こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
やばい…留年しそう…
どうしよう…
そのように悩んでいる高校生、そして、お母様・お父様も多いですよね。
今回の記事では…
- 「留年」とは?
- 留年の基準・条件は?
- 留年はいつわかるの?
- 留年しやすい高校生の特徴は?
- 留年を回避するために今日からできること
- もし留年が決定したら…
がわかります。
すぐに変えられることもあれば、すぐには変えられないこともありますよね。
留年を回避して進級するためにできることを、1つずつ試していきましょう。
元塾講師・プロ家庭教師として、厳しいこともあえてお伝えします
「留年」とは?
まず、「留年」とは何なのかをチェックしておきましょう。
「留年」とは…
進級・卒業に必要な単位を取得できずに同じ学年にとどまること
ですね。
高校生全体の0.3%が留年しているという報告があります。
(文部科学省「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」)
0.3%というと少なく感じるかもしれませんが、9,336人もの高校生が、進級できなかったことになります。
私の高校時代にも、留年した同級生がいました
留年する基準・条件は?
留年になる基準や条件は、学校によって異なります。
その条件というのは、ほとんどの学校の場合、進級・卒業に必要な「単位」を取得しているかどうか、です。
ただ、「単位」といっても、高校生にはわかりにくいですよね。
基本的には、ほとんどの高校では…
- 出席日数
- 成績
で進級・卒業できるか留年するかが決まる、と考えておくといいでしょう。
もう少しくわしく見ていきましょう。
進級の条件1.出席日数
まず高校への出席日数が足りていないと、留年のリスクが高くなります。
たとえば、「全出席日数の3分の2」あたりが、進級・卒業の条件になっている高校が多いようです。
つまり、その学年での出席日数の3分の1を休んでしまうと、進級・卒業できなくなってしまうということです。
また、「遅刻2回で欠席1日扱い」というように、遅刻が積み重なると、欠席扱いになる高校もあります。
ただし、高校によって基準は異なりますので、自分の学校の出席日数を確認しておきましょう。
進級の条件2.成績
また、成績が基準に達していない場合も、留年となります。
定期テストでの点数が、進級・卒業できる基準に達していれば大丈夫です。
一方、進級・卒業できるラインに達していない点数、いわゆる「赤点(落第点)」を取ってしまうと、留年の可能性が高くなります。
成績の基準も、高校によって異なります。
- 39点以下が落第点
- 29点以下が落第点
という高校が多いでしょう。
厳しい学校では、49点以下で赤点という高校もあります。
何科目で赤点をとったら留年かも、高校によって異なります。
- 3科目で落第点をとったら留年
- 通知表で「2」の教科が5つで留年
などの条件が、学校ごとに決まっています。
また、定期テストの点数だけでなく、授業態度や提出物、小テストの点数も、成績に加味されることがよくあります。
いわゆる「平常点」でも、きちんと成績を確保しておくと良いでしょう。
やはり、高校によって違ってくるので、自分の学校の成績の基準を確認しておくことは大切です。
留年はいつわかるの?
留年が決まるのは、さきほど紹介した進級・卒業の条件に達しなかった時点です。
ただ、「留年」は、本人・家庭にとって、学校にとっても、重大なできごとです。
定期テストの点数が悪かったからといって、すぐに留年が決まるわけではありません。
事前に…
- 懇談で保護者にも本人にも、留年の可能性が伝えられる
- 追試や課題などの「救済措置」がある
はずです。
それでも、成績が振るわなかった場合や、学校からの救済措置を受け入れなかった場合には、正式に「留年」と言い渡されます。
「留年」は何回できるの?
高校で何回までなら留年できるのかも、高校によって異なります。
ただ「同じ学年で2回目の留年はできない」と定めている学校が多いようです。
留年して、その年度に、出席日数や成績が改善できなければ、その高校を出なければならないということです。
何回留年できるかについても、自分の学校のルールを確認しておくといいでしょう。
留年しやすい高校生の特徴は?
次に、留年しやすい高校生の特徴もチェックしておきましょう。
留年しやすい高校生の特徴は…
- 勉強に大きくつまずいている
- 学校に登校できていない
- 救済措置を受けようとしない
の3つです。
もう少し掘り下げて見ていきましょう。
勉強に大きくつまずいている
まず、進級・卒業の条件である「成績」が足りていない高校生は、もちろん留年する可能性が高くなります。
ただ、1科目くらいなら、学校も大目に見てくれる場合がほとんどです。
あとで紹介しますが、「救済措置」として、高校が救いの手を差し伸べてくれることがよくあります。
追試を受けたり、課題を提出したりすれば、進級・卒業できるというわけです。
「勉強に大きくつまずいている」と、表現したのはそのためです。
何教科も進級・卒業の基準に届いていない場合には、いくら学校が救いの手を差し伸べてくれたとしても、巻き返しが大変になります。
救済措置にも限界がありますよね…
当然、赤点が多い高校生は、留年しやすいでしょう。
学校に登校できていない
また、進級・卒業の条件である「出席日数」が足りていない高校生も、留年する可能性が高くなります。
- 欠席が多い(不登校)
- 遅刻が多い
このような高校生は、注意したほうが良いでしょう。
ただ、最近では、オンラインでの授業が広がったため、オンラインでも出席扱いにしてくれる学校も増えてきているようです。
一方で、依然として、学校まで来ないと「出席」としてカウントしてくれない学校もあります。
救済措置を受けようとしない
さきほど紹介したように、成績が悪かったからといって、すぐに留年というわけではありません。
追試や課題などで救いの手を差し伸べてくれる学校がほとんどです。
いわゆる「救済措置」ですね。
その救済措置を受けなければ、留年が濃厚になります…
進級・卒業したいのであれば、きちんと態度で示す必要がありますね
留年しないための今日からできることは?
では、留年しないために、今日からできることは何なのでしょうか?
すぐに変えられることもあれば、すぐには変えられないこともあります。
- 高校の救済措置を受ける
- 生活リズムを変える
- 勉強の環境を変える
- 考え方を変える
の4つについて見ていきましょう。
留年しないために1.高校の救済措置を受ける
まず、赤点をとってしまったからといって、すぐに留年が決定しないことがほとんどです。
さきほどから何度も登場していますが、多くの高校では、「救済措置」があります。
たとえば…
- 補習を受ける
- 追試で合格する
- 課題を提出する
などです。
ですので、進級したい場合には、「救済措置」をきちんと利用するようにしましょう。
「救済措置」を利用しないと、高校からの救いの手を払いのけたことになってしまいます…
最初に紹介した、授業態度や提出物、小テストの点数などの「平常点」も一種の救済措置なので、大切にしましょう。
留年しないために2.生活リズムを変える
次に、生活リズムが原因で出席日数が足りていない、勉強できていない場合には、生活の見直しが必要です。
特に最近多いのが…
スマホ依存により生活の乱れ
です。
ゲームアプリやSNS、インターネットの世界では、すぐに情報が入れ替わるので、スマホが手放せません。
毎日、アプリにログインすると、特典がもらえるなど、依存しやすいように作られています。
その結果、スマホが手放せず…
- 昼夜が逆転してしまう…
- 朝起きられず遅刻・欠席になる…
- 勉強が手につかない…
そのような高校生を担当することが、年々増えてきています。
私の指導後でも、即スマホという子は多いです
そうならないためにも、どこかで歯止めをかけなければなりませんね。
自分ひとりの意志では、「依存」は抜け出せない場合が多いでしょう。
家族の力も借りながら、少しずつスマホを手放す時間を伸ばしていってください。
- 勉強中はスマホを見ない
- ふとんの中ではスマホを見ない
ということから始めていきましょう。
スマホをアラームに使っている場合には、思い切って目覚まし時計に切り替えるのもいいですね
「意志」は鍛えられます。
「意志が弱い」とあきらめないでくださいね。
留年しないために3.勉強の環境を変える
さきほど「勉強中はスマホを見ない」ようにしましょうと書きましたが、成績が原因で留年しそうな場合には、勉強の環境を変えてみましょう。
例えば、自分の部屋で集中できないのであれば…
- リビングで勉強してみる
- 図書館で勉強してみる
- 塾・予備校の自習室で勉強してみる
- カフェで勉強してみる
というように、まずは場所を変えてみるのも、1つの方法です。
まわりの人に見られている方が集中できるという人もいますよね
「友達と勉強する」という方法は、よほど意志が強くない限り、うまくいきません。
おしゃべりしたり、遊んでしまったりしますよね…
家庭教師を利用するのが現実的
中には、わからない単元が積み重なりすぎて…
独学できない…
塾・予備校にもついていけない…
「勉強したいのに勉強できない」という状況に陥っている高校生も多いものです。
その場合には、「家庭教師」を利用するのが現実的です。
塾・予備校はカリキュラムが決まっているので、わからない単元が多すぎると、出席しても空回りしてしまいます。
一方、家庭教師ならば、つまずいている単元の復習からスタートできます。
どこでつまずいているのか、自分でもわからなくなっていることもありますね
また、塾・予備校は、定期テスト対策には基本的にはノータッチです。
でも、家庭教師なら、留年対策に必要な「定期テスト対策」ができます。
受験対策よりも、まずは目の前の留年を回避しなければなりませんね。
自分では勉強できなくて困っている場合には、家庭教師という自分専用のコーチを利用するといいでしょう。
まずは家庭教師にペースメイクしてもらい、だんだんと自立して勉強できるようにしていくのが理想です。
留年しないために4.考え方を変える
いじめが原因で不登校になってしまったり、家庭や病気が原因で勉強する機会を逃したりしてしまった高校生は別ですが、自分の考え方が甘くて、留年しそうになっている高校生も多いです。
厳しい言い方になりますが…
留年になってしまう「原因」があったからこそ、留年という「結果」が目前に迫っているということです。
よくある「甘い考え」は…
- 留年は単なる脅しだろう…
- 救済措置に頼ればなんとかなるはず…
- あとで勉強すれば巻き返せる…
- 赤点ギリギリで切り抜けよう…
といった考え方です。
心当たりはありませんか?
もしこのような「甘い考え」があるのなら、今日捨ててしまいましょう。
留年に対して客観的に現実的に考える
「甘い考え」の代わりに…
- 留年は単なる脅しではない
- 救済措置は非常手段である
- 高校の学習内容は広く深いので、あとで巻き返すのは難しい
- 赤点ギリギリを狙うと赤点を下回る
というように、勉強に対して、客観的に、そして、現実的に考えるようにしましょう。
そういう意味では、さきほど家庭教師を利用するのが現実的だとお伝えしましたが…
家庭教師が来たら、成績アップする
というのも「甘い考え」なので、気をつけてくださいね。
あくまで定期テスト本番に、テスト問題を解くのは自分です。
「自力で解ける」トレーニングをしなければ、定期テストでは点数が取れません。
塾・家庭教師 ≠ 即成績アップ
ということは知っておいてくださいね。
スポーツではトレーニングしないと、上達しないのはすぐわかります。
でも、勉強に関しては、先生に教えてもらったら、成績が上がるとカン違いしている子はけっこう多いものです。
勉強もスポーツと同じです。
勉強もトレーニングをしなければ、自力で戦えるようにはなりません。
「わかる」と「できる」は別です
もう一度言いますが、いじめが原因で不登校になってしまったり、家庭や病気が原因で勉強する機会を逃したりしてしまった場合は別です。
「考え方」の問題ではありませんので、学校や市町村などのサポートを、じゅうぶんに利用してくださいね。
もし高校の留年が決定したら…
まく軌道修正できずに、留年が決まってしまうこともあります。
本人も、ご家族も動揺されることでしょう。
留年が決まったら、どのような選択肢があるのかを知っておかなければなりません。
ただ、今回の記事は、「留年を回避するため」の記事なので、「留年が決まった後」のことまで書くと、話がぶれてしまいます。
別の記事を用意しましたので、こちらの記事をどうぞ↓
まとめ:留年しそうな高校生が今日からすべき4つのこと
留年しそうな高校生が今日からすべきなのは…
- 高校の救済措置を受ける
- 生活リズムを変える
- 勉強の環境を変える
- 考え方を変える
の4つだと、私は考えています。
留年しそうになったら、何から始めたらいいのか迷ってしまうかもしれません。
でも、1つ1つでいいので、できることを始めていきましょう。
自分の「行動」が、進級・卒業できるか留年するかにつながっていることを、知っておくことは大切です。
厳しいことも書きましたが、家族や学校の助けも借りながら、今日から再スタートしてくださいね。
「三つ子の魂百まで」ということわざを私は信じていません