こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
うちの子、中学受験に向いてるかしら…
中学受験した方がいいのかな…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 中学受験に向いている子の特徴
- 「〇〇な子は中学受験に向いている」という通説は正しいのか
- 中学受験をしたほうがいい子の特徴
がわかります。
「将来の夢に向かって勉強できる子が、中学受験に向いている」
「負けず嫌いな子は、中学受験向き」
などと、よく耳にしますが、本当でしょうか?
そんな説を検証してみましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
【こんな子は伸びる!】中学受験に向いている子の特徴は?
まず、先に結論を書いておくと…
「中学受験に向いているか向いていない」かは、あまり考えなくてもいい
と私は考えています。
なぜなら、子どもたちは中学受験の勉強を通して、変化し、成長するからです。
ある時点では「うちの子、中学受験ムリかも…」と感じられるかもしれません。
でも、中学受験を終えてみれば、ずいぶんと精神的におとなになった感じることが多いものです。
多くのお母様・お父様が、そのようにおっしゃいます
ただ、これまでたくさんの小学生を担当してきて、中学受験に向いているか向いていないかというよりも、「この子は伸びる!」と感じる子どもたちがいました。
そのような中学受験に有利だと私が感じる子たちの共通点は…
- 数字の感覚がある
- 言葉の感覚がある
のたったの2つだけなんです。
1つずつ掘り下げて見ていきましょう。
※中学受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
数字の感覚がある
まず、中学受験の勉強を始めるときに有利だと感じるのが、「数字の感覚」がある子です。
ある程度のスピードで、正確に計算ができる子は、中学受験の算数の下地ができています。
中学受験の算数では、「つるかめ算」や「ニュートン算」のような中学受験独特の「古典算(特殊算)」が有名ですよね。
また、いくつかの図形を組み合わせた「複合図形」や、水の量とグラフの融合問題なども定番です。
このような中学受験独特の問題を解くには、塾で学ぶような知識やテクニックが必要になってきます。
でも、計算が正確にできなければ、せっかくの知識やテクニックが空回りしてしまうでしょう。
- せっかく式を作れたのに、答えが合わない…
- 計算に苦戦しているうちに、そもそも何を求めていたのか迷子になってしまう…
こんなことが起こりえます。
計算力が備わっていれば、塾で知識やテクニックを学んだときに、身につけやすくなるでしょう。
それに、計算に労力を割かずに、考えることに脳の容量をまわすことができます。
また、計算以外にも「数字の感覚」は大切です。
え?
「数字の感覚」って、「計算力」だけちゃうんか?
「数字の感覚」は数字を見たときに、「何かを感じ取る」力だと言えます。
たとえば、計算を解いているときに…
0.375は、分数で表すと8分の3だったっけ…
もう少し約分できそうな気がする…
というように、数字への嗅覚が働く感じでしょうか。
計算の工夫もしやすくなります。
また、いわゆる文章問題や図形の問題を解いているときにも…
この数字とこの数字の公約数があやしい…
時速250kmって答えが出たけど、そんな自転車あるわけないよな…
食塩水の濃度を計算したけど、75%ってありえないな…
というように、数字から違和感を感じ取ったり、ヒントをつかみ取ったりすることもあります。
もちろん計算力を高めていくうちに、自然と「数字の感覚」が身に付いていくことが多いです。
中学受験の勉強を始めてから、計算トレーニングをスタートすることもできます。
ただ、中学受験の勉強を始める前に、計算力を高めて、数字の感覚をある程度身につけておくことで、中学受験の算数にスムーズに入っていきやすいでしょう。
言葉の感覚がある
数字の感覚があれば、中学受験の算数にスムーズに入っていきやすいと、さきほど書きましたが、それだけで算数が楽々で身に付くわけではもちろんありません。
次に必要になってくるのが、「言葉の感覚」です。
たとえば、こんな算数の問題があったとしましょう。
[問題]3をN回かけてできた数字の1の位を、3☆Nと表すとします。たとえば、3☆3=7です。3☆50はいくらか求めなさい。
きちんと問題文を読めていない小学生は…
え?Nって何?
3☆3って、3+3?3×3?
なんで7になるの?
と、問題文で書かれている内容が理解できずに、お手上げになってしまいます。
算数の例を挙げましたが、理科でも社会でも、問題文に書かれていることが読み取れない可能性があります。
- 何が問われているのかわかっていない…
- 問われていることと違うことを答えている…
書かれている内容を読み取れないと、各教科に影響を及ぼします。
「言葉の感覚」ができていないと、もちろん国語の読解問題でも苦労します。
そりゃ、言葉の感覚がないと、文章を読まれへんわな
「言葉の感覚」は、いわゆる「読解力」よりも、広い意味です。
- 語彙力(ボキャブラリー)
- 漢字の読み書き
- 論理の力
- 一般常識
- 経験
文章の読み取りに必要なこれらの力をまとめて、「言葉の感覚」と私は呼んでいます。
ただ、もちろん小学生は常に発展途上。
知らない言葉や世界があって当然です。
でも、小学4年生の段階で、語彙力(ボキャブラリー)や経験に大きな差がついているのも事実なんです。
「言葉の感覚」が豊かなほど、文章が読みやすいものです。
逆に「言葉の感覚」が育っていないと、文章は読みにくくなってしまいます。
知っている英単語が少なければ、英文が読みにくいのと同じです
私が担当してきた小学生も、文章の内容を読み取る力がある子は、「言葉の感覚」が豊かです。
「言葉の感覚」がある程度備わっている場合には、中学受験の勉強を始めたときに、良いスタートが切れるでしょう。
※語彙力アップのおすすめ問題集・サービスに関する記事はこちらです↓
「〇〇な子は中学受験に向いている」説を検証してみた
私が考える「中学受験に有利な小学生の特徴」は、たった今紹介した2つだけです。
でも、世間では「〇〇な子は中学受験に向いている」という説がいろいろ出回っています。
よく言われる「中学受験に向いている」説は…
- 自己管理ができる子
- 夢や将来やりたいことなどの目標がある子
- 勉強が得意な子
- 負けず嫌いな子
あたりでしょう。
ただ、このような説は一度疑ってみた方がいいと、私は思っています。
そこでこれらの定説が正しいのかどうか、プロ家庭教師の目線で検証してみたいと思います!
説1.自己管理ができる子
まず「自己管理ができる子は中学受験に向いている」説について考えてみましょう。
確かに、自分で勉強を管理できる子なら、中学受験の学習はある程度スムーズに進むでしょう。
ただ、自己管理して勉強できる小学生が、実際にどれだけいるでしょうか?
そんなスーパー小学生なんて、なかなかいません。
実際には、お母様・お父様が勉強の管理をしてくださっているご家庭がほとんどです。
おとなでも自分で勉強の管理するのは難しいやん
小学生だけに勉強を任せてしまうと、効率が悪いだけではありません。
ヘタをすると、宿題をしない、宿題の答えを写すだけ、なんてことになる場合がほとんどです…
ですので、「うちの子は自己管理できないから中学受験なんて無理かも…」なんて思わなくても大丈夫です。
むしろ、中学受験において、勉強内容を管理できるかどうかは、お母様・お父様にかかっています(笑)
※答えの丸写しの対処法について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
説2.夢や将来やりたいことなどの目標がある子
次に「夢や将来やりたいことなどの目標がある子は、中学受験に向いている」説について見てみましょう。
確かに、夢ややりたいことがあった方が、モチベーションを高く保てるでしょう。
でも、夢や将来やりたいことを見すえて勉強できる子って、どれだけいるでしょうか?
これまたそんなに多くはありませんよね。
将来やりたいこととか夢ってあるん?
と、子どもたちによくたずねますが、ほとんどの場合…
特にないで
と言われます。
むしろ、将来の夢が決まってなくて当然です。
大学生でも就職活動のときに、悩んでいるくらいなんですから。
ですので、「うちの子、将来の夢なんてないから中学受験に向いてないかも…」なんて、思わなくて大丈夫です。
むしろ、中高一貫の6年間で、自分と向き合い、進みたい道を模索すると考えた方がいいでしょう。
中高一貫校に通うメリット・デメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
説3.勉強が得意な子
次に、「勉強が得意な子が中学受験に向いている」説を検証してみましょう。
そりゃ確かに、勉強が得意な方が、中学受験に向いてはいるでしょう。
ただ、勉強が得意な子や、教科のバランスが良い子は、高校受験でもじゅうぶんに勝負できます。
高校受験は英・数・国・理・社の5教科勝負。
内申点も取れていて難関の公立高校を狙うなら、副教科も含めたオールラウンダーが有利です。
むしろ、中学受験した方が良いのは…
- 勉強が苦手な子
- 教科による凸凹が大きい子
です。
勉強が苦手な子の場合、地元の公立中学校に進学すると、埋もれてしまうことがよくあります。
でも、私立の中学校なら、公立の中学校よりも手厚くサポートしてくれることがあります。
勉強が苦手だからこそ、中学受験をして、環境を整えてあげるのも1つの手です。
実際、そのようなご家庭はかなり多いです
また、中学受験なら、高校受験に比べて、少ない教科数で勝負できます。
たとえば、関西の中学受験では…
- 算・国・理・社の4科型
- 算・国・理or社の3科型
- 算・国の2科型
のいずれか高い点数の採用して、選抜してもらえる学校も多くあります。
つまり、理科が苦手でも、算・国・社で合格できる。
社会が苦手でも、算・国・理で合格できます。
教科による凸凹が大きい、つまり、得意と不得意の差が大きい子も、むしろ、中学受験に向いているわけです。
中学受験と高校受験の比較について、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
説4.負けず嫌いな子
次に、「負けず嫌いな子は中学受験に向いている」説について考えてみましょう。
大手の中学受験塾では、テストの結果によってクラス分けされます。
成績の順位を貼りだす塾も多いでしょう。
確かに負けず嫌いな子は、塾という環境で切磋琢磨しやすいでしょう。
オレは人と競い合うなんて、イヤやわぁ。
マイペースに生きたいやん。
では、マイペースな小学生は、中学受験に向いていないのでしょうか?
そんなことはありません。
大手塾ではなく、地元の小さな塾で、ゆっくりと学んでいる子もいます。
家庭教師や個別指導などを利用して、その子のペースに合わせた学習をしているご家庭もいらっしゃいます。
実際、塾に通わず、私(家庭教師)の指導だけで中学受験する子もいます
そして、その子のペースに合わせた学校を選び、合格しています。
つまり、子どもが塾に合わせるのではなく、子どもに合った勉強方法を見つけるのが大切ということです。
競い合う大手塾に入ることが、中学受験の登竜門だと考えられがちです。
でも、塾はあくまで1つの手段にすぎません。
実際には、中学受験の対策をする方法はいくらでもあります。
おとなが思う以上に子どもは成長する
ここまで中学受験にまつわるいろいろな説を検証してきましたが、「〇〇だから中学受験に向いている・向いていない」ということを、あまり考える必要はないと、私は考えています。
おとなが思っている以上に変化し、成長するからです。
うちの子、中学受験に向いてないかも…
なんてはじめは思っていても、中学受験の勉強を通じて、変わっていくものです。
自己管理できないと思っていた子が、自分でてきぱき勉強し始める…
急に志望校が決まって、モチベーションが上がる…
マイペースだと思っていたのに、悔し涙を流す…
中学受験が終わってみれば、ひとまわり精神的に大きくなった姿を目にすることがよくあります。
おとなが勝手に考える「枠」に、子どもをあてはめてはいけないんですよね。
「三つ子の魂百まで」
私はこのことわざを信じていません。
中学受験に向いているかどうかよりも、「何のために中学受験をするのか」の方が大切ですね。
※関西圏の中学受験塾を比較した記事はこちらです↓
中学受験した方がいい子の特徴は?
ここまで「中学受験に向いているかどうか、有利かどうか」について考えてきましたが、むしろ「中学受験をした方がいい子」は、どんな子なのでしょうか?
中学受験をしておいた方がいい子は…
地元の公立中学校では埋もれてしまいそうな子
です。
どういうこと?
もう少しくわしく見ていきましょう。
※中学受験をするか迷っているかたは、こちらの中学受験のメリットとデメリットに関する記事もどうぞ↓
中学受験よりも高校受験の方が不確定要素は多くなる
地元の公立中学校から高校受験を目指す場合、中学受験をするときよりもハードルが増えます。
たとえば…
- 英語が主要な教科になる
- 3年間で計15回の定期テストで点数が内申として評価される
- 授業態度や提出物も内申に含まれる
- クラブ活動が活発になる
などです。
特に公立のトップ高校を受験するには、副教科も含めたオールラウンダーでなければなりません。
公立の難関高校に合格するのは、秀才型の子が多いんです
また、思春期も迎えますし、親への反抗も強くなる時期ですよね…
つまり、高校受験の方が不確定要素が多いと言えます。
でも、中学受験なら高校受験ほど複雑ではありません。
- いわゆる内申点は不要
- 少ない教科数で勝負できる
だんだん反抗的になりつつあるとはいえ、中学生に比べると、まだ親が手伝いやすい年頃です。
学校のクラブ活動もそこまで盛んではなく、習い事なども整理しやすいのではないでしょうか。
地元の公立中学校では埋もれてしまいそう子は中学受験をした方がいい
なので、地元の公立中学校では埋もれてしまいそうな子ほど、中学受験をした方がいいと、私は考えています。
具体的には、さきほどご紹介したように…
- 勉強が苦手な子
- 教科による凸凹が大きい子
などは、中学受験をした方がいいでしょう。
一般的に、私立の中学校の方が、地元の公立中学校よりも、サポート体制が整っている場合が多いです。
勉強が苦手だからこそ、私立の中学校で手厚く勉強を見てもらった方がいいでしょう。
難関の中学校でないなら、それほどハードなカリキュラムではありません
また、さきほど公立のトップ高校を受験するには、秀才型のオールラウンダーが有利だと書きました。
もちろん中学受験でも、教科のバランスが良いにこしたことはありません。
でも、中学受験では、教科による凸凹が大きい、つまり、得意・不得意や好き嫌いが激しい子でも、じゅうぶんに戦えます。
算・国・理・社の4教科が主流ですが、算・国2教科などで受験できる学校もあるからです。
関西では、灘中学校を筆頭に、算・国・理の3教科で受けられる学校も多くあります。
これからは、英語を利用した中学受験も、どんどん増えていくでしょう。
だからこそ、中学受験では「得意・好き」をどんどん伸ばしてあげるのがおすすめです。
苦手な国語をどうにかしたい…
ついつい苦手教科に目がいってしまいがちですが、好きな教科をとことん伸ばして、逃げ切るのもアリです。
得意な教科がある子は、中学受験では強いですよ。
※関西の中学受験で、社会が捨てられがちな件については、こちらの記事をご覧ください↓
まとめ:中学受験に向いている子&した方がいい子の特徴は?
結論から言えば、「〇〇な子は中学受験に向いている」と考える必要はあまりありません。
中学受験の勉強に取り組む中で、子どもは変化し、成長するものだからです。
また、向いているかどうかよりも「何のために中学受験の勉強をするのか」の方が大切ですね。
それでも、中学受験に有利なのは…
- 数字の感覚がある子
- 言葉の感覚がある子
だと私は考えます。
これらの感覚が備わっていれば、中学受験の勉強にスムーズに入っていきやすくなります。
ただ、数字の感覚も言葉の感覚も、中学受験の勉強を通して身に付いていく部分もあります。
スタート地点はどうあれ、そのときそのときにベストを尽くして、中学受験の学習に取り組むことが大切ですね!