こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
中高一貫校ってどんなメリットがあるの?
中学受験させたほうがいいかしら…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 中高一貫校の5つのメリット
- 中高一貫校の5つのデメリット
- 6年間を有意義に過ごすための心構え
がわかります。
中高一貫校のお子さまも、地元の公立中に通うお子さまもたくさん担当してきました。
また、私自身も中学受験をして、私の経験を主観的にもお話しできます。
- 中学受験をしようか迷っている
- 中学受験をしたけれど本当によかったのか悩んでいる
そのようなお母様・お父様の参考になれば幸いです。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
中高一貫校の5つのメリットは?
最近では、公立の中高一貫校も少しずつ増えてきています。
ただ、ほとんどの中高一貫校は、私立です。
ですので、この記事では私立の中高一貫校を中心に、説明していきますね。
まずは、私立の中高一貫校のメリットから見ていきましょう。
中高一貫校のメリットは…
- 学力が近い仲間と切磋琢磨できる
- 環境が整っている
- 6年一貫のカリキュラムで大学受験に臨める
- 高校受験に縛られずに学校生活を送れる
- かけがえのない友人と出会える
の5つだと私は考えています。
1つずつくわしく見ていきましょう!
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
学力が近い仲間と切磋琢磨できる
まず、中学入試を経験して入学してくるので、ある程度近い学力の仲間と競い合っていくことになります。
地元の公立中学校だと、さまざまな学力の生徒たちが1つの教室で勉強します。
定期テストで満点近く取れる子から、ひと桁という子が混在しています。
では、学校の先生は、どのレベルに合わせて授業をするでしょうか?
基本的には、ボリュームゾーンの真ん中くらいの学力の子たちに合わせて授業することになるでしょう。
すると…
- 勉強が得意な子にはかんたんすぎる
- 勉強が苦手な子には難しすぎる
となってしまいます。
でも、中学受験を経験している中高一貫生の場合には、ある程度足並みはそろっています。
ですので、自分のレベルにあった学習に取り組める可能性が高くなります。
ただ、同じくらいの学力で入学したのに、6年後に大きな差がつくという恐ろしい事実…
※中学受験に向いている子・した方がいい子について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
環境が整っている
私立の中高一貫校は、環境が整っているのも大きなメリットです。
- ハリーポッターの世界のような図書館
- 全国大会が開けそうなアリーナ
- おいしい食堂や購買部
歴史ある地元の公立小学校に通っていると、正直びっくりしますよね。
ちなみに私はきれいな洋式トイレじゃないと、用を足せないタイプでした
また、「地元の公立中学校が荒れているから」という理由で中学受験をされるご家庭も多いものです。
近所の公立中学校では…
- 窓ガラスがよく割られる
- 近所の学校の不良が乗り込んでくる
- バイクを乗り回している子がいる
- 修学旅行で悪さをして出禁
というように、強烈に荒れているところもあります…
また、コロナウィルスが蔓延し、私立校の環境が整っていることが浮き彫りになりました。
前々からタブレットを生徒たちに配布している中高一貫校では、スムーズにオンライン授業に入っていけました。
子どもたちはオンライン授業が導入されたのせいで、休校じゃなくなり、文句を言っていましたが…
※中学受験をするメリット・デメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
6年一貫のカリキュラムで大学受験に臨める
大学受験を見据えて、私立の中高一貫校では前倒しのカリキュラムで授業をしています。
具体的には…
- 中学2年生で中学内容を学び終える
- 中学3年生から高校内容をスタート
- 高校2年生で文系理系に分かれる
などです。
6年間を自由に使える中高一貫校では、高校内容を早めに学び終えます。
そして、長い時間を大学受験対策に使うことができます。
実際、最難関の私立中学校は、前倒しノカリキュラムを有効に使って、高い大学合格実績を誇っていますね。
また、中学受験を経験しているので、中学校側も算国理社については基礎学力があると考えます。
ですので、授業の進度が速く、深い内容まで扱います。
教材も、中高一貫用の教材や塾専用教材などを使用し、地元の公立中学校とは違ってきます
一方、地元の公立中学校の場合には、高校内容を先取りすることはありません。
まずは高校受験に向けて、中学内容を固めます。
そして、高校に入学してから、高校内容を学び始めます。
ですので、大学受験の対策を始めるタイミングは、中高一貫校に比べるとどうしても遅くなっていまいます。
とはいえ、しっかり大学実績を出している、地元の優秀な公立高校はたくさんあるのは事実やけどな
※中高一貫校に通う中学生・高校生のおすすめのオンライン家庭教師は、こちらの記事をご覧ください↓
高校受験に縛られずに学校生活を送れる
さきほど、大学受験に6年間で備えられると書きましたが、最近では大学受験の約半数が「総合型選抜」で合格しています。
「総合型選抜」とは、一般的なテスト型の入学試験ではなく…
- 志望理由書
- 面接
- 小論文
- プレゼンテーション
- グループディスカッション
など、受験生の適性やコミュニケーション能力も含めて評価する選抜方法です。
どうやって対策したらええかわからんから、一般選抜よりも逆に難しそうやな
「総合型選抜」では、高校時代までの体験をアピールすることが増えます。
- クラブ活動での実績
- ボランティア活動
- ビジネス・仕事経験
- 語学・留学
- 深掘りした趣味
など、オリジナルな体験があった方が、アピールしやすいでしょう。
ただ、高校受験があると、どうしても受験勉強に集中せざるを得ません。
それまでの習い事や趣味をいったん整理しなければならないということもあるでしょう。
一方、中高一貫校なら、6年間を比較的に自由に使えます。
もちろん学業には取り組まなければなりませんが、高校受験がないぶん、自分だけのオリジナルの経験ができる可能性が高くなります。
まだ、自分の夢や好きなことが見つかっていない場合には、6年間で出会うこともできるでしょう。
かけがえのない友人に出会える
6年間をいっしょに過ごすので、かけがえのない友人に出会えるかもしれません。
少人数の中高一貫校の場合には、より濃密な時間を過ごせます。
卒業してからも、ずっと付き合いが続く仲間もいるでしょう。
夢を追う友人、世界に羽ばたく同級生に、良い刺激をうけるかもしれません。
地元の公立中学校だと、高校受験を経て、友達とは離ればなれになってしまいますね。
中高一貫校の5つのデメリットは?
では、私立の中高一貫校のデメリットは、いったい何でしょうか?
中高一貫校のデメリットは…
- 授業の進度が速く内容も難しい
- 中だるみすると高校では留年が待っている
- 通学に時間がかかる
- 人間関係がこじれてもメンバーが変わらない
- 地元の友人とは疎遠になる
の5つだと私は考えています。
1つずつ掘り下げてみていきましょいう。
授業の進度が速く内容も難しい
さきほどメリットとして紹介した「6年一貫の前倒しカリキュラム」というのが、逆にデメリットにもなります。
中高一貫校の授業の進度は速く、内容も深いところまで学習します。
大学受験に余裕を持って対策できるのはいいのですが、そのぶん勉強はハードになります。
特に中学1年生の段階で、手を抜いてしまうと、中学・高校内容の土台があやふやになってしまいます。
授業スピードが速くて、内容も難しいので、巻き返しが難しくなってしまいます。
せっかく中学受験したのに浮上してこられない「深海魚」ってやつになりかねへんな…
ただ、地元の公立中学校に通う子たち向けの、塾には通えません。
地元の中学生は高校受験を目指して、勉強をしています。
モチベーションも違いますし、教材や進度も異なってしまいます。
ですので、家庭教師を利用している中高一貫生は、けっこう多いです。
中高一貫校のカリキュラムや教材に合わせて、指導をカスタマイズしてもらうことができます。
※中学受験後に成績が低迷する「深海魚」について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
中だるみすると高校では留年が待っている
また、高校受験がないぶん、中だるみしやすいのも、中高一貫校のデメリットといえるでしょう。
地元の公立中学校の子たちは、高校受験に向けて、各教科をしっかりと仕上げています。
中学内容を固めているので、高校に入学してからも良いスタートが切れる子もいるでしょう。
地元の公立に進んだ同級生の方が力をつけていた、というのはよくある話
一方、中高一貫生の場合には、高校受験に向けて、中学内容を固める必要が薄い。
ですので、中にはあやふやな知識のまま、高校に進級してしまう子がいます。
でも、高校には、中学にはないものがあります。
留年
です。
せっかく中学受験して中高一貫校に入学したのに、進級できない卒業できないとなってしまってはもったいないですよね
実際、私も留年対策として高校生を担当しますが、中学内容が固まっていない場合、かなり大変な戦いとなります。
学期末や学年末の時期には、留年に関する記事のアクセス数が急増します…↓
通学に時間がかかる
私立校を受験した場合、通学に時間がかかってしまいます。
たとえば、片道1時間なら…
2時間/日 × 200日/年 × 6年 = 2400時間
を6年間で通学に費やすことになります。
ということは…
2400時間 ÷ 24時間 = 100日
なんと100日を通学に使っている計算です。
疲れて寝ている中高生や、スマホでゲームをする子も多いとは思います。
でも、せっかくの通学時間、有意義に使いたいですよね。
- 電車の中で暗記する
- 歩きながらリスニングする
- 読書する
など、通学時間を上手に使えるといいですね。
まあ、おとなも通勤時間に寝たり、スマホいじったりしてるけどな
人間関係がこじれてもメンバーが変わらない
さきほどメリットとして「かけがえのない友人と出会える」と紹介しましたが、6年一貫は逆にデメリットにもなり得ます。
というのも、人間関係がこじれてしまった場合、メンバーの入れ替えがありません。
人間関係の問題を抱え続けなければならない可能性が高くなります。
実際、私が担当した女の子は、中学受験で女子校に入学したものの、人間関係がうまくいかず、地元の公立中学校に戻ってきていました。
最近の中高生は、SNSを通してのトラブルも多いようです。
入学後、学校で「スマホ講習」なるものが催されるほど
※大学附属の中高一貫校のメリットとデメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
地元の友人とは疎遠になる
中学受験をすると、小学校の頃の友達とはどうしても疎遠になってしまいます。
他の子たちは、地元の中学にみんなで入学するのに、自分だけは人間関係がいったんリセットされてしまう。
特に、人間関係を心配するお子さまの場合には、大きなデメリットになりやすいでしょう。
また、成人式や同窓会には、出席しにくくなります。
他の友人たちは、中学時代の思い出を共有しているのに、自分にはない…
実際、私は地元の成人式には出席せず、大学の友人と遊んでいました
6年間を有意義に過ごすための心構え
ここまで中高一貫校のメリットとデメリットを紹介してきました。
ただ、お母様・お父様はもうお気づきかもしれませんが、結局は…
6年間をどう過ごすかが大事
ということです。
地元の公立中学校に進んでも、私立中学校に入学しても、6年後にどんな自分に成長しているかは、6年間の過ごし方次第なんですよね。
ですので、「私立が特別」とか「私立が有利」とか、いちがいには言えません。
だからこそ、6年間を有意義に過ごすための心構えをぜひ知ってもらいたいと考えています。
「6年間を有意義に過ごすための心構え」は…
- 中学受験がゴールではない
- 偏差値で人や学校を判断しない
- 自律して勉強できるようになる
- 勉強以外のことにも夢中になる
- ハッピーな人生を送ってほしいとお母様・お父様は願っている
という5つです。
1つずつくわしくお話ししますね。
中学受験がゴールではない
中学受験を終えて、燃え尽きてしまう子がいます。
確かにハードな勉強をこなしてきたので、達成感はあるかもしれません。
でも、中学受験はあくまで「目標」であり、「ゴール」ではありません。
というよりも、人生においても「目標」はあるけど、「ゴール」はないんちゃう?
中学受験をゴールにしてしまうと、そこで成長は止まってしまいます。
中学受験はあくまで「通過点」だということを、知っておきましょう。
偏差値で人や学校を判断しない
「偏差値」って、子どもにとっては強烈な数字です…
あの学校は偏差値が低いな。
あいつは偏差値が高い。
でも、偏差値で、人や学校を判断したり、見下したりはしてほしくはありません。
偏差値って…
あるとき、ある集団の中での、ある内容での順位
でしかありません。
小6の頃の偏差値なんて、当時通っていた塾メンバーの、算・国・理・社の順位でしかない。
高3の全国模試では、まったく違った結果になるでしょう。
実際、中学受験しなかった地元の公立中学校に進学した子が、6年後には大化けしているのはよくある話です。
また、勉強がすべてでもありません。
社会に出たら、コミュニケーション能力や問題発見力が求められます。
偏差値という相対的な数字以外の価値観を、中高6年の間に見つけてほしいと願っています。
自律して勉強できるようになる
中学受験の間は、おとな主導になることが多かったでしょう。
- 塾の先生に引っ張ってもらう
- お母様・お父様が勉強の管理をする
ただ、いつまでもお母様・お父様に勉強の内容を管理してもらうわけにはいきません。
これからは、中学生・高校生自身が、自律して勉強していく必要があります。
「自分を律する」のは、おとなでも難しいことです。
でも、少しずつ自分なりに工夫して、勉強に取り組めるようになることは、自分の将来を切り開いていく源になるでしょう。
もちろんわからないこと、困ったことを、1人で抱え込む必要はありません。
おとなの力を借りることも大切です。
- お母様・お父様
- 学校の先生
- 塾・予備校の講師
- 家庭教師
など、おとなからのサポートを上手に活用できるといいですね。
勉強以外のことにも夢中になる
さきほど、お話した通り、勉強がすべてではありません。
中高一貫の6年の間に、勉強以外のことも、たくさん経験してほしいですね。
- クラブ活動
- 趣味
- 習い事
- ボランティア
中には、ビジネスを起こすという中学生・高校生もいるかもしれません。
大学入試でも「総合型選抜」が増えてきているように、多様な経験をしている学生が大学からも求められています。
社会に出てからも「芸が身を助ける」ということは、たくさんあるでしょう。
まだ夢中になれるようなものがない…
そういう中学生・高校生もいるかもしれません。
大丈夫です。
焦らずに、自分の興味のあることを、広げたり、深めたりして、ぜひ6年間の間に夢中になれるものを見つけてくださいね!
ハッピーな人生を送ってほしいとお母様・お父様は願っている
なぜ中高一貫校に通うのでしょうか?
なぜ中学受験する(した)のでしょうか?
いい大学に入るため?
いい会社に入るため?
そのように感じている中学生・高校生も多いかもしれません。
もちろん大学に入ることや就職も大切です。
でも、中学受験も大学受験も就職も、「ハッピーな人生を送るための通過点」なのではないでしょうか。
そして…
子どもたちにハッピーな人生を送ってほしい
そう考えて、お母様・お父様は、中高一貫という選択肢を選んだのではないでしょうか。
「どんな人生が、自分にとってハッピーなのか…」
中高一貫の6年の間に、自分に問いかけてもてもらえたらと思っています。
まとめ:中高一貫校のメリット・デメリット
中高一貫校に通うことは、一長一短です。
メリット・デメリットを踏まえたうえで、中学受験をするか考えることが大切です。
また、もうすでに中高一貫校に通っている場合には、いかに充実した6年間を過ごすかを考えてみましょう。
中学受験しようとも、地元の公立中学校に進学しようとも…
6年間をどう過ごすかが大事
でした。
中高一貫校に通う子どもたちが、有意義な6年間を送れることを祈っています!
また、中学受験が終わってから、学校の定期テスト対策・大学受験対策として、家庭教師を利用するご家庭は多いです。
次の目標に向かって、動き始めましょう。