こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、ケアレスミスが多すぎ!
どうすればミスが減るの?
そのように悩んでいるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- テスト中にミスが起きる5つの原因
- ケアレスミスを減らす5つ方法
- テスト中の見直すポイント
がわかります。
テストにミスや間違いはつきものですね。
でも、「もったいないミス」や「単なるケアレスミス」として、見逃してはいけない間違いもあります!
ミスの防ぎ方や、テスト中の見直し方法を工夫して、得点を底上げしていきましょう。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
テスト中にミスが起こってしまう5つの理由
ミスを減らすために、まずは、ミスが起こってしまう原因から突き止めておきましょう。
テスト中にケアレスミスが起こってしまう理由は…
- 実力が足りていない
- ミスしやすい方法で解いている
- 緊張してしまう
- 緊張感がない
- だって人間だもの
という主に5つだと私は考えています。
1つ1つ見ていきましょう。
実力が足りていない
あまりにもミスが多い場合や、同じミスを繰り返すという場合は、「ケアレスミス」とは呼べません。
基礎学力が足りていない可能性があります。
たとえば、計算ミスが多いなら、ただただ計算力が足りていないことがよくあります。
計算で苦労しているうちに、何を求めているのか見失う子もいますよね…
私は「計算迷子」と呼んでいます
小学生でも中学生でも高校生でも同じです。
また、算数・数学の計算まちがいに限らず、どの教科でも同じです。
【国語】抜き出し問題・記述問題で漢字を書きまちがう
→漢字の力が足りていない…
【英語】三単現のsを付け忘れたり、過去形にし忘れる
→動詞を使い分けるトレーニングが不足している…
これらはミスというよりも、実力不足ですね。
テスト当日にできなかったというよりも、ふだんからできていない可能性が高いです。
単なるうっかりミスだったのか、実力不足だったのかを見極めるようにしましょう。
ミスしやすい方法で解いている
ミスしやすい方法で解いていると、もちろんミスを誘発しやすくなります。
算数や数学がわかりやすいですが、
- 途中式を飛ばす…
- 苦手な計算を暗算でする…
- ひっ算が斜めになりケタがずれる…
- 字が雑で0と6を自分で見まちがう…
など、自分自身でまちがいやすい行動をとっている子が多いものです。
国語でも、そもそも本文を読んでいなかったり、設問を読み飛ばして、なんとなく解いているとまちがいやすいでしょう。
これも「テスト当日にミスしやすい方法で解いてしまった」というよりも、ふだんからミスしやすい方法で勉強している可能性が高い…
厳しい言い方をすれば、ミスしやすい方法で勉強しているのも、実力不足と言えるでしょう。
緊張してしまう
テスト本番になると、緊張してしまう子がいます。
勉強に限らず、スポーツの試合やピアノの発表会など、ハレの舞台は緊張してしまいますよね…
おとなでも人前でスピーチするときは、心臓バクバクするものです。
緊張してしまうと、どうしても本来の力が出せなくなってしまいます。
- 頭が真っ白になる…
- まわりの受験生が気になってしまう…
- 時間配分を見失ってしまう…
- 焦って、見落としたり、雑になったりする…
その結果、ミスにつながってしまうというわけです。
緊張感がない
逆に、緊張感がなさ過ぎる場合にも、ミスは起こりやすくなります。
緊張感がなさ過ぎると、注意が散漫になりがちですよね…
気持ちが乗っていない模擬テストなどで起こりやすいでしょう。
心当たりあるわ…
また、そもそもテストで点数を取る気がない子も中にはいます。
得点に執着がないので、ミスに気付かなかったり、時間配分を意識せずに最後の問題まで目を通せなかったりします。
だって人間だもの
どんなに気をつけていても、ケアレスミスは起こってしまうものです。
人間だれしもミスをするものです。
この記事を書きながら、誤字脱字がないか注意してはいます。
推敲しながら読み返しても、ミスが残ってしまうことがあります。
ミスして開き直っているわけではありません…
もし子どもが本当に単なるうっかりミスをしてしまった場合には、責めないようにしたいものですね。
そもそも「見直し」に頼らない方がいい
テスト中のミスを減らすために「見直しをしなさい!」とよく言われます(言います)。
確かに、テスト時間中見直しは大切です。
見直しをすれば、まちがいに気づいて、ミスを減らせることがあります。
「見直ししてよかった!」という経験をしているお母様・お父様も多いでしょう。
ただ、私は担当する子どもたちには、
1回目で正解するつもりで解く
ように伝えています。
つまり、「見直しはアテにするな」ということです。
「見直しは大切」って言うてたやん!
と思われたかもしれませんが、テストは常に時間との勝負です。
いつも時間が余るとは限りません。
むしろ、見直し時間が欲しい、難しいテストに限って、時間切れになってしまうものですよね…
では、どうすれば見直しに頼らず、1回目で正解できるようにするのかというと…
- 基礎学力をアップさせる
- ふだんからミスの少ない方法で練習する
- 「なんとなく」解かない
- 確認しながら解く
- 良い緊張感を保つ
の5つが大切です。
掘り下げて見ていきましょう。
基礎学力をアップさせる
あまりにもミスが多い場合や、同じ間違いを繰り返す場合は、単なるミスではなく、実力不足の可能性が高いとさきほどお伝えしました。
ということは、実力を上げれば、まちがいは確実に減ります。
では、どんな実力を上げたらいいのかというと、「基礎学力」、つまり、
- 漢字の読み・書き
- 語彙力(ボキャブラリー)
- 計算力
- 各教科の基礎知識
などですね。
たとえば、計算力を上げたら、まちがいなく計算ミスは減っていきます。
せっかく式は作れたのに、計算まちがいで答えにたどりつけない…ということも減ります。
計算に時間と労力をかけずに、その問題の本質に時間と労力を注ぐことができます。
計算しているうちに、何を求めているのかわからなくなる「計算迷子」からも卒業できるでしょう
これは、テスト中にどうこうできるものではありませんね。
ふだんの学習で、基礎学力を高めておく必要があります。
ふだんからミスの少ない方法で練習する
ふだんの学習で基礎学力を高めておくのと同様に、ふだんからミスの少ない方法で練習しておくことも大切です。
算数や数学がわかりやすいですが、
- 苦手な計算は暗算を避ける
- ひっ算はまっすぐ書く
- 数字をていねいに書き0と6の見分けがつくようにする
- 計算用紙の使い方を決めておく
- 大小を比べる問題は線分図を書く
- ±の符号は先に書く
など、ふだんから気を付けておかないと、テスト本番でいきなりできるようにはなりませんね。
国語でも、設問の条件部分に線を引いたり、抜き出す前に書き抜く箇所に線を引いたり、するだけでミスは減らせます。
英語でも、ふだんから時制や人称に注意して勉強しておく必要があります。
「練習でできないことは本番でもできない」ということを心得ておきましょう。
「なんとなく」解かない
なんとなく解いていると、なんとなく間違ってしまいます。
つまり、ミスをしても気づかないという状況になりがちです。
たとえば、国語でも英語でも、記号選択の問題をなんとなく選んでいる子は多いものです。
なんとなくでなはなく、「答えの根拠」を探して(考えて)記号を選ぶことが大切ですね。
「答えの根拠」が見つかれば、なんとなく選んで、なんとなくまちがうことは減っていきます。
私は「なんで『ウ』を選んだの?」と問いかけることで、解答の根拠を意識させます
また、自転車の速度を求める問題で、「時速480km」という答えが出たら、ミスしている可能性が高いですよね…
男子の平均得点73点と女子の平均得点80からクラス全体の平均を求める問題で、90以上の数字が出たらおかしいですよね…
常識的に考えるとおかしいのですが、「なんとなく」解いていると、やはりミスに気づけません。
これは、ふだんから心がけることでもありますし、テスト本番に心がけることでもあります。
また、心がけて「質」を上げるだけでなく、「量」をこなすことで感覚が磨かれる部分もあります。
確認しながら解く
「なんとなく」解かないためにも、確認しながら解くといいでしょう。
戸締りして家を出発するときに、指差し確認するような感じです。
後から不安になるよりも、「心配の種」はつぶしておいた方がいいですよね。
出発してから、電気消したか、窓のカギしめたか不安になるやん
テスト中でも同じで、後から見直しをするのは、実は効率が良くありません。
1回目に解きながら、ミスしていないか確認するだけで「ミスの種」をつぶせます。
もちろんテスト中に声を出して「抜き出し良し!」などと指差し確認するわけにはいきません。
その代わり、文章や設問の気を付けるべきところに線を引いたり、印をつけたりするといいでしょう。
逆算(□算)や方程式・関数などは、出た答えを式に代入するだけで、すぐに検算できますね。
良い緊張感を保つ
見直しに頼らず、1回目で正解するためには、良い緊張感を保つことも大切です。
緊張には、「悪い緊張」と「良い緊張」があります。
「悪い緊張」は、焦ってしまって、ふだんの実力が出せない状態ですね。
一方、「良い緊張」は、集中力が上がって、いいパフォーマンスが出せます。
集中できて「ゾーンに入る」ってやつやな
では、どうすれば「良い緊張」状態になれるのでしょうか?
テスト中に良い緊張感を保つには…
- 上を目指している
- 自信を持って本番に臨む
- 戦略を立ててテストに臨む
- 焦ったら目を閉じて深呼吸する
- 解ける問題で集中力を取り戻す
という5つの方法が有効でしょう。
上を目指している
まず、向上心がないと、ゾーンに入ることは難しいでしょう。
気持ちが乗っていなかったり、得点に執着がない場合には、緊張すらしません。
ちょっとドキドキしているくらいが、ちょうどいいでしょう。
ただし、得点に執着し過ぎると、ガチガチに緊張してしまうかもしれません。
後で書きますが「テスト中に何をするか」にフォーカスしたほうがいいです。
自信を持って本番に臨む
不安な状態でテストに臨むと、悪い緊張に飲み込まれてしまいます。
良い緊張感を保つには、(ある程度の)自信を持って本番に挑むことが大切です。
もちろん「なんとなく大丈夫な気がする」とか「奇跡が起こりそう」という「根拠のない自信」では、意味がありません。
- 類題が解けたから本番も解けるはず
- しっかりと用語を覚えたから大丈夫
という、これまでの努力に裏打ちされた自信が必要ですね。
だんだんわかってきたかもしれませんが、テスト中にできることは限られています。
テストに向けていかに準備をしておけるかが、本番での良いメンタルを保ち、パフォーマンスに上げる鍵になります。
戦略を立ててテストに臨む
目標の点数を決めることも大切ですが、テストの内容によっては、思うような点数が取れないこともあります。
ですので、点数よりも「テスト中に何をするか」にフォーカスすることが重要です。
そのためにも、事前にテストの戦略を立てておきましょう。
- 知識問題には時間をかけない
- 設問を読み飛ばさない
- 記述問題は後回しにする
- 各大問の(1)は確実に正解する
など、時間配分や解く順番、狙うべき問題を決めておきます。
テストが始まったら、自分がやるべきことを、淡々と粛々と実行するのみ。
「準備8割・本番2割」と言ったりしますね。
準備しているからこそ、自分を見失わず、落ち着いてテストに集中できるようになります。
焦ったら目を閉じて深呼吸する
ただ、どんなに準備していても、予想外の事態は起こるものです…
- 前回までと出題傾向が違う…
- 問題が難しすぎる…
- ど忘れしてしまった…
そんな場合には、目を閉じて深呼吸してみましょう。
時間がもったいない気もしますが、いったん気持ちを落ち着かせることが大切です。
気持ちが落ち着くなら、別の行動・ルーティンでも構いません。
- 笑顔を作ってみる
- 上半身のストレッチをする
- 2本目のシャーペンを使う
などでもOKです。
とにかくパニックになったまま、突き進むのは避けた方がいいでしょう。
また、「自分が焦っているってことは、他の受験生も焦っているはず」と考え方を変えることも有効です。
解ける問題で集中力を取り戻す
焦ったり、まわりの受験生が気になって、集中力が切れそうになることもあるでしょう。
そういうときには、解けそう問題を探しましょう。
目の前の問題に集中するで、集中力を取り戻すことができます。
テスト中の「見直し」のコツ
見直しに頼らず、1回目で正解することが大切だと書きましたが、「見直し」を否定しているわけではありません。
テスト中に時間が余ったら、もちろん「見直し」をしましょう。
ミスに気づけることもあるので、見直しは絶対に必要です!
では、どうやって見直しをすればいいのでしょうか?
- 見直し≠見る
- 見直し=解き直し
だと思いましょう。
中には、文字通り、目で見て「見直しているだけ」という受験生もいます。
ただ見ているだけでは、まちがいに気づけない場合があります。
ただ目で追うだけでなく、「もう一度解き直す」つもりで取り組むことが大切です。
一度解いたときの記憶が残っているはずですが、「正解しているはず」という思い込みをできるだけ取り除くといいでしょう。
「見直し(解き直し)」のポイントは…
- 文字・数字のチェック
- かんたんな問題
- 設問に答えが対応しているか
- 後回しにしていた問題を解く
の主に4つです。
1つずつ見ていきましょう。
文字・数字のチェック
まずは、自分が書いた答案用紙をチェックしていきます。
- 雑で読みにくい字
- 誤字脱字・スペルミス
などは、この段階で修正できます。
私は学生時代「キリスト教」と書いたつもりが、見直ししてみると「キリスリ教」と書いていたことがありました。
自分で書けたつもりでも、意外と書きまちがいしていることもあるものです。
「見直しをしてよかった!」と心底思いました
また、テストでは、自分が読めるかどうかではなく、採点者が読めるかどうかが重要です。
字が雑になってしまい、損をしないように気を付けましょう。
かんたんな問題
答案用紙のチェックが終わったら、次は問題用紙に戻ります。
かんたんな問題ほど、意外とミスをしていることがあります。
特に、テストのはじめの数問って、けっこうミスが起こります。
というのも、テスト開始直後は、まだ頭がその教科のモードになりきっていないことがあるからです。
大問1の計算問題で、まちがうことあるやん
易しい問題でまちがうのは避けたいですよね。
かんたんな問題は正答率が高く、他の受験生が正解して得点してきます。
自分だけがミスして、失点している場合ではありません!
かんたんな問題ほど、まちがいがないか解き直しをするようにしましょう。
設問に答えが対応しているか
また、設問と答えがきちんと対応しているかも、並行して確認していきましょう。
つまり、「問われたことに対して、正確に答えられているか」です。
たとえば、
- 時速で問われているのに、分速で計算したままになっている
- 抜き出し問題なのに、勝手にアレンジしている
- 「ふさわしくないもの」を選ぶ問題で、「適切なもの」を選択している
などですね。
解答欄がズレている場合もありますね。
私はセンター試験の数ⅡやTOEICのリスニングで、塗りつぶすマークシートが1問ずつズレて泣きそうになりました…
後回しにしていた問題を解く
難しくて時間がかかりそうな問題は、いったん後回しにしておくのが鉄則ですよね。
そして、時間が余れば、もう一度トライするようにしましょう。
ただし、難しい問題は正答率が低く、他の受験生もまちがう可能性が高いです。
つまり、ほとんどの受験生がまちがうということは、合否の決め手にはなりません。
【テストあるある川柳】難問は みんな間違う 怖くない
逆に、さきほど書いた通り、かんたんな問題でまちがう方が痛手になります!
他の受験生が正解する中で、自分だけが失点するのはもったいないですよね…
難しいと思い込んで、いったん飛ばした問題の中には、意外とかんたんな問題も隠れている可能性があります。
易しい問題を確実に拾うことを、見直し(解き直し)の目標にするといいでしょう。
まとめ:【テスト中の見直し】ケアレスミスが起こる理由と防ぐ方法
ミスを減らすために、テスト中にできることって、けっこう限られていましたね。
むしろ、テスト前にどれだけ準備しておけるかが、まちがいを減らす鍵になります。
見直しに頼らず、できるだけ1回目で正解するつもりで取り組むことも大切でした。
私は「ミスも実力のうち」だと考えています。
たかがミス、されどミス!
まちがい・ミスを分析して、どうすればまちがいを防げるのかを考えてみてくださいね。
テストで実力が発揮できるのを応援しています!