こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、漢字を覚えるのが苦手…
漢字を読めるけど、書くのはちょっと…
そのようにお悩みのお母様・お父様の参考になる記事を用意しました。
漢字が苦手なお子様は、結構多いものです。
では、どうすれば漢字を覚えやすくなるのでしょうか?
今回の記事では…
- 漢字を覚える手順
- 漢字のトレーニング方法
がわかります。
漢字は、国語だけでなく、全教科の土台になりますよね。
しっかりとトレーニングして、漢字を身につけておきましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
漢字を覚える手順は?
まずは、漢字を覚える手順の全体像を、ご紹介します。
漢字を覚えるための手順は…
- 漢字の「意味」と「読み」を知る
- 漢字の「部首」と「筆順」を知る
- アウトプット学習法
です。
1つずつくわしく見ていきましょう。
漢字の「意味」と「読み」を知る
まず、漢字を覚える第1段階が「意味」と「読み」です。
漢字の読み方には、2通りあります。
ご存知の通り、「音読み」と「訓読み」ですね。
- 音読み:昔の中国での発音をもとにした読み方
- 訓読み:漢字の意味を表す日本語読み
たとえば、「所」という漢字には、「しょ」という読み方と「ところ」という読み方があります。
では、どちらが音読みで、どちらが訓読みでしょうか?
正解は…
- 音読み「ショ」
- 訓読み「ところ」
ですね。
「音読み」はあくまで「音」ですから、聞いただけでは意味がわかりにくい。
「ショ」と言われても、何のことなのかわかりません。
一方、「ところ」であれば、「ああ、場所のことね」とわかります。
つまり「訓読み」は意味がわかりやすい読み方と言えます。
音読みと訓読みなんか、どうでもいいと思ってたわ
初めて漢字を習うときに、この「訓読み」と「音読み」を通して、「意味」と「読み」を結びつけて理解しながら、漢字の練習をすることが大切です。
苦手の原因は「書き」ではなく実は「意味」と「読み」であることも
「書き」は苦手だけど、「読み」は大丈夫
そういうお子様も、実は弱点の原因は「書き」ではなく、「意味」と「読み」にあることがあります。
つまり、「意味」と「読み」をじゅうぶんに理解していないまま、書くトレーニングをしているということです。
たとえば、「花粉がヒサンする」の「ヒサン」の書き取りが出題されたとします。
どんな漢字かわからない
というお子様に…
花粉がどうなることだと思う?
とたずねてみます。
すると「とぶこと!」と、ほとんどのお子様がわかるはずです。
きっと「飛散」という熟語も想像できるでしょう。
でも、もし「『とびちる』ことだよ」とヒントを出しても、漢字が思い浮かばない場合には、「飛」という漢字の音読みと訓読み、つまり、「ヒ」と「とぶ」がうまく結びついていない可能性があります。
同様に、「散」という漢字の音読みと訓読み、つまり、「サン」と「ちる」がうまく結びついていない可能性もあります。
このように、漢字を身につける第1段階として、「意味」と「読み」を結び付けておく必要があります。
知らない言葉は漢字も覚えられない
また、漢字を覚えるには、そもそもその言葉自体を知っている必要があります。
つまり、知らない言葉は、漢字が覚えにくいということです。
たとえば、「貿易」という言葉を知らない小学生が…
貿易貿易貿易貿易貿易
と何回ノートに練習しても、記憶に残るでしょうか?
仮に暗記したとしても、意味がわからなければ、言葉を使いようがありません。
おとなも、「吝嗇」や「莞爾」などの漢字を覚えるときに、意味も読みもわからないのに覚えられないですよね。
何この漢字?
吝嗇(りんしょく)…ケチ
莞爾(かんじ)…にっこり笑う
やで
漢字が苦手な子に、ボキャブラリー(語彙)が少ない子が多いのはそのためです。
小学生は常に発展途上で、語彙(ボキャブラリー)が不足しています。
ですので、人生経験や知っている言葉を増やすことで、漢字もだんだんと覚えやすくなっていきます。
漢字の「部首」を知る
次に、重要なのは漢字の「部首」です。
部首には「意味」が含まれているからです。。
例えば、「りっしんべん」。
ご存知の通り、「りんしんべん」は「心」を意味する部首ですね。
「いそがしい」は、「心」を「亡くす」と書いて、「忙しい」と書きますね。
他にも「快」「悔」「怖」「悩」など、「りっしんべん」の漢字ですが、やはり「心」の動きを表す漢字が多いことがわかります。
ほんまやな
また、漢字の読みとともに「部首」を覚えることによって、漢字が覚えやすく、読みを推測することも可能になります。
たとえば、「坂」「板」「飯」は、どれも「反」という漢字を含んでいます。
そして、どれも「ハン」と読めますよね。
このことを理解しておくと…
あ、きっと「販」の読み方も「ハン」だな
と、新しい漢字が出てきても、読み方が推測しやすくなります。
音を表す「反」という部分に、意味を表す部首がつっくいているわけです。
「さか」=地面「つちへん」+「反」
「いた」=木「きへん」+「反」
国語の授業では、これらの漢字を「形声文字」と習いますね
このように、初めて漢字を学習するときには、漢字の「部首」もきちんと理解した上で、漢字練習をすると意味と読み方をつなげて覚えられます。
漢字の「筆順」を知る
漢字を覚える第3段階は「筆順」、いわゆる「書き順」です。
書き順なんか、どうでもいいやん
そういうお子様は多いものです。
もちろんすべての漢字の書き順を完璧に覚える必要はありません。
(大人も、国語の教師でさえも、完璧にすべての書き順を覚えているわけではありません)
それでもなぜ「筆順」を意識しなければならないのでしょうか?
それは…
筆順を意識することで、漢字の形に意識が向き、覚えやすくなる
からです。
逆に、筆順を意識しないと、漢字の形に意識が向きません。
実際、漢字の書き取りが苦手なお子様は、「筆順」がぐちゃぐちゃな子が多いんです。
絵を描く場合や写真を撮る場合も同じですよね。
はじめて被写体としてとらえることによって…
あ、こんな形してたんか…
え? こんな色やったっけ?
というように、あらためてその存在の細部にまで意識が向くはずです。
字が雑ということは、やはり漢字の細部に目を向けていない、向けようとしていないと言い換えられます。
漢字をきれいに美しく書く必要はありませんが、やはり「ていねいに」練習する必要があるのはこのためです。
これまであまり筆順に意識を向けていなかった場合には、ぜひ漢字を練習するときに、筆順へ意識を向けて、ていねいに書いてみてくださいね。
「アウトプット学習法」でトレーニングする
いよいよ漢字を覚える最終段階です。
よく…
漢字の書き取りは何回練習すればいいですか?
とお母様・お父様にご相談を受けます。
私の答えは…
漢字を覚えられるまで
です。
無責任な…
と言われそうですね(笑)
でも、実際1回書くだけで覚えられる漢字もあれば、5回書かないと覚えにくい漢字もあるはずです。
また、1回書くだけで覚えられる子もいれば、5回書かないと覚えられない子もいます。
ですので、すべて一律に「10回練習」というのは、時間の無駄です。
もちろん学校や塾にはいろんな生徒がいるので、一律に宿題を出さざるを得ません
そこで、活躍するのが「アウトプット学習法」なのです。
アウトプット学習法とは?
アウトプット学習法は…
書ける漢字と苦手な漢字をふるい分けて、苦手な漢字を集中的に練習する学習方法
です。
その手順は…
- 答えや解説を見ずに問題を解く
- まちがった漢字を練習する
- 正解するまでアウトプットする
という流れです。
順を追って、見ていきましょう。
アウトプット学習法1.答えや解説を見ずに問題を解く
たとえば、20問漢字の書き取り問題があったら、先に問題を解いてしまいます。
つまり、「問題を解く=アウトプットする」優先するわけです。
きっと1回で正解できた漢字もあれば、まちがった漢字もあるでしょう。
まちがっても大丈夫です。
むしろ、堂々とまちがえましょう!
先に問題を解いたのは、書ける漢字と書けない漢字をあぶり出すためです。
ですので、答えやヒントを見て、問題を解かないようにしましょう。
答えを見て正解しても、それは自力ではありません。
テスト本番には、答えを見ることはできませんから!
アウトプット学習法2.まちがった漢字を練習する
まちがった漢字だけ、漢字練習帳に何度か書いて練習します。
もちろんそのときには、先に述べた「意味」「読み」「部首」「筆順」も意識しながら練習しましょう。
細部に意識を向けることによって、記憶に残りやすくなります。
さきほどご紹介した通り、知らない言葉は覚えることができません。
知らない言葉が多い場合には、お母様・お父様、あるいは、家庭教師などが個別にフォローしてあげる必要があるでしょう。
国語は「つまずきポイント」が多岐にわたるので、実は個別指導に向いている教科です。
国語辞典を引くことも大切ですが、漢字が苦手な子は、国語辞典を引いている間に、力尽きてしまうことがよくあります
アウトプット学習法3.正解するまでアウトプットする
ある程度練習がすんだら、今度は間違った漢字だけテストしてみます。
すると、2回目ですべて正解できるかもしれませんし、また間違ってしまう漢字もあるでしょう。
でも、やっぱり落ち込む必要はありません。まちがった漢字は再び練習すればいいのです。
そして、すべての漢字が正解できるまで、「アウトプット」し続けます。
覚える=インプット
やと思ってたわ
「テスト」というのは、頭に知識を入れる作業でしょうか?
それとも、頭から知識を出すのがテストでしょうか?
もちろん、答えは後者、つまり、テストというのは、知識を頭から出す作業ですね。
生徒たちの頭に知識が入っているかどうかを、学校・塾の先生たちはテストというアウトプットを通して確認したいわけです。
ですので、練習の段階からアウトプットを意識した学習をするのは、非常に理にかなっています。
テスト本番に「自力」で解くためには、練習の段階で「自力」で解けるようにトレーニングしておきましょう!
もちろん1度覚えても、忘れてしまうことはあります。
人間の脳は忘れるようにできているので、仕方がありません。
学校の漢字テストや塾の復習テストの前には、もう一度「アウトプット学習」をして、覚え直しておく必要はあるでしょう。
おすすめの漢字の問題集は?
トレーニングするときには、どんな教材を使うのかも大切です。
おすすめの漢字の問題集をまとめた記事がありますので、そちらをぜひご覧ください!
まとめ:漢字を効率的に覚えるコツ!
漢字を学ぶときにはふだんから…
- 意味
- 読み
- 部首
- 筆順
を意識しながら、練習しましょう。
また、漢字は「アウトプット」を意識してトレーニングするのが大切でした。
答えやヒントを見ずに、自力で書けるのを目指しましょう
漢字が苦手な場合には、「塾でもう習っているから」と考えずに、学校の授業や宿題にもていねいに取り組むほうがいいでしょう。
もし、漢字の学習に行き詰りを感じていらっしゃるのなら、学習の視点を少し変えてみてもいいかもしれません。
ぜひ漢字を味方につけくださいね!
また、国語は「つまずきポイント」が多岐にわたるので、マンツーマン指導に向いています。
漢字が苦手なお子様には、学習のペースメイクに家庭教師を利用するのもアリです。