こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。
社会って暗記するだけじゃないの?
でも、うちの子、社会が苦手…
そのようにお悩みのお母様・お父様も多いのではないでしょうか?
今回の記事では…
- 社会の定期テスト対策の心構え
- 社会の定期テスト対策の勉強方法
- おすすめのテスト対策スケジュール
がわかります。
社会は味方にすると、得点が安定する頼もしい教科です。
しっかりと対策をして、定期テストに臨みましょう!
元塾講師・プロ家庭教師として、のべ1000人以上を担当してきたノウハウをお伝えします
社会の定期テスト対策 3つの心構え
社会の定期テストに向けた勉強方法をお伝えする前に、定期テスト対策の「心構え」をお話しておきたいと思います。
なぜなら、定期テスト対策の「考え方」が、勉強方法、そして、点数に大きく影響するからです。
社会の定期テスト対策の心構えは…
- 単なる暗記教科と侮るなかれ
- 社会の定期テストは準備がすべて
- 定期テスト対策が入試につながる
の3つです。
1つずつ掘り下げて見ていきましょう。
※高校受験合格へのロードマップは、こちらの記事をご覧ください↓
単なる暗記教科と侮るなかれ
社会は暗記するだけだから、テスト直前に勉強すればいい
そのように考えている中学生も多いものです。
でも、社会を甘く見ている中学生ほど、社会の点数を取れていないものです。
中学校の社会では、地理・歴史・公民ともに、細かい知識が出題されます。
ですので、いわゆる「一夜漬け」では、間に合わないことがよくあります。
また、テスト直前に丸暗記した知識は、テストが終わってから忘れやすいもの…
知識を覚えるときには、ストーリー(因果関係)を理解した上で暗記することを心がけましょう。
ストーリーをからめて覚えることで、記憶が残りやすくなります。
社会の暗記法・勉強法について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓
社会の定期テストは準備がすべて
とはいえ、きっちりと知識を覚えることができれば、社会は点数を取りやすいのも事実です。
逆に、知識を覚えきれていあい場合には、テスト本番は手も足も出ません。
そもそも頭に入っていない知識を、アウトプットすることはできません。
「ない袖は振れぬ」ってやつやな
つまり、社会の定期テストは「準備がすべて」だと言えます。
テスト対策の段階で、知識を頭に入れる(インプット)。
そして、知識を頭から出せるようにしておく(アウトプット)。
テスト本番は、頭に入っている知識を披露するだけ!
テストが始まった瞬間に勝負はついている、と言ってもいいでしょう。
定期テストで高得点を取っている子は、点数を取るコツを知っています。
定期テスト対策全体の心構えについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
定期テスト対策が入試につながる
また、定期テストが高校入試につながっていることも意識しておきましょう。
これには2つの意味があります。
それは…
- 定期テストの成績が内申に直結する
- 定期テスト対策で学んだ内容が入試でも出題される
ということです。
公立高校の入試では、中学校での内申(調査書)も評価されます。
その内申点は、主に定期テストの点数によって決められます。
ということは、定期テストの点数が、高校入試に影響を与えるということです。
また、特に社会の場合、定期テスト対策として覚えた知識が、そのまま高校入試の問題として出題されることがあり得ます。
逆に言えば、範囲が決まっている定期テストでさえ点数が取れないなら、範囲が決まっていない高校入試では戦えない、ということです。
定期テスト対策にきちんと取り組むことが、高校合格に直結することを知っておきましょう。
内申点の大切さ、内申点の上げ方について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓
社会の定期テスト対策 5ステップ
ここからは、具体的な社会の定期テスト対策の方法を見ていきましょう。
社会の定期テストに向けた勉強方法は…
- 用語をストーリー(因果関係)で理解する
- 一問一答形式ですらすら答えが言える
- 一問一答形式ですらすら答えが書ける
- 練習問題でアウトプットのトレーニングをする
- 実力問題は対策しない
の5つのステップを踏むといいでしょう。
1つずつくわしく見ていきましょう。
※「中学3年生からでも社会は間に合う説」については、こちらの記事をどうぞ↓
用語をストーリー(因果関係)で理解する
まず、基本用語を知っておかなければなりません。
読み方や意味がわからない漢字や英単語は、覚えにくいですよね。
同じように、社会の用語も、読み方や意味を理解するところから始めましょう。
そのときに大切なのが…
用語をストーリー(因果関係)で理解する
ことです。
歴史はストーリーがはっきりしていますね。
<奈良時代>
疫病・飢饉・大地震・反乱で社会が不安
→聖武天皇はなんとかしようと都をころころ変える
→東大寺の大仏・国分寺・国分尼寺を作る
→遺品は正倉院に収められる(天平文化)
→僧の力が強まる
というように、単に「聖武天皇」「東大寺」「正倉院」「天平文化」とバラバラに暗記するよりも、ストーリー(因果関係)を通して用語を理解していきます。
その方が、用語と用語につながりが生まれ、覚えやすくなります。
また、忘れにくく、記憶に残りやすくなるでしょう。
歴史ほどストーリーがはっきりしてはいませんが、地理・公民も同様です。
<九州地方>
九州は桜島など火山が多い
→シラス台地の土壌は火山灰
→水はけがいい(保水性が低い)
→米作りに向かない
→畑作(さつまいも・茶)や畜産(豚など)が盛ん
というように、地理・公民でも、因果関係をとらえると、覚えやすくなるでしょう。
ストーリー(因果関係)を理解するのに使えるのが…
- 学校の教科書
- 先生のプリント
- 板書ノート
です。
問題集などの解説ページは箇条書きになっており、意外とストーリーが見えにくいものです。
でも、特に学校の教科書ならば、ストーリーが仕立てで書かれています。
ですので、因果関係がつかみやすいでしょう。
「文章を読むのが苦手…」という中学生の場合には、目だけでなく、耳も使って学ぶといいでしょう。
YouTubeなど動画を見たり、塾の先生・家庭教師に語ってもらうのもオススメです。
資料集を見てビジュアルで理解する
また、資料集などを活用して、ビジュアルで理解するのは大切です。
さきほどの奈良時代の例であれば、資料集で「大仏」や「鑑真像」、「正倉院」や収められている品々を目で見て理解します。
文章で読むよりも、写真やイラストを見た方が、理解が深まります。
「百聞は一見に如かず」ってやつやな
学校の教科書や資料集を侮るなかれ!
社会科の各分野の勉強法について、くわしくは下記のリンクをご参照ください↓
<歴史>
<地理>
<公民>
一問一答形式ですらすら答えが言える
教科書や資料集を通して、基本的な用語を知ったら、次には「覚える」練習をしていきます。
その際、やってはいけない勉強法があります。
それは…
- 見るだけ
- 蛍光マーカーで線を引くだけ
- ノートに写すだけ
- 答えを写すだけ
- 提出するだけ
という形だけです。
私はこのような形だけの勉強を「だけ勉」と呼んでいます。
「だけ勉」は頭を使っていない、ただの「作業」です。
やらないよりはマシかもしれませんが、効果が薄い勉強方法です。
「だけ勉」をしている場合には、すぐにやめましょう。
では、どうやって覚えたらいいのかというと…
自力で答えられるトレーニングをする
必要があります。
テスト本番は、答えや解説ページを見ながら、問題を解くことはできません。
ですので、テスト対策の段階でも、答えや解説ページを見ずに、自力で解けることを確認しておかなければなりません。
そのトレーニングにピッタリなのが「一問一答問題」です。
「一問一答問題」とは…
(1)九州南部に広がる火山灰の大地を何といいますか。【答】シラス台地
というような、問題と答えが一対一で対応している基本問題ですね。
まずは、この一問一答形式で、「答えをすらすら言える」ことを目指します。
はじめは答えや解説ページを見ても構いません。
でも、最終的には、答えや解説を見ずに、自力ですらすら答えが出てくるように仕上げていきましょう。
このステップが1番しんどいかもしれません…
でも、ここを乗り越えると、一気に楽になりますよ!
まずは、学校の問題集やプリントを利用して、重要語句を覚えていきましょう。
ただ、中学校の教材が少ない場合には、市販の教材も使ってトレーニングするといいでしょう。
中学社会におすすめ問題集・参考書は、こちらの記事をご覧ください↓
暗記ペン・赤したじきなどの暗記グッズも活用する
ただ、答えがわからないときに、解答集をめくるのは面倒くさいですよね…
そんなときには、問題集の解答欄にオレンジ色のペンで答えを書き込んでおきます。
そして、赤したじきでかぶせると、オレンジ色で書いた文字が消えます。
また、緑色のマーカーで、教科書の重要語を塗りつぶします。
そして、また赤したじきでかぶせると、緑色で塗った文字が黒く見えなくなりますね。
ご自身でも使っていたお母様・お父様も多いでしょう
こういった暗記ペン・赤シート・暗記マーカーのような暗記グッズも上手に使って、さくさく答えを言えるようにしていきましょう。
一問一答形式ですらすら答えが書ける
「すらすら答えが言える」ようになったら、今度は「すらすら書ける」練習をしていきます。
さきほどのステップで「すらすら言える」ところまで仕上げていれば、あとは漢字の練習をするだけです。
書けるつもりでも、意外とかけない漢字も多いもの…
このステップで、漢字を書けるようにしあげておきます。
なぜ、「言える」と「書ける」という2ステップに分けるのでしょうか?
それは…
脳の負担を軽くするため
です。
もし「すらすら言える」トレーニングを積んでいなかったら、頭の中では2つのステップを同時にこなさなければなりません。
えーっと、承久の乱を起こしたのは、ゴトバ上皇だったけ?
それともゴダイゴ天皇だったかな…
というか漢字もわからん!
これでは、なかなか勉強がはかどりません。
でも「承久の乱=ゴトバ上皇」だと、すらすら言える練習ができていれば、あとは「後鳥羽上皇」という漢字を覚えるだけです。
漢字が得意な中学生なら、特に時間がかからないでしょう。
漢字が苦手な中学生にも、先に「すらすら言える」ようにしておくのはオススメです。
もしテストで漢字指定でなければ、ひらがなでも正解になります。
ですので、まずは重要語を「言える」ことが大切ですね。
練習問題でアウトプットのトレーニングをする
さあ、一問一答形式の基本問題を、すらすら書けるようになったら、今度は練習問題を解いていきましょう。
テスト本番は、シンプルな一問一答形式で出題されるとは限りません。
違った角度から、覚えた知識をアウトプットできるかが問われます。
学校で問題集・問題プリントが配られている場合には、まずは学校の教材を優先させましょう。
その上で、塾で配られている教科書準拠の問題集(塾専用教材)や、市販の教材で「おかわり」するといいでしょう。
定期テストを作るのは学校の先生です。
まずは学校の教材をマスターするのが先決!
練習問題を解くときにも、答えや解説を見ながら解いてはいけません。
テスト本番と同じように、あくまで「自力で解ける」ことを目指しましょう。
というよりも、「すらすら書ける」トレーニングがでいていれば、練習問題はかなり解けるようになっているはずです。
また、まちがった問題は、そのまま放っておかないようにしましょう。
まちがった問題=伸びしろ
です。
テスト本番では、まちがえないように、覚え直しておきましょう。
逆に練習でまちがっておいてよかったやん
ただ、あまりにも苦手意識が強い場合には、独学が難しいかもしれません。
その場合には、塾や家庭教師などを利用して、理解&暗記をサポートしてもらうといいでしょう。
集団塾・個別指導それぞれのメリット・デメリットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください↓
実力問題は対策しない
学校の先生によっては、中3で実力問題を出題する場合があります。
ただ、実力問題については「対策しない」と決めておきましょう。
実力問題は、何が出題されるのかわかりません。
何か対策したい気になりますが、範囲が決まっている他の単元や他の教科に時間を割いたほうが効率的です。
※拙著『保護者のための「中学生の勉強法」』はこちら↓
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おすすめの社会の定期テスト対策スケジュール
次に、定期テスト対策のスケジュールも考えてみましょう。
基本的には、2週間前くらいからテスト対策を始めることをおすすめしています。
学校でテスト範囲が発表されるのは、だいたいテスト1週間前です。
ただ、テスト範囲表が出てから対策を始めていては、間に合わないことがほとんどです。
ですので…
- 【2週間前】暗記の下準備をする
- 【1週間前】すらすら言える・書ける・問題演習・まちがい直し
- 【前日・当日】まちがいやすいポイントを覚え直し
というように、余裕を持って、テスト対策に取り組むことが大切です。
もう少し掘り下げて、流れを見ておきましょう。
【2週間前】暗記の下準備をする
まだテスト範囲は発表されていませんが、出題されそうな範囲から準備を始めます。
まずは、教科書やノート・プリントを使って、ストーリー(因果関係)をつかみましょう。
また、暗記の準備をしておくと、あとで効率的に覚えやすくなります。
- 問題集にオレンジ色の暗記ペンで答えを書き入れる
- 教科書の重要語に緑色の暗記マーカーで線を引く
このように下準備をしておけば、スムーズに勉強に入っていけるでしょう。
【1週間前】すらすら言える・書ける・問題演習・まちがい直し
1週間前に入ると、具体的な「覚える」トレーニングに入っていきます。
ステップは先ほどお伝えした通り…
- 答え・解説を見ずに、一問一答形式で答えがすらすら言える
- 答え・解説を見ずに、一問一答形式で答えがすらすら書ける
- 練習問題でアウトプットする
- まちがった問題を当日までに解けるように覚える
という流れです。
テスト範囲表が発表されて、予想外の範囲が含まれることもあるでしょう。
でも、2週間前から準備をしておけば、急な変更にも対応しやすくなります。
授業の進度の関係で、テスト範囲って、けっこう直前に変更になりますよね
勉強計画表の作り方について、くわしくはこちらの記事もどうぞ↓
【前日・当日】まちがいやすいポイントを覚え直し
定期テスト前日や当日には、もう一度すらすら書けるかチェックするといいでしょう。
特に何度もまちがってしまう苦手な問題は、チェックをつけておき、テスト直前まで覚えるようにしましょう。
くれぐれもテスト直前に提出物に追われて、答えを写すだけという「だけ勉」におちいらないようにしてくださいね!
※他教科の定期テスト対策の方法については、こちらのリンクをご参照ください↓
<数学>
<英語>
<国語>
まとめ:社会の定期テスト方法
社会はきちんとステップを踏めば、得点が取りやすい教科です。
後回しにせず、しっかりと準備をして、定期テストに臨みましょう。
社会に対する苦手意識が強かったり、基本用語を理解するのが難しかったりする場合には、プロの力を借りるといいでしょう。
- 学校の先生
- 塾の講師
- 家庭教師
など、上手に活用しましょう。
みなさんが万全の状態で、社会の定期テストに臨めることを祈っています!
社会への苦手意識が強い場合には、個別指導や家庭教師を利用して、苦手を克服していきましょう。