こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、
「社会は中3になったら本気出す」
「社会は暗記するだけ」
って言っているけど本当に間に合うの?
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
社会は暗記の要素が大きいので、受験前の追い込みに向いているイメージが強いですよね。
今回の記事では…
- 社会は中学3年生からでも間に合うか
- 高校入試までに社会を仕上げる8つの勉強方法
がわかります。
社会は味方につけると、成績が安定する頼もしい教科です。
ぜひ、社会を得点源にして、高校受験に挑みましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
社会は中学3年生から本気を出せば間に合うか?
本気を出して、社会に取り組むのは中3になってからでも間に合うのでしょうか?
お母様・お父様からも、よく質問されます。
私はお答えしているのは…
- 基礎ができていれば間に合う
- 基礎ができていなければ巻き返しは難しい
です。
英語なら、中1からの英単語や基本文法が身についていないと、巻き返しに時間がかかります。
数学でも、小学校の分数計算・割合・速さや、中学の方程式・関数などの基礎ができていないと大変ですよね。
社会も同様に、暗記のための「土台」がないと、中3での追い込みはかなり厳しくなってしまいます。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
「社会=丸暗記すればいい」は誤解
確かに、社会という教科は、知識を頭に入れていれば(頭から知識を出すことができれば)、テストで点数を取りやすいです。
だからこそ…
社会なんか、丸暗記やから後回しでええやん。
中3の夏に部活を引退してからでも間に合うんちゃう?
と、中学生は考えてしまいがちです。
そのように考えているお母様・お父様もたくさんいらっしゃいます。
ただ、「社会=丸暗記」というイメージは、少し誤解されていると言えます。
なぜなら…
- おとなが思っている以上に中学生は知らないことが多い
- そもそも覚えなければならないことが多い
- 根や幹がなければ枝葉はつかない
- 社会だけに時間をとれるわけではない
- 中3では公民を学びながら地歴の復習が必要
- 内申に中2までの成績が含まれる自治体もある
という6つの理由があるからです。
掘り下げて見ていきましょう。
おとなが思っている以上に中学生は知らないことが多い
まず、おとなが想像している以上に…
え?
そんなことも知らないの?
と感じることはかなり多いです。
都道府県の名前と位置、今の内閣総理大臣、有名な歴史上の人物など…
中には、島は海の上にぷかぷか浮いていると思っていた子もいます。
お母様・お父様が「暗記すれば間に合う」と感じている量と、子どもたちが暗記しなければならない量に、大きな隔たりがあるんです。
そもそも覚えなければならないことが多い
また、そもそも覚えなければならない知識はかなりたくさんあります。
覚えなければならない量が少なければ、中3になってから社会の勉強を始めてもなんとかなるかもしれません。
でも、実際には、今まで社会の勉強をしてこなかった子が、部活動を引退してからすべて覚えるには量が多すぎるでしょう。
※勉強と部活動との両立については、こちらの記事もどうぞ↓
根や幹がなければ枝葉はつかない
物事を暗記するのは、覚えるための「幹」が必要です。
細かな知識(枝・葉)は、幹があるからこそ、つながって覚えやすくなります。
たとえば、山形県の場所すらあやふやな子が…
- 最上川
- 山形盆地:さくらんぼ
- 庄内平野:はえぬき
と勉強しても、山形県という「幹」ができていないので、結びつきにくく覚えにくいんです。
歴史でも同様です。
「奈良時代=唐を見本にした。仏教の力で国を治めようとした」といった幹となるイメージがついていないと、平城京・和同開珎・墾田永年私財法・聖武天皇・行基・鑑真などの知識が、つながりあいません。
つながっていないと、覚えにくいし忘れやすいものです…
歴史上の人物=全員ちょんまげ
と思っていた子も…
社会だけに時間をとれるわけではない
もし中3になってから社会だけを勉強すればいいのなら、後回しにしても間に合うかもしれません。
でも、実際には、社会だけに時間を割けるわけではありませんよね。
英・国・数・理はもちろん、音楽や技術家庭など実技教科(副教科)の勉強も必要です。
他の教科が仕上がっていて、社会だけ勉強すれば大丈夫!
なんという子はまずおらんやん
※定期テスト対策の方法や心構えについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
中3では公民を学びながら地歴の復習が必要
中学校では中3の途中までに地理と歴史を学び終えます。
中3の半ばからは、公民の授業が進み、定期テストでも公民からの出題がメインになります。
ただ、中3の実力テストや模試では、歴史と地理から主に出題されます。
入試問題でも歴史・地理の比重が大きい場合がよくありますね。
ですので、公民の勉強をしながらも、地理と歴史の復習を並行しなければなりません。
内申に中2までの成績が含まれる自治体もある
これは社会に限ったことではありませんが、中2までの成績が内申(調査書)に含まれる都道府県があります。
もちろん中3から勉強を本格的にスタートするのは大切なことです。
でも、中2までの段階で内申が出遅れていると、巻き返すのが大変ですね。
内申点の大切さと、内申点の上げ方について、くわしくはこちらの記事もご覧ください↓
高校入試までに社会を仕上げる8つの勉強方法
では、どうやったら社会の学習を高校受験に間に合わすことができるのでしょうか?
高校入試までに社会を仕上げるには…
- 中3までに地歴の基礎を固めておく
- 中3からの追い込みは「幹」を最優先する
- 因果関係(ストーリー)で理解する
- ビジュアルで記憶に残す
- 定期テスト前は公民、それ以外は地歴
- 入試直前は過去問で弱点をあぶりだして克服
- 「だけ勉」はNG
- すらすら言える→すらすら書ける
という8つのコツがあります。
1つ1つの勉強方法を見ていきましょう。
中3までに地歴の基礎を固めておく
まず「追い込み」を前提に勉強するのではなく、中学3年生になるまでに、地理と歴史の基礎を固めておくことが大切です。
もちろん覚えたものを忘れてしまうのは仕方がありません。
人間は忘れる動物やからな
ただ、1度しっかりと覚えているか、そうでないかで中3になってからの定着が違ってきます。
中2までにきっちりと暗記していた子は、中3のときに復習すれば思い出しやすく記憶に定着しやすくなります。
一方、中2までに覚えていない場合、中3で追い込みをかけても、いちから覚えるのと変わらないので時間がかかり、記憶の定着も悪くなります。
中1・2の定期テストで得点を取る
これが中3に向けての基礎固めになります。
社会の定期テスト対策の方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
中3からの追い込みは「幹」を最優先する
とはいえ、中3になってから、なんとか社会で追い上げようと思っている中3生は多いもの。
そもそも中2までに社会の勉強してたら、こんなネット記事を読んでへんわ!
と感じているお母様・お父様も多いはず…
では、中3になってから社会で追い込みをするためには何を最優先すればいいのかというと…
各分野の「幹」
です。
各分野の「幹」というのは…
- 地理:大陸・大洋、国名・都道府県名など
- 歴史:時代の流れ、重要人物・できごとなど
です。
まず「幹」を固めることで、あとから細かい「枝葉(知識)」を肉付けしていくことができます。
「幹」というたとえがわかりにくければ、「ひきだし」をイメージするといいかもしれません。
まずは、国や都道府県、各時代という「ひきだし」を、頭の中に用意しておきます。
そして、細かい知識を学習しながら、その「ひきだし」に収納していきます。
もし、先に「ひきだし」を作っておかないと、知識を頭の中に収納することができず、勉強しても覚えにくく忘れやすくなってしまいます。
抽象的な表現になってしまっていますが、ここから具体的にお伝えしますね
細かい、難しい知識はいったん棚上げしておいてOK。
まずは、学校の準拠ワークや、塾の問題集の基本問題(一問一答)を完全にすらすらと口で答えられるようにします。
(口で答える理由は、後で説明しますね)
もし、準拠ワークや塾の問題集が難しければ、市販のかんたんな問題集で、基本用語だけ先にすらすら言えるようにしましょう。
おすすめ問題集をまとめた記事はこちらです↓
まずは夏までに地理と歴史の基本事項を、インプットしておくのを目指すといいでしょう。
「部活動を引退してから社会の勉強をスタート」では、巻き返しはかなりハードになるでしょう。
因果関係(ストーリー)で理解する
勉強するときには、単語を丸暗記するのではなく、因果関係(ストーリー)で理解します。
江戸時代は鎖国していた
→明治の日本は強い国に追いつき追い越したい
→強くて豊かな国を目指す(明治維新・富国強兵)
→憲法や議会を作らないと!(自由民権運動・大日本帝国憲法)
因果関係(ストーリー)を理解しておくと、さきほど紹介した「幹(ひきだし)」ができます。
すると、そのストーリーにからめて、知識を覚えやすく、定着しやすくなります。
強くて豊かな国づくりのために、学制・徴兵令・富岡製糸場・地租改正などを実施したのか
こんな感じですね。
もし因果関係(ストーリー)を理解せずに、言葉だけ丸暗記しようとすると、知識がつながらずに、覚えにくく忘れやすくなってしまいます。
せっかく覚えたのに、もったいないですよね…
せっかく覚えるのですから、覚えやすく忘れにくい方法で勉強したいものです。
社会の知識の効率的な暗記方法については、こちらの記事もどうぞ↓
ビジュアルで記憶に残す
また、ビジュアルを使って記憶に残すのも有効です。
文字だけのテキストを読んでいるよりも、イラストや写真、地図がたくさん載っているテキストの方が記憶に残りやすいですよね。
「百聞は一見に如かず」やな
中学校の教科書や資料集は、実は写真やイラストが豊富でとても役に立ちます。
塾に通っていると「学校の教科書なんて」と思いがちですが、教科書をあなどるなかれ!
文章でも書かれているので、さきほど紹介した因果関係(ストーリー)でも覚えやすいですよ。
定期テスト前は公民、それ以外は地歴
中3になると、公民の授業がスタートします。
でも、実力テストや模擬テストでは、地理・歴史がメインで出題されるんですよね…
ですので、定期テスト対策は、公民に全集中!
それ以外の期間は、地理と歴史の復習に時間を使うのがおすすめです。
各分野の勉強法はこちらの記事をどうぞ↓
<歴史>
<地理>
<公民>
入試直前は過去問で弱点をあぶりだして克服
基本的に、分野別・単元別で勉強を進めますよね。
たとえば、九州→中国・四国→近畿とか、平安→鎌倉→室町といった形で。
でも、実力テストや模試、そして、入試問題は単元別で出題されるわけではありません。
総合問題として、問題が作られます。
つまり、どの単元が出題されるかわからないということですね。
問題を見たときに…
あ、株仲間は江戸時代のキーワードだな
と、単元を見抜かなければなりません。
そのためにも、総合問題を使って、ノンジャンルの形式に慣れておかなければなりません。
最も有効なのが、実際の入試問題です。
入試直前期には、入試問題を解いて、総合問題に慣れておきましょう。
また、総合問題を解くことで、自分の苦手分野をあぶりだし、克服するのも大切ですね。
過去問トレーニングの方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
「だけ勉」はNG
ここで、やってはいけない勉強法を紹介しておきます。
やってはいけない勉強法は…
だけ勉
です。
これは私の造語ですが…
- 教科書を読むだけ
- ノートに写すだけ
- 線を引くだけ
- 答えを写すだけ
- 提出するだけ
という「形だけ」の勉強です。
もちろん教科書を読むこと、ノートにまとめることは大切です。
でも、読んで終わり、ノートにまとめて満足していては、テストで点数が取れません。
なぜなら、テストは頭に入れた知識を「アウトプット」する場だからです。
ですので、勉強の段階から、問題集を解くなどしてアウトプットできるかどうかをチェックする勉強をしておかなければなりません。
教科書を読むだけ、マーカーを引くだけだと、本当に頭からアウトプットできるかどうか保証がありませんよね…
私が担当するお子様が、「だけ勉」をしていたら止めます
中には、教科書を読むだけで、すべて頭に入って、テストでも点数が取れてしまう子がいるかもしれません。
でも、そんな中学生はひとにぎりで、ほとんどいませんよね…
すらすら言える→すらすら書ける
アウトプットの大切さをお伝えしましたが、問題集を解くときにもコツがあります。
それは、一問一答などの基本問題の答えを…
すらすら口で言える
ことを優先することです。
書くことも大切ですが、口で答える段階と、書いて答える練習は分けた方がいい。
というのも、脳の負担が減るからです。
社会が苦手な子に、問題集の答えを書かせると…
えーっと、何の乱だろう…
壬申?承久?応仁?大塩平八郎?
えーっと、漢字は…
と、答えもわからない、漢字も書けないという状態におちいってしまいがちです。
2つの作業を同時にこなすのは、社会が苦手な子にとってかなりの負担です。
というよりも、2つの作業を同時にこなすのは、誰の脳にとっても負担なんです。
ですので、まずは「すらすら口で答えられる」ことを目指します。
すらすら言えるようになったら、すらすら漢字が書けるように練習していきましょう。
もちろん1回で覚えられる子、漢字が得意な子は、分けなくてもいいですよ
※拙著『保護者のための「中学生の勉強法」』はこちら↓
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まとめ:【高校受験】社会は苦手でも中学3年生から頑張れば間に合う?
社会は暗記系の教科なので、ついつい「後で覚えたら大丈夫」と思ってしまいがちです。
でも、実際に巻き返しが可能なのは、中2までに地理と歴史の土台ができている子がほとんどです。
中3から追い込む場合には、気持ちを切り替えて、しかも、優先順位を考えて社会の勉強に取り組みましょう!