こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
中学受験をしようかしら…
でも中学受験するメリットって何なの?
そのようにお悩みのお母様・お父様の参考になる記事を書きました。
今回の記事では…
- 中学受験をするメリット・デメリット
がわかります。
中学受験の勉強を始めるのは、大きな選択になります。
これから中学受験に挑戦するかどうか迷っているかたの参考になれば幸いです。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
中学受験をするか迷っているかたへ
この記事をお読みのかたは、小学生のお子様をお持ちのお母様・お父様だと思います。
しかも1人目のお子様、というかたが多いのではないでしょうか?
親戚のサトシくん、中学受験するらしいよ。
同じクラスのカナちゃん、塾に通い始めたみたい…
まわりで中学受験をするというご家庭が現れると、「うちも中学受験したほうがいいのかな…」と不安になってきますよね…
ただ、いきなり中学受験塾に相談しにいくのも、熱烈に説得・勧誘されそうでハードルが高いでしょう。
私自身、これまで中学受験塾で勤め、熱烈に説得・勧誘していた側ですので、よくわかります(笑)
でも、プロ家庭教師として、中学受験をするご家庭のサポートをするようになり、中学受験をするということ、塾に通うということについて、客観的に見られるようになりました。
また、私自身も中学受験をしているので、主観的にもお話しできます。
ぜひ、中学受験のメリット・デメリットをご覧になって、中学受験をするかどうか、じっくりご家庭で検討してくださいね。
中学受験をするメリットとは?
まず、中学受験をするメリットから考えていきましょう。
中学受験をするメリットは…
- 可愛い子には旅をさせることができる
- 少ない教科数で受験に挑戦できる
- 6年一貫で大学受験に臨める
- 学習環境や生活環境が整っている
の4点だと、私は考えています。
それでは、1つ1つ見ていきましょう。
可愛い子には旅をさせることができる
中学受験をするメリットの1つ目は、「可愛い子には旅をさせることがきる」ことです。
中学受験の勉強では、本来ならば小学校では学ばない内容に取り組みます。
中学受験の勉強を通して、小学生の間に…
- 【国語】たくさんの言葉に触れ、論理的に考える
- 【算数】計算力を鍛え、論理的に考える
- 【理科】ものごとの原理を知り、自然に興味を持つ
- 【社会】地理という横軸、歴史という縦軸を身につける
ことができます。
言い換えると、算数・国語・理科・社会を通して…
- 論理的な思考
- 豊かな知識
を身につけることができます。
また、中学受験の学習を通して、精神的にもタフになります。
中学受験は悪しき「詰め込み教育」?
中学受験はよく「詰め込み教育」だと批判されることがあります。
うん、ときどき聞くわ
私自身が社会を教えながらも、「衆議院と参議院の定数を覚えて何になるんだ」という葛藤はあります
それよりも、選挙で投票に行く意義を伝えた方が、将来のその子のため、日本のためになりますよね。
これらは「知識」偏重になってしまっている例です。
つまり、「論理的な思考」が後回しになっていると言えます。
塾の先生も、ある程度の葛藤を抱えながら、授業をしているかも…
小学生は常に発展途上で、論理的思考力がまだまだ育っていません。
ですので、「このパターンの問題は、この方法で解きなさい」と、どうしても知識やテクニックを与えてしまいがちです。
「論理的思考は後でついてこい!」というわけです。
中学受験において、この行き過ぎた「詰め込み」については、改善されなければならないと私は思っています。
実際、知識を問う問題ではなく、思考力を問う問題が、入試問題でも増えてきています。
「詰め込み教育」で開く才能もある
しかし、一方で、「詰め込み教育」によって、能力が開発されるのも、また事実です。
せっかくの才能があるのですから、その才能を開花させてあげたい、伸ばしてあげたいと思いますよね。
実際、中学受験をの学習をすることによって、「論理的な思考」と「豊かな知識」を身につけているお子様はたくさんいます。
眠っている才能を起こす「能力開発」とも言えます
また、「論理的な思考」と「豊かな知識」だけでなく、中学受験の学習を通して、精神的にもタフになります。
塾の授業に大量の宿題、毎週の確認テストに、毎月の公開テスト…
そのたびに突き付けられる点数と偏差値と順位…
むしろタフにならないと、やってられへんよな
中学受験が終わってみると、「精神的にも大人になったな」と感じられるお母様・お父様が多いようです。
わが子が挑む最初の大きな試練、それが中学受験だというわけです。
関西圏の大手の中学受験塾を比較した記事はこちらです↓
少ない教科数で受験に挑戦できる
中学受験をする2つ目のメリットは「少ない教科数で受験に挑戦できる」ことです。
中学受験の基本は、算数・国語・理科・社会の4教科です。
ただ、近年、関西圏では、算数・国語・理科の3教科受験が主流です。
中には、算数・国語の2教科、あるいは、算数・理科の2教科で受験できる日程もあります。
さらに、1教科で受験できる中学校も出てきています!
なんでもアリやんけ
少子化が進む中で、私立中学校も新入生を集めようと必死になっています。
人気校や難関校は別ですが、思うように新入生が集まらない中学校は、敷居を低くして、生徒募集をするわけです。
しかし、高校受験や大学受験はそうはいきません。
高校受験は、数学・国語・理科・社会の4教科に加えて、英語という要素が増えます。
また、公立高校を受験するためには、美術・保健体育・音楽・技術家庭科、いわゆる、副教科の内申点も必要になります。
内申点には、生活態度や提出物なども含まれます。
ですので、高校受験は中学受験よりも、不確定要素が増えると言ってもいいでしょう。
高校受験の生徒も担当しますが、トップ校に合格する子は、オールラウンダーが多いです
中学受験と高校受験とを比較した記事はこちらです↓
高校に入ってからは、物理・化学・生物・地学というように、各教科が細かく分かれます。
特に国公立大学の大学受験は、中学受験よりも幅広く、なおかつ、深い内容が問われるということです。
そう考えると…
中学受験の方が楽なんちゃうん?
と思えてきますよね。
もちろん実際には、中学受験塾の授業はかなり難しい内容を扱い、宿題の量も多いものです。
決して、中学受験の勉強は楽ではありません。
基本的に中学受験を目指すお子様は、地元の各小学校、あるいは、私立小学校で成績優秀な子が多いです。
ですので、レベルの高いライバルたちと競い合うわけですから、偏差値は低めに出ます。
「高校受験の偏差値マイナス10が、中学受験の偏差値」という人もいるくらいです。
でも、中学受験は、狭い範囲で戦える「局地戦」です。
言い換えると、中学受験は、時間や能力を4教科(3教科or2教科or1教科)に集中投資できるというわけです。
そういう意味で、「少ない教科数で受験に挑戦できる」というのは、中学受験のメリットだと言えます。
関西圏の中学入試で、社会が捨てられがちな件についての記事はこちらです↓
6年一貫で大学受験に臨める
中学受験をするメリットの3つ目は「6年一貫で大学受験に臨める」という点です。
地元の公立中学校では、中学校内容をはみ出して、高校内容を学ぶことはできません。
まずは、高校受験で出題される、中学内容をしっかりと仕上げることが大切です。
でも、私立の中学校では、高校受験を気にする必要がありません。
ですので、私立中学校・高校では、オリジナルの前倒しのカリキュラムで学習しています。
カルキュラムを前倒しにすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
それは…
余裕を持って大学受験の準備ができる
ということです。
確かに有利やな
私立の6年一貫校ならば、高校の学習内容を早めに終わらせることができますし、高校1・2年生の早い段階で、文系と理系を選択するということが可能です。
ということは、私立高校では、公立高校よりも、長い時間を入試対策に費やすことができるというわけです。
もちろん前倒しのカリキュラムなので、授業のスピードは速いです。
その授業スピード・難度にくらいついていくことが、私立の中学生・高校生にとっては重要です。
「私立中・高校のフォロー」として、私のようなプロ家庭教師が呼ばれるのはそのためです
6年一貫校の前倒しカリキュラムという「レール」に乗ることが、大学受験合格の最短ルートになるでしょう。
一部、国立中学校などは、6年一貫で指導していない学校もありますので、学校説明会などでご確認くださいね。
中高一貫校のメリット・デメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
学習環境や生活環境が整っている
中学受験をする4つ目のメリットは、「学習環境や生活環境が整っている」という点です。
高校受験をする地元の中学校に通う中学生を指導することもあります。
お母様からは、公立中学校の信じられないような現状を耳にします。
学校のガラスが毎日割られてます…
中学生やのに、同級生がタバコを吸って、原付を乗り回しています。
修学旅行で悪さをして、出入り禁止になりました…
さらに、「バイクの吹かし方で、誰なのかわかるようになってきました」とおっしゃるお母様もいたほどです…
中学受験を選択する理由として「地元の公立中学校が荒れていて、行かせたくない」というかたは結構多いものです。
一方、私立中学校では、さすがにそこまで荒れている学校はないでしょう。
つまり、私立の学校の方が、学習環境や生活環境が整っていると言えます。
また、さきほど6年一貫は前倒しカリキュラムが可能だとお伝えしましたが、他の面でも学習面で充実しています。
例えば…
- 授業が7時間目まである
- 夏休みを短縮して補習をしてくれる
- 勉強合宿がある
- 塾専用教材や6年一貫用教材で学習できる
などでしょう。
最近では、コロナウィルスの影響でオンライン授業が広がり、公立の学校でもタブレットが配布されるようになりました。
ただ、私立中学校・高校では、すでに全生徒にタブレットが配布されている学校が多く、スムーズにオンライン授業に入れたようです。
難関大学に合格して当然というムード
また、特に難関の私立中学校・高校では、「難関大学に合格して当然」という学校全体のムードも大きいでしょう。
もし進学熱があまり高くない高校ならば…
私も別に勉強しなくてもいいかな…
と流されてしまうことがありますよね。
でも、難関と呼ばれる私立中学校・高校では、同級生たちが皆、大学受験に向けて勉強に取り組んでいるので…
自分も勉強せねば!
勉強して当然だし
と、良い意味で大学受験への空気に飲まれるということです。
同級生だけでなく、先輩たちや教師たちからも、そのムードを感じ取れるでしょう。
高校・大学の時の同級生は、卒業してからもつながりがあるものです。
難関校ならば、医師や弁護士、公認会計士などの職業につく友人も多いくなるでしょう。
高校・大学を卒業してからも、同級生たちから良い刺激が受けられるはずです。
類は友を呼ぶ
朱に交われば赤くなる
中学受験をするデメリット
中学受験をするかどうか迷っているかたに、メリットだけをお伝えするのは、フェアじゃありません。
ここからは、中学受験をするデメリットをお伝えします。
中学受験をするデメリットは…
- 成長がゆっくりな子には不利
- 他の習い事は犠牲になってしまう
- 地元でのつながりがなくなってしまう
- 家庭の経済的な負担が大きい
という4点と、私は考えています。
1つずつくわしく見ていきましょう。
成長がゆっくりな子には不利
中学受験をするデメリットの1つ目は「成長がゆっくりな子には不利」という点です。
さきほども少し述べましたが、小学生は常に発展途上です。
しかも、その発達のスピードは、子どもによって大きく異なります。
中には、中学受験ではあまり芽が出なかったけれども、大学受験では急成長して、関関同立に合格した生徒もいます。
また、私自身、現在は国語の指導をしていながら、中学受験の頃、国語が大の苦手でした。
説明文は読んでも頭に入らない…
記号を選んでもハズレ…
記述は何かいていいかわからんから空欄…
というか、いつも時間切れ…
小学生の頃には、つねに国語が足を引っ張っていました。
しかし、高校生になったころには、語彙(ボキャブラリー)も増え、だんだんと論理的に文章が読めるようになっていました。
つまり、私は、論理的な文章の読み方においては、成長が遅かったのです。
このようなお子様は、たくさんいらっしゃいます。
それに対して、早熟なお子様は、視野が広いものです。
特に女の子は、文章を読むときのバランス感覚が良い子が多いようにも感じます。
男の子は、一点集中、猪突猛進型が多いような気がするわ
このように、成長のスピードの影響をもろに受けてしまうのが、中学受験の特徴と言えます。
苦手だった国語で得点できるようになった、私のブレイクスルー体験についてはこちらの記事をどうぞ↓
中学受験に向いている子・した方がいい子について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
他の習い事は犠牲になってしまう
中学受験をするデメリットの2つ目は、「他の習い事は犠牲になってしまう」ことです。
学年が上がってくると、塾の授業時間数が増えてきます。
それに伴って、出される宿題の量も増え、内容も難しく濃くなっていきます。
特に6年生になると、ほぼ毎日が通塾となります。
日曜日も志望校別特訓でつぶれ、その特訓講座でも新たな宿題が課されます。
その結果…
いったんサッカーはやめよう。
ピアノは中学受験が終わったら再開しよう。
というように、習い事を「整理」しなくてはなりません。
本来ならば、小学生にはのびのびと好きなことに打ち込んで、たくさん遊んでもらいたいものです。
しかし、中学受験をするからには、いったん体力・気力、そして、時間を中学受験の勉強に集中させなければならないでしょう。
中学受験塾に入り、勉強を始めるタイミングについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
地元でのつながりがなくなってしまう
中学受験をするデメリットの3つ目は、「地元でのつながりがなくなってしまう」という点です。
中学受験をすると、地元の小学校の友達とは、離れ離れになってしまいます。
つまり、中学校で新しい人間関係を作り直さなければなりません。
いくら仲が良かった地元に親友がいたとしても、どうしても疎遠になってしまいます…
最も気まずいのが、成人式。
一緒につるんで出席できる友達がいないんです!
私は、地元の成人式には出席せず、大学の友人と遊んでいました
中学・高校・大学で、新しい友達関係ができるので、あまり問題ないとは思いますが、地元との縁が薄くなってしまうのは少し寂しいものです。
家庭の経済的な負担が大きい
中学受験をするデメリットの4つ目は、「家庭の経済的な負担が大きい」ということです。
中学受験塾に通う場合、どれくらい塾代がかかるのでしょうか?
「日能研を例に取ると、3年間で約215万円になります。
PRESIDENT Onlineの記事『中学受験――「塾代」年間費用はいくら?』から引用
内訳は、小4約45万円、小5約65万円。6年生になると一気に上がって約105万円となります。
中学校に支払う受験費用、その他諸費用を加えると230万円と考えておいてください。
学年が上がるにつれ金額が上がるのは、通塾日数も増え授業料自体もやや高くはなりますが、一番の違いはオプション講座です。
受験直前の6年生は志望校対策などの選択講座や夏や冬の季節講習などのオプション部分が多くなり、その分、高額になるのです」(石田氏)
2013年の記事ですが、中学受験塾の相場はそれほど変化はしていないでしょう。
小学6年生になると、塾代が年間約105万円。
つまり、1ヶ月では、単純計算、105万÷12ヶ月=約87500円です。
かなりの負担になり、家計を圧迫するかもしれません。
うそやん…
また、中学受験の費用だけではありません。
私立中学校に入学すると、塾代と同等の学費が必要で、公立中学校に進学した場合の、約3倍だと言われています。
ですので、中学受験塾の費用だけでなく、中学・高校、そして、大学進学まで含めたファイナンシャルプランを立てておかなければなりません。
まとめ:中学受験をするメリット・デメリット
中学受験をするということは、お子様の人生における、大きな選択肢の1つです。
同時に、ご家庭にとっても、大きな選択肢でもあります。
中学受験のメリット・デメリットを、ご家庭のしっかりと検討したうえで、納得のいく選択ができることを祈っています!
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成長がゆっくりな子も、中学受験をした方がいい場合もあります。
というのも、公立の中学校では、成長がゆっくりな子も埋もれてしまいがちだからです。
レベルは高くなかったとしても、私立の中学校の方が手厚くフォローしてもらえることがあります。
また、学習に凸凹があり、苦手な教科が多い子でも、少ない教科で勝負できる中学受験の方が有利になる場合もあります。
矛盾するような書き方になってしまいましたが、私立のメリットをじゅうぶんに生かすことが大切です。
(2024年7月追記)