【中学受験|国語の勉強法】記号選択問題を攻略する6つのコツ!

こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。

お母様・お父様

うちの子、記号選択が苦手…
カンで記号選んでるわ…

そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?

今回の記事では…

  • 国語の記号選択のコツ

がわかります。

記号選択問題は、塾のテストでも入試でも必ず出題されます。
記号選択問題が得意になれば、得点が安定しますよ。

しっかりとトレーニングを積んでおきましょう!

管理人ひかる

元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当したノウハウをお伝えします

国語の読解問題の「記号選択問題」とは?

まず、「記号選択問題」がどんな問題が確認しておきましょう。

「記号選択問題」とは…

問 ――線③「歯を食いしばった」とありますが、このときの「ひかる」の気持ちとして最も適切なものを、次のア~エから1つ選び記号で答えなさい。

ア ウソをついたことを後悔する気持ち
イ 自分の希望がかなえられずくやしい気持ち
ウ うまくだますことができてうれしい気持ち
エ 何が起こったのかわからず混乱する気持ち

という、適切(あるいは不適切)な選択肢を1つ(あるいは複数)選ばせる、といった、よく見かけるタイプの問題ですね。

ねこ殿

どれも正解に見えてくるねん…

記号選択の6つのコツ

では、記号選択問題を攻略するコツは何なのでしょうか?

記号選択のコツは…


  • 文章に書かれているものを選ぶ
  • 消去法1.本文の内容に反する選択肢
  • 消去法2.本文に書かれていない選択肢
  • 消去法3.本文には書かれているが答えとして正しくない選択肢
  • 消去法4.部分的には正しいが一部分だけ本文の内容に反する長い選択肢
  • 注意するべき選択肢

の6つです。

1つずつくわしく見ていきましょう。

【正攻法】文章に書かれているものを選ぶ

最もスタンダードでシンプルな選び方が、「文章中に書いていることを選ぶ」という正攻法です。

例をあげて、考えてみましょう。

次の文章は拙著『プロ家庭教師が教える偏差値30台からの高校英語攻略法』からの抜粋です。

 「今日からオレは志望校に向けて、受験勉強を始める!」
 そう思って、大学の過去問題集のような、分厚い参考書や問題集を本屋さんで買ってくる人がいます。しかし、意気込んで勢いがあるうちはいいのですが、たいていの場合、途中で挫折してしまいます。分厚い参考書や問題集だと、なかなか進まないからです。テキストを横からながめた時に、「勉強したのに、まだこれだけしか進んでない……」とか、「まだこんなにも残ってる。イヤになってきたな……」とか、だんだん心の負担になってきます。
 また、分厚い本を買ってしまうと、それだけ復習のサイクル学習をしづらくなります。「英単語の攻略法」で紹介した「繰り返し五感暗記法」や、「英文法の攻略法」で紹介した「繰り返し演習法」では、「繰り返し」がキーワードになっていました。何度も「繰り返す」ことによって、脳と体に知識とテクニックをすり込めるからです。しかし、分厚い本を繰り返すには、時間がかかってしまいます。それは、知識とテクニックの定着に、余計に時間がかかってしまうということを意味しています。
 確かに分厚い参考書や問題集は、たくさんの内容を網羅してくれていそうなので、安心感はあります。しかし、分厚いということはそれだけ「重要な内容をしぼり込めていない」ということを意味しています。勉強を始めたばかりの人は、どの内容が今すぐ重要で、どの内容が応用事項なのか見分けがつきません。その点でも非効率です。
 一方、薄めの参考書や問題集は、重要事項に焦点がしぼられているので、重要な内容が一目瞭然です。
 分厚い参考書や問題集に手を出すのは、薄めの参考書や問題集の内容を完全に身につけてからでも遅くはないでしょう。そうすれば、分厚い本に目を通した時に、「あ、これは薄めの本にも出ていた重要事項だ」とか、「これは薄めのテキストには出てきていなかったから、応用事項だわ」と、内容の取捨選択がしやすくなるでしょう。

『プロ家庭教師が教える偏差値30台からの高校英語攻略法』 (藤川ひかる)

少々長くなってしまいましたが、この文章に対する「記号選択問題」を作ってみました。

問1 ――線①「途中で挫折してしまいます」とありますが、途中で挫折してしまうのはなぜですか。次のア~エから適切なものを1つ選び、記号で答えなさい。

ア たくさんの内容が網羅されていて、不安になるから。
イ 志望校のレベルが高く、手が届きそうにないと感じたから。
ウ せっかく時間をかけて勉強したのに、効果が出ないから。
エ 分厚い参考書や問題集はなかなか進まず、心の負担になるから。

「文章中に書かれていること」を選ぶという、最も簡単なタイプの選択肢問題です。
もちろん答えは「エ」ですね。

下線部①の次の文に「分厚い参考書や問題集だと、なかなか進まないからです。(略)だんだん心の負担になってきます。」と、「解答の根拠」をすぐに見つけられたはずです。

このように、記号選択問題では、「文章中に書かれていること」を選ぶ、言い換えると、きちんと「解答の根拠」を本文中から見つけることが鉄則です。

管理人ひかる

まず「カン」で選択肢を選ぶことから卒業しましょう

「消去法」で選択肢をしぼりこむ

さきほど「文章中に書かれていること」を選ぶという正攻法をご紹介しました。

しかし、選択肢が複雑になってくると、正攻法だけでは正解をしぼりこめなくなってくることがよくあります。
その場合には、正攻法に加えて、「消去法」を併用して選択肢を吟味しなければなりません。

「消去法」には、いくつかパターンがあります。

消去法1.本文の内容に反する選択肢

まず、1番「消去」しやすい選択肢は、「本文の内容に反する選択肢」です。

小学生

あ、この選択肢は、文章と逆のことが書かれてる

このように、本文の内容との違いをはっきり見つけられるので、国語が苦手だというお子様でも比較的しぼりこみやすいはずです。

さきほどの選択肢の例ならば「ア たくさんの内容が網羅されていて、不安になるから。」が本文の内容に反します。
後の段落に「分厚い参考書や問題集は、たくさんの内容を網羅してくれていそうなので、安心感はあります」という記述がありますね。

このように、まずは明らかに「本文の内容に反する選択肢」は、すぐに消してしまいましょう

消去法2.本文に書かれていない選択肢

次の「消去」すべき選択肢は、「本文に書かれていない選択肢」です。

さきほど、「解答の根拠を本文中から見つけることが鉄則」と述べましたが、「本文に書かれていない選択肢」は、もちろん本文に書かれていないので、本文中に根拠を見つけることが出来ません。

ですので、本文の内容を理解したうえで消去しなければなりません

きちんと本文の内容を理解しているからこそ…

小学生

こんなこと、本文には書かれてなかったぞ

と、ダミーの選択肢を消すことができます。

もし本文の内容をきちんと理解していなければ、何となくそれらしきことが書かれている選択肢はついつい選んでしまいますよね。
ですので、「記号選択問題」に取り組む大前提として、「本文の内容をきちんと(ある程度)理解している」ことは必要です。

管理人ひかる

小学生は人生経験も少なく、語彙(ボキャブラリー)も少ないので、文章内容をすみずみまで理解することは難しいでしょう

先ほどの拙著の例ならば、 「イ 志望校のレベルが高く、手が届きそうにないと感じたから」が該当します。
志望校のレベルについては、本文では触れられていませんね。

消去法3.本文には書かれているが答えとして正しくない選択肢

「消去法」で消すべき選択肢3つ目は、「本文には書かれているが答えとしては正しくない選択肢」です。

ねこ殿

え?
どういうこと?

どういうことなにか、先の拙著を例にして、別の設問で考えてみましょう。

問2 ――線②「その点でも非効率」とありますが、なぜ非効率なのですか。その理由として最も適切なものを、次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。

ア 分厚い参考書や問題集はなかなか進まず、心の負担になるから。
イ 薄めの参考書や問題集は、重要な内容が網羅されていないから。
ウ 分厚い参考書や問題集はどこが重要なのかがわかりにくいから。
エ 分厚い参考書や問題集は、絶対に使いこなせなくなってしまうから。

たしかに、 「ア 分厚い参考書や問題集はなかなか進まず、心の負担になるから。」は本文に書かれています。
また、「イ 薄めの参考書や問題集は、重要な内容が網羅されていないから。」も本文の内容とは矛盾しません。

しかし、ア・イ両方とも問2の答えとしては正しくありません。

なぜなら問2の――線②では、「その点でも」という指示語がついているからです。

「その点」という指示語が指している内容は、直前の「勉強を始めたばかりの人は、どの内容が今すぐ重要で、どの内容が応用事項なのか見分けがつきません」です。
つまり、正解は「ウ 分厚い参考書や問題集はどこが重要なのかがわかりにくいから。」ですね。

そう、本文に書かれているからといって、正解とは限らないのです。

国語が苦手なお子様は、設問の意図を理解せずに、記号を選んでしまいがちです。

小学生

あ、本文中に書いてあったな

と思っても、その内容は、問われている内容とは別物というわけです。

つまり、さきほど「本文の内容をきちんと(ある程度)理解していることが必要」だと述べましたが、「設問で何を問われているか」も理解しておかなければならない大前提です。

記号選択問題にせよ、抜き出し問題にせよ、記述問題にせよ、問われているないようとズレたことを答えないよう、設問は注意深く読みましょう

消去法4.部分的には正しいが、一部分だけ本文の内容に反する長い選択肢

塾の公開テストや入試問題など、設問のレベルが上がってくると、1つ1つの選択肢が長くなってきます。

小学生の中には、長い選択肢を見るだけで拒絶反応を起こしてしまう子もいます…
確かに数行におよぶ長い選択肢を吟味するのは、なかなか骨が折れる作業です。

しかし、長い選択肢も、「パーツに分けて」1つ1つ見きわめていけば、短い選択肢と変わりません
つまり、ポイントは…

読点(、)ごとに区切って内容を確かめる

ことです。

そうすることによって…

小学生

後半は本文の内容に合っているけれど、前半はまちがっている!

というように、見きわめやすくなります。

このように、記号選択のときには、「答えの根拠」を自分で見つけることができれば、精度が上がっていきます。
ただ、クラス形式の塾の授業では…

塾講師

1行前にこう書いてあるから、答えは「ウ」

というように、先生が「答えの根拠」を言ってしまうことが多いでしょう。

中には、生徒に「答えの根拠」を言わせてくれる先生もいます。
ただ、全員に、全選択肢について「答えの根拠」をチェックする時間はないでしょう。

ですので、国語こそ実は個別指導向きの教科です。
もし、塾に通っていて、国語の成績が伸び悩んでいる場合には、マンツーマンで学べる家庭教師などを利用するのもアリでしょう。

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注意するべき選択肢

選択肢の内容を吟味するときに、注意しなければならない選択肢がいくつか存在します。

注意すべき選択肢は…

  • 常識・正論の選択肢
  • 限定・強調の表現

です。

もう少しほりさげて見ていきましょう。

注意すべき選択肢1.常識・正論の選択肢

まず1つめが「常識・正論の選択肢」です。

たとえば…

ア 地球環境は守っていかなければならない
イ 情報はなんでも鵜呑みにしてはいけない

このような選択肢は、常識や正論を述べているので、正しい選択肢に思えてしまいますよね。

しかし、その常識や正論は、設問とは関係ない場合があります

ねこ殿

まんまとだまされそうやわ…

さきほどの拙著の例題では、問1の選択肢「ウ せっかく時間をかけて勉強したのに、効果が出ないから。」が「常識・正論の選択肢」にあたりますね。
たしかにせっかく時間をかけて勉強したのに効果が出なければ、途中で挫折してしまう確率は高くなります。
しかし、本文では「 (時間がかかって)なかなか進まないから」と述べているだけで、「効果」については触れられていません。

このように、いっけん正しそうに見える「常識・正論の選択肢」には気を付けましょう

管理人ひかる

くどいようですが、「解答の根拠」は本文の中にあります

注意すべき選択肢2.強調・限定の表現

また、「強調・限定の表現」にも、注意が必要です。

たとえば…

絶対・必ず・唯一・だけ・のみ・こそ・すべて、など

などです。

たとえば、こんな選択肢があったとしましょう。

ウ メディアは視聴者に有益な情報だけを提供している

ほら、いっけんおかしくはなさそうですよね。

でも「有益な情報だけ」と「強調・限定」してしまっているので、この選択肢は×になる可能性は高いです。
本文の内容にもよりますが、メディアが必ずしも視聴者にとって有益な情報だけを提供しているとは限らないですよね。

このように、「強調・限定の表現」にも目を光らせておくといいでしょう。

ねこ殿

限定・強調されてたら、うさんくさいということやな

また他にも…

  • 「適切でないもの」を選ぶ問題
  • 「2つ選びなさい」など複数の選択肢を選ばせる問題
  • 本文の内容が選択肢で言い換えられている問題

など、もあるので気を付けましょう。

いずれにしても、本文と同様に、設問も注意深く読むことが大切です。

まとめ:「記号選択問題」6つのコツ

記号選択の問題を攻略するための6つのコツを紹介してきました。

ただ、本文の内容を(ある程度)理解していることは大前提です。
文章の内容を理解していないのに、正しい選択肢を選ぶことはできません。

そして、きちんと本文の中から「解答の根拠」を見つけられると、正答率がぐっと上がります

管理人ひかる

お子さんに「なんでウを選んだの?」と、その選択肢を選んだ理由をたずねてあげてくださいね

ただ、子どもがどこまで読めていて、どこでつまずいているのか、外からは見えません。
独学が難しいですし、クラス形式の塾の授業では、なかなかフォローできないものです。

ですので、国語は1対1のマンツーマン指導向けの教科です。
もし塾に通っていて、国語の成績が伸び悩んでいる場合には、家庭教師を利用するのもアリです。

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