こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
過去問ってまちがい直しはした方がいい?
いつから取り組ませたらいいの?
そのように「過去問演習」について、お悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 過去問はなぜ解くのか?
- 過去問はどう解くのか?
- 過去問はいつから解くのか?
がわかります。
志望校の合格に、過去問での練習は欠かせません。
効果的に過去問を使って、中学受験を乗り越えましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
過去問はなぜ解かなきゃならないの?
これまで何度も受験を経験されてきた保護者の皆様にとっては、釈迦に説法ですよね。
ただ、受験する子供たち本人は、「過去問を解く意義」をいまいち理解していないものです。
なかには…
去年出た問題が今年出るわけないやん!
だから過去問なんてやる意味ないやん!
というお子様もいらっしゃいます。
過去問演習を始めるにあたって、ぜひ「過去問を解く意義」をお子様と確認してくださいね。
「過去問を解く意義」は…
- 受験校の出題傾向・特徴を知る
- 時間配分をトレーニングできる
- 自分の弱点をあぶり出し、苦手を克服できる
- その年度の受験生と勝負する
の4つだと私は考えています。
1つずつ解説していきましょう。
受験校の出題傾向・特徴を知る
敵を知らなければ、上手に戦うことはできません。
例えば、毎年100字の記述問題が出るが、学校があるとします。
よほどのことがない限り、今年度も100字の記述問題が出題されるでしょう。
だとすれば、100字記述の練習をしなければなりません。
もし過去問で学校の出題傾向や特徴を知らずに受験すると、どうなるでしょうか?
もっと100字記述の練習をしておけばよかった…
ときっと後悔するはずです。
ですから、過去問を分析して、例年出題されている問題の類題を解けるように、トレーニングしておく必要があります。
時間配分をトレーニングできる
「過去問を解く意義」の2つ目は、「時間配分」です。
さきほどの出題傾向とも関係しますが、過去問で練習しておくことによって、どの問題にどれくらいの時間を使うのかをあらかじめ決めておくことができます。
過去問演習の段階で、時間切れになったら…
次は、物語25分、説明文25分、漢字5分を目安にしよう。
物語文は長いから、後回しにしよう。
というように、失敗した年度の反省を活かして、戦略を修正することができます。
もし過去問演習をせずに入試を迎えてしまうと、時間配分の戦略が立てられません。
入試は常に時間との闘いですから、どの教科でも時間配分が決められないのは致命的です。
ですから、過去問を解くときには、入試本番と同じ条件で取り組まなければなりません。
自分の弱点をあぶり出し、苦手を克服できる
過去問に限らず、模擬テストや公開テストでも同様ですが、問題を解きっぱなしでは、もったいない!
なぜなら…
まちがった問題=伸びしろ
だからです。
ええこと言うやん
せっかくテストを解いて、自分の苦手単元が見つかったのですから、次のテスト、そして、入試本番に向けて、ぜひ克服しておきましょう。
さきほど「敵を知らなければ、上手に戦うことはできません」と書きました。
同様に、テストを通して自分の弱点をあぶりだすことは、「己を知る」ことにつながります。
もちろん正答率が数パーセントというような、受験生のほとんどが間違ってしまう問題は仕方がありません。
しかし、もう少しで手が届きそうな問題は、きちんと類題でトレーニングして、解けるようにしておきましょう。
その年度の受験生と勝負する
多くの中学校は、各年度の受験データを公開してくれています。
- 合格最低点
- 受験者平均点
- 合格者平均点
などです。
自分が過去問を解いて得点を計算したら、その年度のデータと見比べることができます。
つまり、その年度に受験した先輩たちと勝負するわけですね。
合格最低点や合格者平均に達していたら、良い調子です!
一方、まだ合格最低点や受験者平均に届いていなければ、「今のままではまずい」ですね…
点数が悪かったら、落ち込みそうやわ…
過去問を解いて、一喜一憂するのは仕方がありません。
合格ラインに達するために、自分には何が必要なのかを冷静に分析するようにしましょう。
過去問はどうやって解くの?
次に、「過去問演習の方法」について、考えていきましょう。
「過去問演習の方法」にも、3つのルールがあります。
- 入試本番のつもりで解く
- 厳しく丸つけ・採点する
- 間違いの教訓を次の年度に活かす
それでは、1つずつ見ていきましょう!
入試本番のつもりで解く
せっかく過去問を解くのですから、できるだけ本番と同じ条件で解きたいものです。
もし日曜日や土曜日に時間があるなら、朝から時間割を組んで、入試さながらに過去問演習をするのがいいでしょう。
ただ、なかなかまとまった時間を確保できない場合も多いでしょう。
公開テストや志望校別特訓などで、日曜も塾ですよね…
その場合には、1教科ずつ、何日かに分けて演習することになります。
何日かに分けて演習する場合でも、次のルールを守ってくださいね。
- 制限時間を守る
- 答え・解説を見て解かない
- 緊張感を持つ
- 丸つけ・採点をごまかさない
入試本番は、時間を延長してくれないし、解答や解説を見ることができないからです。
また、過去問を解くときの「気持ち」も大切です。
あまり気持ちが乗らない状態で過去問演習をしてしまうと、あまり結果が良くなかった場合、さらに気持ちが落ち込んでしまう場合があります。
せっかくの過去問演習やのに、もったいないやん
過去問演習をはじめた頃は、新鮮な気持ちで取り組めます。
でも、何度も過去問演習をしているうちに、だんだん新鮮さが薄れて、1回1回の取り組み方が浅くなってしまいがちです。
もし、お子様だけでは、緊張感が保てない場合には、お母様・お父様がサポートしてあげるといいでしょう。
ふと魔が差して、答えを見てしまう子もいます…
答えをこっそり写してしまう子への対処法について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
厳しく丸つけ・採点する
丸つけや採点も、入試本番と同じように、厳しくしなければなりません。
ただ、小学生にとって、自分に厳しく丸つけ・採点することは難しいものです。
ですので、お父様・お母様が丸つけや採点をすることをオススメしています。
小学校の小テストは、全員に高い点数をつけてあげるためのテストです。
小学校の小テストでは、基本的にみんな高得点ですよね。
しかし、入学試験は「差をつけるためのテスト」。
もっと厳しい言い方をすれば「落とすためのテスト」です。
たとえば、字が雑で読みづらい場合は、容赦なく不正解とされると思っておきましょう。
老眼のおじいちゃん先生は、小さくて雑な字をバツにするっていう都市伝説あるやん
大量の丸つけ・採点をするときに、雑で読めない字の答案用紙が現れたら、読む気なくすよ…
文字だけでなく、算数でも「6」と「0」が判別しづらいことがあります。
自分で見間違って計算間違いする可能性もありますね
字をていねいに書くよう指導すると…
本番はていねいに書くから大丈夫やって
というお子様も必ずいらっしゃいます。
でも、普段できていないことが、入試本番に急にできるようにはなりませんよね。
本番だけていねいに書こうとしても、いざ入試が始まってみると、きっとそれどころではありません。
ですので、厳しく丸つけ・採点することで、緊張感を持って過去問演習に取りくみましょう。
字が雑な子に、ていねいに書かせるための声掛けについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
間違いの教訓を次の年度に活かす
過去問を解くと、必ず一喜一憂します。
理科は9割得点できた!
でも、社会は4割やった…
お子様だけでなく、お父様やお母様もハラハラドキドキしてしまいますよね…
ただ、「過去問を解く意義」でもお話しした通り、間違った問題は「のびしろ」です。
せっかく自分の弱点が浮き彫りになったのですから、その間違いを次に活かさなければもったいないですよね。
- 時間配分をミスした!
- 知識をすっかり忘れていた…
- ケアレスミスだった…
それらのまちがいに対して、対策を立てていきましょう。
ケアレスミスの防ぎ方について、くわしくはこちらの記事をお読みください↓
また、読解問題のまちがい直しの方法については、こちらの記事もどうぞ↓
間違った問題と向き合うことは、小学生にとってはつらいものです。
おとなでも自分のまちがいに向き合うのは、イヤやん
お子様1人でまちがい直しに取り組むのが難しい場合には、大人が手を貸す必要があります。
お父様・お母様だけでは難しい場合には、塾の先生に相談してもいいでしょう。
ただ、すべての受験校の過去問演習までサポートしてくれない塾も多いでしょう。
その場合には、家庭教師を利用するのもおすすめです。
家庭教師を利用して、過去問でわからなかった問題を解消することができます。
過去問はいつから始めるのがいいの?
塾の先生からは…
入試が近づくまで、まだ過去問は解かないでください
と言われることがあります。
それは塾の特訓授業で、過去問を使って演習するからです。
事前に解いてしまうと、成績や判定にブレが出てきてしまいます。
でも、2学期って忙しいですよね…
学校行事もあり、土曜日・日曜日は、塾の公開テストや志望校別特訓でつぶれます。
もちろん平日は塾の授業と宿題に追われているはず…
小学生も大変やな…
しかも、おそらく1校ではなく、何校か受験するはずです。
何校かの過去問を、算・国・理・社という複数教科、取り組まなければならないのです。
それなのに、2学期後半まで過去問演習を始めないのは、スケジュール的に無理が出てきます。
ですので、過去問演習を始める時期は…
- 夏休みに1年度分
- 2学期以降に本格化
がおすすめです。
もちろん夏の段階では、各教科とも知識やテクニックが仕上がっていないでしょう。
ですので、何年分もやりこむ必要はありません。
むしろ、入試直前期に解けるように、数年分は残しておかなければなりません。
しかし、受験する候補にあがっている学校の過去問は、少なくとも1年分は解いておくべきです。
1年分だけでも解いておくことによって、志望校と自分の現状との差がはっきりするからです。
だから「点数が悪くても落ち込む必要はない」と、お子様に伝えてあげてくださいね
プレテストの対策も視野に入れる
また、最近では、「プレテスト」を実施する中学校が増えてきています。
プレテストは、本番の入試問題を想定して作られています。
もし、どんな形式の問題が出るのかわからないまま、プレテストを受験するとどうなるでしょうか?
きっとうまく対応できないですよね。
せっかくプレテストを受験するのですから、プレテストでも結果を残したいものです。
プレテストで点数悪かったら落ち込むやん
プレテストの実施時期は2学期です。
ですので、それまでには過去問を解いておきたいですね
解いて敵を早めに知っておいて、損はありません。
「過去問を解く意義」でもお伝えした通り、志望校の出題傾向や特徴をつかむことによって、学習の計画が立てやすくなります。
「前受け校」も過去問で対策しよう
中学入試は地域によって、また、中学校によって、入試の日程が異なります。
例えば、関西圏では1月中旬が「統一入試日」となっています。
でも、それよりも前に入試を実施している他の地域の入試を受ける受験生がけっこういます。
いわゆる「前受け受験」ですね。
関東組にとっては、関西も前受け校の候補になりますね
前受けは「場慣れ」し、合格を先に勝ち取っておく「お守り」の役割が大きいですね。
前受け受験について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
前受け校は、本命校ではありません。
でも、前受け校も過去問を解いて準備しておくことが大切です。
なぜなら、前受け校で不合格になってしまうと、第一志望を受験する前に勢いをそがれてしまうからです…
前受け校で合格し、その勢いのまま、熱望校に挑めるように、前受け校の過去問を何年度分かは取り組んでおくといいでしょう。
塾では、前受け校の過去問まではサポートしてくれない場合がほとんどです。
前受け受験の過去問対策は、家庭教師や個別指導を利用するといいでしょう。
まとめ:過去問の扱い方
志望校に合格するには、過去問を使ったトレーニングが欠かせません。
ただ、子どもたちだけで過去問トレーニングするのは、荷が重すぎます…
大変ですが、お母様・お父様がぜひ伴走してあげてくださいね!
今回の記事が、みなさんの過去問演習の参考になれば幸いです。