こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
塾なしで高校受験はできるの?
おすすめの勉強方法や教材も知りたい…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 塾に通わないメリット・デメリット
- 塾なし高校受験におすすめの勉強法
- 塾なし高校受験におすすめの教材
がわかります。
多くの中学生が塾に通っていますが、塾に通わずに自分で勉強して、高校受験で合格する子は一定数います。
特に最近では、通信教材だけでなく、オンライン教材や動画教材なども広がって、家で勉強する環境も整ってきました。
塾なし高校受験にチャレンジする皆さんの参考になれば幸いです!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
塾なし高校受験のメリット4つ
具体的な勉強法を紹介する前に、塾に通わずに高校受験の勉強をするメリットとデメリットから見ておきましょう。
塾なし高校受験のメリットは…
- 塾で同級生に合わなくていい
- 自分のペースに合わせられる
- 通塾する時間を節約できる
- 費用を節約できることもある
の4つです。
掘り下げて見ていきましょう。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
塾で同級生に合わなくていい
塾に通いたくない理由の1つとして、「塾で同級生に会いたくない」と感じている子もいます。
中学校での友達関係を、塾にまで持ち込みたくないですよね…
家で受験勉強に取り組むなら、会いたくない人と顔を合わせる必要はありません。
また、「塾というスタイルが合わない」子もいるでしょう。
自分のペースに合わせられる
塾ではどうしても、クラス全体を意識した授業がおこなわれます。
みんながまちがいやすい問題を中心に、公約数的な解説をすることもあります。
でも、まちがう問題や苦手な問題は人それぞれですよね。
塾講師時代には、その葛藤がありました…
また、得意・不得意があるので、合計点数でクラス分けがされる塾が多いです。
すると、「数学は得意で上のクラスだけど、その分、英語が苦手でしんどい…」とか、
逆に「数学が苦手で下のクラスだけど、英語の授業がかんたん過ぎる…」とか、自分にぴったりの授業が受けられないこともあります。
教科のバランスがいいオールラウンダーなんて、なかなかおらんやん
でも、家で勉強するなら、自分の得意・不得意に合わせて、学習内容やペースを調整できます。
たとえば…
- 苦手な数学→やさしい問題集で基礎から復習
- 得意な英語→オンライン教材で先取り学習
というように、自分で勉強をカスタマイズすることができます。
また、部活動などが忙しく、スケジュール上、塾に通えない子もいます。
そういう中学生は家で勉強せざるをえません。
通塾する時間を節約できる
忘れてはいけないのは、塾に通う往復の時間です。
もし、自転車で10分で通える塾に通っていたとしても、もし週3で通うなら…
往復20分/回 × 3回/週 × 50週/年 = 3,000分(=50時間)
1年で50時間も塾への往復に費やすことになります。
50時間もあれば、何か他の勉強に費やすことができます。
それに、少し早く到着する必要もありますし、ついつい友達とおしゃべりして帰りが遅くなることもありますよね。
でも、家で勉強する場合には、塾に通う時間を節約することができます。
自分の部屋であれ、リビングであれ、勉強をすぐに始められます。
部活動が忙しくて、塾に通いにくい子もいますよね
費用を節約できることもある
もし、1か月あたり5教科受講して25,000円の塾に通っていたとします。
もし、1年間通い続けると…
25,000円/月 × 12か月 = 300,000円
1年で30万円を塾代に使うことになります。
夏期講習や冬期講習・春期講習などの季節講習会がある月は、もっと値段が高くなります。
入塾金、教材費や維持費などが別に必要になる塾も多いでしょう。
けっこうお金かかるやん
でも、たとえば、テレビCMでも有名なスタサプ なら、月額2,178円(税抜※月払いの場合)で、レッスンの動画を見て、問題の演習までできます。
うまく活用すれば、費用を抑えて学習に取り組むことができます。
塾なし高校受験のデメリット4つ
では、塾に通わずに、家で高校受験の勉強をするデメリットは何でしょうか?
塾なし高校受験のデメリットは…
- 教材を家庭で選ばないといけない
- カリキュラムを家庭で考えないといけない
- 受験情報を家庭で探さなければならない
- コスパがいいとは限らない
の4つです。
1つずつ見ていきましょう。
教材を家庭で選ばないといけない
塾に通うと、テキストが用意されています。
大手塾なら自分たちで作成したオリジナルテキストを、中小規模の塾なら教材会社が作った塾専用教材を使います。
効率的に学べるように、うまく編集されています。
塾専用教材は、本屋さんでは売られていません
でも、塾なしで勉強する場合には、教材選びから自分でしなければなりません。
本屋さんに行っても、たくさんの参考書や問題集が売られているので、自分にぴったりの教材を選ぶのって、けっこう大変です…
最近ではネットで評判・口コミを調べられますが、それはそれで手間がかかります。
カリキュラムを家庭で考えないといけない
塾に通うと、教材だけでなく、カリキュラム(勉強スケジュール)も用意されています。
高校入試で合格するために、「いつまでに何を勉強しておけばいいのか」という逆算型のカリキュラムを組んでくれています。
志望校に合格するために、効率的にロードマップが準備されているわけです。
実は、カリキュラム作りは塾の腕の見せどころです!
でも、塾なしで勉強するには、自分でカリキュラムを作らなければなりません。
無計画に自分で勉強していると、「入試までに必要な力がつかなかった…」ということになりかねません。
教材を選んだあとは、定期テストや入試に向けて、効果的なカリキュラムを決めなければなりません。
受験情報を家庭で探さなければならない
塾に通うと、高校の情報や入試システムなどの情報を、手に入れることができます。
インターネットには載っていない、塾の先生だからこそ知っている情報もあります。
〇〇高校を目指すなら、評定は4以上必要です。
内申点の計算方法は、こんな感じです。
塾に通わずに自宅で勉強する場合には、受験に関する情報をご家庭で見つけ出さなければなりません。
入試システムが複雑な場合には、プロに相談したほうがわかりやすいものです。
中学校に相談することもできますが、セカンドオピニオンとして塾を活用しているお母様・お父様も多いものです。
コスパがいいとは限らない
さきほど、塾なし高校受験のメリットとして「費用を節約できることもある」と書きましたが、必ずしもコスパがいいとは限りません。
塾では、講師のわかりやすくコンパクトな講義を聞くことができます。
また、用意されたテキストで効率よく問題を解いてトレーニングできるようになっています。
それに、宿題やテストで定着度をチェックするものですよね。
実は、すべてパッケージにされた塾で学んだ方が、コストパフォーマンスが高い場合があります。
授業・宿題・教材・カリキュラム・受験情報、それらがパッケージングされての塾の料金ってわけやな
家で独学していても…
- 参考書の内容が読んでもわからない…
- ついダラダラして勉強を始められない…
- この勉強方法でいいのか自信がない…
- じゅうぶんな量の問題数がない…
といった状態では、効果が出にくいということも多いでしょう。
※拙著『保護者のための「中学生の勉強法」』はこちら↓
Amazon Kindleアプリでお読みいただけます!
塾なし高校受験のおすすめ勉強法
塾に通わずに勉強するには、さきほど挙げたデメリットを克服しなければなりません。
どのような勉強をすれば、塾に通わずに、家で効果的な勉強ができるのでしょうか?
塾なし高校受験のおすすめ勉強法は…
- 通信教材・オンライン教材を利用する
- カリキュラムを決める
- 手持ちの教材で類題トレーニングする
- わからない問題を質問する
という4ステップです。
1つ1つ見ていきましょう。
通信教材・オンライン教材を利用する
家で勉強するとなると、まずは教科書やテキストの解説を読むことから始まります。
でも、速読ができる子でもない限り、いちから文章を読んで単元の要点を理解するのは効率が悪いでしょう。
中には、目で文字を認識して理解するのが苦手な子もいます。
独学はおとなでも難しい…
通信教材・オンライン教材であれば、動画を見て効率的に学ぶことができます。
動画を見ることによって…
- 動画(ビジュアル)で理解できる
- 専門の講師が語り掛けてくれる
- 解説を「耳」で聞いて理解できる
というメリットがあります。
コンパクトにまとまった講義動画で、単元の要点をつかめます。
目で文字を追うだけの独学のデメリットを、補い克服することができます。
今までなら塾に行かなければ見られなかったプロの講義を、家にいながら見られるようになりました。
いい時代になったな…
もしかしたら「塾なし=完全な独学」をイメージしているかたもいらっしゃったかもしれませんが、中学生が完全な独学をするのは、かなりハードルが高いものです。
最近では、かなり値段が安い通信教材・オンライン教材があります。
ですので、「完全な独学」は無理でも、費用を抑えながら、塾に行かずに家で勉強することを目指すことが現実的です。
おすすめの通信教材・オンライン教材2選
では、どのような通信教材・オンライン教材を選べばいいのでしょうか?
もちろんお子様の学力や性格、また、お母様・お父様がどれだけサポートできるかによって、選ぶべき教材は違ってきます。
おすすめの通信教材・オンライン教材は…
- スタディサプリ中学講座
- 進研ゼミ中学講座
の2つです。
1つずつ見ていきましょう。
スタディサプリ中学講座
まず、とにかく費用を抑えたいというご家庭におすすめなのが、さきほど少し紹介したスタサプ です。
月額2,178円(税抜※月払いの場合)で、9教科の学習が受け放題です。
(12か月いっかつの支払いなら、ひと月あたり1,815円(税込)で利用できます)
授業動画は、1回5分程度にコンパクトにまとまっているので、集中しやすいでしょう。
動画を見るだけやったら、力がつかへんのちゃうん?
と思うかもしれませんが、スタサプ では中学3年分で1万問以上の演習問題が用意されています。
また、「ミッション機能」という管理ツールが、学習履歴にもとづいて、復習問題を提示してくれます。
「今週のミッション」も提案してくれるので、「何を勉強しようかな?」と迷わずに取り組めます。
学習した記録が残るので、勉強した時間や日数を可視化することで、達成感とモチベーションがアップするでしょう。
その進捗は、お母様・お父様もメールで確認できるので安心です。
ダイエットと同じで、「レコーディング(記録)」は大切です
動画で学習するスタイルなので、前の学年に戻って復習したり、次の学年の予習も進めやすいでしょう。
また、スタサプ の授業動画用のオリジナルテキストを購入して、書き込んで勉強できます。
購入しなくても、必要な単元だけ無料PDFをダウンロードして使うこともできるので経済的です。
スタサプの効率的な使い方については、こちらの記事をご覧ください↓
<スタディサプリ中学講座のメリット>
・いっかつ支払いなら、ひと月1,815円(税込)とにかく低価格
・9教科学習できる(動画は5教科)
・授業動画が5分程度でコンパクト
・復習・予習が自分のペースでできる
・「ミッション機能」で学習・復習すべき内容がわかる
・進み具合はメールでお母様・お父様もチェックできる
<スタディサプリ中学講座のデメリット>
・紙ベースのオリジナルテキストは別料金
・「幽霊会員」にならないように、おとながペースメイクする必要はある
・定期テスト対策は学校教材を中心にしなければならない
・入試対策は過去問中心にしなければならない
14日間無料体験できるので、お子様やお母様・お父様が使い続けられそうか確認してから、継続することができます。
進研ゼミ中学講座
大手の安心感を重視するご家庭には、【進研ゼミ中学講座】 がおすすめです。
運営するベネッセは、テレビCMでも有名ですし、しまじろうの「こどもちゃれんじ」も人気ですね。
うちの娘も「こどもちゃれんじ」やってます
かつての進研ゼミは、紙ベースのテキストの通信教材の定番でした。
最近では、紙テキストだけでなく、タブレットで音声や動画も使ったハイブリッドも選べるようになりました。
紙ベースの教材では独学が難しい子でも、タブレットを使って動画や音声が導入されたことで、学びやすくなりましたね。
タブレットも活用した「ハイブリッドスタイル」と、紙テキストの「オリジナルスタイル」とで少し値段が違います。
価格は、学年によっても異なります↓
12か月分をいっかつで支払う場合…
ハイブリッド (タブレット+紙教材) | オリジナルスタイル (紙教材) | |
中学1年生 | 6,990円(税込) | 6,400円(税込) |
中学2年生 | 7,140円(税込) | 6,570円(税込) |
中学3年生 | 7,190円(税込) | 7,090円(税込) |
となっています(2024年2月段階新年度の価格)。
塾に通うと5教科で月額25,000円などかかることが多いことを考えれば、かなり費用を抑えることはできます。
また、何に取り組めばいいのかがわかるように、勉強の計画表(プラン)を提案してくれます。
<進研ゼミ中学講座のメリット>
・大手ベネッセの通信教材で安心感がある
・紙テキストだけでなく、タブレット学習も選べる
・学習プランを提案してくれる
・塾にくらべると低価格
・定期テスト対策は9教科に対応できる
<進研ゼミ中学講座のデメリット>
・学年で上がると、受講費用も上がってしまう
・「幽霊会員」にならないように、おとながペースメイクする必要はある
・定期テスト対策は学校教材を中心にしなければならない
・入試対策は過去問中心にしなければならない
通信教材・オンライン教材の注意点4つ
通信教材・オンライン教材は、低価格なので魅力的ですが、注意点もあります。
通信教材・オンライン教材を利用するときの注意点は…
- 「幽霊会員」にならないようにおとながペースメイクする必要はある
- 定期テスト対策は学校教材を中心にしなければならない
- 入試対策は過去問中心にしなければならない
- 質問する相手を用意しておかなければならない
の4つです。
ジムやフィットネスクラブでもそうですが、利用せずにお金だけ払う「幽霊会員」になってしまう可能性があります。
ただ、中学生は、自分でプランを立てて、実行できるほど成熟してはいません。
ついつい…
計画を作って、テスト対策勉強をしなさい!
と怒りたくなりますが、中学生が自分を律したり、中学生に計画性を求めるのは難しいのが現実です。
塾であれば、講師がカリキュラムを組んで、宿題を出してくれます。
また、「塾=勉強する場」という強制力が働くので、勉強モードに切り替えやすいでしょう。
家やったら、ついついダラダラしてしまうやん…
塾なしで勉強する場合には、ある程度はおとながペースメイクしてあげる必要があります。
すべて管理することができなくても…
- 今週すべきこと
- その日できたこと
などをチェックしてあげることをおすすめしています。
中学生ともなると、自分で計画を立てさせて勉強させたくなりますが、すべてをお子様に任せてしまうのは、現実的ではないので注意してくださいね。
また、通信教材・オンライン教材はあくまで全国の中学生を想定して、教材づくりをしています。
ただ、定期テストはその中学校の先生が作りますよね。
ですので、最終的には学校の教材や、学校のノート・プリントで対策をする必要があります。
塾に通っているのに定期テストで点数が取れないのも、同じ理由です
また、私立高校の入試問題も学校によって傾向が違います。
公立高校の入試問題も、自治体によって、傾向やレベルが違ってきます。
入試前には、あくまで過去問ベースの勉強をする必要があるのは忘れてはいけません。
また、塾であれば、講師に質問することができます。
一方、通信教材・オンライン教材の場合、すぐに疑問を解消しにくいことがあります。
そういう場合に、誰に質問するかを決めておく必要があります。
カリキュラムを決める
通信教材・オンライン教材の紹介が長くなってしないましたが、教材を決めたら、次はカリキュラム(学習プラン)を決めましょう。
基本的には、定期テストの内容に合わせて、通信教材・オンライン教材を進めていくことになるでしょう。
- 学習する教科
- 学習する単元
をスケジュールに落とし込んでいきます。
ただ、家で勉強するとなると、ついついダラダラしてしまいがちですよね…
そこで重要になるのが、自宅学習の「時間割」です。
え?
学校じゃないのに?
中学校や塾で、すぐに教科と気持ちを切り替えて勉強に取り組めるのは、時間割のおかげです。
もし時間割がなければ「次は何をしようかな?」と、迷うとことからスタートしなければなりません。
まずは、家で勉強に使える時間をあぶりだし、家庭学習の時間割を作ってみてくださいね。
さきほどお伝えした通り、中学生は自分でプランを立てられるほど成熟してはいません。
お母様・お父様が手伝ってあげる必要はあるでしょう。
学習計画表についての記事はこちら↓
手持ちの教材で類題トレーニング
通信教材・オンライン教材の注意点でお伝えした通り、定期テスト対策は学校の教材を中心に、高校入試対策は過去問ベースにトレーニングしなければなりません。
もちろん通信教材・オンライン教材でも、演習問題は用意されています。
ただ、全国の中学生が勉強しやすいような、公約数的な問題になるのが普通です。
通信教材・オンライン教材の会社が、定期テストや入試問題を作るわけではありません
でも、定期テストであれば、中学校の先生が作ります。
であるなら、学校の教材や、学校の先生のノートやプリントから出題される可能性が高いですよね。
ですので、定期テストや入試に向けては、手持ちの教材でトレーニングをする必要があるのを忘れてはいけません。
定期テスト対策の方法・心構えについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
わからない問題を質問する
さきほど、通信教材・オンライン教材の注意点としても挙げましたが、わからない問題を誰に質問するのかを決めておきましょう。
塾であれば、すぐに講師に質問することができます。
でも、通信教材・オンライン教材では、すぐに疑問を解消するのが難しいこともあります。
確かに…
そういう場合に備えて、質問できる相手を用意しておいた方がいいですね。
たとえば…
- 学校の先生
- お母様・お父様
- お姉さん・お兄さん
などでしょう。
また、通信教材・オンライン教材で費用を抑えて、家庭教師を雇うという方法もあります。
高額なプロ家庭教師を選ぶ必要はないでしょう。
それよりも5教科の質問に対応できるオールラウンダーの大学生で大丈夫です。
ただ、家庭教師を利用して、「結果的に塾に通わせた方が安かった…」ということにならないようにしたいですね。
塾の方がコスパ良いパターンですね
まとめ:塾なし高校受験のメリット・デメリットとおすすめ勉強法・教材
通信教材・オンライン教材が普及し、塾なしで高校受験をすることもしやすくなりました。
ただ、通信教材・オンライン教材にもデメリットがあります。
通信教材・オンライン教材をうまく活用しながら、家庭学習を進めてくださいね!