こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
関西圏の中学受験は、1月中旬に始まり、わずか数日間の短期決戦の過密スケジュールです。
そのわずか数日のうちに、「一月の勝者」が決まります。
一方、関東圏の中学入試のメインは2月、「二月の勝者」が決まります。
今回も元塾講師の目線で、あれこれ語ります!
ドラマ『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』主題歌は?
ドラマ第4話の内容に触れる前に、今回はドラマ主題歌とテーマソングをご紹介します。
【主題歌】DISH//『沈丁花』
毎回のドラマの最後に流れるのが、DISH//の『沈丁花』。
笑いあり、涙あり、過激な発言ありのこのドラマの最後をしっとりと包み込んでくれています。
沈丁花は、クチナシ・キンモクセイとともに「三大香木」とも呼ばれる、甘くて上品な香りのする花です。
花言葉は…
栄光・不滅
中学受験をベースにしたドラマ『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』にぴったりの花かもしれません。
DISH//の北村匠海さんは、次のようにコメントしています。
多くの人が通るであろう「受験」という人生における壁。
ドラマ『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』ホームページより抜粋
良い学校にいくことだけがゴールではなく、どんな結果であれ「頑張った時間」は掛け替えのないものだと、大人になってから気づくこともあると思います。
なんだか北村匠海さんが、このドラマの伝えたいことを全部言っちゃった感じがしますね(笑)
ドラマでは、生徒たちが、保護者達が、そして、講師が、中学受験を通して成長していく姿が描かれています。
ちなみにこの記事の冒頭の画像が「沈丁花」です
楽曲は2021年11月17日(水)にシングルとしてリリースが予定されています。
【テーマソング】NEWS『未来へ』
一方、毎回のドラマのスタートを飾るのが、NEWSの『未来へ』。
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』というタイトルとともに、『未来へ』の力強い音楽が流れます。
このドラマに、大手塾のエリート講師・灰谷純として出演中の加藤シゲアキさんたちNEWSが歌います。
こちらの楽曲も2021年11月17日(水)にシングルとしてリリースされます。
DISH//とNEWSの両方を使うなんて、日テレもこのドラマにかなり力を入れているようですね。
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』第4話 あらすじ
第4話の主役は、桜花ゼミナール吉祥寺校の最下位クラスRの武田勇人(守永伊吹)です。
勇人はRクラスの中でも成績が悪く、偏差値は43。
算数担当であるクラス担任である佐倉麻衣(井上真央)が出す宿題も、答えを丸写しにしていました。
時期はゴールデンウィーク目前、桜花ゼミナール校長・黒木蔵人(柳楽優弥)は、講師たちに「ゴールデンウィーク特別講習(53000円)」の6年生全員受講をノルマに課します。
しかし、勇人の父・正人(塚本高史)は、スマホのゲームに夢中で、勇人の教育には無関心。
勇人の母・香織(星野真里)の不満が、蓄積されていきます。
そして、とうとう吹っ切れた香織は、ゲームにばかり課金する夫・正人に対して…
「どうせなら私たちの子どもに課金してよ!」
「課金ゲーム上等!」
と、勇人の塾代を自分のパート代だけでまかなう決心をします。
中学受験=課金ゲーム…
パワーワードが出ましたな…
一方の夫・正人は、ゴールデンウィーク特別講習の代金をしぶしぶ桜花ゼミナールに支払いに来たところ、黒木と遭遇。
黒木のカリスマトークにすっかり乗せられてしまいます。
「おっしゃる通り、中学受験は課金ゲームかもしれませんね」
正人はすっきりとした表情で「ちゃんと課金しといたからな。しっかりやれよ」と息子を応援するのでした。
『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』第4話 見どころ
涙の第3話から一転、コミカルながらも心温まる第4話の見どころを紹介していきます!
「偏差値を一気に上げる方法があります」
最下位Rクラスの生徒たちに対し、スーパー塾講師・黒木は、算数模試の問題用紙を半分にちぎります。
大問1から8のうち、後半の4から8は一切手を付けるな、と言うのです。
しかし、この方法で、黒木の言う通り、Rクラスたちの生徒たちの模試の算数偏差値がアップしたのです。
点数が上がった勇人は、楽しみにしていたディズニーランドではなく、ゴールデンウィーク特別講習を受講する決心をします。
また、これまで答えを丸写ししていた宿題を、自力で解くようになったのでした。
実際、私も算数が苦手な生徒には、模試を分析して…
まずは大問1(計算問題)と大問2(小問集合)、あとは各大問の(1)を確実に得点するんやで!
というようなアドバイスをすることがよくあります。
まずは解ける問題を確実に得点することが、テストでは鉄則だからです。
佐倉麻衣が生徒たちに言った「解ける問題を見きわめる」という方法は、確かに有効ではあります。
でも、算数が苦手な生徒たちは「どれが解ける問題なのか見極める」ことすら難しく感じてしまうものです。
ですので、講師の側から具体的に、どの問題に手を付けるべきか、どの問題に手を付けないべきかは、ある程度は伝えてあげるのは必要でしょう。
「年間約132万円」
桂歌子(滝内公美)が、麻衣に言い放った、受験6年生にかかる1年間の塾代です。
塾に年間約132万円…1月あたり平均11万円の計算です。
塾に月11万!
正直、一般的な収入の家庭にとっては、かなりの金額ですよね…
歌子先生が説明していた通り、毎月11万円かかるわけではありません。
夏期講習会や夏合宿、冬期講習会などの季節講習会がある月は、とりわけ費用が高くなります。
通常の月謝の他に、日曜特訓・志望校別特訓・模試受験料などもかかってくるわけです。
ドラマの中でも、武田家は夫婦共働きで、妻の香織(星野真里)は残業して塾代を稼ごうとしています。
ダブルインカムでない場合は、お父様かお母様がご自分でビジネスをされていて、どちらかが専業主婦・主夫ということがほとんどです。
また、私の経験上、ご家族に「医師」が多いのも事実です。
「日能研を例に取ると、3年間で約215万円になります。
PRESIDENT Onlineの記事『中学受験――「塾代」年間費用はいくら?』から引用
内訳は、小4約45万円、小5約65万円。6年生になると一気に上がって約105万円となります。
中学校に支払う受験費用、その他諸費用を加えると230万円と考えておいてください。
学年が上がるにつれ金額が上がるのは、通塾日数も増え授業料自体もやや高くはなりますが、一番の違いはオプション講座です。
受験直前の6年生は志望校対策などの選択講座や夏や冬の季節講習などのオプション部分が多くなり、その分、高額になるのです」(石田氏)
こういう記事もあるので、ドラマ中の桜花ゼミナールの6年生にかかる費用「年間約132万円」というもの真実味がありますよね。
「武田夫妻の地雷を踏みつけて爆発させるんです」
第4話で意外な一面を見せたのは、Aクラス担任の桂歌子。
黒木校長に「武田夫妻の地雷を踏む」大役を任されたのは、勇人のRクラス担任である佐倉麻衣ではなく、Aクラス担任の歌子でした。
(Ωクラス担任の橘勇作(池田鉄洋)は、第3話で経済的に困っていない保護者に対して、ピントのずれた特待生制度を提案していたので、対保護者の営業はあまり上手ではないようです)
歌子先生は見事に、勇人の母・香織をたきつけて、ゴールデンウィーク特別講習の受講を猛プッシュに成功しました。
しかし、歌子先生の様子がどうもおかしい…
「壊れるならね、いっぺんぶっ壊れた方がいいのよ!」
と、武田夫妻について事務所で暴言を吐き、憩いの場「井の頭ボウル」では、酔っぱらって後輩講師に「男の器」について語っていましたね。
いつも相談に乗ってもらっている麻衣が心配するほどでした。
もしかしたら、武田夫妻との面談を、黒木に任されたことと関係しているのかもしれません。
黒木から指名されたとき、目をギラリと光らせていますしたよね。
そして、彼女が語る「器の大きい男」が、黒木のことだったとすると…
「こんなところで何をしていらっしゃるんですか?」
いよいよ灰谷純のストーキングがエスカレートしてきました。
黒木先生じゃなくても、そう言いますって(笑)
しかも今回は、振り向かずにノールックで黒木に話しかけていましたね。
それに、黒木だけでなく、佐倉麻衣にまで待ち伏せするようになっていました…
以前も書きましたが、有名進学塾のトップ講師は、待ち伏せするほどヒマじゃない
逆に、灰谷先生もストーキングの被害にあっていましたね。
新規開校したクロトン国際学園中等部・高等部の五十嵐勉…
灰谷に対して、大手塾ルトワックからクロトン国際学園に生徒を誘導してくれたら、1名につき100万円の謝礼を支払うと持ち掛けます。
灰谷はあっさりと断るのですが、その代わりに、黒木のことを紹介すると言い出しました。
どうやら、黒木が謝礼を受け取るとにらんで、彼のスキャンダルに仕立て上げようと企んでいそうですね。
黒木が五十嵐の車に乗せられるシーンがありましたが、五十嵐の賄賂を、黒木は受け入れるのでしょうか?
それにしても、私立中学校と大手進学塾との癒着…
そんなことまで描いちゃったんですね、『二月の勝者』は。
私立中学校・高校と塾との関係は、グレーゾーン、いや、ブラックボックス…
あの中学校とあの塾は仲がいい…
あの中学校とあの塾が仲が悪い…
そんな噂を聞いたり聞かなかったり…