こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、説明文の読解が苦手…
どうやって教えたらいいの?
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 接続詞を使った説明文の読み方
がわかります。
「接続詞」は、説明文では重要な「めじるし」になります。
接続詞(つなぎ言葉)を理解して、筆者の主張をつかんでいきましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
「国語とは科学だ!」by太宰府治
ドラマ『ドラゴン桜2』をご覧になりましたか?
偏差値30台の私立高校から、東京大学合格を目指すというマンガ原作のドラマでした。
(ドラマ『ドラゴン桜』公式ホームページはこちら)
東大専科の生徒たちが葛藤を乗り越えながら、東大受験に挑みました。
また、学園を買収しようとする黒幕から学校を守るという展開に、胸が熱くなったかたも多いのではないでしょうか?
「やられたらやり返す倍返し」的な演出でしたね
その第6話に、安田顕さん演じる国語の特別講師・太宰府治先生が登場します。
太宰府治先生は、できない生徒を見ると、熱くなる(冷めやすい)くせ者講師でした。
その太宰府治先生が、東大専科の生徒たちに言い放ちます…
国語とは科学だ!
と。
そして、次のように説明を続けます。
文章というのは、言いたいことは結局1つなんです。
ドラマ『ドラゴン桜』太宰府治のセリフ
まあ、その1つを伝えるために、作者は手をかえ品をかえ、建築学に則って文章をいいかえているんです。
読解つまり要約とは、文章を単に読むことではなく、頭の中で構造化することなのです。
国語の読解が苦手なお子様は、文章全体が「平坦」に見えています。
つまり、どこが重要なところ(筆者の主張)で、どこが重要でないのかが見えていません。
逆に国語の読解が得意なお子様は、文章のどこに筆者の主張が書かれているのか見抜けます。
太宰府治先生は、そのことを「頭の中で構造化する」と表現しています。
説明文における「3つの関係」
では、文章を「頭の中で構造化する」には、どのようにして読めばいいのでしょうか?
太宰府治先生は、説明文における「3つの関係」を黒板にまとめました。
- 同等関係
- 対比関係
- 因果関係
この「3つの関係」で、文章は書かれているというのです。
そして、「3つの関係」をつかむには、「接続詞」に注目することが大切です。
もう少しくわしく「3つの関係」を見ていきましょう。
説明文における「同等関係」とは?
同等関係とは、「言い換え」の関係です。
例えば、次の2文の関係に注目してみましょう。
情報があふれる世の中では、情報の真偽を見きわめ、活用するする力、 つまり、メディア・リテラシーが重要なのだ。
この場合、「情報の真偽を見きわめ、活用する力」を「メディア・リテラシー」と言い換えていますよね。
筆者は主張を伝えるために、言い方を変えて、大切なことをくり返すのです。
さきほどの2文に、どのような接続詞(つなぎ言葉)が使われていましたか?
つまり
ですね。
「メディア・リテラシー」の意味がわからなくても、言い換えやとわかったら、意味がわかるやん
ドラマ『ドラゴン桜』では、「つまり」以外にも、同等関係を表す接続詞をいくつか紹介していました。
- つまり
- 例えば
- 要するに
- いわば
- すなわち
- いいかえれば
このような接続詞(つなぎ言葉)が出てきたら、前後では言い換えが起こっています。
特に言い換えられた後では、重要なことがまとめられている可能性があります。
説明文における「対比関係」とは?
2つめの関係は「対比関係」です。
「対比」とは、「2つものごとを比べること」です。
例えば、次の2文の関係に注目してみましょう。
欧米では、自分の考えをはっきりと述べなければならない。一方、日本では相手の思いをくみ取ることが美徳とされる。
この場合、欧米と日本を比べていますね。
筆者は欧米と日本の違いをはっきりさせることによって、自分の主張を際立たせたいわけです。
つまり、読者は欧米と日本の違いを理解しながら、読み進めることで筆者の主張をつかみやすくなります。
今回の2文には、どのような接続詞(つなぎ言葉)が使われていましたか?
一方
ですね。
ふだんから2つを比較して説明することって多いやん
ドラマ『ドラゴン桜』では、「一方」以外にも、対比関係を表すつなぎ言葉をいくつか紹介していました。
- しかし
- それに対し
- 一方
- だが
- ところが
- けれども
「しかし」「だが」「ところが」「けれども」などは「逆接の接続詞」として、塾で学習することが多いと思います。
ただ、伝えたいことは、塾の先生も太宰府治先生も同じです。
対比・逆接の接続詞の前後では、逆のことが述べられているのですから。
また、対比・逆接の接続詞の後ろに、筆者の主張が隠れている可能性があります。
アメリカの大学は日本と違って、入学しやすく卒業しにくいと言われている。しかし、実際はそうとは限らない。
このように、先に一般論(常識)を述べておいて、対比・逆接の接続詞の後ろで自分の意見を述べるのです。
そうした方が、一般論と自分の主張の違いがはっきりしますよね。
説明文における「因果関係」とは?
最後に「因果関係」をご紹介します。
因果関係とは「原因」と「結果」の関係ですね。
もうすぐ3歳になる娘が「雨が降ってるから、濡れるね」と言っていました。
この場合、「雨が降ってきた」というのが「原因」で、「濡れる」が「結果」ですね。
「因果関係を理解できるようになったのか!」と、感動したものです
このように、「原因⇒結果」の順番に、話を展開させるつなぎ言葉としては…
- だから
- そのため
- その結果
- それで
- したがって
- よって
などが挙げられます。
それらの言葉を見つけたら「後には結果が書かれているな」と見当がつきます。
話の展開が予想できるだけで、ずいぶん読みやすくなるで
一方、「結果⇒原因」の順番に、話を展開させる言葉としては…
- なぜなら
- というのも
- その理由は
- きっかけは
などが挙げられますね。
これらの言葉を見つけたら「後には原因が書かれているな」と見当がつきます。
具体例を挙げると…
〔原因⇒結果〕雨が降ってきた。だから、洗濯物が濡れた。
〔結果⇒原因〕洗濯物が濡れた。なぜなら、雨が降ってきたからだ。
などですね。
このように、前後の因果関係をつかむことで、話の展開を理解しやすくなります。
以上、3つの関係性をつかみながら読めば、筆者の主張が見えやすくなります。
歌の「サビ」のように、大事なところが目立って見えてきます。
国語とはスポーツだ!
太宰府治先生は『ドラゴン桜2』で、「国語とは科学だ!」と言っていましたが、私は…
国語とはスポーツだ!
と子どもたちや、お母様・お父様にお伝えしています。
スポーツでは、正しいフォームを身につけて、反復練習を行います。
我流でトレーニングしていては、遠回りしてしまいますよね。
国語も同じです。
正しいフォーム(読み方)を身につけて、反復練習が必要です。
うすうすそんな気がしててん
ただ、注意が必要なのは、国語の「つまずきポイント」は多岐にわたるということ。
そして、その「つまずきポイント」は、塾のようなクラス形式では見えにくいんです。
子どもたちがどのように読んでいるかは、他人にはわかりません。
また、講師が子どものつまずきに気づいたとしても、集団授業では対処が難しいでしょう。
だから、国語こそマンツーマン指導に向いていると言えます。
もし、塾に通っていて、国語の成績が伸び悩んでいる場合には、国語に精通した家庭教師などを利用して、説明文の読解トレーニングをするのもおすすめです。
まとめ:接続詞を理解して筆者の主張をつかもう!
接続詞(つなぎ言葉)を理解すれば、説明文の筆者の主張がつかみやすくなります。
筆者は主張を読者に伝えるために、伝わりやすい順序に組み立てて(構造化して)わかりやすく書いています。
ということは、読者も文章の構造を理解できれば、筆者の主張がつかみやすくなりますね。
また、「つまずきポイント」が多岐にわたる国語は、塾のクラス形式の授業では効果が見えにくい教科でもあります。
マンツーマン指導向きの教科である国語は、国語に精通した家庭教師などを利用するのもおすすめです。