こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
- 塾に通っているのに国語の成績が悪い…
- 国語の苦手を克服したい…
- 国語ってどうやって教えたらいいの?
たくさんのご家庭にうかがっていますが、そのようにお悩みのお母様・お父様は多いですよね。
今回の記事では…
- 国語の勉強方法
をまとめました。
- 国語の力とは
- 文章別の勉強法(説明文・物語文・随筆文など)
- 設問別の勉強法(記号選択・抜き出し・記述など)
- おすすめの教材・サービス
- ご家庭での学習スケジューリング
- 過去問の取り組み方
- 読解のまちがい直しの方法
- 読むのがゆっくりな子へのアドバイス
- 答えを写してしまう子への対処法
- 字が雑な子への対処法
などをまとめた【保存版】です。
ぜひ苦手を克服し、成績アップ、そして、志望校合格をつかんでくださいね!
塾講師・家庭教師として、のべ1000人以上を指導してきたノウハウをお伝えします
なぜ国語の勉強は難しいの?
中学受験において、国語を苦手にしている受験生はたくさんいます。
では、なぜ国語を苦手にしている小学生が、そんなに多いのでしょうか?
それは…
人生経験・語彙力(ボキャブラリー)が発展途上だから
です。
え?
こんな言葉も知らないの?
このようにびっくりされるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
おとなにとっては当然知っている言葉でも、小学生は案外知らないものです。
- 感情を表す言葉(劣等感・うしろめたい・ねたましい)
- 人間関係を表す語(おじ・おば・おい・めい)
- 説明文でよく出る語(グローバル・生態・肯定)
つまり、小学生は、知らない言葉がたくさん載っている文章を読んでいると言えます。
おとなでも、知らない単語が出てくる専門書や、外国語の文章を読むのは骨が折れるやん
中学受験において、国語が難しく感じられる主な原因は、小学生は常に語彙(ボキャブラリー)が不足していることだったんです。
そして、子どもたちを教える側のおとなとの、知識のギャップが、より難しくさせているわけです。
国語の力を分解してみる
国語の力をアップさせるために、国語力を「分解」して見ていきましょう。
いわゆる「国語力」は…
- 経験・共感力
- 語彙(ボキャブラリー)
- 読む力
- 解く力
の4つに分解されると、私は考えています。
これから1つ1つについて、勉強方法をご紹介していきます。
国語力1.経験・共感力
国語と関係ないやん
と思われたかもしれませんが、文章の読解には「経験」や「共感する力」が必要です。
さきほど、「劣等感」や「うしろめたい」といった語を紹介しましたが、「劣等感」や「うしろめたい」気持ちを感じたことがない小学生に、その言葉を教えるのは、とても難しいんです。
以前、「うしろめたい」という言葉を、ある小学生に教えるときに…
お母さんにウソついて、お母さんがそのウソを信じてしまったら、井上くん(仮名)はどんな気持ちになる?
とたずねると、井上くん(仮名)は…
ウソを信じてくれてラッキー!
と言いました…
井上くん(仮名)が、「うしろめたい」という言葉を理解することは難しいですよね(笑)
また、「情緒」や「風情」なども、小学生に説明するのは、とても苦戦するでしょう。
これらの感覚も、小学生が経験したことがないからです。
では、「経験・共感力」を高めるには、どうすればいいのでしょうか?
それは…
- 人と触れ合う
- 文化に触れる
ことです。
人と話し、触れ合うなかで、感情や経験がストックされていきます。
日本の文化や海外の文化に触れることで、知識が増え、感受性も広く・深くなります。
小学生は、生まれてまだ10年くらいしかたっていません。
中学受験の勉強をはじめる前に、少しでも多くの経験を積んでいることは、文章の内容を理解するのに役に立ちます。
国語力2.語彙(ボキャブラリー)
「経験」や「共感力」が必要だと、さきほどお伝えしましたが、その知識・経験や感情を「言語化」する必要があります。
- 父母のお兄さん・弟=おじ
- 相手に負けていると感じる=劣等感
- 自分にはないものを持っている=ねたましい
このように、ものごとや経験・感情に、名前があることを知っていくわけですね。
ものごとや経験・感情に名前をつけていくことで、語彙(ボキャブラリー)が増えていきます。
赤ちゃんも身の回りのモノの名前から覚えていくもんな
ただ、最初にお伝えしたように、小学生は常に語彙(ボキャブラリー)が足りていない状態なので、うまく「言語化」できません。
では、どうすれば、少ない経験を補って、語彙(ボキャブラリー)を増やせばいいのでしょうか?
それには…
- 学校の国語の授業・宿題
- 辞書で調べる
- 会話
- 読書・読み聞かせ
- メディア
- 遊び
- 1つのことに没頭する
- 教材
- 塾・レッスン
ことなどが挙げられます。
やはり本を読むことは、語彙力アップにつながります。
また、まだ知らない言葉が出てきても、「たぶんこういう意味だな」と考えながら読む力もついてきます。
そういう意味では、難しすぎる本ではなく、その子の年齢が対象となっている本や、対象年齢前後の本を読むといいでしょう。
読書と成績には関係があることが、研究で明らかにされています
小学生におすすめの本については、こちらの記事をご覧ください↓
また、日常生活を通して、言葉を増やすこともできます。
というよりも、日常生活によって、言葉が作られているとも言えますね。
もちろんかんたんな言葉ばかり使っているテレビを見たり、こども同士で話していても、それほど語彙(ボキャブラリー)は増えないでしょう。
おとなが使っている「言葉のシャワーを浴びる」ことは大切です。
また、1つのことに打ち込んでいる子も、その世界から語彙を広げていくことができますね。
小学生が語彙力を鍛える方法については、こちらの記事もご覧ください↓
「漢字」で語彙を身につける
ここまでは子どもたちを取り巻く環境面についてお話してきました。
ここからは国語の「勉強」について見ていきましょう。
ます、「漢字」を学ぶことで、語彙を増やすことができます。
そのため、どこの塾でも漢字の宿題や漢字テストを、ルーティンに組み込んでいますよね。
漢字を覚えるポイントをかんたんにまとめると…
- 読み・意味を理解する
- 書くトレーニングをする
ことが大切です。
漢字を覚えようとしても、読み方のわからない漢字や、意味のわからない漢字を覚えることは難しいですよね。
もし、読みや意味がわからないまま丸暗記したとしても、すぐに忘れてしまいますし、文章読解で活かせません。
ですので、読み・意味を知ったうえで、漢字の書き取り練習をするように心がけます。
無味乾燥な丸暗記では、勉強の意欲も萎えますよね
「書くトレーニング」では、「書き順(筆順)」もある程度は必要です。
漢字が苦手な小学生には、書き順がむちゃくちゃな子が多いんです。
もちろんすべての漢字の書き順をかんぺきにして「書き順博士」になる必要はありません。
でも、漢字の形を意識して練習するためにも、「書き順(筆順)」は意識しておきましょう。
また、漢字の形に意識を向けるという意味では、字をていねいに書くことも大切です。
漢字が苦手な小学生に、字が雑な子が多いのもそのためです。
「漢検」を活用して、漢字の学習に取り組むのもおすすめです↓
教材で語彙を増やす
語彙(ボキャブラリー)は、教材を使って増やすこともできます。
本屋さんに行けば、中学受験用の「ボキャブラリー増強教材」が売られています。
英単語を覚えるときにも、単語帳を使って覚えるもんな
本来ならば、本を読んだり、日常生活の中で自然に覚えるのが理想です。
でも、中学受験では、「入試」というタイムリミットが決められています。
ですので、教材を使って、意識的に語彙(ボキャブラリー)を増やすという受験生はけっこういます。
国語力3.読む力
いよいよ文章を「読む」ステップに入っていきましょう。
中学受験で出題される文章は、大きく分けて4つに分類されます。
- 論説文・説明文
- 物語文
- 随筆文
- 詩・短歌・俳句
です。
4つに分けて、勉強方法をくわしく見ていきましょう。
読む力1.論説文・説明文を読む
※本来、意見が述べられている文章を「論説文」と言いますが、この記事ではまとめて「説明文」と書いています。
説明文は、入試問題でも、塾の公開テストなどでも、必ずと言っていいほど出題されますよね。
少し前であれば、「環境」や「国際化」に関する文章が、たくさん入出題されていました。
最近では、「AI(人工知能)」などに関する文章も増えてきています。
なじみのないテーマ・用語が出てくるので、説明文が苦手という子が多いですよね。
小難しい内容は、頭が混乱するわ
では、説明文を読む力をつけるには、どうすればいいのでしょうか?
それは…
- 筆者の主張を見抜くトレーニングをする
- 接続詞で話の流れを理解する
- 論理展開の「型」を知る
ことです。
説明文では、筆者は伝えたいことがあって、その文章を書いています。
ですので、筆者の「主張」がわかれば、文章がぐっと読みやすくなります。
そのためにも、接続詞(つなぎ言葉)の役割を理解して、文章の流れを把握するといいですね。
また、文章の流れを把握するという意味では、論理(ストーリー)展開の「型」を知っておくと、筆者の主張がつかみやすくなります。
あ、きっとこういう話の展開になるぞ。
きっと筆者はこういうことが言いたいんだな!
と、理解しやすくなります。
<1.筆者の主張を見抜くトレーニングをする>について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
<2.接続詞で話の流れを理解する>について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
<3.論理展開の「型」を知る>について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
まずは、この3点を意識して、説明文を読んでいきましょう。
そして、筆者の主張や接続詞、論理展開をあらわすキーワードに、線を引いたり、印を入れておきましょう。
重要(そう)なところに線を引いたり、印をつけたりすることで…
- 文章が読みやすくなる
- 設問に答えやすくなる
というメリットがあります。
筆者の言いたいことが見えるだけでなく、問題が解きやすくなります。
出題者も筆者の主張を中心に、問題を作ります。
筆者の主張(と思われるところ)に線を引いておくと、そこが設問で問われたり、ヒントになったりすることが多いんです。
説明文の線引き・印付けについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
読む力2.物語文を読む
説明文と並んで、「物語文」も、入試問題や塾の公開テストなどで、必ずと言っていいほど出題されます。
「物語文」は、「文学的文章・小説」などとも、呼ばれることがあります。
登場人物の感情を読み取れず、物語文が苦手という小学生も多いものです。
主人公の気持ちなんて、全然わからへんわ
では、物語文を上手に読むためには、どんなことを意識すればいいのでしょうか?
それは…
- 登場人物をつかむ
- できごとをつかむ
- 人物の気持ちを読み取る
を主に読み取っていくといいでしょう。
誰も出てこない物語はありませんよね。
誰かが出てきて、何かが起こって、感情が揺さぶられます。
ですので、登場人物とできごと、そして、人物の感情を追って読んでいけば、文章の内容を理解しやすくなります。
読解問題では、長い小説の一部を切り取って掲載しているので、状況が読み取りづらくて当然です
物語文の内容の読み取り方について、くわしくはこちらの記事をお読みください↓
その際、登場人物や気持ちに線を引いたり、印をつけたりしておきましょう。
重要(そう)なところに線を引いたり、印をつけたりすることで…
- 文章が読みやすくなる
- 設問に答えやすくなる
というメリットがありますよ。
特に「気持ち(感情)」は、設問では必ず狙われます。
線を引いたり、印をつけたりしておけば、すぐに答えが目に飛び込んでくるという経験をすることが増えるでしょう。
物語文の線引き・印つけについて、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
読む力3.随筆文を読む
「随筆文(エッセイ)」が、入試問題や塾の公開テストなどに出題されることもあります。
「随筆文」は、筆者の体験を通して、考えがまとめられた文章です。
日本一有名な随筆文は、平安時代に清少納言が書いた『枕草子』ではないでしょうか?
春はあけぼの。
『枕草子』清少納言
やうやう白くなりゆく山ぎは、少しあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
教科書に載っていますよね。
現代語訳すると…
「春は夜明けごろがええ感じやわぁ。だんだん白くなっていく山際の空が、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいているねんで」
という感じですね。
そのような筆者のエピソードがつらつらと書かれた文章を読まされて、困惑する小学生は多いものです…
春の景色を読まされて、どんなリアクションしたらええねん…
では、随筆文はどのようにして、読めばいいのでしょうか?
それは…
- 筆者の体験をつかむ
- 筆者の考えをつかむ
ことです。
この2つを分けて読むようにしましょう。
筆者も文章を書いている以上は、何か伝えたいことがあって書いています。
ですので、筆者の体験はあくまで「具体例」なんです。
その「具体例」を通して、筆者は何がいいたいのかをつかむことが大切です。
そういう意味では、説明文で筆者の主張を読み取るのと同じですね
ですので、線を引いたり、印を付けたりする場合にも、「筆者の考え」に注目するといいでしょう。
やはり、「筆者の考え」が設問で狙われます。
線を引いたり、印を付けたりしておけば、効率的に解ける可能性が高くなりますね。
随筆文の読み方について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
読む力4.詩・短歌・俳句
あまり入試問題で出題する中学校は少ないですが、国語では「詩・短歌・俳句」の学習もあります。
まとめて「韻文」と呼ばれることもありますね。
「詩・短歌・俳句」では、まず知識事項を固めておくことが大切です。
「詩」であれば、詩の分類を理解しておきましょう。
- 口語詩(現代の文体)か文語詩(昔の文体)か
- 自由詩(リズムがない)か定型詩(リズムがある)か
で、詩は主に分類されます。
それらを組み合わせて、次のように名付けられます。
- 口語自由詩
- 口語定型詩
- 文語自由詩
- 文語定型詩
中学受験では「口語自由詩」の出題が圧倒的に多いですね
「短歌」であれば「句切れ」、「俳句」なら「季語」などの学習も必要です。
また、「表現技法(修辞法)」も、復習しておきましょう。
- 比喩(直喩・隠喩・擬人法)
- 倒置法
- 対句・反復
- 体言止め
などは、よく出題されますね。
表現技法は、物語文でも問われることがあるので、しっかりと理解しておくことが大切です。
国語力4.解く力
中学受験の国語の問題では、文章を読むだけでなく、設問を「解く」ことができなければなりません。
ですので、塾でも「解法テクニック」を教えてもらいますよね。
よく出題される設問の形としては…
- 接続詞の問題
- 指示語の問題
- 記号選択問題
- 抜き出し(書き抜き)問題
- 記述問題
でしょう。
1つ1つについて、勉強方法をくわしく見ていきましょう。
解く力1・接続詞の問題を解く
「接続詞」の問題も、必ずと言っていいほど、出題されます。
「接続詞」は、「つなぎ言葉」とも呼ばれますね。
接続詞の問題の勉強方法は…
- 接続詞の種類・役割を知る
- 接続詞を使って例文を作る
- 読解問題で解く
です。
たとえば、「しかし」という接続詞は、「逆接」の役割を持っていることを学びます。
「逆接」の接続詞には、他にも「だが」「でも」「けれども」などがあることも、知っておきましょう。
次に、「しかし」という接続詞を使って、例文を作ってみましょう。
(例)空は晴れていた。
しかし、( )。
どんな文を作りますか?
「空は晴れていた」という事実とは、逆のことが起こるはずです。
たとえば「雨が降ってきた」とか「雷が鳴った」など、空が晴れているときには、めったに起こらないことが書ければOKです。
「例文づくり」はやったことなかったわ。
自由に作ってええから、おもろそうやな。
一般的な塾の国語の学習では、この2ステップ目の「例文づくり」はあまりおこないませんね。
接続詞の役割をしっかりと理解できたら、読解問題でよく出題される接続詞を入れる問題を解いていきましょう。
接続詞について、くわしくはこちらの記事をお読みください↓
解く力2.指示語の問題を解く
「指示語」の問題も、頻出です。
「指示語」は、「こそあど言葉」とも言われ、「何かを指し示す言葉」ですね。
指示語の問題は…
(例)「このこと」とは何を指していますか。
というように、指し示されている内容を、答えさせることが多いでしょう。
指示語が指し示す内容を見つけるコツは…
- 指示語の指す内容は(基本的に)前にある
- ただしヒントは指示語の後ろにある
です。
塾でも、「指示語が指す内容は、指示語よりも前」と教えられますね。
ただ、「ヒントは指示語の後ろにある」ということは、あまり塾でも強調されません。
たとえば…
(例文)このことは、アキラをイライラさせた。
(例題)傍線部「このこと」とありますが、「このこと」が指す内容を、4字で本文中から抜き出しなさい。
もちろん「このこと」が指し示す内容は、「このこと」よりも前にすでに出てきているはずです。
でも、4字のフレーズなんて、文章中にたくさん出てくるはずです。
そこで、指示語の後ろ「アキラをイライラさせた」に注目します。
つまり、「アキラをイライラさせたもの」を、指示語より前から4字で探せばいいわけです。
たしかに指示語の後ろは、あまり注目してなかったわ
もちろん言われなくても感覚的にできている子も多いでしょう。
ただ、難しい文章になったときに、ついつい見失ってしまいがちな原則です。
指示後の内容を探すヒントは「指示語の後」ということを意識的に使うといいでしょう。
ぜひ今日からの勉強で使ってみてくださいね。
指示語について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
解く力3.記号選択問題を解く
「記号選択問題」も、定番の出題形式ですね。
記号選択問題の勉強方法は…
選択肢が正しいか正しくないか根拠を言えるようにする
実はただこれだけです。
よく「消去法でしぼりこめ」とか、「長い選択肢は分けろ」などと塾でテクニックを教わります。
でも、それらのテクニックは、選択肢の正誤を見抜くための手段ですよね。
読解問題の答えやヒントは、必ず本文の中に隠れています。
ですので、選択肢が正しいのか正しくないのかを、文章と照らし合わせてるトレーニングをしましょう。
つまり、「答えの根拠を見つける」ということです。
「カン」とか「なんとなく」、記号を選ぶ段階から卒業しましょう
集団形式の塾の授業では、先生が「答えの根拠」を言って解説が終わってしまうことがよくあります。
ただ、生徒自身が「答えの根拠」を見抜くトレーニングをしなければなりません。
ご家庭で学習するときには…
- なんでその記号を選んだの?
- その記号はどこがまちがってる?
というように、記号を選んだ根拠を、お子様に答えさせてあげてくださいね。
はじめは「なんとなく」とか「カン」などと答えていた子も、「答えの根拠」を問い続けると、自分なりに説明できるようになるものです。
記号選択問題の解き方について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
解く力4.抜き出し(書き抜き)問題を解く
日本の受験業界で、独自の進化を果たしたのが「抜き出し(書き抜き)問題」です。
たとえば…
(例文)このことは、アキラをイライラさせた。
(例題)傍線部「このこと」とありますが、「このこと」が指す内容を、4字で本文中から抜き出しなさい。
というような定番問題ですね。
「抜き出し(書き抜き)問題」の解き方は…
- どんな言葉を抜き出すか予想する
- どこに隠れているか目星を付ける
- 過不足なくコピー&ペースト
です。
1番やってはいけない解き方が、いきなり指定字数の言葉を探し始めることです。
「4字の言葉を抜き出しなさい」と言われても、4字の言葉なんて、本文中に山ほど出てきます。
ですので、いきなり探し始めてはいけません!
まずは、どんな言葉を抜き出せばいいのか、本文のどのあたりに隠れているのか、を予想することが大切です。
それらしい箇所が見つかったら、過不足なく字数を数えましょう。
面倒くさがりな小学生は、字数を数えない子もいます。
写しまちがえる子も、かなり多いですね。
抜き出し問題では、抜き出し(書き抜き)は、「コピー&ペースト」が基本です。
ひらがなはひらがな、カタカナはカタカナ、漢字は漢字で、そのまま書き抜きましょう。
句読点などの符号も同様です。
をそっくりそのまま抜き出し(書き抜き)ましょう。
「抜き出し(書き抜き)問題」は、問題集にたくさん出てきますね。
たくさん練習を積みましょう。
抜き出し・書き抜き問題の解き方について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
解く力5.記述問題を解く
苦手にしている小学生が多いのが、「記述問題」です。
記述の答案を白紙のままにしてしまっている子も多いでしょう。
何を書けばいいのかわからない…
というのが、小学生の本音のようです。
では、記述問題はどのように勉強すればいいのでしょうか?
記述問題の勉強方法は…
- 何を書くのか設問から読み取る
- まずは本文中の言葉を使う
です。
抜き出し(書き抜き)問題と同じように、いきなり書き始めてはいけません。
まずは、何が問われているのか、設問から読み取りましょう。
次に、まったく新しい文を、創作する必要はありません。
文章中の言葉をつなぎ合わせて、書くことから始めましょう。
ほぼ抜き出し(書き抜き)でOK
と考えておくと、わかりやすいですね。
気も楽になるでしょう。
設問に「文章中の言葉を使って」と指定されていなくても、本文中の言葉はどんどん使いましょう!
満点を狙うと、何も書けなくなってしまいます。
「部分点をもらえたらラッキー」くらいの気持ちで、トレーニングをスタートしましょう!
中には、文章中の言葉を使いづらい要約タイプや、自分で考えて書く記述問題も出てきます。
ただ、それらは難しい記述問題なので、記述問題に慣れるまでは無視してOKです。
お子様では判断がつかないので、おとなが見極めてあげる必要がありますね。
記述問題の解き方について、くわしくはこちらの記事をお読みください↓
中学受験塾の国語をしゃぶりつくす
苦手な教科を克服するために、ついついいろいろな教材を試したくなります。
でも、塾に通っているなら、
中学受験塾の教材を使い倒す
ことから始めましょう。
塾のテキストには、難関校の受験に必要な知識やテクニックが、ひととおり網羅されています。
特に大手塾は、自分たちでオリジナルの教材を作成していますね。
それらの教材を使って、先輩たちは志望校に合格してきました。
つまり、まずは塾の教材を信じてやりこむことが、先輩たちの足跡を追いかけることであり、合格への近道です。
では、「使い倒す」というのは具体的にどうすればいいのかというと…
- 塾の授業・補習に集中する
- 宿題は文章・設問もすみずみまで理解する
- テストに向けて復習する
- 塾の先生に質問する
ということです。
特に2つ目の「宿題」と、3つ目の「テスト」は、家庭での取り組みが重要になります。
「宿題=こなすだけ」になってしまっている小学生は、けっこう多いでしょう。
でも、せっかくの宿題です。
こなすだけでは、もったいない!
- 文章中に出てくる言葉の意味
- 設問の「答えの根拠」
などを、精読して、すみずみまで理解すると、語彙・読む力・解く力が鍛えられます。
他の問題集に手を出すよりも、まずは塾の教材をカンペキにするつもりで取り組みましょう。
もちろん他の教科との兼ね合いで、パーフェクトに宿題をすることが難しいこともあるでしょう。
特に6年生になってからは、宿題でも取捨選択が必要になってくるはずです。
私が塾フォローのご依頼を受けたときには、まず塾のテキストをやり込むことから始めます
また、毎週の確認テスト(復習テスト)や公開テストに向けて、対策することも重要です。
テスト範囲が塾から示されている場合には、テスト範囲の知識を、テストまでにもう1度インプットしておきましょう。
たとえば、関西の中学受験塾最大手「浜学園 」では、講義・宿題・復習テストという毎週のサイクルを重視しています↓
まずは、塾をしゃぶりつくすことから始めましょう!
関西圏のおすすめの中学受験塾については、こらちの比較記事をどうぞ↓
塾と家庭教師を併用する
ここまでの記事をお読みになって…
- 家では記述の添削ができない…
- 線を引かせるポイントがわからない…
- 親が文章を読む時間がない…
と感じたお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
さきほど「塾をしゃぶりつくす」ことの大切さをお伝えしましたが、塾の宿題は量が多く難しいので、ご家庭でのフォローにも限界があるのが現実です…
そのため、塾と家庭教師を併用するご家庭が多いです。
国語の勉強に家庭教師を利用するメリットは…
- 1人1人の「つまずきポイント」にアプローチできる
- 添削できる
ことです。
ここまでご紹介してきた通り、国語は、「つまずきポイント」が多岐にわたります。
- 苦手意識が強く、文章を読もうとしない…
- 語彙(ボキャブラリー)が不足している…
- 読んでも理解できていない…
- カンでなんとなく解いている…
これらの「つまずきポイント」は、塾のような集団形式では、対応できません。
実は、国語こそ「マンツーマン指導向き」の教科といえます。
今読み間違えた「仲裁」ってどういう意味?
なんで「イ」を選んだん?
などと問いかけることによって、読み方・解き方を「矯正」していくことができます。
また、その子のレベルに合わせて、語彙(ボキャブラリー)を増やしたり、音読して文章から慣れることから始めたりすることもできます。
家庭教師なら、生徒1人1人の「つまずきポイント」に合わせて指導できます。
ただし、大学生のアルバイト講師には荷が重いでしょう。
値段は高くなりますが、国語の指導に精通したプロ家庭教師を利用したほうが、コストパフォーマンスが良いと言えます。
おすすめの教材・サービス
さきほど「塾の教材を使い倒す」ことをおすすめしました。
ただ、中には…
塾のテキストが難しすぎる…
うちの子には、レベルが合っていないかも…
というように、うまく塾の教材を使えないこともよくあります。
その場合には、市販の教材やサービスを活用して勉強するのもありですね。
国語の勉強におすすめの教材やサービスをまとめた記事リンクを貼っておきます。
気になる内容があれば、ぜひご覧くださいませ↓
<漢字のおすすめ問題集>
<語彙(ボキャブラリー)のおすすめ問題集>
<読解のおすすめ問題集>
<中学受験に特化した「速読解力講座」>
<言葉に特化したオンライン講座「Gakkenことばパーク」>
国語の学習のスケジューリング
次に、国語の学習のスケジュール管理について、見ていきましょう。
国語の学習のスケジューリングは…
- 塾の時間割を軸にする
- 宿題・テスト対策の時間を「天引き」する
- 家庭で文章に触れる「時間割」を決める
- 知識は1日後・1週間後・1か月後に覚えているかチェックする
ことがポイントです。
まず、塾の時間割を軸にして、宿題・テスト対策の時間を優先的に決めましょう。
たとえば…
火曜日 | 国語の授業 |
水曜日(塾休み) | 国語の宿題 |
月曜日(塾休み) | 国語のテスト対策 |
後回しにすると、勉強する時間がなくなってしまいます。
ですので、塾関係の勉強時間は「天引き」しておくのが、ポイントですね。
また、塾以外で、国語の学習をする場合にも、ご家庭で「時間割」を決めてしまいましょう。
例えば…
- 日時:土曜日19:00~20:00
- 誰と:お父さんと
- 教材:塾の宿題
- 問題:p105の9番
など、時間や内容を事前に決めておくと、スムーズに勉強に入っていけるでしょう。
また、漢字や言葉などの「知識事項」は、復習ペースをスケジュールに落とし込んでおくといいでしょう。
その際、1日後、1週間後、1か月後に、覚えているかをチェックするのがおすすめです。
漢字や言葉と何度も出会うことによって、仲良くなり、だんだんと脳に定着していきます。
人間は「忘れる生き物」やからな
ただ、ご家庭では「国語は教えにくい」教科です。
おとなには読めるし、どこに答えが書かれているのかわかってしまいます。
だからこそ、「どうして読めないの?解けないの?」とお母様・お父様は思ってしまいがちです。
ですので、塾と家庭教師・個別指導を併用するご家庭が多いです。
私も家庭教師として、たくさんのご家庭の中学受験塾フォローを担当しています
ただし、大学生のアルバイト講師では、国語の急所を突くことは難しいでしょう。
プロ講師をマンツーマンで利用するのがおすすめです。
入試問題に取り組む
小学6年生の夏以降には、入試問題を解き始めます。
いわゆる「過去問演習」ですね。
過去問演習のポイントは…
- 受験校の出題傾向・特徴を知る
- 時間配分をトレーニングする
- 自分の弱点をあぶり出し苦手を克服する
- 先輩たち(合格最低点)と戦う
ことです。
「2学期まで過去問に手をつけないでください」と言われることが多いです。
ただ、国語については、小6の夏休みの間に、古い年度を1年分解いておくのがおすすめです。
そうすることによって、入試問題のレベルを知っておけますし、自分に足りないものも見えてきます。
過去問を解く意義や使い方について、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
「こっそり答えを写してしまう」子への対処法
過去問を演習するときには、入試本番を意識して解かなければいけません。
当然、答えや解説を見ずに、過去問に取り組まなければなりません。
でも、ついつい魔が差して、こっそりと答えを見て、写してしまう小学生は多いんです…
まだまだ幼いので、自分を律するのは難しいでしょう。
おとなでも自分を律するのは難しいやん
ですので、子どもが答えを写さないよう、まわりのおとながサポートしてあげる必要があります。
具体的にどんなサポートをしてあげたらいいのかというと…
- 答えを写してもバレることを自覚させる
- 答えを写すデメリットを伝えておく
- 点数が悪くても叱らない
- 解答集は親が管理する
- 宿題の量やレベルを調整する
- 【過去問】抜き打ちで演習する
- 【過去問】大人の目の前で解かせる
- 【過去問】大人がすぐに丸つけする
などですね。
学校側が公開しているその年度の合格最低点と比較して、合格の可能性を検討する必要があります。
それなのに、答えを写してしまい、点数をごまかしてしまうと、過去問を解く意味がなくなってしまいますね。
答えを写さないように、工夫してあげましょう。
答えを写してしまう理由や対処法について、くわしくはこちらの記事をお読みください↓
時間切れになってしまう子への対処法
テストはいつも時間との勝負です。
特に、中学校によっては、とても長い文章が出題されます。
時間切れになってしまい、最後まで読めない・解けないという子は多いです。
最難関校は、おとなでも読むのに苦労するレベルやで
時間切れになってしまう場合には、まず読むスタイルから変えた方がいい子もいます。
塾からは「すべて読み通してから設問を解く」よう指導されることが多いでしょう。
でも、実際には、読むスピードが遅い子が、すべて読み通してから設問に取り掛かっていると、時間切れになってしまいます。
その場合には、「読みながら解く」というスタイルに切り替えるのも1つの手です。
どちらの読み方にもメリット・デメリットがあり、その子に合う場合もあれば、合わない場合もあります。
ただ、今の読み方でうまくいっていないのなら、読解のスタイルを変えてみてもいいでしょう。
読解のスタイルについて、くわしくはこちらの記事をどうぞ↓
また、読むのがゆっくりなのには、いろいろな理由があります。
また、複数の原因が絡み合っている場合が多いのでやっかいなんですよね…
読むスピードを上げる方法としては…
- ナチュラルスピードで音読する
- 語彙(ボキャブラリー)を増やす
- 音読スピードを上げる
- ひと文字ずつ読まない
- 文章の展開を理解しながら読む
- 解くために読む
- タイムプレッシャーをかける
- 速読のトレーニングをする
などがあります。
その子の読み方の特徴に合わせて、指導してあげる必要がありますね。
読むスピードが遅い原因や、スピードを上げる方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
読解のまちがい直しの方法
問題を解いたあと、まちがい直しをすることが大切です。
ただ、他の教科と違って、国語の読解はまちがい直しがしにくいですよね。
「この問題の答えは『ウ』だったな」というように、答えを覚えてしまうだけだと意味がありません。
ですので、読解のまちがい直しをするときには
答えの根拠を自分で言える
ことを確認するようにしましょう。
なぜその選択肢を選ぶのか(選んではいけないのか)、どのようにしてその言葉を抜き出すに至るのか、というように、自分で説明できるとまちがい直しの価値がありますね。
読解のまちがい直しの方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
字が雑過ぎる子への対処法
「字が汚すぎる問題」を抱えている子も多いですね。
ほとんどの場合、ていねいに書こうと思えば書けます。
ですので、やるかやらないか、気持ちの問題なんですよね…
字が雑だと、デメリットだらけ↓
- 第一印象がよくない
- 相手に正しく伝わらない
- テストで不正解とみなされる
- 自分の字でだまされる
- 注意されてモチベーションが下がる
このデメリットも自分自身で自覚しているのに、なかなかていねいな字を書けないんですよね。
その子自身が、「ていねいに書く」と決めない限り、この問題は続きます。
ですので、プロ講師がアドバイスしても、なかなか治るものではありません。
ただ、字が雑な子に、私がしている声掛けがあります。
ここに書くと長くなりすぎてしまうので、こちらの記事をご覧ください↓
まとめ:【保存版】中学受験の国語の勉強方法
この記事でご紹介した勉強方法を活用して…
- 経験・共感力
- 語彙(ボキャブラリー)
- 読む力
- 解く力
といった「国語力」を、1つ1つ身につけていきましょう。
成績はいきなり上がらないかもしれませんが、じっくり力をつけていきましょう
まずは、塾は使い倒すことが大切です。
一方で、ご家庭での学習も重要です。
ただし、お母様・お父様だけで抱え込まないようにしてくださいね。
プロ家庭教師なども活用して、みんなでお子様を応援しながら、中学受験に向かっていくことが大切です。
みなさんの国語の学習がはかどることを応援しています!