こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
中1ギャップが心配…
中学校に入って、つまずいたらどうしよう…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
新年度になると、環境が大きく変わりますよね。
春という季節は、就職や異動で緊張がつきまといます…
実は子どもたちも、新しい学年に進級すると、ストレスを感じているものです。
今回の記事では…
- 中1ギャップとは何か
- 小学校と中学校のテストの違い
- 中1ギャップを乗り越える方法
がわかります。
できればスムーズに、中学校の勉強をスタートしたいですよね…
ぜひ、中1ギャップを防いで、良い波に乗ってくださいね!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
「中1ギャップ」とは?
まず、「中1ギャップ」という言葉を紹介しておきます。
「中1ギャップ」とは…
小学校を卒業して中学校へ進学した際、これまでの小学校生活とは異なる新しい環境や生活スタイルなどになじめず、授業についていけなくなったり、不登校やいじめが起こったりする現象のことです。
新興出版社ホームページ「中1ギャップって何? 対策法は?」より引用
つまり、中学校に進級して、環境が変わったことが原因で、うまく適応できなくなることです。
もちろん特に問題なく中学校に通う生徒も多いですが、新しい環境になじむために、何らかのストレスにさらされていることはあるはずです。
せっかく新しい世界にステップアップするのに、ギャップを感じてしまうのはつらいやんな…
友達や先生との関係、先輩との人間関係の問題を、前もって対策することは、なかなか難しいでしょう。
でも、勉強面での「中1ギャップ」に対しては、事前に準備しておくことはできます。
勉強が原因となる「中1ギャップ」で重要になるのが、小学校と中学校での「テストの違い」です。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
小学校でテストの3つの特徴は?
まず、小学校でのテストの特徴から見ていきましょう。
小学校のテストの特徴は…
- 単元ごとの小テストである
- 苦手な子も救うためのテストである
- 宿題をしていればじゅうぶんだった
の3点です。
もう少しくわしく見ていきましょう!
単元ごとの小テストである
小学校では、ある単元を学習すると、すぐにその単元のテストが実施されます。
例えば、「速さ」を学習すれば、すぐに「速さ」のテストをします。
漢字ドリル1章学習すれば、すぐに1章分の漢字テストをします。
ですので、子どもたちの記憶が新しいうちに、すぐにテストをしてくれるので、点数が取りやすいという一面がありますね。
苦手な子も救うためのテストである
また、小学校のテストは、勉強が苦手な子も救ってくれるテストとなっています。
小学校の先生たちはできるだけ、「苦手を作らない」「取りこぼしがない」ように心がけてくれています。
ですので、各単元のテストも易しめに作られます。
勉強が苦手な子であっても、50点や60点は取ることができます。
100点を取る子もたくさん出ますから、平均点は80点など高めになるでしょう。
宿題をしていればじゅうぶんだった
習ってすぐの単元ごとのテストですし、易しめのテストですから…
宿題さえしていれば100点取れる!
というお子様も多いですよね。
実際、学校の勉強では物足りない、学校の宿題では少なすぎるので、塾や公文、そろばんなどの習い事に通っている子もたくさんいます。
中学校のテストの3つの特徴は?
では、中学校のテストは、小学校のテストとはどう違うのでしょうか?
中学校のテストの特徴は…
- 範囲が広い大テストである
- ふるいにかけるためのテストである
- テスト対策勉強をしなければならない
の3点です。
つまり、中学校のテストは、小学校のテストの真逆ですよね…
そりゃ、中学1年生がとまどうのも当然やん…
中学校のテストについて、もう少しくわしく見ておきましょう。
範囲が広い大テストである
定期テストをいくどとなくくぐり抜けてきたお母様・お父様には、釈迦に説法ですが、中学校では年に5回の定期テストが実施されます。
- 〔1学期〕中間テスト
- 〔1学期〕期末テスト
- 〔2学期〕中間テスト
- 〔2学期〕期末テスト
- 〔3学期〕学年末テスト
ですね。
その他にも、実力テストや、国や都道府県の学力調査テストなどもあります。
年に5回しかテストがないということは、単元ごとにテストが行われる小学校のテストに比べて、「テスト範囲が広い」ということです。
定期テストの1週間前に「テスト範囲表」が配られて、その範囲の多さに絶望します…
社会 歴史教科書p87~172
無理…
範囲ひろすぎ…
テスト範囲表は、定期テストの1週間前に配られる学校がほとんどですが、範囲表が配られてから定期テスト対策を始めていては間に合いません。
テスト範囲が配られる前、つまり、2週間くらい前からは、テスト対策の勉強を始めておかなければなりません。
テスト範囲表が配られてから、テスト対策をスタートさせていると…
- 勉強が間に合わない
- 提出するためだけに答えを丸写しにする
- 勉強すること自体あきらめる
ということが起こってきます。
ふるいにかけるためのテストである
また、中学校の定期テストは「ふるいにかけるためのテスト」です。
小学校では、勉強が苦手な子をすくい上げてくれるテストでしたよね。
でも、中学校では、そうはいきません。
高校入試では、中学校の成績で内申点が必要なために、中学校の先生は、成績に「差」をつけなければならないのです。
そのため、成績に差をつけるためには、平均点は60点前後の難しいテストに作らざるをえません。
平均が60点前後になるということは、平均プラス20点をとる80点の子もいれば、平均マイナス20点、つまり、40点の子もいるということです。
残酷なテストやで…
たとえば、大阪府では、中学校ごとの内申点の不公平をなくすために、「チャレンジテスト」というテストを実施しています。
その結果をもとに、学校ごとの内申点の幅を決めます。
つまり、チャレンジテストで点数が高かった中学校は、内申点を高めにつけて良し。
チャレンジテストで点数が低かった中学校が、学校全体で内申点が低めに設定されます。
だから、勉強の苦手な生徒に対して、「(学校の評価が下がるから)お前らは、チャレンジテスト休め」と言った中学校の先生もいるとか…
テスト対策勉強をしなければならない
テスト範囲が広く、また、難しく作られるならば、しっかりとテスト対策勉強をしなければ、点数が取れなくなります。
小学生の頃は、宿題さえやっていれば、テストで点数をとれたのに…
という典型的な「中1ギャップ」が、ここで生まれます。
小学生の頃は特に何も対策しなくてもよかったのに、中学生になったら、1学期の中間テスト・期末テストでつまずいてしまう。
小学校の頃には順調だったのに、中学生になって成績が振るわない子どもたちに、とまどってしまうお母様・お父様も多いでしょう。
定期テストで450点以上とる子の勉強法や心構えはこちらの記事をご覧ください↓
でも「中1ギャップ」の原因は中学校のせいとは限らない
ここまで小学校と中学校とのテストの違いをお伝えしてきました。
中学校のテストが難しくなるから、中1ギャップが生まれるのでは?
そのように感じたお母様・お父様もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、英語の関係代名詞や、数学の三平方の定理などは、小学校内容に比べると深いところまで学びます。
でも、「中1ギャップ」は、中学校の学習内容やテストが原因だとは言い切れないんです。
むしろ、中学校の勉強でつまずく原因は…
小学校の学習内容の積み残し
であることも多いんです。
たとえば、中1数学の正負の数でつまずいたと思ったら、実は、小学校の分数計算ができていなかった…
方程式で式が作れないのは、小学校の割合や速さをよくわかっていなかった…
中学1年生のはじめって、数学は正負の数、英語ならアルファベットから学びます。
実は、中学校では、かんたんな内容から始められるので、横一線のスタートなんです。
それなのに、差がついてきてしまうのは、小学校内容が定着していなかったという面もあるんです。
※中学生で伸びる子の特徴について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
小学校のテストでは定着度ははかりにくい
また、さきほど説明した通り、小学校のテストは、学習してすぐに実施されるうえに、易しめに作られています。
ですので、その時は点数が取れていたけれども、実は…
- 本質は理解していなかった
- パターンを丸暗記しているだけだった
- テストが終わったら忘れていた
ということが、起こっているのです。
小学校の先生たちも良かれと思って、易しく、そして、優しく、子どもたちをすくい上げてくれていたのに、中学校では「中1ギャップ」を突き付けられる…
ちょっと皮肉やな…
とにかく、小学校のテストでは、本当の定着度ははかれないということです。
ですので、理解度を別のものさしでチェックして、「隠れた苦手単元」を克服しておかなければなりません。
※拙著『保護者のための「中学生の勉強法」』こちら↓
Kindleアプリでお読みいただけます。
「中1ギャップ」を防ぐ方法は?
では、「中1ギャップ」を防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか?
「中1ギャップ」を予防するには…
- 集団塾に通う
- 個別指導塾や家庭教師を利用する
- オンライン教材で学ぶ
の3つがスタンダードです。
1つずつくわしく見ていきましょう
集団塾に通う
まず、中学校1年生になるときに、クラス形式のいわゆる集団塾に通い始める子も多いでしょう。
塾では、基本的に、予習型のカリキュラムを組んでいます。
ですので、塾で学んでから、余裕を持って、中学校の授業で習います。
また、定期テストの前には、先取りしている進度をストップして、定期テスト対策の授業をする塾がほとんどです。
そのようなサイクル学習の中で、小学校での積み残しを発見し、克服しておくことも可能でしょう。
小学生のときにはわからなかったけど、中学生になったら意外とすんなり理解できたということも、よくあります
特に、物おじせずに自分から、塾の先生に質問できるようなお子様には、集団塾は向いているでしょう。
ただ、集団塾は3月から新年度の授業が始まることが多いです。
(高校入試が3月に行われ、子どもたちが入れ替わるため)
ですので、入塾のタイミングに注意しておきましょう。
個別指導塾や家庭教師を利用する
次に、集団塾ではなく、個別指導塾や家庭教師を利用するという方法もあります。
「中1ギャップ」の原因は、小学校内容の積み残しにもあるとお伝えしましたが、苦手単元が多すぎる場合には、集団塾に入ってしまうと空回りしてしまうことがあります。
つまり…
入塾したのに、よけいにわからなくなった…
ということが起こりえます。
せっかくつまずきを解消するために、塾に入ったのに、さらに積み残しが増えてしまっては本末転倒ですよね…
苦手な単元が多いが場合には、個別指導塾や家庭教師から始めるのがおすすめです。
個別指導塾や家庭教師なら、クラス全体の進度を気にせず、その子の苦手にピンポイントでアプローチできます。
実際、「知っている人がいる塾には通いたくない」という理由で、家庭教師を利用するご家庭を、私自身が担当することもあります。
また、先取り学習をする集団塾の入塾のタイミングを逃してしまって、入塾を断られるということもあります。
その場合には、個別指導塾や家庭教師で進度を調整して、集団塾に合流するという方法もあります。
クラブ活動がハードで、集団塾の時間割と合わないということもあるでしょう。
その場合にも、個別指導塾や家庭教師なら、スケジュールを合わせやすいというメリットもあります。
オンライン教材で学ぶ
3つ目は、近年だんだんと増えてきているオンライン教材で学ぶという方法です。
学校や塾に通いにくいという不登校の子どもたちの中で、オンライン教材なら取り組みやすいという子もいるでしょう。
また、発達障害をお持ちで、授業ではうまく学びにくいというお子様もいます。
発達障害の子どもたちでも、タブレットやパソコンを使ったオンライン教材なら、ゲーム感覚で学べるということもあります。
たとえば、「すらら」というオンライン教材は、「無学年制」なので、学年をさかのぼって復習することができます。
また、「つまずき診断機能」というシステムで、弱点を自動診断してくれます。
小学校の苦手をあぶりだして、克服するのに役立ちます。
まとめ:【中1ギャップに注意!】中学校の学習でつまずく原因と解決方法は?
「中1ギャップ」の原因は、小学生と中学校のテストの違いが大きいことや、小学校の積み残しです。
集団塾・個別指導塾や家庭教師、そして、オンライン教材などを使って、小学校のつまずきを解消しておくことが大切です。
また、お子様に合った学び方を、選ぶようにしましょう。
実際に、体験授業を受けてみるのを、おすすめしています。
実は、中学校の学習内容って、はじめは難しくありません。
数学なら正負の数、英語ならアルファベットから始まります。
せっかく横一線でスタートできるのですから、しっかりと対策をして「中1ギャップ」を防ぎましょう。
スムーズに中学校をスタートできることを応援しています!