数を足すと、灘中学校の合格者数を上回ります。
これは塾や家庭教師を併用している受験生も含んだりしているからです。
つまり、重複してカウントされているわけですね。
関西圏のある中学受験塾では、3校以上合格すれば、トロフィーがもらえるという表彰制度もあります。
大人から見れば、「トロフィーなんて…」と思うかもしれませんが、子どもとしては頑張った勲章は欲しいものです。
塾としては、たくさん受験して、たくさん合格してもらえると、合格実績が確保できます。
合格実績が確保できると、次の年の生徒募集のアピールに使えます。
このようにして、塾はその年度の合格実績と売り上げを確保しながら、次の年度の募集を念頭に置いて動いているのです。
ドラマの中でも、御三家の合格実績は「死活問題」だと言われていました。
その合格実績によって、塾講師のボーナス(成功報酬)が変わってくるのです。
このようにして、塾は受験生や保護者だけでなく、講師も煽って、合格実績を出そうと必死になっています。
中学受験だけでなく、高校受験・大学受験も同様です。
関西圏の高校受験塾、馬渕教室と類塾が、合格実績水増し問題でモメにモメたことがあります。
馬渕教室の合格実績が虚偽記載だと、類塾がホームページで指摘すると、馬渕教室はそれこそ虚偽記載だと撤回を求めて裁判沙汰になっていました。
結局は、大阪府においては馬渕教室のひとり勝ち状態です。
(類塾の送迎バスが走っているのは見かけますが)
「私、落ちこぼれになんかなりたくない」
第3話は胸に刺さりましたね。
前田花恋に泣かされた視聴者も多いのではないでしょうか?
第2話では、Rクラスの加藤匠(山城琉飛)に対して「落ちこぼれ」と言い放った花恋が、今度は自分がその立場に置かれてしまいます。
大手進学塾ルトワックのS3クラスで体験授業を受けてみるものの、ハイレベルなクラスメイトに驚き、上位のS1クラスや講師からは軽んじられる…
ご覧になっていたお母様・お父様からすれば「そんなに頑張らなくてもいいよ!」と応援したくなりますよね。
そして、最後には前田親子の涙にもらい泣き…
子役俳優・田中絆菜ちゃん、恐るべし…
「彼女の母親は受験生の親としては理想的です」
第3話で、前田花恋の母親・麗子(高岡早紀)は、理想的な母親として描かれていました。
親の理想を子どもに押し付けるわけではなく、「子どもの自立心を尊重し、それを最大限にサポートしていく」。
歌子先生だけでなく、黒木もそのことを認めていました。
中学受験は本来子どもが主役のはずですが、どうしても親が主導になってしまいがちです。
本人よりもお母様・お父様の方が、一喜一憂してしまうことも多いものです。
黒木の言う通り、「子どもが欲しいものと必要なものは必ずしも一致しない」。
だからこそ、中学受験の場合は、ある程度は大人がマネジメントしてあげるのは仕方がありませんね。
花恋の母は、娘がルトワックでさらに上を目指したいと言えば、転塾を後押しします。
一方で、娘が度を越して、勉強にのめり込んでしまっているときには、母として、医師として忠告します。
あれ?
スーパー塾講師・黒木の名言って何でしたっけ?
「合格のために最も必要なのは、父親の経済力と母親の狂気」
でしたよね。
第1話から第3話まで、かなり穏やかで子ども想いの母親ばかりが登場しています。
そろそろ「狂気」に満ちた母親が登場するのでしょうか…
「このまま育たないようであれば切ってしまうしかありませんが。あなたがルトワックでやってきたようにね」
大手進学塾ルトワックのチャンカパーナ講師、ではなく、エリート講師・灰谷純(加藤シゲアキ)は、黒木にストーキングして、そう吐き捨てました。
ルトワックから桜花ゼミナールに転塾した、上杉海斗(伊藤駿太)は、黒木がルトワック時代に「切った」のだと灰谷は言うのです。
一方、海斗の双子の兄弟・陸斗は、現在もルトワックのトップクラスに所属しています。
上杉達也・和也兄弟ではなく…
上杉海斗・陸斗兄弟のエピソードが、どこかで放送されるはずです。
黒木は果たして本当に海斗をルトワックで「切った」のでしょうか?
それにしても、大手塾に合わない生徒、育たない生徒は「切る」…
あるいは、「お客さん」として、塾に通い続けてもらう…
塾業界の内部事情に、驚かれているお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
そういうところも、『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』の見どころの1つですね。
「これ、あちらのみんなで食べてください」
白柳社長(岸部一徳)が、黒木に何かを手渡します。
「あちらのみんな」…
桜花ゼミナールお講師たちの一部からは、黒木はルトワックのスパイではないかという疑惑も出ていました。
「あちら」というのが、誰のことなのか、とても気になります。
しかし、すぐにその謎は明かされました。
ネタバレになりますが、黒木は白柳社長から受け取ったものを持ち、夜のお店に入っていきます。
そして、そこで黒木はスタッフの子どもたちに勉強を教えていたのです。
しかも、桜花ゼミナールでは見せない、爽やかな笑顔で!
また、白柳社長が、「井の頭ボウル」の娘・大森紗良(住田萌乃)の「おじいちゃん」であることが明かされます。
さらに、紗良のアルバイトも夜のお店での接客ではなく、黒木とともに勉強を教えていたことも明かされました。
第2話で黒木が紗良に手渡していたお金は、そのアルバイト代だったのでしょう。
冷徹なビジネスパーソンが「表の顔」なのか、「裏の顔」なのか…
それとも、笑顔で子どもたちに指導する姿が「表の顔」なのか、「裏の顔」なのか…
ますます黒木蔵人の秘密が気になってくる第3話でした。