こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
英検って高校入試で使えるの?
優遇してくれる高校はどうやって調べたらいいの?
そのように悩んでいるお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 英検による優遇のしくみ
- 英検で優遇される高校の探し方
- いつまでに合格しておくべきか
- 英検合格に向けた勉強法
がわかります。
大学入試改革や小学校での英語必修化によって、ますます英語熱が高まっています。
これからますます英語を活用した入試が増えていくはずです。
英検を活用して、高校入試を有利に戦いましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
「英検」とは?
先に「英検」について、ご紹介しておきます。
英検を受検して合格しているお母様・お父様も多いですよね。
(釈迦に説法の場合は、さらっと読み飛ばしてください)
「英検」は、正式名称「実用技能英語検定」で、英語力をはかる検定です。
よく「英検」や「英語検定」と略されて呼ばれていますね(以下、英検)。
英検を通して、「読む・書く・聞く・話す」の英語4技能、つまり…
- リーディング
- ライティング
- リスニング
- スピーキング
の4つの能力を測定できます。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
「英検」の各級のレベルと検定料は?
次に、「英検」の各級のレベルと検定料をチェックしておきましょう。
公式サイトによると、2024年5月段階(税込)でこんな感じ↓
<推奨目安> | <検定料(本会場)> | <検定料(準会場)> | |
1級 | 大学上級程度 | 12,500円 | なし |
準1級 | 大学中級程度 | 10,500円 | なし |
2級 | 高校卒業程度 | 9,100円 | 6,900円 |
準2級 | 高校中級程度 | 8,500円 | 6,100円 |
3級 | 中学卒業程度 | 6,900円 | 5,000円 |
4級 | 中学中級程度 | 4,700円 | 2,900円 |
5級 | 中学初級程度 | 4,100円 | 2,500円 |
このように、検定料は、級が上がるにつれて高くなっていきます。
強気やな…
1級・準1級は1万円もするやん…
2級から5級は、本会場だけでなく、学校や塾などの「準会場」で受検することもできます。
準会場での受検の方が、検定料がかなり安くなります。
本会場と準会場で特に差はないので、お近くの準会場がある場合には、準会場で受検するといいでしょう。
また、英検の基本は…
- 筆記試験
- リスニング試験
で、いずれもマークシート形式です。
3級以上には、1次試験にライティング(英作文)が加わります。
また、3級からは、2次試験(スピーキング・面接)があります。
よりしっかりとした文法力が求められますね。
英検合格で優遇される高校が増えている!
近年、英検を取得していると、優遇してもらえる高校が増えてきています。
高校受験だけでなく、中学受験・大学受験でも同様です。
大学入試制度改革や、小学校での英語必修化によって、これからも英検による優遇は増えていくでしょう。
どのように優遇してもらえるのかというと…
- 加点してもらえる
- 得点に読み替えてもらえる
- そもそも出願資格になっている
などです。
くわしく見ていきましょう。
加点してもらえる
まず、取得している級によって、加点してもらえる高校があります。
例えば、大阪府にある関西大学高等部では、準2級以上で加点があります。
2級以上 | 15点 |
準2級 | 10点 |
を5教科の点数に加点してもらえます。
この10点・15点のおかげで合格できる可能性もあるでしょう。
(2025年度入試の情報ですので、最新の入試情報は関西大学高等部ホームページでご確認ください)。
得点に読み替えてもらえる
また、英検の取得級に応じて、入試本番の得点に読み替えてもらえることもあります。
たとえば、大阪府の公立高校入試では、
準1級 | 100%(満点)に読み替え |
2級 | 80%に読み替え |
となっています。
準1級に合格していれば、入試本番の英語でどんなにミスしても、満点になります。
2級に合格していれば、80%の得点に読み替えてもらえます。
大阪府はレベル別に問題が作られていますが(英・数・国)、C問題はかなり難しい…
なので、英検利用で合格している子が、かなり多くなっています。
めっちゃおいしいやん!
英検だけでなく、TOEFL iBTやIELTSも読み替え可能ですが、やはり中学生にとっては、英検が最も身近でしょう。
(※2024年度入試までの情報です。最新の入試情報は大阪府ホームページをご覧ください)
そもそも出願資格になっている
また、英検が出願資格になっている高校もあります。
たとえば、兵庫県にある三田学園高等学校では、専願で推薦入試を受ける条件に「英検準2級以上」が含まれています。
もちろん評定(内申)などの他の条件もあり、英検だけで推薦入試を受けられるわけではありません。
ただ、三田学園にどうしても合格したい中3生にとっては、ぜひ利用したいシステムでしょう。
(※2024年度入試の情報です。最新の入試情報は三田学園ホームページをご確認ください)
英検で優遇される高校の探し方
では、英検で優遇してくれる高校はどうやって探せばいいのでしょうか?
英検で優遇される高校の見つけ方は…
- 【公立】自治体のホームページをチェックする
- 【私立】高校のホームページをチェックする
- 中学校・塾の先生に教えてもらう
といった方法が一般的ですね。
また、英検のホームページで検索することもできます。
「英検・TEAP・IELTS 活用校検索」では、英検を入試に利用している大学や高校を探せます。
- 都道府県を選択
- 学校活用:「高校」を選択
- 入試区分:一般/推薦/帰国生を選択
- 活用検定:英検級を選択
- 活用方法:出願資格・出願優遇/得点換算・試験免除/加点/判定優遇・合否参考
などにチェックを入れて検索します。
すると、英検を入試で活用している高校がピックアップされます。
英検側も、英検を利用してほしいので、英検利用できる高校をアピールしているわけですね。
私も使っています
いつまでに合格しておくべき?
英検はいつまでに合格しておくといいでしょうか?
英検に合格しておくのは…
中学3年生の2学期(英検第2回)
までがおすすめです。
英検は年に3回実施されますが、英検第3回は3学期になってしまいます。
3学期に英検を受けると、高校の出願に間に合わないorギリギリになってしまうことがあります。
また、入試直前期は、5教科の磨き上げが大切です。
英検の対策をしている余裕はないでしょう。
2学期におこなわれる英検第2回までに、目標の級を合格しておきたいですね。
英検合格に向けた勉強法
次に、英検を合格するための勉強方法をチェックしておきましょう。
中学生が英検を合格するには…
- その級の全体像を知る
- 英単語を覚える
- 英文法を予習する
- 読解のコツを学ぶ
- リスニングの「耳」を鍛える
- ライティングは添削してもらう
- スピーキングの練習をする
- 過去問で力試しをする
という方法が一般的です。
1つ1つ見ていきましょう。
その級の全体像を知る
4技能の勉強を始める前に、受検する級の全体像をチェックしておくと、対策が立てやすくなります。
塾で「英検対策講座」などが開講されている場合には、受講してみるといいでしょう。
自分で取り組むのであれば「ひとつひとつわかりやすく」シリーズがおすすめです↓
上のリンクは準2級用ですが、それぞれの級でリリースされています。
まずは、どんな問題が出題されて、どんな勉強したらいいのかを知ることは大切です。
英検は年に3回実施されます。
ですので、実施に合わせて、3~4か月を対策の期間にするといいでしょう。
定期テストや部活もあって忙しいやろうけど
英単語を覚える
英検を受ける上で、最優先で身につけなければならないのが「英単語」です。
「読む・書く・聞く・話す」は、どれも英単語が基礎になっています。
語彙(ボキャブラリー)は「武器」です!
知っている単語が多い=読みやすい・解きやすい
知っている言葉が少ない=読みにくい・解きにくい
ですよね。
最優先して、英単語を覚えるようにしましょう。
英検の英単語対策として、使いやすいのが「でる順パス単」シリーズです↓
その級で出てきやすい英単語や熟語を網羅してくれています。
アプリを使って、リスニングしながら「耳」で覚えるのも効果的です。
上のリンクは準2級用ですが、それぞれの級でリリースされています。
英単語の覚え方について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
英文法を予習する
英単語を覚えながら、他の分野の対策も進めていきましょう。
英単語の次に取り組みたいのが、「英文法」です。
4・5級までは、それほど文法を意識しなくても合格できる子も多いです。
ただ、3級以上になると、ライティングと2次試験(スピーキング)が増えるので、ある程度の文法力を身につけておく必要があります。
もちろんリーディングやリスニングでも、文法力は大切ですね。
マークシートだけやったら、文法を知らなくても、なんとかなりそうやってんけどな…
自分の学年よりも上の級を受ける場合、英文法を「予習」する必要があります。
さきほど紹介した「ひとつひとつわかりやすく」シリーズで、重要単元を知っておくといいでしょう。
もし、本格的に英文法を先取りしたい場合には、「英文法パターンドリル」シリーズもおすすめです。
「英文法パターンドリル」は、1つの単元を「Q1選択問題→Q2並べかえ問題→Q3英作文問題」の順で、じっくりトレーニングできます。
「骨太な文法トレーニングをしたい」「時間に余裕がある」という受検生は、取り組んでみるといいでしょう。
上のリンクは、高校英文法バージョンなので、準2級・2級対策に使えます。
他にも、中1・中2・中3・中学全学年バージョンもリリースされています。
なお、5級=中1相当、4級=中2相当、3級=中3相当ですので、お子様に合った内容を選べます。
英文法の勉強法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
読解のコツを学ぶ
英検では、メールや文章に関する、読解問題が出題されます。
読解の基本についても、さきほど紹介した「ひとつひとつわかりやすく」シリーズなどで学んでおくと、過去問に取り組みやすくなります。
5級・4級あたりまでは、英単語を知っていれば、なんとなく正解を選択できる子もいます。
ただ、級が上がってくるにつれて、別の表現に言い換えられるなど、文法力も求められます。
読解のテクニックを学ぶことは大切ですが、その土台である英単語と英文法を学んでおくことが前提です。
英検用のテクニックではありませんが、一般的な長文読解の勉強法については、こちらの記事をどうぞ↓
リスニングの「耳」を鍛える
英検では、対話やスピーチに関する、リスニング問題が出題されます。
リスニングについても、さきほど紹介した「ひとつひとつわかりやすく」シリーズなどで学んでおくと、過去問に取り組みやすくなります。
ただし、音源を「聞き流す」だけのリスニング練習は、あまり効果がありません。
英単語と英文法を理解できている文を、聞き取れることが大切です。
やはり知らない英単語、知らない英文法ばかりでは、聞き取ろうとしてもわからないでしょう。
リスニングでも英単語と英文法が土台になりますね
そのためには「リスニングありの音読」がおすすめです。
ただ聞くだけでなく、音源の発音をマネて、音読してみましょう。
自分が発音できる音は、聞き取りやすい音でもあります。
リスニングや音読の勉強方法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
ライティングは添削してもらう
3級以上には、ライティング(英作文)のテストがあります。
- 自分の意見とその理由
- メールへの返信
- 要約
など、状況に応じた単語力・文法力が求められます。
どんな問題が出題されて、どのように英作文を書けばいいのかは、さきほど紹介した「ひとつひとつわかりやすく」シリーズなどで、予習しておくといいですね。
ただ、書き方がわかったとしても、ライティングの練習は独学では難しいでしょう。
文法のミスは、自分では気づきにくいからです。
三単現のsをよく忘れるし、単数名詞・複数名詞とか、ややこしいやん…
ですので、ライティングは、英語にくわしい人に添削してもらったほうが良いです。
過去問などで英作文したら、中学校の先生や、塾の講師に英作文をチェックしてもらいましょう。
指摘されたミスは、次のライティングで修正して、ブラッシュアップできます。
身近に添削できる人がいない場合には、個別指導や家庭教師を短期的に利用するのもありです。
その場合、英語や英検に詳しい講師をリクエストするようにしましょう。
スピーキングの練習をする
3級以上では、1次試験(筆記)に合格すると、2次試験(スピーキング・面接)があります。
2次試験の内容は、
- 文章を音読する
- その文章に関する質問に答える
- イラストを見て表現する
- 自分の意見を述べる
というものです。
出題の形にあわせた、単語力・文法力が求められます。
スピーキングも、ライティング以上に、独学が難しい技能です。
頭では理解している文法でも、いざ話そうとすると、気づかぬうちにミスしてしまいますよね…
進行形なのにbe動詞が抜けたり、過去形にし忘れたり、冠詞が抜けたり、複数形にし忘れたり…
ですので、スピーキングも、英語に詳しい人に聞いてもらいアドバイスをもらうといいでしょう。
中学校の先生や、塾の講師に、模擬面接してもらうのが一般的です。
過去問などを利用して、英語で質問してもらい、英語で答えます。
模擬面接のあとフィードバックしてもらい、表現を磨いていきましょう。
動画などを見て面接のシミュレーションをすることもできます。
ただ、面接の緊張感を味わうためにも、誰かを相手に模擬面接をして慣れておくのがおすすめです。
筆記試験よりも面接の方が緊張するやん…
身近に、スピーキングをチェックしてくれる人がいない場合には、家庭教師などを短期で利用してもいいでしょう。
その際、英語や英検に詳しい講師をリクエストするようにしましょう。
過去問で力試しをする
上記のそれぞれの分野の勉強を進めながら、過去問にも取り組んでみましょう。
過去問を解くことは、次の目的・メリットがあります。
- 出題傾向がわかる
- 自分の課題が見える
- 戦略が立てられる
特に、自分の弱点が見つけることは大切ですね。
自分の課題が見えたら、その弱点を克服するトレーニングをしていきましょう。
旺文社の過去問集は過去6回分の過去問が収録されています。
上のリンクは、準2級用ですが、もちろん各級の過去問が出版されています。
試しに解いてみたり、仕上げに解いてみたりして、試験に慣れておきましょう。
各級の対策方法やおすすめ教材
ここまで英検全体の勉強法を紹介してきましたが、各級の対策方法やおすすめ教材については、各級用の記事リンクを用意しました↓
気になる級がある場合には、ご覧ください。
<5級>
<4級>
<3級>
<準2級>
<2級>
<準1級>※記事を作成し次第リンクします
まとめ:英検を利用した高校受験について
英検を利用した受験が増えてきています。
英検を利用することで、有利に高校受験を進めることができますね。
また、どうせ英語の勉強はしなければならないので、英検を受けておいても損はありません。
というより、一石二鳥ですね
英検も活用しつつ、高校受験を乗り越えてくださいね!