こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、中学受験までに伸びるタイプかしら…
そのように悩んでいるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 中学受験で学力が伸びやすい子の特徴
- 「特徴・共通点」でジャッジする危険性
がわかります。
小学生は常に発展途上なので、おとなの予想以上に急成長する子がいます!
実際に伸びた子や「この子は伸びそう!」と感じる子の共通点を紹介していきます。
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
中学受験で学力が伸びる子の7つの特徴
中学受験の学習を通して、伸びる子にはどんな共通点があるのでしょうか?
学力が伸びやすいと感じる子の共通点は…
- 基礎学力がある
- 読む力・聞く力がある
- 勉強を楽しんでいる
- 試行錯誤できる
- 本番で力を出す経験をしている
- 夢中になる経験をしている
- 追い詰められていない
の7つだと私は感じています。
1つ1つ見ていきましょう。
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
基礎学力がある
中学受験というと、難しい問題に取り組む印象が強いですよね。
確かに、小学校では扱わない内容を、中学受験塾では勉強します。
でも、どんな勉強でも「読み・書き・計算」といった基礎学力が大切です。
たとえば、国語では、語彙(ボキャブラリー)力で大きな差が出ます。
- 知っている言葉が多い=読みやすい・解きやすい
- 知っている言葉が少ない=読みにくい・解きにくい
中学受験の勉強をスタートする時点で、語彙力に差がついてしまっています。
わずか10年ほどしか生きていないのに、差がついてしまうのは恐ろしい事実ですよね…
塾でも語彙を鍛えるために、漢字や言葉の学習をカリキュラムに組み込んでいます。
語彙(ボキャブラリー)を鍛える教材もたくさん本屋さんに売られていますね↓
また、算数でも、つるかめ算などのいわゆる古典算(特殊算)や複合図形の面積・体積など難しい問題に取り組みますが、計算ができなければ答えまでたどりつけません。
計算に手こずっているうちに、何のために計算していたのか迷子になる子も多いですよね…
逆に、計算力がある子は、計算に労力をかけずに、その単元の本質を考えることに脳を使うことができます。
心当たりあるわ…
もちろん中学受験の勉強を通してでも、「読み・書き・計算」といった基礎学力は伸びていきます。
ただ、中学受験の勉強をスタートする前に、基礎学力が身についている子の方が伸びるスピードは速いでしょう。
そろばんや公文で算数を先取りしている子は多いですよね。
「中学受験に向いている子・向いていない子の特徴」という記事でも、基礎学力に触れています↓
読む力・聞く力がある
基礎学力があったとしても、新しいことを吸収できないと、伸び悩んでしまいます。
まず、授業を「聞く力」が必要になるのは当然ですね。
ただ、中学受験の勉強は、ライブ感のある授業だけで完結するわけではありません。
家で宿題をしたり、公開テストの対策をしたりしなければなりません。
お母様・お父様のサポート、いわゆる「伴走」が必要になります
家で学習するときには、自分でテキストやノートを読んで理解する必要があります。
テストでは、誰の力も借りず、問題用紙に書かれていることを正確に読み取らなければなりません。
つまり、かなりの「読む力」が求められると言えます。
- 文章を読もうとしない
- 語彙(ボキャブラリー)が少ない
- 正確に音読できない
- 文章を読んでもイメージができない
- たずねられたことと違うことを答える
といった「読む力・聞く力」が育っていないと、なかなか力が伸びず、テストでも点数が出ないでしょう。
また、お母様・お父様、講師のアドバイスを素直に「聞く力」も大切ですね。
勉強を楽しんでいる
「この子、きっと伸びるわ…」と感じる子の共通点として、「勉強を楽しんでいる」ことが挙げられます。
賑やかだとか、盛り上がっているとかではなく、
- 勉強に興味を持っている
- 新しい内容にワクワクしている
- 難しい問題に嬉々として取り組む
といった状態です。
楽しんでいるので、新しいことを学ぶのが苦じゃないんです。
ものすごい勢いで、知識やテクニックを吸収してくれる子がいます。
表情ではわかりにくいですが、心の中では楽しんでいる子もいますよ。
理科や社会なんかは放っておいても、勉強してくれます
一方、勉強が楽しめていない子は、伸び悩んでしまうことがけっこうあります。
以前、小学校低学年から有名塾に通っている子で、小3の段階ですでに「燃え尽き症候群」のようになっている子を担当したことがあります。
新しいことを授業で習っても、まったく興味を持てていないようでした。
その子にとって「勉強=厄介ごと」になってしまっていたんですね。
それはつらいな…
また、小学生は、担当する塾の講師によって、ずいぶんとモチベーションが変わります。
「社会の先生はおもしろいから社会好き!」、「国語の先生は嫌いだから国語も嫌い…」という感じ…
教育はマンパワーによる部分も大きいので、塾や講師との相性にけっこう左右されるでしょう。
試行錯誤できる
また、難しい問題や初めて出会う問題に「試行錯誤できる」子も、講師は期待しちゃいます。
ドラゴンボールの孫悟空のように、強い相手に出会うと目を輝かせるんです。
オラ、ワクワクすっぞ!
さきほど紹介した「勉強を楽しんでいる」子で、試行錯誤できる子が多いでしょう。
楽しんでいないと、試行錯誤する気にはならないですよね…
難しい問題に出会っても、えんぴつを握って、
- 問題文に線を引いてみる
- 図や絵を描いてみる
- 補助線を引いてみる
- 条件から求められる計算をとりあえずしてみる
- 答え(ゴール)から逆算して考える
など、じっくり何かを試すんです。
一方、試行錯誤しない子は、そもそもえんぴつを握っていないこともあります。
いすに深く腰掛けて、背もたれにもたれて、夏目漱石の肖像画のように文章を読んでいる子もいます。
関西人の血が騒いで「文豪か!」と思わずツッコミを入れてしまいました
見たことがない問題に出くわしても「習っていない」と言って、お手上げになる子も多いでしょう。
その子自身のこれまでの経験、自信など、いろいろな要素が原因になっていると思われます。
「試行錯誤しよう」と言っても、一朝一夕で試行錯誤できるようにはならないのが難しいところです…
本番で力を出す経験をしている
スポーツや習い事で、「晴れ舞台」を経験していて、力を発揮するコツを知っている子がいます。
たとえば、バレエを習っていて、「本番は力を抜いた良い」ことを知っている子がいました。
空手を習っていて「組手は相手次第だけど、型は自分の準備次第」と言う子もいました。
セルフコントロールの術を無意識のうちに身につけているのでしょう。
他の習い事も大切やな
また、スポーツなどの習い事を通して、「練習の大切さ」を知ることもあるでしょう。
- 準備8割・本番2割
- 練習は本番のように、本番は練習のように
- 備えあれば憂いなし
準備をしっかりしていれば、必要以上に不安になることもありません。
アウトプットを中心にした勉強で、確実に解けるという「自信」をつけてテストを受けるようにしているという子もいます。
水泳を習っていたその子は心配性だからこそ、しっかりとした準備を心がけていたそうです。
逆に、「本番」をあまり経験していない子は、どのように準備(勉強)をすれば、本番で実力を発揮できるのかを意識できていないことがあります。
本番は何とかなるかも。
教科書を読むだけでいいか。
つまり、自分の力の発揮する術を知らないんですね。
勉強とは直接関係のない、いわゆる「非認知」 能力の領域ですが、勉強に大きな影響を与えていると感じることはよくあります。
夢中になる経験をしている
また、何かに夢中になる経験をしている子は、勉強に対しても夢中になれることがあります。
無意識で1つのことに集中する、あるいは、没頭します。
スポーツや習い事に限りません。
- 鉄道
- 天体・宇宙
- 昆虫
- 恐竜
など、1つの分野についてマニアな子で、ずばぬけた集中力を持っている子がいます。
オタクと言ってもいいかもしれません。
「一芸は道に通ずる」とか「芸は身を助く」とか言いますが、何かに熱中できる集中力や熱量が勉強に向かえば、ものすごい力を発揮するのではないでしょうか。
追い詰められていない
え?
追い詰められた方が力を発揮するんじゃないの?
そのように感じたお母様・お父様もいらっしゃるかもしれません。
確かに、追い詰められて力を発揮したり、入試本番で自己ベストをたたき出したりする子もいます。
ただ、日常的に追い詰められている子は、伸び悩むことが多いような気がしています。
さきほど、小3にしてすでに「燃え尽き症候群」のようになっている子を紹介しました。
その子は「朝勉」として、朝から1時間半の勉強をお母様・お父様から課されていました。
「朝勉」の習慣はとても良いことなのですが…
でも、どんなに勉強をこなしても、次から次へとご両親が課題を出すので達成感がなかったようです。
朝の眠たさも加わって、勉強に対して無気力になっていたようでした。
一方、あまり追い詰められておらず「のびのび」している子で、学力が上がっている子は多いです。
もちろん子どもにのびのびとさせているお母様・お父様も、内心では「もっと勉強してほしい!」とか「苦手単元をどうにかしたい…」とか焦っています。
ただ、焦っていても、子どもたちを直接追い詰めずに、塾や家庭教師をうまく活用しているご家庭が多いです。
- 塾の自習室・補習に参加させる
- 苦手克服は家庭教師に任せる
- 多すぎる課題や講座の取捨選択をする
といった感じです。
お母様・お父様が直接教えようとすると、どうしても親子でケンカになってしまいますよね…
ご家庭で抱え込まずに、塾に任せたり、塾の宿題・講座の選別をプロ家庭教師にコンサルしてもらったりしています。
その結果、子どもと親が敵対せずに、子・親・塾(家庭教師)全員が同じ方向に向いている状況を作りでせています。
「期待」はOKだけど「投影」はNG
中には「自分がダメだったから、子どもにはA中学校に行かせたい」と、子どもに自分のリベンジを託すお母様・お父様もいらっしゃいます。
また、「親と同じ職業に就かせたい」や「家業を継がせたい」という場合もありますね。
ただ、その場合、子どもにかなりプレッシャーがかかっている可能性があります。
親の人生を子どもに「投影」させるのは、あまりにも重過ぎます…
中学受験の主役が子どもではなく「親」になっているからです。
見ていると、こっちが辛くなってきます…
一方、お母様・お父様からの「期待」ならOKだと私は思っています。
- お母さんが喜んでくれる!
- お父さんに褒めてもらいたい!
そう感じて、受験勉強をがんばれる子どもたちは多いです。
また、その子自身が「お父さんのかわりにA中学校に行きたい!」や「お姉ちゃんと同じB中学校に行きたい!」という場合には、前向きな志望理由でOKですね。
あくまで中学受験の主役は「子ども自身」であってほしいものです。
子どもを「特徴・共通点」でジャッジする危険性
ここまで中学受験で伸びる子の特徴を紹介しておきながらですが、一部の性格や状況だけを見て、その子をジャッジするのは危険です。
どの子も、いろんな才能、いろいろな可能性を秘めています。
勉強は人生の一部分でしかありません。
特に中学受験は、生まれてわずか12年での「通過点」です。
その一部分を切り取って、その子すべてを評価してしまうようなことはやってはいけませんね。
自分への戒めも込めて…
また、「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、私は信じていません。
「幼い頃の性格は変わらない」という意味ですが、人間は変わります。
人と話すことが苦手だった子は講師職をしたり、英語が苦手だった子が海外で活躍したりしていることはたくさんあります。
長い目で見守ってあげることが、1番大切ですね。
あくまでこの記事は、「中学受験の段階で学力が伸びている子の共通点」をまとめたもので、この特徴にあてはまらなければ、成績が伸びないと言っているわけではありません。
まとめ:中学受験で伸びる子の7つの特徴
中学受験で伸びやすい子の共通点を紹介してきました。
当たり前のこともあれば、意外に思われたこともあるかもしれません。
また、今お伝えした通り、小学6年生までの力でその子の才能をジャッジするのは危険です。
中学受験というタイムリミットが過ぎてから、つまり、中学生・高校生になってから成長する子どもたちも多いからです。
中学受験はあくまで「手段」です。
子どもたちがハッピーな人生を過ごすという「目的」のために、中学受験があればと、最近よく感じます。